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作成日: 2024/12/03 更新日:2024/12/03

工学部とは?学ぶ内容・学科・進学するメリット・デメリットを解説

工学部とは?学ぶ内容・学科・進学するメリット・デメリットを解説

この記事では工学部について、以下の内容を解説しています。

  • 何を学ぶのか
  • 学科の種類
  • 進学するメリット・デメリット
  • 取得できる資格
  • 学んだ後の進路や就職先

記事の最後には、工学部と理学部や理工学部との違いなど、工学部に関するよくある質問に対する回答も行なっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。


工学部とは何を学ぶ?学べること・勉強内容を解説

工学部で学ぶこと

工学部では、科学や数学を使って、生活を便利にしたり社会をより良くしたりする方法を学びます。具体的には、数学や物理学を基に、実用的な製品やシステムの設計・製造するための知識や技術を身につけます。

工学部には、以下の学科があり、それぞれ特色となる分野で専門的な知識と技術を学びます。

学科名
学ぶ内容
情報工学科
コンピュータ科学、プログラミング、データベース、ネットワーク、人工知能などの情報技術全般を学び、ソフトウェアの開発を行う。
電気・電子工学科
電気や電子の基礎理論から応用技術までを学び、回路設計、通信技術、電力システム、電子デバイスの開発に取り組む。
機械工学科
機械の設計・製造・運用に関する技術や理論を学び、ロボットやエンジンなどの機械システムの開発を行う。
応用化学科
化学の基礎理論から応用技術までを学び、新材料の開発、化学プロセスの設計、環境保全技術などに取り組む。
建築学科
建築物の設計、構造、施工技術を学び、持続可能な建築や都市環境のデザインを行う。

これらの学問は、社会の発展や人々の生活を支える技術を生み出す基盤となっており、その広範囲な内容と深さが工学部の魅力となっています。

工学部にある学科の種類を紹介

工学部の主な学科

工学部にある主な学科は、以下の5学科です。

  • 情報工学科
  • 電気・電子工学科
  • 機械工学科
  • 応用化学科
  • 建築学科

それぞれ詳しく見ていきましょう。

情報工学科

情報工学科で学ぶこと

情報工学科では、コンピュータを使った問題解決方法やシステムの設計・開発について学びます。

以下に学ぶ内容の代表例やについて表を作成しました。

学びの内容
解説
プログラミング
コンピュータプログラムの設計、作成、デバッグの技術を学び、実際のアプリケーション開発を行います。
アルゴリズム
効率的な問題解決手法の設計と解析を学び、計算量の削減や最適化手法の研究を行います。
データベース
データの管理、検索技術、データベース設計、クエリ最適化、トランザクション処理を学びます。
ネットワーク
データ通信、ネットワーク構築、プロトコル設計、ネットワークセキュリティ、分散システムについて学びます。
人工知能
知的システムの設計と応用、機械学習、ディープラーニング、自然言語処理、コンピュータビジョンを学びます。
ソフトウェア工学
ソフトウェアの設計、開発、保守、プロジェクト管理、アジャイル開発手法、品質保証の方法論を学びます。
コンピュータアーキテクチャ
コンピュータシステムの構造、ハードウェア設計、プロセッサの動作、メモリ管理、並列処理について学びます。
情報セキュリティ
データ保護、システムの安全性確保、暗号化技術、侵入検知システム、セキュリティポリシーの策定と実装について学びます。
ヒューマンコンピュータインタラクション
人間とコンピュータの相互作用の設計、ユーザーインターフェースの評価、ユーザビリティテスト、インタラクションデザインを学びます。

プログラミングやシステム設計をはじめ、人工知能やネットワーク技術など、IT分野で必要とされる幅広い知識と技術を身につけます。

学んだ知識はソフトウェア開発やデータサイエンス、ネットワーク管理など、様々な分野で応用されます。

電気・電子工学科

電気・電子工学科では、電気や電子に関する基本的な理論と技術を学びます。

以下に学ぶ内容の代表例について表を作成しました。

学びの内容
解説
電気回路設計
電子機器の回路設計、アナログ・デジタル回路の構成方法を学び、システム設計を行います。
半導体デバイス
半導体の動作原理、デバイス構造、製造プロセス、応用技術を学びます。
電力システム
電力の生成、変換、伝送、分配に関する技術を学び、エネルギー効率の向上を目指します。
制御工学
システムの自動制御技術、フィードバック制御、ロボティクス、プロセス制御の理論と応用を学びます。
通信工学
信号処理、データ通信、無線通信、光通信、ネットワークの基礎と応用技術を学びます。
組み込みシステム
ハードウェアとソフトウェアの統合システム設計、リアルタイム制御、マイクロコントローラプログラミングを学びます。
エレクトロニクス
電子部品、センサー、アクチュエータの動作原理と応用、電子機器の設計を学びます。
光エレクトロニクス
光通信、レーザー技術、光センサー、光ファイバー技術の基礎と応用を学びます。
電磁気学
電場・磁場の理論、電磁波の伝播、アンテナ設計、電磁界解析技術を学びます。

電気回路や電子デバイス、通信システム、信号処理などの知識を深め、これらを実際の製品やシステムに応用する方法を学びます。

学んだ知識は家電や自動車、通信、エネルギーなどで広く活用されます。

参考記事:電気工学とは何を学ぶ学問なのか?

機械工学科

機械工学科で学ぶこと

機械工学科では、機械の設計や製造技術、ロボティクス、熱力学などを学びます。

以下に学ぶ内容の代表例について表を作成しました。

機械の動作原理や製造プロセスの理解を深め、効率的な機械の開発に必要な知識と技術を習得します。

学びの内容
解説
機械力学
機械の動作によって生じる力について学び、機械設計に必要な知識を身につけます。
材料力学
材料の強度、変形、破壊のメカニズムを学び、機械部品の設計に必要な知識を身につけます。
熱力学
エネルギー変換の法則、熱効率、エネルギー保存の法則を理解し、熱機関の設計に応用します。
流体力学
流体の動き、圧力、速度の関係を学び、ポンプ、タービン、空力設計に応用します。
制御工学
機械やシステムの自動制御の理論と実践、フィードバック制御、PID制御を学びます。
機械加工
切削、研削、鋳造、溶接などの製造プロセスを学び、精密部品の製造技術を身につけます。
機械振動
機械システムの振動現象を解析し、振動抑制のための設計手法を学びます。
ロボティクス
ロボットの設計、動作制御、センサー技術、アクチュエータ技術を学び、自動化システムに応用します。
メカトロニクス
機械と電子工学の融合、センサーとアクチュエータの統合、制御システムの設計を学びます。
自動車工学
自動車の設計、エンジン、シャーシ、車両動力学、安全性技術を学び、次世代車両の開発に役立てます。
航空宇宙工学
飛行機やロケット、人工衛星、ドローンなどの設計・開発するために、空気中や宇宙空間で安全かつ効率的に動く技術を学びます。

学んだ知識は自動車などの製造、航空宇宙、エネルギー分野などで応用されます。

応用化学科

応用化学科では、化学反応のメカニズムや材料科学、バイオテクノロジー、環境化学などを学びます。

以下に学ぶ内容の代表例について表を作成しました。

学びの内容
解説
有機化学
有機化合物の構造、反応、合成法を学び、医薬品や高分子材料の開発に応用します。
無機化学
無機化合物の特性、反応、合成法を学び、触媒や新素材の開発に応用します。
物理化学
化学反応の物理的側面、熱力学、反応速度論、量子化学を学び、分子の振る舞いを解析します。
分析化学
化学物質の分離、定性、定量分析法を学び、環境分析や品質管理に応用します。
高分子化学
高分子材料の合成、構造、物性を学び、プラスチックやエラストマーの開発に役立てます。
生化学
生体分子の構造と機能を学び、バイオテクノロジーや医療分野に応用します。
環境化学
環境中の化学物質の挙動、環境汚染の防止と対策を学び、持続可能な環境技術に応用します。
化学工学
化学プロセスの設計、最適化、スケールアップを学び、工業生産に応用します。
ナノ化学
ナノ材料の合成、特性、応用を学び、エレクトロニクスや医療分野に応用します。
材料化学
材料の構造、物性、機能を学び、新素材の開発や機能性材料の設計に役立てます。

新しい材料の開発や環境に優しい技術の研究に必要な知識を習得します。

学んだ知識は製薬や食品、材料・素材、環境技術などで広く応用されます。

建築学科

建築学科で学ぶこと

建築学科では、建築設計や構造工学、都市計画、建築史などを学びます。

以下に学ぶ内容の代表例について表を作成しました。

学びの内容
解説
建築設計
建物の構造、機能、美観を設計する技術、CADツールの使用、設計プロセスを学びます。
構造力学
建物や構造物の力学的挙動を解析し、強度や安定性を確保するための設計手法を学びます。
建築材料
コンクリート、鉄鋼、木材などの建築材料の特性、用途、選定基準を学び、適切な材料を選ぶ知識を身につけます。
建築史
古代から現代までの建築の歴史、主要な建築様式、著名な建築物や建築家について学び、設計に応用します。
環境工学
建物のエネルギー効率、空調、照明、音響、環境負荷低減技術を学び、持続可能な建築設計に応用します。
都市計画
都市の発展、土地利用、交通計画、都市インフラの設計を学び、都市環境の改善を目指します。
建築法規
建築基準法、消防法、都市計画法などの関連法規を学び、法規に準拠した建物の設計を行います。
建築施工
建設プロジェクトの計画、施工管理、安全管理、品質管理技術を学び、効率的な建設プロセスを実現します。
インテリアデザイン
室内空間の設計、家具配置、色彩計画、照明デザインを学び、快適で美しい室内環境を創造します。
建築経済
建築プロジェクトのコスト管理、予算編成、経済的評価を学び、経済的な建物設計を行います。

建物の設計や都市の計画、建築の歴史などに関する知識を深め、実際の建築プロジェクトに応用する方法を学びます。

学んだ知識は建築や設計など、不動産・都市開発で活用されます。

進学するメリット

工学部に進学するメリット

工学部に進学する主なメリットは以下の3つです。

  • 大学での学びが職業に直結しやすい
  • メーカーなどの就職先の選択肢が多い
  • 好きな研究に集中できる環境がある

それぞれ見ていきましょう。

大学での学びが職業に直結しやすい

工学部では、得られるスキルや学べる知識が、職業に直結しやすいのが特徴です。

例えば、情報工学科ではプログラミングやシステム設計を学び、機械工学科では機械設計や製造技術を学びます。これらの知識は、それぞれの専門職に就くための基盤となります。

大学で学んだことが直接職業につながるため、あなたがどのような仕事に就きたいのか、どのようなスキルを身につけたいのかを明確にすることが重要です。

メーカーなどの就職先の選択肢が多い

就職先の選択肢が多い

工学部の学生は卒業後、自動車、電子機器、IT、建設、航空宇宙など幅広い業界で求められます。これは、工学部で培った専門知識が各業界で高く評価されるためです。

また、工学部の学生は実験や実習を通じてチームでの協働経験も豊富に持っています。この経験は、チームで働く能力が求められる現代のビジネスシーンで非常に価値があります。

そのため、メーカーだけでなく、IT企業やコンサルティングファーム、公務員など、多様な職種からも評価されます。

このように、工学部ではその専門知識だけでなく、実習などの協働経験を積むことができるため、さまざまな就職先を選択することが可能だといえます。

好きな研究に集中できる環境がある

工学部では、自分の好きなテーマについての研究に没頭できる環境が整っています。具体的には以下の2つが挙げられます。

  1. 研究室や研究設備が充実している
  2. 大学院へ進学する

それぞれ解説します。

研究室や研究設備が充実している

工学部では、必ず研究室があります。さらに、数億円を超えるような研究設備があることも珍しくありません。社会をよりよくする方法を学ぶ工学部だからこそ、最先端な研究や、ニッチなテーマについても研究することが可能です。

大学院へ進学する

工学部の学生は、大学院へ進学し、自分の好きなテーマについてさらに研究することができます。実際に、文部科学省の調査によると、令和5年度の大学院進学率は、全体が11.5%であるのに対し、工学分野は38.6%となっています。

大学院へ進学することで、学部時代に行なった研究をさらに発展させることが可能です

参照元:学士課程修了者の進学率推移(分野別)

進学するデメリット

工学部に進学するデメリット

工学部に進学する主なデメリットは以下の3つです。

  • 実験やレポートが多く忙しい
  • 男女の偏りが大きい
  • 文系職での就職が難しい

それぞれ見ていきましょう。

実験やレポートが多く忙しい

工学部では、実験やレポートの多く、忙しくなります。理論だけでなく実際の実験を通じて学ぶことが工学部の魅力の一つです。

その一方で、実験設備の準備や実験後の整理、結果をまとめるレポート作成には多くの時間がかかります。

中には、1つの実験手順で数十時間を要するものもあるため、自由な時間が少なくなる傾向があります。

実験などの学習面とプライベートな時間を自身で管理する、計画性と自己管理能力が求められます。

男女の偏りが大きい

男女の偏りが大きい

工学部では多くの学科で、圧倒的多数が男子学生となっています。実際に、内閣府の調査によると、令和3年度の分野別に見た入学者に占める女性割合は、工学分野は15.2%となっています。

女性比率が低いことにより、工学部の施設では女性用トイレの数が少ないなど、ジェンダーギャップが見られることもあります。オープンキャンパスなどを活用し、女性用施設の充実度などを確認しておくことが良いでしょう。

参照元:「女子生徒等の理工系分野への進路選択における地域性についての調査研究」

文系職での就職が難しい

就職において、あえて文系職を選択する場合は、難しいことが挙げられます。なぜなら、企業は、工学部での学びを直接生かせる理系職での就職を期待するからです。

就職活動において、文系職である営業や人事、経理などの総合職と、理系職である技術職、技術営業職、研究職などに分けられます。

例えば、パナソニック株式会社では、新卒採用の募集として、文系職である事務系と理系職である技術系に分けられています。

この時、工学部の学生があえて、事務系で応募する際は、文系学生と比べて難しくなります。重複しますが、工学部での学びが生かせる技術職での応募を期待するからです。

参照元:パナソニックグループ新卒採用募集要項

しかし、メリットでも挙げた通り、研究などの協働経験が幅広い業界や企業に評価されることも事実です。

そのため、工学部に進学したが文系職に就きたいという場合は、研究活動に加えて、営業のインターンシップ(就労体験)に参加するなどの経験を積むことが良いでしょう。

取得できる資格

工学部で取得できる資格

工学部での学びが取得に役立つ資格は主に以下の通りです。また、学びの内容が役立つだけでなく、特定の講義を受講することで試験科目が一部免除になるケースもあります。

資格名
説明
技術士
国家資格であり、科学技術に関する高度な知識と技術を持つことを証明します。
基本情報技術者
IT分野の基礎的な知識と技術を証明する国家試験です。
応用情報技術者
基本情報技術者試験の上位資格で、より高度なIT知識と技術を証明します。
機械設計技術者
機械工学分野での設計技術や知識を認定する資格です。
電気主任技術者
電気設備の管理と運用に必要な知識と技術を証明する国家資格です。
建築士
建築物の設計および工事監理を行うために必要な国家資格です。一級と二級があります。
エネルギー管理士
エネルギーの効率的な利用と管理に関する資格です。
施工管理技士
建設工事の計画、施工、管理に関する技術と知識を証明する国家資格です。
化学技術士
化学技術に関する知識と技術を認定する資格です。
環境計量士
環境関連の計量技術に関する資格で、環境分析に関する知識を持つことを証明します。
水質検査技士
水質検査に関する専門的な知識と技術を証明する資格です。

卒業後の仕事は?進学・就職先・職業

工学部卒業後の職業

工学部を卒業した人たちは、どのような進路を歩んでいるのでしょうか。業界と職種の軸で見ていきましょう。

進学する割合

進学するメリットでも挙げた通り、工学部の学生の、大学院への進学率は高いです。

大学院へ進学する理由として、好きな研究を続けられるだけでなく、さらなる専門知識を習得することで、研究者などの高度な専門職に就くことができることも挙げられます。

実際に、大学院に進学しなければ就けない職業も存在します。

そのため、将来の夢や、なりたい職業なども見据えて、大学院への進学を検討することも必要です。

就職する業界から見る

工学部卒業後の就職業界

工学部の就職先としては、製造業、情報通信業、建築業などが多くなっています。実際に、近畿大学工学部の2023年度卒業生の業種別進路では、27.1%が製造業、18.3%が建築業、13.5%が情報通信業へ就職しています。

また、進学するメリットでも挙げた通り、サービス業や公務員などへの就職も見られ、就職先は多岐にわたっています。

学科別に見ると、機械工学科では58.1%が製造業へ、建築学科では54.4%が建設業へ就職しています。このことから、多くの学生が、学科での学びが直結する業界へ就職していることもわかります。

参照元:近畿大学工学部就職先

職業から見る

工学部を卒業することで就職しやすくなる職業として挙げられる例は以下の3つです。

  • エンジニア
  • 品質・生産管理
  • 研究開発

それぞれ見ていきましょう。

エンジニア

エンジニアは、工学部の卒業生にとって一般的な職業の一つです。エンジニアは多岐にわたる職業です。

例えば、自動車や航空機などのハードウェアや、それらの内部にある電子機器や電子システム、アプリケーションなどソフトウェアの設計や開発を行います。

主な3つのエンジニアについて表でまとめました。

職種
仕事内容
機械エンジニア
製造業、建設業、自動車、航空機、電子機器、ロボットなど、さまざまな機械や装置の設計、製造、開発、運用を行う。
電子エンジニア
スマートフォン、家電、自動車の電子制御など電子機器やシステムの設計、製造、開発、運用を行う。
ソフトエンジニア
アプリケーションやシステムなどのソフトウェアの設計、開発、運用を行う。

エンジニアは、幅広い業界で活躍しているとともに、各種技術は進化が速いため、最新技術の習得や、技術トレンドの理解も重要です。

品質・生産管理

品質・生産管理も、工学部の卒業生にとって、エンジニアと並び一般的な職業の一つです。品質・生産管理は、工場や製造現場で製品の生産がスムーズに行われ、かつ製品の品質が一定の水準を満たすように管理する職業です。

品質管理・生産管理の仕事内容について表でまとめました。

職種
仕事内容
品質管理
製品やサービスの品質を一定以上に保つために、品質基準の設定と管理や品質向上の企画提案、不良品の発見と分析などを行う。
生産管理
​製品の生産プロセス全体を計画・調整し、効率的に製品が作られるように管理するために、生産計画の立案と進捗管理、在庫や工程の管理や作業改善を行う。

品質・生産管理は、製造業において、顧客の安全と信頼を守るための重要な職業となっています。

研究開発

研究開発は、工学部の学生にとって、大学院に進学しなければ就けない仕事の一つです。

大学や国立の研究所で研究を行う人もいれば、企業に就職し、新しい技術や製品の開発を行う人もいます。

国や社会の発展にとっても、企業の発展にとっても極めて重要な職業です。自分の研究で社会を変えたいという方は、ぜひ研究職を検討してみましょう。

工学部に関するよくある質問

工学部に関するよくある質問

工学に興味がある人がよく抱く疑問について回答していきます。

工学部と理学部の違いは?

次に、工学部と理学部の違いについてより深く説明します。工学と理学には、その目的やアプローチ、学びの内容、応用範囲において大きな違いがあります。以下の表とともに、その違いをわかりやすく説明します。

項目
工学部
理学部
目的
実際の問題解決と具体的な製品やシステムの設計・開発
自然界の基本的な法則や原理を理解すること
アプローチ
数学や科学の原理を応用して現実世界の問題を解決
観察、実験、理論の構築を通じて自然界の現象を理解・説明
学びの内容
設計、製造、運用、保守などの具体的なプロセス
数学、物理学、化学、生物学、地学などの基礎研究
応用範囲
自動車、建築、コンピュータ、電気機器、医療機器など
大学や研究機関での研究職、教育機関での教職、製薬会社などの研究開発

工学部は、現実世界の問題を解決し、具体的な製品やシステムの設計・開発に興味がある人に向いています。技術的な応用と実践に関心があり、すぐに役立つスキルを身につけたい人に適しています。また、製造業や建築、ITなどの産業で働きたいと考えている人に最適です。

一方、理学部は、自然界の基本的な法則や原理を理解し、新しい知識を探求することに興味がある人に向いています。純粋な科学研究や教育に関心があり、基礎的な科学知識を深く学びたい人に適しています。大学や研究機関での研究職や教育機関での教職に興味がある人に最適です。

あなたの興味やキャリア目標に応じて、最適な学部を選ぶことが重要です。工学部と理学部の違いを理解し、あなたに最も適した進路を見つけてください。

参考記事:理学部とは何を学ぶ学部?

工学部と理工学部の違いは?

工学部と理工学部の違い

実は、工学部と理工学部には大きな違いはなく、重複するものが多いです。なぜなら、「工学」を学ぶ工学部に対して、「工学」と「理学」の両方を学ぶことができるのが理工学部だからです。

つまり、「ものづくり」に興味があり、徹底して深めたい方は工学部が適しています。

単にものづくりだけではなく、「理論や自然科学」も深ぼって研究したい方は理工学部が適しているでしょう。

文系から工学部に進学できる?

文系から工学部に進学することは可能ですが、2つの注意事項があります。

  1. 履修科目と出願条件の確認
  2. 数理科目の基礎学力の向上

このように、文系の学生が工学部に進学するためには、数学や物理などの履修科目の壁や、基礎学力面での壁があります。しかし、しっかりと準備・対策を行えば、文系学生でも工学部で進学することは十分可能です。それぞれ解説します。

⒈履修科目と出願条件の確認

総合型選抜や公募推薦で進学する場合は、数学Ⅲを履修していることや、物理と化学を履修していることなどの出願条件が設けられていることもあります。履修していない場合は、出願できませんので注意しましょう。

⒉数理科目の基礎学力の向上

総合型選抜や公募推薦の2次試験や一般入試を突破するためには、数学や物理などの数理科目の学力が極めて重要です。科目によって、履修していないまたは履修できない場合は、独学で合格水準まで向上させる必要があります。

また、入試科目にはない場合であっても、工学部の学びは高校レベルの数学や物理の理解を前提としています。そのため、数学や物理、化学などの学力に不安のある方は、大学入学までに復習をしておく必要があるでしょう。

工学部に向いている人の特徴は?

工学部に向いている人の特徴

工学部に向いている人にはいくつかの共通した特徴があります。以下に、工学部での学びに適した資質や興味を挙げます。

  • 問題解決能力が高い
  • 数学や物理、化学が得意で好き
  • 実践的な学びが好き
  • ものづくりに興味がある

これらの特徴を持つ人は、工学部での学びが向いていると言えるでしょう。

それぞれ解説します。

問題解決能力が高い

問題解決能力が高い人は、工学部に向いています。なぜなら、数学や物理学などの基礎研究をもとに、社会の問題を解決していこうとするのが、工学部だからです。

問題解決能力が高い人は、その長所を存分に発揮できる学部と言えるでしょう。

数学や物理、化学が得意で好き

数学や物理、化学が得意であり、好きな方は、工学部に向いています。なぜなら、数学や物理、化学は、工学部の試験科目であることが多いとともに、理解していることを前提に学びを深めるからです。

これらの科目が得意であり好きな方は、受験対策がしやすいだけでなく、入学後の学びにも活かすことができます。

実践的な学びが好き

実践的な学びが好きな方は、工学部に向いています。なぜなら、工学部での学びでは、実験や実習が多いからです。

机上で学びを深めるだけでなく、何かを制作したり、計測したりと、実践的な学びが好きな方は、工学部での学びが向いているでしょう。

ものづくりに興味がある

ものづくりに興味がある方は、工学部に向いています。なぜなら、数学などの基礎研究を実社会でのものづくりに応用するのが工学部での学びだからです。

すでに何らかのものづくり経験がある方はもちろん、これから自分の手で何かを作りたいという方は、工学部に向いています。

学科選びのコツは?

工学部の学科を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

ポイント
説明
興味や得意分野
あなたがどの分野に興味があるかを考え、各学科での学びの内容や応用範囲を確認します。
将来のキャリア目標
将来どのような仕事をしたいかを考え、その仕事にどの学科が最も役立つかを検討しましょう。
カリキュラムの内容
各学科のカリキュラムを調べ、具体的な科目やスキルを確認することが重要です。
実験や実習の内容
実験や実習の内容を確認し、それらがあなたの興味やキャリアにどのように役立つかを考えます。
卒業生の進路
卒業生の進路を調べることで、あなたの将来のキャリアの参考になります。
直接の相談
大学のオープンキャンパスや説明会に参加し、教授や在校生に直接相談することで、リアルな声を聞くことが有益です。

これらのポイントを総合的に考慮し、あなたに最も適した学科を見つけることが大切です。

まとめ:工学部とは

工学部についてのまとめ

本記事では、工学部で学ぶ内容、工学部にある学科、進学するメリット・デメリット、学んだ後の進路や就職先、取得できる資格までを詳しく解説しました。

解説した中でも、工学部に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 工学部とは、科学や数学を使って、生活を便利にしたり社会をより良くしたりする方法を学ぶ学部である
  • 学科としては、情報工学科、電気・電子工学科、機械工学科、応用化学科、建築学科などが挙げられる
  • 卒業後の職業として、エンジニア、品質・生産管理、研究開発などが挙げられる
  • 工学部のメリットとして、学びの内容が仕事に直結しやすいだけでなく、就職先が多岐にわたること、好きな研究に没頭できることが挙げられる
  • 工学部のデメリットとして、実験などで忙しくなることや、男女比の偏りの大きさ、文系職での就職の難しさが挙げられる
  • 工学部では建築士や自動車整備士、教員免許などの資格取得を目指せる
  • あなたの興味や将来のプランに合わせて、学科を選ぶ

当記事を通して、工学部についての全体像を理解する参考になれば幸いです。

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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