作成日: 2025/3/13 更新日:2025/3/13
農芸化学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先、取得できる資格を徹底解説

「農芸化学って何を学ぶの?」
「農芸化学と農学の違いは?」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、そのような方に向けて農芸化学とは何を学ぶ学問であるのかについて詳しく解説しています。
この記事で学べることは以下の通りです。
- 農芸化学とはどんな学問なのか
- 農芸化学で学ぶこと
- 農芸化学が学べる大学
- 農芸化学を学んだ後の進路や就職先
- 農芸化学を学ぶことで取得できる資格
- 農芸化学と農学との違い
農芸化学とは何を学ぶ学問なのかが気になっている方、進路選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
全文で1万文字程度の長文になるので、当ページのポイントだけを知りたい方は、年内入試ナビの無料会員にご案内している以下のガイドをお受け取りください。 農芸化学のポイントガイドを受け取る
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
農芸化学とはどんな学問?

農芸化学とは、農学の一分野であり、農業と化学を融合させ、生命や食、環境について研究する学問です。
つまり、植物や動物、微生物などの生物や生物がもたらす食品や健康への効果などについて、化学的手法で探究します。
例えば、肥料の効率的な使用法の開発や発酵技術を活用した食品の風味向上などが農芸化学の研究成果として挙げられます。
さらに、持続可能な農業を支えるため、環境に優しい農薬や微生物を利用した土壌管理も重要なテーマです。
バイオテクノロジーとも深く関わり、作物の遺伝子工学やバイオ燃料の生産など、食糧やエネルギー問題の解決にも貢献しています。
このように農芸化学は、さまざまな生物の現象を化学的に解明することで農業の効率化や環境保護に寄与する学問です。
農芸化学では何を学ぶ?

農芸化学では何を学ぶことになるのでしょうか。
農芸化学の主な研究領域は、生命・食・環境に分けられます。
それらを研究するために、農芸化学では以下の領域について主に学びます。
- 食品科学
- 微生物学
- 植物科学
- 環境科学
それぞれについて見ていきましょう。
食品科学
食品科学は、農産物を安全で高品質な「食べ物」に変える過程や食品中の成分・栄養・機能性について研究する領域です。
食品の化学的組成や変化、美味しさや保存性、栄養と健康効果などを総合的に学びます。
食品科学では食糧の有効利用や食品の安全確保、新しい食品の開発につながる知識を身につけるために以下のような学問を学びます。
学問分野 | 詳細 |
|---|---|
食品化学 | 食品を構成する成分(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルなど)の化学構造と性質、および調理・加工中に起こる化学反応について学ぶ |
栄養学 | 食品中の栄養素(糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルなど)がヒトや動物の体内でどのように消化・吸収・代謝され、健康に寄与するかを学ぶ |
食品加工学 | 農産物を食品に加工するための技術と原理について学ぶ |
食品保存学 | 農産物や食品を劣化させずに安全に長期間食品を保存する原理と技術について学ぶ |
食品衛生学 | 食品の安全性確保を目的とし、食中毒や腐敗の原因となる微生物や有害物質について学ぶとともに、食品に起因する公衆衛生上の問題について学ぶ |
食品分析学 | 食品中の成分を定性・定量的に測定する手法を学ぶ |
分析化学 | 農産物や食品に含まれる成分を正確に測定する技術や機器の使い方を学ぶ |
これらの学びを通じて、食品科学分野では「安全でおいしく栄養価の高い食品」を科学的に追求するための知識を身につけます。
これらは、新規食品の開発や食品の機能性成分の研究、食品加工プロセスの改良などにつながります。
食について学ぶ学問として食物学もあります。
以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
参考記事:食について学ぶ食物学とはどんな学問?
微生物学

微生物学は、細菌、酵母、ウイルスなどの微生物の形態や生態を研究し、それらの特性を活かした応用技術を探求する学問です。
微生物は発酵食品の生産や環境保全、病原菌の検出などで重要な役割を果たしており、農業や食品産業にも深く関わっています。
微生物学では、以下のような学問分野を学びます。
学問分野 | 詳細 |
|---|---|
基礎微生物学 | 微生物の基本的な分類・形態・増殖や代謝や生態系における分解者としての微生物の働きについて学ぶ |
応用微生物学 | 発酵やバイオレメディエーションなど、産業や環境分野での微生物利用について学ぶ |
発酵学 | 酵母や乳酸菌、麹菌など発酵に関わる微生物の特性や味噌・醤油・酢などの発酵食品の製造原理を学ぶ 発酵タンクなどの培養設備の操作法や、発酵過程で生じる化学変化(アルコール発酵や乳酸発酵など)についても学ぶ |
酵素学 | 微生物や植物が産生する酵素に着目し、その働きと応用について学ぶ |
微生物遺伝学 | 微生物の遺伝子や遺伝現象を学ぶとともに、遺伝子工学的手法で有用微生物を改良する技術を学ぶ |
環境微生物学 | 土壌や水域に生息する微生物群集の生態や、生態系における物質循環(炭素循環・窒素循環など)への寄与について学ぶ |
遺伝子工学・バイオテクノロジー | 作物の品種改良や微生物の活用など、先端技術を学ぶ |
微生物学の知識は、食品安全、農業、環境保全など多岐にわたる分野で活用されており、持続可能な農業技術や環境修復技術の開発に貢献しています。
植物科学
植物科学では、植物のからだの構造や機能、成長の仕組みを学びます。
農作物である植物を対象に、より健全で高収量な生産を実現するため、植物の生命現象を分子から個体レベルまで理解することを目的としています。
この領域では植物の生理機能や栄養に関する知識を学び、作物の改良や効率的な栽培技術の基盤となる科学的原理を習得します。
主に学ぶ学問と内容は以下の通りです。
学問分野 | 詳細 |
|---|---|
植物生理学 | 植物体内で起こる基本的な生命現象(光合成や呼吸など)を通じて、植物が環境に応答しつつ成長・発達するメカニズムを学ぶ |
植物栄養学 | 植物が生育するために必要な無機元素(窒素・リン・カリウムなどの肥料成分や微量要素)について学ぶ 肥料の種類(化学肥料、有機肥料)や施肥技術、土壌のpHや微生物が植物の栄養に与える影響も学ぶ |
植物分子生物学 | 植物の遺伝子や分子レベルでの機能解明、およびそれらを操作する技術について学ぶ 組織培養や遺伝子組換え技術を用いた植物の育種・改良も学ぶ |
植物病理学 | 植物に発生する病気の発生メカニズムとその防除、病害の環境影響を抑える統合的病害管理(IPM)などを学ぶ |
植物科学および関連科目を学ぶことで、作物の生産性向上や品質改良に必要な植物の基礎知識を修得できます。
この知識は、光合成効率を高めることで収量を上げる研究や、必須栄養素を効率よく吸収できる品種改良、環境ストレスに強い作物の開発など、農業現場の課題解決につながります。
このように植物に関する知見は、持続可能な農業生産や食糧問題の解決にも不可欠であり、農芸化学の重要な柱の一つとなっています。
環境科学

環境科学は、農業生産を取り巻く環境や資源の管理に関する領域です。
具体的には、土壌や水といった農業環境の化学的性質や肥料・農薬など農業資材の適切な利用、農業活動が環境に与える影響の軽減、バイオマスの循環利用などを学びます。
この領域の知識によって、環境と調和した持続可能な農業の実践や農業から生じる廃棄物の資源化による環境保全に貢献することが期待されます。
環境科学で主に学ぶ分野と内容は以下の通りです。
学問分野 | 詳細 |
|---|---|
土壌学 | 土壌の物理的構造(団粒構造・保水性など)や化学的性質(pH、陽イオン交換容量、有機物含量など)、土壌中の微生物相、生態系における土壌の役割について学ぶ |
肥料学 | 窒素肥料・リン酸肥料・カリ肥料といった主要肥料成分の土壌中での振る舞いや、肥効の発現メカニズム、肥料施用量とタイミングの最適化などを学ぶ 過剰施肥による環境汚染(硝酸態窒素の地下水汚染や富栄養化)問題や、有機質肥料・緑肥の利用による土壌改良効果についても学ぶ |
農薬学 | 殺虫剤・殺菌剤・除草剤など各種農薬の化学構造と作用機序、標的となる生物への効果や抵抗性発現メカニズムを学ぶ 非標的生物や環境へ与える影響や残留農薬の分解と環境中動態、法規制についても学ぶ |
環境化学 | 農業由来の環境問題(農薬や肥料による土壌・水質汚染、温室効果ガス排出など)を化学的に分析し、そのメカニズムや影響を評価する 環境中の化学物質の動態や毒性評価手法、環境汚染物質の低減策(バイオレメディエーション、土壌浄化技術など)や持続可能な資源循環についても学ぶ |
環境循環学 | 農業から排出される有機資源(稲わら、家畜糞尿、食品残渣など)をエネルギーや資材として再利用する方法を学ぶ |
環境科学分野を学ぶことで、農業生態系全体を見渡した持続可能な農業への理解が深まります。
土壌や水質の保全から、肥料・農薬の適正使用、農業残渣の資源化、さらには地球規模の環境課題への対応まで、幅広い視点で問題解決に取り組む力を養います。
環境科学は現代社会が直面する食料安全保障や環境保全の課題に対して科学的貢献を行う基盤となる領域です。
環境について学ぶ学問として、環境学もあります。
環境学については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
参考記事:環境学とはどんな学問?環境科学との違いは?
農学と農芸化学との違いは?

農学は、「農業・食糧・環境」に関する幅広い分野を含む学問領域であり、その中には農作物の生産、畜産、土壌管理、農業経済、森林科学、バイオテクノロジーなど多くの分野が含まれます。
一方で、農芸化学は農学の一分野であり、生物や化学の視点から食品、発酵、バイオテクノロジー、環境保全に関する研究を行う領域です。
農学と農芸化学との違いを以下にまとめます。
比較項目 | 農学 | 農芸化学 |
|---|---|---|
定義 | 生物・化学を応用し、食品・発酵・生物資源・環境・健康に関連する研究を行う学問 | 農業全般を科学的に研究し、作物・家畜の生産や農業経営、環境保全を扱う学問 |
対象 | 農業生産全般(植物・動物・土壌・水・経済など) | 生物資源(植物・動物・微生物)とそれらの成分・機能の化学的性質 |
目的 | 農業生産の向上、持続可能な農業の確立、食料安全保障 | 生物資源の有効活用、食品・健康・環境の科学的解明と応用 |
アプローチ | 生物学・環境科学・工学・経済学など多様な学問を組み合わせる | 化学・生物学・バイオテクノロジーを基盤に応用研究を行う |
このように、農学と農芸化学はどちらも「食・環境・生命」に貢献する学問です。
農学が「農業全般の総合的な研究」であるのに対して、農芸化学は「化学の力で農業や食、環境問題を解決する」ことを目的としたより理系寄りの分野です。
学べる大学の一例

農芸化学を学べる大学の一例は以下の通りです。
- 東京農業大学応用生物科学部農芸化学科
- 岡山大学農学部総合農業科学科農芸化学コース
- 明治大学農学部農芸化学科
それぞれの大学について詳しく見ていきましょう。
東京農業大学応用生物科学部農芸化学科

東京農業大学応用生物科学部農芸化学科では、農業や環境、食料に関わる課題を化学と生物学の知識を駆使して解決することを目指します。
生命の化学反応や環境問題に関する専門知識を学び、持続可能な社会の実現に向けた技術を身につけます。これにより、豊かな生活と環境の調和を追求できます。
東京農業大学応用生物科学部農芸化学科には以下の特徴があります。
- 生物学と化学を横断的に学び、食料・農業・環境・医療・健康の各専門分野を幅広く学ぶことができる
- 食品の安全や環境保護に直結した研究テーマに取り組む機会を用意している
- 実社会での課題解決に向けた実践的なアプローチに重きを置いている
- 1、2年次から学科全教員による実験実習科目の直接指導を受けられる
東京農業大学農芸化学科は、環境問題や生命科学に興味があり実践的な学びを活かして社会に貢献したい人に向いています。
岡山大学農学部総合農業科学科農芸化学コース

岡山大学農学部総合農業科学科は、農芸化学コース・応用植物科学コース・応用動物科学コース・環境生態学コースの4つのコースから構成されています。
コース選択は2年次であるため、幅広い基礎知識を修得をした上で、各専門分野の知識を深めることができます。
岡山大学農学部総合農業科学科農芸化学コースの特徴は以下の通りです。
- コース選択が2年次からであるため、1年次は幅広い教養科目と農業科学の基礎知識を習得できる
- 地域農業と国際的な農業をつなぐグローカルな学びができる
- スマート農業に関する実習や牧場を利用した実習ができる
このように、岡山大学農学部総合農業科学科は、実習などを通じたグローカルな学びを深めたい方に最適です。
参照元:岡山大学農学部総合農業科学科の特徴
明治大学農学部農芸化学科

明治大学農芸化学科は、食品や環境問題を科学によって解決することを目指しています。
特に、バイオサイエンス・バイオテクノロジーに重点を当てた教育を行っています。
明治大学農学部農芸化学科の特徴は以下の通りです。
- 1、2年次から多くの実習・実験を行える
- 食品・生物機能・環境分野において重要な幅広い専門知識や実験技術の習得を目的としている
- 3年次から研究室に入り、2年間の実験を通じて卒業論文をまとめることができる
このように、明治大学農芸化学科は農芸化学分野の中でも、食品・環境に強い関心のある方に最適な大学です。
参照元:明治大学農学部農芸化学科の特徴
農芸化学を学ぶことで取得できる資格は?

農芸化学を学ぶことでさまざまな資格の取得が目指せます。
取得が目指せる資格の例は以下の通りです
資格名 | 資格の説明 |
|---|---|
甲種危険物取扱者 | 危険物の貯蔵や取り扱いに関する資格で、消防法に基づき危険物の製造や取り扱いを管理できる資格 |
化学分析技能士 | 化学物質や試料の分析に関する知識や技能を有することを証明する資格で、化学分析の専門職に従事できる |
ペット栄養管理士 | ペットの栄養学に基づいて健康管理や食事指導を行うことができる資格で、ペットフードや健康管理に関わる仕事に役立つ |
食品衛生責任者 | 飲食店や食品工場で必要な食品の衛生管理を行うための資格で、衛生状態の管理や食中毒の予防に関わる職務を担当 |
飼料製造管理者 | 飼料の製造や品質管理を行うための資格で、家畜やペット用の飼料製造に関わる現場で必要とされる資格 |
毒物劇物取扱責任者 | 毒物や劇物の製造・販売・保管に関する資格で、適切な取り扱いや保管管理を行うための責任者として必要な資格 |
食品衛生監視員 | 食品の製造・流通過程における衛生状態を監視し、食品の安全性を確保するための資格 |
食品衛生管理者 | 食品製造工場などで、食品の安全性を管理するための責任者として必要な資格で、食品の品質や安全を確保する役割を担う資格 |
中学校教諭1種免許状「理科」 | 中学校で理科の科目指導を行うことができる資格 |
高等学校教諭1種免許状「理科」「農業」 | 高校で、理科や農業の科目指導を行うことができる資格 |
このように、農芸化学を学ぶことで目指せる資格は多様です。
これらの資格は取得をすることでキャリア選択の幅を広げることにもなります。
興味関心や志望のキャリアに応じて取得を目指しましょう。
農芸化学を学んだ後の就職先・職業・仕事

農芸化学を大学で専攻した先輩たちは、卒業後にどのような進路を歩んでいるのでしょうか。
代表的な進路・就職先について解説します。
- 食品関連企業
- バイオテクノロジー企業
- 肥料・農薬メーカー
- 化粧品・トイレタリー企業
- 公務員
- 大学院進学・研究職
それぞれ見ていきましょう。
食品関連企業
食品関連企業とは、食品の製造・加工・販売を行う企業のことを指します。
具体的には、食品メーカー、飲料メーカー、食品添加物メーカー、食品流通業者などが含まれます。
これらの企業では、食品の品質や安全性を管理し、新しい食品の開発や改良に取り組んでいます。
農芸化学の知識を活かせる食品関連企業の職種の一例として、以下のようなものがあります。
職種 | 業務内容 |
|---|---|
製造技術者 | 食品製造プロセスを最適化し、発酵技術や酵素を活用して高品質な製品を作る |
品質管理担当者 | 食品の栄養価、安全性、保存期間を評価し、化学分析や微生物検査を行う |
研究開発担当者 | 機能性食品や新製品を開発し、特定成分の体内での作用を解明する |
保存技術専門家 | 食品の劣化を防ぐための保存料や包装技術を研究し、保存期間の延長を目指す |
マーケティング担当者 | 新製品の市場投入や消費者向け製品の特長を伝える戦略を策定する |
これらの職種では、技術的スキルに加え、問題解決力や新しい製品を市場に提供するための創造力も求められます。
食品関連企業は、農芸化学を学んだ学生にとって一般的な就職先の一つです。
バイオテクノロジー企業

バイオテクノロジー企業とは、生命科学の技術を活用して医薬品、環境保全、農業などの分野で革新的な製品や技術を開発する企業を指します。
具体的には、バイオ医薬品の開発企業、環境技術を扱う企業、バイオ農薬を研究する企業などが含まれます。
これらの企業では、遺伝子組み換え技術や微生物を活用し、新たな技術や製品を生み出しています。
農芸化学の知識を活かせるバイオテクノロジー企業の職種の一例として、以下のようなものがあります。
職種 | 業務内容 |
|---|---|
バイオ医薬品研究者 | バイオ医薬品の開発に従事し、遺伝子組み換えや細胞培養技術を活用する |
環境技術専門家 | 微生物や酵素を使った汚染物質の分解技術やバイオリメディエーションを開発する |
バイオプロダクト開発者 | バイオ農薬や遺伝子組み換え作物の研究開発に携わり、持続可能な農業を推進する |
品質管理担当者 | バイオ製品の品質を保証し、製造プロセスを監視して安全性を確保する |
バイオテクノロジー企業は、新技術や革新を生み出すためのフィールドであり、農芸化学の知識を応用して幅広い分野でキャリアを築くことが可能です。
肥料・農薬メーカー
肥料・農薬メーカーとは、作物の生産性向上や病害虫対策のための農業資材を開発・製造する企業を指します。
具体的には、化学肥料メーカー、有機肥料メーカー、殺虫剤や除草剤を扱う農薬メーカーなどが含まれます。
これらの企業では、環境への影響を考慮しながら、より効果的で安全な肥料や農薬の開発に取り組んでいます。
農芸化学の知識を活かせる肥料・農薬メーカーの職種の一例として、以下のようなものがあります。
職種 | 業務内容 |
|---|---|
研究開発担当者 | 新しい肥料や農薬の成分を研究し、より効果的で環境に優しい製品を開発する |
品質管理担当者 | 製品の品質検査を行い、安全で効果的な農業資材を提供する |
技術営業担当者 | 農家や農業関連企業に製品の使用方法を説明し、製品の効果を伝える役割を担う |
環境技術開発者 | 持続可能な農業を実現するための環境に配慮した技術や製品を研究・開発する |
肥料・農薬メーカーでは、農芸化学の知識を活かして、環境と農業の双方に貢献できる新しい技術の開発や製品の改善に取り組むことができます。
化粧品・トイレタリー企業

化粧品・トイレタリー企業とは、スキンケアやメイクアップなどの化粧品や石鹸やシャンプーなどのトイレタリーを開発する企業を指します。
これらの企業では、成分の安定性や肌との相性など、化学的な視点で商品開発。
農芸化学の知識を活かせる化粧品・トイレタリー企業の職種の一例として、以下のようなものがあります。
職種 | 業務内容 |
|---|---|
研究開発職 | 新しい成分の研究や成分の安定化の研究、またそれらを生かした新商品の開発を行う |
営業職 | ドラッグストアなどの小売店や小売店への卸売を行う卸売店などへ商品を取り扱ってもらうように営業を行う |
マーケティング職 | 新製品の市場投入や消費者向け製品の特長を伝える戦略を策定する |
品質・生産管理担当者 | 製品の品質を保証し、製造プロセスを監視して安全性を確保する |
化粧品・トイレタリー企業は、自分たちに身近な商品を開発しているため、農芸化学を学んだ学生に人気の就職先の一つです。
公務員
公務員も農芸化学を学んだ学生の一般的な就職先の一つです。
具体的には、農林水産省などの官僚や役所や県庁などの地方自治体、教員などが挙げられます。
特に、昨今農業従事者の高齢化は深刻な問題であるため、農業化学の学びを活かし、食料政策や環境保全、農業支援など行政分野で活躍する人も多くなっています。
また、中学校や高校の理科の免許を取得できる大学も多いため、教員という選択肢もあります。
このように、公務員も農芸化学の学びが活かせる就職先です。
参考記事:教師についての特集記事はこちら
参考記事:高校教師についての特集記事はこちら
大学院進学・研究職

農芸化学を大学で学んだ学生で大学院に進学する人も多いです。
大学院に進学することでより専門的な学びや研究を行うことができます。
これまで紹介した企業の研究職になるためには、大学院への進学が必須となります。
そのため、研究職として働きたいと考えている方は、大学院へ進学し研究成果を上げましょう。
よくある質問

農芸化学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
農芸化学を学ぶことが向いている人の特徴は?
農芸化学に向いている人は、化学や生物学に関心を持ち、それらの知識を活かして食品・環境・農業の分野で貢献したいと考えている人です。
農芸化学を学ぶことに向いている人の特徴を以下にまとめました。
特徴 | 向いている理由 |
|---|---|
化学や生物に興味がある人 | 農芸化学は、化学と生物学の知識を基盤とし、それらを応用して研究や技術開発を行うため |
食品や環境問題に関心がある人 | 食品の安全性や品質向上、または環境保全に関連する課題を科学的に分析・解決する力が求められるため |
実験や分析が好きな人 | 化学実験やデータ分析を通じて、食品や環境に関する課題を解決するプロセスが多く含まれるため |
技術や研究に没頭できる人 | 最新の技術や知見を取り入れながら、農業や食品分野における革新を科学的に追求する機会があるため |
食品や農業の技術開発を目指している人 | 食品加工や農業技術の改良を進め、実践的な研究を通じて持続可能な農業の発展に関わる機会があるため |
これらの特徴を持つ人は、農芸化学を学ぶことを検討してみましょう。
農芸化学を学べる学部や学科は?

農芸化学を学ぶには、主に農学部や生物資源科学部、生命科学部の学科を選択するのが一般的です。
農学部
農学部では農芸化学科や応用生命科学科で農芸化学を学ぶことができます。
食品科学、微生物学、環境科学などの幅広い分野を学べます。
生物資源科学部・生命科学部
生物資源科学部や生命科学部では、応用化学科や応用植物科学科、バイオサイエンス学科などで農芸化学を学ぶことができます。
バイオテクノロジーや栄養学、植物機能に関する研究が充実していることが特徴です。
理学部・工学部
理学部の生物学科や化学科、工学部の応用化学科などでも、農芸化学と関連する分野を学ぶ機会があります。
特に、生物化学や食品の機能性研究、環境保全技術などを扱うプログラムがある大学では、農芸化学と共通する知識やスキルを身につけることができます。
参考記事:理学部とはどんな学部?
参考記事:工学部とはどんな学部?
このように、農芸化学は様々な学部や学科で学ぶことができますが、学べる領域や内容に違いがあります。
そのため進学先を選ぶ際は、研究分野の特色、設備の充実度、カリキュラム、卒業後の進路などを考慮し、自分の興味やキャリアプランに合った学部・学科を選択することが重要です。
農芸化学は文系でも学ぶことができる?
農芸化学を学ぶことができる学部や学科は理系となっていますが、文系の学生でも学ぶことができます。
一部の農学部では、入試科目で文系を選択できることもあるからです。
しかし、化学や生物、数学の理解が必須であることが注意事項として挙げられます。
大学入試において理系科目を避けることができた場合であっても、農芸化学を深く理解するためには、理科や数学の基礎知識が求められます。
このように、文系の方でも農芸化学を学ぶことはできますが、選択する際には注意が必要です。
文系の方で、農業関連について学びたいと考えた人は、「農業経済学」などの文系分野を学ぶことを検討してみるのも良いでしょう。
参考記事:農業経済学とはどんな学問?
まとめ

本記事では、農芸化学の定義や学ぶ内容、農学との違いや農芸化学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先、取得できる資格について解説しました。
解説した中でも、農芸化学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 農芸化学とは、農業と化学を融合させ、生命、食、環境について研究する学問である
- 農芸化学では食品科学、微生物学、植物科学、環境科学について学ぶ
- 農芸化学を学んだ後の就職先としては食品関連企業やバイオテクノロジー企業、肥料・農薬メーカー、化粧品・トイレタリー企業などが挙げられる
- 食品や環境問題に関心がある人・実験や分析が好きな人に農芸化学はおすすめ
- 農芸化学は農学部の農芸化学科や応用生命科学科で学ぶことができる
本記事を通じて、農芸化学の全体像を理解していただければ幸いです。
農芸化学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先、取得できる資格を徹底解説
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
