年内入試ナビ

作成日: 2025/1/30 更新日:2025/1/30

総合型選抜の活動報告書の書き方とは?何を書くべきか例文で徹底解説

総合型選抜の活動報告書の書き方とは?何を書くべきか例文で徹底解説

大学入試を総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜で受験しようとした場合、活動報告書とは何かが気になりますよね。

そこで本記事では、例文と共に総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜の活動報告書の具体的な書き方について徹底的に詳しく解説していきます。

また、活動報告書に書くべき部活動などの具体的な活動内容の例や書き方のコツのほか、受験生がよく抱く疑問とその回答も掲載していますので、最後まで読み進めて総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜の活動報告書の書き方についての理解を深め、自分の経験を最大限に活かした報告書を作成しましょう。

本記事で学べることは以下の通りです。

  • 活動報告書とは何か
  • 活動報告書の役割
  • 活動報告書に書く内容について
  • 活動報告書を書くコツ
  • 活動報告書の例文

よく抱く疑問とその回答もお伝えしますので、最後まで読み進めて活動報告書の書き方を理解しましょう。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

総合型選抜や学校推薦型選抜で課される活動報告書とは何か?

活動報告書とは何か

総合型選抜や学校推薦型選抜で求められる活動報告書は、学業以外の活動で得た経験や成果を記載して受験者の個性やスキルを大学に伝える重要な書類です。

大学入試では、活動報告書の内容を通じて受験者の多面的な能力を評価し、学業成績だけでは見えない潜在能力を見抜こうとします。そのため、単に活動実績を羅列するのではなく、経験を通じてどのようにあなたが成長したかや、その過程で何を学んだかを具体的にレポートすることが重要です。

このように、あなたがどのような価値観を持った人間であるかや、どのようにそれを発揮してきたかを示すことで、どのように貢献できるのかを表現することが求められます。

大学入試の総合型選抜(AO入試)における活動報告書の目的や役割と重要性

大学が受験生に活動報告書を書かせる目的

総合型選抜(旧AO入試)などでは、学力だけでなく、受験生の人間性や多様な能力も評価の対象となります。活動報告書を通じて、受験生がどのような課外活動を行い、どのように成長してきたのかを確認することができます。これにより、学業以外の面での取り組みや成果も把握でき、受験生の総合的な人物像を評価するための重要な材料となります。

上記の目的に沿って書かれた活動報告書が果たす役割

活動報告書が果たす役割

活動報告書の内容は、学業成績では分からない個々の人間性や潜在能力を可視化する役割を果たします。そのため、大学側は活動実績を通じて受験生の個性や適性を深く理解し、学部や学科の求める人物像とマッチしているかを判断します。

上記のような活動報告書を書くことの受験生にとっての重要性

大学入試の総合型選抜(AO入試)における活動報告書は、受験生が自身の特徴や強みを大学に伝えるための重要なツールです。

また、受験生は自己分析をして自分自身を深く見つめ直し、活動報告書を書く過程で自己表現力を磨くことができます。そのため、活動報告書は単なる出願書類ではなく、受験生自身が自分自身を知り、成長させるための大切なプロセスなのです。

総合型選抜や推薦入試で出願時に求められる活動報告書の基本的な構成

活動報告書の基本的な構成

総合型選抜などの推薦入試での活動報告書には、部活動などの課外活動での具体的な経験を詳細に記載することが重要です。次のような内容について詳細に説明することで、あなたの個性を具体的に示すと良いでしょう。

  1. どのような役割を担っていたのか
  2. 活動の中で直面した課題とそれをどのように克服したか
  3. その過程でどのようなスキルや知識を身につけたか
  4. 活動を通して得た学びや成長を将来の目標にどのように活かしていくか

活動報告書では、志望する大学や学部が求める人物像と自分の経験がどのように結びつくかを示すことで、大学側に強い印象を与えることができます。そのため、大学や学部のアドミッションポリシーを押さえて、あなたの独自性や強みを示すことも大切です。

総合型選抜の活動報告書に入れるべき部活などの具体的な経験や活動内容の例

活動報告書に書く内容の例

総合型選抜(AO入試)などの推薦入試では、次のような活動などの内容が評価されます。

  • 学業・学術分野での成果を挙げた経験
  • 部活動やクラブ活動
  • 課外活動・社会活動
  • 芸術・文化活動
  • リーダーシップや企画運営経験
  • 国際経験
  • 独自の活動

これらの活動を通じてリーダーシップを発揮した経験や問題解決に取り組んだエピソードなどを強調してください。

経験や活動内容

詳細

学業・学術分野で成果を上げた経験

科学コンテストや論文発表などの参加・受賞歴
特定の科目や分野での高度な学び(例:英語検定や数学オリンピック)

部活動やクラブ活動

  • 体育会系・文化系の部活動での実績
  • 地域大会や全国大会での活躍
  • 部活動を通じてのリーダーシップやチーム運営の経験

課外活動・社会活動

ボランティア活動(地域活動や社会貢献)

学校外でのプロジェクト参加やイベント運営経験

環境保護活動や人権活動など、社会的テーマへの取り組み

芸術・文化活動

音楽や美術、演劇などの芸術分野での成果

コンクールや展示会での受賞歴

自主制作や創作活動(例:映画、演劇、デザインなど)

リーダーシップや企画運営経験

生徒会や委員会活動でのリーダー経験

学校行事の企画運営(文化祭、体育祭、合宿など)

チームやプロジェクトでのマネジメント経験

国際経験
留学経験や国際交流プログラムへの参加
英語スピーチコンテストや国際的な大会での実績
外国語の習得や文化理解に関する活動
独自の活動
起業経験や独自のビジネスプロジェクト

総合型選抜におけるボランティアについての詳細は以下の記事がおすすめです。

参考記事:総合型選抜(旧AO入試)におけるボランティア活動についての特集記事はこちら

基本的な書くステップとコツ

基本的な書くステップとコツ

ここでは活動報告書を書く際にふむべきステップと書き方のコツをお伝えします。

ステップ自分の活動をリストアップする

自分のこれまでの課外活動や経験をリストアップし、それぞれの活動がどのように自分の成長やスキル向上という結果に結び付いたかを考えましょう。 

コツ

1つでも多くリストアップする。この段階で「大した事ない」「アピールにならない」などとは考えない。

ステップ②アピールする活動を1つ選ぶ 

それらの活動から特にアピールしたいポイントを選び、具体的なエピソードを交えて説明します。

コツ

大学のアドミッション・ポリシーも確認する。

参考記事:大学のアドミッションポリシーに関する特集記事はこちら

ステップ③上述の構成に沿って文章を書く

この際、数字や具体的な成果を示すことで、より説得力のある内容に仕上げることができます。

コツ

志望する大学や学部の理念や求める人物像と自分の活動を関連付けることで、内容に一貫性を持たせることが重要。

ステップ④書いた文章を第三者に見てもらう

書き終えた報告書は必ず第三者に読んでもらいましょう。フィードバックを得ることで、客観的な視点を取り入れることができます。以上のステップバイステップのプロセスを通じて、魅力的で効果的な活動報告書を完成させましょう。

活動報告書は大学側とのコミュニケーションの第一歩とも言えるため、明確な流れで読みやすく書くことも大切です。誤字脱字の確認と共に、内容が明確に伝わるかどうかの意見をもらうことにより、完成度の高い報告書を提出することができるでしょう。

コツ

ただ文章を渡すだけでなく、自分がその文章で伝えたかったことを口頭でも伝える。そうするとあなたの意図通りの内容が伝わる文章かどうかを判断してもらえる。また、そうすることで添削ではなく「そもそもこうしたほうが良い」というアドバイスももらえる可能性が出てくる。

部活動の経験を活かした大学受験の活動報告書の例文

活動報告書の例文

大学受験の活動報告書は、自身の経験をアピールする絶好の機会です。特に部活動での経験は、単なる趣味や特技ではなく、リーダーシップや協調性、問題解決能力などを示せる重要なエピソードとなります。

次の例文は、ダンス部の部長としてチームを全国大会に導いた経験をレポートしたものです。

私は部員が140名ほどいるダンス部で部長を務め、高校生活を通して部活動に積極的に取り組んできました。人数の多い部活動だからこそ大変なことは多々ありましたが、学べたことも多かったです。ここでは、特に大変だった2つのこととそこから得た学びを報告します。

1つ目は、大会作品を作り上げるまでに起こる「チームメイト同士での衝突」です。各々が抱えている思いは違っていたため、意見がぶつかり合ってしまうことが多くありました。しかし、その度にチーム全員で話し合う機会を設け、思っていることを伝え合ったり解決策を話し合ったりすることを繰り返しました。作品や練習態度、練習前の準備についてなど、話し合いは多岐に及びましたが、どんなことでもチームみんなで話し合うことで、人数が多くても全員の向く方向を揃え、同じ歩幅で進んでいくことができました。これらのことをやり切った結果、私たちの代では「全国大会出場」という結果を残すことができました。

2つ目は、「自主公演」です。私の所属していたダンス部では、年に数回、自分たちの作った作品で公演を行っていました。生徒だけで公演や多くの作品を作り上げることは非常に困難で、精神的に追い込まれる部員もいました。中には気持ちが滅入って、鬱状態に陥ってしまった生徒もいたほどです。そこで、私は部長として、そのような部員たちに寄り添い、声をかけて支え続けました。彼女たちの気持ちを聞き、個々にとって最善の行動が何であるかを共に考えました。彼女たちの未来が輝くものになるよう、部活動への参加方法についても一緒に考え、全力でサポートした結果、部員全員で引退まで活動し続けることができました。

私はこれらの経験を通して「1人1人、考えていること、やりたいことは違っていて、それを全て叶えることはできない」ということを自らの身をもって知りました。その上で、みんなの意見がまとまるようにどう説得したらいいのか、どんな案ならみんなが納得してくれるのかを考えることを繰り返しました。このような自らの気付きや成長を無駄にせず活用して、部活動全体で良好な関係を築いていくことができました。

また、自分の意見や考えを言える子もいれば言えない子もいたため、考えていることを察したり、言いやすい環境で聞いたりしてあげることが大切だということにも気付けました。これから先、大学に入って社会に出てからも、これらの経験を活かして、色々な個性を持った人と関わっていきたいと考えています。

活動報告書では、このような具体的なエピソードを活用し、活動を通じて得た人間関係の築き方や困難に直面した時の対処法なども具体的に記載することで、あなたの人間性をアピールできます。

このように、単なる実績や結果の羅列ではなく、どのように自分が成長したか、そしてその経験が大学生活にどのように活かされるかを詳述することで、あなたの個性や将来の可能性を伝える報告書となるでしょう。

よくある質問

よくある質問

総合型選抜などの推薦入試における活動実績報告書に関するよくある質問を集めました。これらへの回答を踏まえて、効果的な活動実績報告書を作成しましょう。

総合型選抜の活動報告書に書くことがないと困った時の対処法は?

総合型選抜の活動報告書を書く際に、記載する内容が思い浮かばないと感じることがあります。このような場合の書き方のステップを紹介します。

ステップ

詳細

まずは自身の過去の経験を振り返り、学校生活や課外活動、ボランティアなどを通じてどのようなスキルや知識を得たかを整理しましょう。

特定の経験が思いつかない場合、日常生活で培ったコミュニケーション能力や問題解決能力など、普遍的なスキルをアピールポイントとして挙げることができます。友人や家族、教師などに相談し、第三者の視点から自分の特長を見つけてもらうのも良い方法です。

これまでの経験を通じて達成した成果や、直面した課題とその克服方法を考えてみましょう。

このように、書くことがないと感じた場合は、自分の活動を再評価し、リーダーシップを発揮した経験や、困難を乗り越えたエピソードなどを掘り下げてみましょう。小さなことでも価値を見出して自分自身の成長を示す具体的なエピソードを選び、活動報告書に活かすことが大切です。

以下の記事では活動実績がない人に向けて、実績を作る具体的な方法について解説しています。合わせてご覧ください。

参考記事:総合型選抜で活動実績がない人向けの特集記事はこちら

総合型選抜の活動報告書を書く際の注意点は?

活動報告書を書く際の注意点は何か

総合型選抜の活動報告書を書く際には、次の点に注意してよくある間違いを避けることが重要です。

  1. 抽象的な表現や曖昧な言葉は避け、自分の活動や成果を具体的に示す
  2. 自己PRに偏りすぎず、客観的な視点を持つ
  3. 求められている要件やフォーマットを確認し、誤字脱字や形式的なミスを正す
  4. アドミッション・ポリシーとの合致を意識する
  5. 調査書の内容と矛盾する内容を書かない

最も重要なのは、具体的で正確かつ明確な活動内容を記載することです。誤解を招く表現や過度な誇張は避け、その活動を通じて何を学び、どのように成長したのかをしっかりと伝えることが求められます。また、自己評価だけでなく、他者からの評価やフィードバックも使えると説得力が増します。

なお、誤字脱字や形式的なミスがあると、内容が良くても印象を損ねる要因となるため、提出前に必ず添削してもらいましょう。下書きを始める前に求められている要件やフォーマットを確認し、必ずそれに沿った内容を記入することも重要です。

これらの点に注意することで、失敗を避け、より魅力的で評価される活動報告書を作成することができます。

総合型選抜では、大学に提出した後の活動報告書はどう活用すればいい?

総合型選抜の活動報告書は面接対策に有効です。活動報告書に記載した内容を見返すことで自分自身の成長や強みを再確認することができ、面接でどのように話すかをシミュレーションすることで、より説得力のあるアピールが可能になります。

また、活動報告書を自己PRや志望理由書などの他の書類やエッセイと連携させ、一貫性を持たせることで、説得力を高めるのがポイントです。過去の活動を振り返り、今後の目標を設定する際の指針とすることで、入学後の学びや活動に一貫性を持たせる下地にすることができます。

また、この活用をするためには原本を提出する前にコピーをとっておく必要があるので注意しましょう。

まとめ:自分の経験を最大限活かす

まとめ

本ページでは、総合型選抜(AO入試)などの推薦入試の活動報告書に関する詳細な情報を提供しました。その中でも、活動報告書について理解するために重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 活動報告書は、あなたの経験を通じて自分を表現する絶好の機会です。まず、自己分析を行い、自分の強みやユニークな経験を明確にしましょう。
  • 次に、それらを活動報告書にどう関連付けられるかを考え、具体的なエピソードを交えてあなたの経験を最大限にアピールすることが重要です。
  • 活動報告書では、活動内容や自分の経験を単に羅列するだけではなく、それがどのようにあなたを成長させ、学生生活や将来に役立つかを示すことが求められます。
  • 最後に、第三者に内容を確認してもらい、客観的な視点を反映させることで、より説得力のある活動報告書を作成しましょう。

これらのステップを踏むことで、あなたの経験を最大限に活かした報告書が完成します。各項目で紹介した情報を参考にし、あなたが総合型選抜(AO入試)などの推薦入試の活動報告書についてより深く理解し、志望校合格への道を切り開くのにお役立ていただければ幸いです。

参考記事:総合型選抜の学修計画書の書き方を例文やテンプレート付きで徹底解説

参考記事:総合型選抜(旧AO入試)の志望理由書の書き方とは?構成や例文、書き出し方も解説

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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