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作成日: 2025/1/17 更新日:2025/1/17

医学部とは何を学ぶ?授業内容や大学選びのポイントを解説

医学部とは何を学ぶ?授業内容や大学選びのポイントを解説

「医学部では何を学ぶの?」

「医学部って医者になりたい人しか進学しないの?」

このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

この記事では、医学部に興味をお持ちの方に向けて、医学部とはどのような学部であるのかということを解説しています。

この記事で学べることは以下の通りです。

  • 医学部とはどのような学部か
  • 医学部で学ぶこと
  • 大学選びのポイント
  • 学んだ後の進路や就職先
  • 医学部に向いている人の特徴

医学部について知りたい方、学部選びの参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

医学部とは何を学ぶ学部?

医学部とは何を学ぶ?

医学部とは、大学において医学に関する研究・教育を行っている学部です。

医学とは、人間や動物の健康を維持し、病気や障害を予防・診断・治療するための科学と技術のことであり、学ぶこととして大きく以下の3つに分けられます。

学ぶこと
概要
基礎医学
人体を構成する細胞や組織、器官の構造と機能、生命の維持に必要な仕組みなどを学ぶ。
臨床医学
病気の原因や症状、診断方法、治療法などを学ぶ。
社会医学
病気の予防や公衆衛生、法と医学の関係解明する法医学などを学ぶ。

次の章では、医学部に属する主な学科とそれぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

医学部に属する主な学科一覧と特徴

医学部にある主な学科

医学部にはどのような学科があるのでしょうか。

主な学科は以下の通りです。

  • 医学科
  • 看護学科
  • 保健学科
  • 栄養学科
  • 健康科学科
  • 生命科学科

それぞれ見ていきましょう。

医学科

一般的に医学部というと医学科を指すことも多いです。医学科は医学部で最も基本となる学科で、医師を目指す学生が学ぶ場所です。

そのため、医学全般、つまり基礎医学・臨床医学・社会医学のすべての分野を修得することになります。

医学に関する幅広い分野だけでなく、医師として働く際に必要なコミュニケーション能力や、臨床実習も行わなければならず、学ぶ内容が極めて多いため、6年制となっています。

​医学科を卒業することで、医師国家試験の受験資格を得ることができます。

そして、医師国家試験に合格し、2年間の研修医を経て、晴れて医師としてのキャリアをスタートさせることができます。

看護学科

看護学科とは

看護学科は、看護師を目指す学生が専門的な知識と技術を学ぶ学科です。

看護学部に属していることも多いですが、学ぶ内容は学部によらず基本的に同じです。

成人看護学、小児看護学、精神看護学などの看護の専門分野だけでなく、福祉学や栄養学、倫理学や心理学、社会学など幅広い分野を学び看護師としての基礎を身につけます。

また、臨床実習も多く行われ、実習を通じて実際の医療現場での対応力やコミュニケーション能力を養います。

卒業すると看護師の国家試験の受験資格を得られ、試験に合格することで、病院や診療所、在宅医療などで看護師として活躍することができます。

大学のカリキュラムや履修科目によっては、保健師国家試験の受験資格や養護教諭の資格なども取得できます。

保健学科

保健学科では、文字通り保健学について学びます。

保健学とは、人間の健康を保つための学問であり、学ぶ内容が多岐に渡ります。

例えば、予防医学や栄養学などの医学の基礎知識や、放射線医療や検査技術科学などの専門職としての知識などを学びます。

このように、学ぶ内容が多岐に渡るので学科内でコースや専攻に分かれていることが多く、放射線技師、検査技師、作業療法士、理学療法士などの専門職としての学びを深めることが多いです。

そして、卒業後はそれぞれの学びを活かし、医療・保健・福祉の専門職として活躍します。

栄養学科

栄養学科とは

栄養学科では、医学を基礎としつつ、人間の健康と栄養について深く学びます。つまり、栄養を通して病気の予防や治療につなげる知識の習得を目指します。

例えば、生物学、化学、生理学の基礎科目から始め、栄養学、食品科学、病態栄養学などの専門科目を学びます。

医学部としては、徳島大学にのみ存在する学科ですが、そのほかの大学にも、他学部の中に栄養学科や栄養学専攻という形で存在しています。

卒業することで、管理栄養士受験資格が得られるため、医療機関や学校、企業などで栄養士や管理栄養士として働く人が多いです。

健康科学科

健康科学科は、健康について科学的に学ぶ学科であり、医療と健康に関する幅広い知識を学びたい人向けの学科です。

例えば、栄養学や健康管理法、またその指導法など、基礎的な内容から実践的な内容まで幅広く学びます。

医学部には、東京大学に健康総合科学科、京都大学に人間健康科学科としてあります。その他にも、スポーツ科学部や健康科学部などの名称で近い学びをする学部や学科も存在します。

卒業生は、研究者やリハビリテーション専門家、栄養士など、医療・保健・福祉分野で幅広く活躍します。

この学科は、医療の現場で直接患者を支えるだけでなく、社会全体の健康を向上させる知識を身につけることができます。

​​生命科学科

生命科学科とは

​生命科学科は、生命現象について幅広く学ぶ学科です。

医学部には鳥取大学と九州大学に設置されており、その他の大学では、理学部や農学部、薬学部などに設置されていることが多いです。

生命現象の解明は、さまざまな分野への応用を目的としています。医学部としての生命科学科は、医学分野への応用を目的とした学びを深めます。

そのため、からだの仕組みや病気が起こるメカニズムなどの医学の基礎知識を習得し、ウイルス学や神経病理学、生体情報機能学などの専門科目を学びます。

医学の発展を支える学科であるため、卒業後は大学院へ進学し、研究者となる人が多いです。

医者を目指すなら医学科に進学する

医者になるなら医学科に進学する

医者を目指すなら医学部の医学科に進学しましょう。

なぜなら、医学科を卒業しなければ、医師国家試験を受験できないからです。

医者になるステップは以下の通りです。

  1. 大学の医学部医学科に進学する(6年間)
  2. 医師国家試験に合格する
  3. 初期臨床研修を受ける(2年間)

臨床研修が終わると、そのまま医者として仕事を始めることが可能です。

しかしほとんどの方が、より高度な資格である専門医の取得を目指します。

専門医などの医師としてのキャリアについては後ほど詳しく紹介します。

医学部医学科では何を学ぶ?カリキュラムや授業内容は?

医学科のカリキュラム

次に医学部医学科で学ぶ内容について深掘りしていきます。

1年〜2年次

1年〜2年次では主に基礎科目の学習を行います。

学年

学習内容

1年

医学の基礎となる解剖学や生理学のほか、一般教養科目として生物学、物理、数学、英語なども学ぶ

早期臨床実習で、医師の職場における仕事を実際に見たり患者とのコミュニケーション、外来体験を通して、医学生としての態度や心がけを学ぶ

2年

組織学や生理学薬理学、病理学、免疫学、微生物学などなどの基礎医学科目で人体の仕組みや病態の理解を深め、臨床を学ぶための基礎を築く

早期臨床実習で、基礎医学の知識をもとにした症例シミュレーションや、医師の活動内容やチーム医療について理解する

3年〜4年次

3年〜4年次では、2年次までの基礎科目をもとに、臨床科目の学習を行います。

学年

学習内容

3年

呼吸器系や消化器系、神経系や感染症、精神医学や救急医療などの臨床科目を学び始める

4年

模擬実習などの実技トレーニングを通して診断や治療の基本を学び、5年次からの臨床実習に備える

5年〜6年次

5年〜6年次では臨床実習と医師国家試験対策がメインです。

学年

学習内容

5年

大学附属病院や協力病院などでの臨床実習が始まり各診療科をローテーションしながら、実践的な能力を高める

指導医のもと、これまで学んできた知識の応用を行なっていく

6年

臨床実習を続けながら、5年間で身につけた知識の確認や定着を行い、医師国家試験の対策を行なっていく

大学によってカリキュラムには多少の違いがありますが、概ねこのような流れで進んでいきます。

次の章では医学部のある大学の一例を紹介します。

医学部のある大学の一例を紹介

医学のある大学の一例

医学部のある大学の一例として、以下の大学が挙げられます。

  • 東京大学(国立)
  • 千葉大学(国立)
  • 東京科学大学(旧東京医科歯科大学)(国立)
  • 名古屋大学(国立)
  • 札幌医科大学(公立)
  • 横浜市立大学(公立)
  • 京都府立医科大学(公立)
  • 奈良県立医科大学(公立)
  • 慶應義塾大学(私立)
  • 順天堂大学(私立)
  • 日本大学(私立)
  • 帝京大学(私立)

一部の大学を詳しく見ていきます。

東京大学

東京大学医学部は、約150年の歴史を持ち、日本の医学教育及び医療研究の中心的役割を果たしてきました。言わずと知れた日本最難関の医学部です。

東京大学には、進学振り分け制度があるため、2年前期までの成績をもとに進学する学科が決まります。

これには、指定科類枠があり、医学部医学科に進学する学生のほとんどが理科三類の学生となっているため、東京大学医学部に進学したい場合は、理科三類に合格することが最適です。

東京大学医学部は医学科と健康総合科学科の二つの学科を有し、医師や研究医の養成に加え、健康の維持や病気の予防、看護、介護など幅広い健康科学分野での専門家を育成しています。

東京大学医学部の特徴は以下の通りです。

  • 先端的な医療研究と教育システム
  • 学際的なアプローチを取り入れたカリキュラム
  • 国内外での研究交流と連携
  • 進学振り分け制度による幅広い教養の習得が可能

参照元:東京大学 医学部の特長

札幌医科大学

札幌医科大学

札幌医科大学は医学部と保健医療学部を保有する医療系総合大学です。

その地域性から、北海道の地域医療を支えている大学であり、少人数教育を重視しています。

札幌医科大学医学部の特徴は以下の通りです。

  • 道内100以上の病院との関係があり地域医療について学べる
  • 医師のキャリアを支援する卒後プログラムがある
  • 大学院博士課程を3年で修了することが可能なプログラムがある

参照元:札幌医科大学 医学部の特徴

順天堂大学

順天堂大学医学部は、180年以上の歴史を持ち、「仁」の精神を核とした医療人育成に注力しています。

順天堂大学の医学部では、全ての入試形式で小論文と面接が課されており、学力以外の面も評価されます。

順天堂大学医学部の特徴は以下の通りです。

  • 高い医師国家試験合格率
  • 「基礎研究医育成プログラム」により早期に研究がスタートできる
  • 全ての入試において小論文、面接が課される

参照元:順天堂大学 医学部の特長順天堂大学 医学部 2025年度募集要項

それぞれ独自の理念や教育プログラムを持ち、医学及び医療分野の進歩に貢献する医療人の育成に注力しています。

次の章では医学部に進学するにあたって、大学選びのポイントについて解説します。

大学選びのポイント

大学選びのポイント

医学部に進学するにあたって、どのように大学を選んだら良いのでしょうか。

以下に大学選びにおける4つの重要なポイントをまとめます。

  • カリキュラム
  • 学費
  • 立地・通いやすさ
  • 医師国家試験の合格率

4つのポイントを詳しく見ていきましょう。

カリキュラム

医学部を選ぶ際は、大学のカリキュラムが自分の学びたい内容や目指すキャリアに合致しているかを確認することが重要です。

カリキュラムは、学べる内容や教育方針を示し、大学によって焦点を当てる分野が異なります。

例えば、医師としてのキャリアを重視する大学もあれば、研究者人材としての教育も重視している大学などがあります。

地元の医療を支えたい場合などであれば、前者のような大学を選択し、地域枠などの入試形式も検討できるでしょう。

一方で、医師としてではなく、研究者として活躍したい場合は、後者を選ぶ必要があるでしょう。

また実習先にはどのような病院があり、どのような研修が可能なのかは重要な比較ポイントです。

大学によっては、国内だけでなく海外研修が用意されていることもあります。

自分の学び方や目指す将来像に合ったカリキュラムを持つ大学を選ぶことで、将来のキャリアパスに適した教育を受けることが可能になります。

学費

学費

私立大学の医学部の学費は他の学部に比べて極めて高額になります。

なぜなら、6年間と他学部よりも長い修学年数があるだけでなく、実習や研修などのための施設設備費などの費用も高額だからです。

また、医学部生は人数が少ないことや、大学病院の経営を行なっていることなども費用が高額になる要因です。

安くても約2000万円ほどかかり、高額なところでは、5000万円近くかかることもあります。

国公立大学であれば、国が学費を決めているため、他学部と変わらない学費で学ぶことができ、400万円前後となっています。

このように、莫大な費用がかかる可能性があるため、経済面も考慮しつつ、大学を選ぶことが大切です。

立地・通いやすさ

立地や通いやすさも重要です。

なぜなら、医学部の学生は学習内容が多く、講義、実習、研究に多くの時間を費やすからです。

また、この時、大学のキャンパスのみならず、実習先の病院の立地なども確認しておくと良いでしょう。

通学の利便性を考慮して、自分にとって最適な医学部を選ぶことが重要です。

医師国家試験合格率

医師国家試験合格率

大学選びでは、医師国家試験の合格率は重要なポイントです。

なぜなら、せっかく厳しい受験を突破し、6年間の医学科での学びを行ったとしても、医師国家試験に不合格であれば、医師としてのキャリアをスタートさせることはできないからです。

医師国家試験は一年に一回しかありません。そのため、一度不合格になると一年間をさらに無駄にすることになります。

以下に第118回(2024年度)医師国家試験において新卒者の合格率が高かった大学を紹介します。

大学名
合格率
群馬大学
100%
名古屋大学
100%
自治医科大学
100%
東海大学
100%
日本医科大学
99.2%
国際医療福祉大学
99.2%
兵庫医科大学
99.1%
杏林大学
99.1%

参照元:第118回医師国家試験大学別合格率

卒業後の進路・就職先

医学部卒業後の進路・就職先

医学部を卒業した人は、どのような進路を歩んでいるのでしょうか。

医学科とそれ以外の学科に分けて紹介します。

​​医学科卒業後の進路

医学科卒業後の主な就職先で挙げられるのは以下の通りです。

  • 開業医や勤務医などの医者
  • 大学や研究機関で研究者
  • 民間企業

それぞれ見ていきましょう。

開業医や勤務医などの医者

多くの方が医学科卒業後、医者としてのキャリアをスタートさせます。

そして、医学科卒業後の2年間の研修を終えると医師として働くことはできますが、ほとんどの場合、専門医の取得を目指します。

専門医について

専門医とは、内科や外科、小児科などのそれぞれの診療科において、科学的根拠に基づいた医療を行える医師のことです。

専門医になるためには、以下のステップを踏みます。

  1. 2年間の臨床研修を終える
  2. 自分が目指す専門領域ごとの専門研修を受ける(3〜5年)
  3. 認定試験に合格する
  4. 5年ごとに更新を行う

さらに、専門医の取得後は、より専門性の高いサブスペシャリティ領域の専門医を取得することもできます。

例えば、内科の専門医を取得後、消化器内科や循環器内科などの一つの領域のサブスペシャリティ領域専門医を取得できます。

このように、自分で選択をして専門性を高めることができます。

参照元:専門医とは

開業医と勤務医について

医師として働く際、診療科などの専門性と合わせて、働き方としても、自身で開業したり実家のクリニックを継いだりという開業医としての働き方と、会社員のように勤務医として働く形があります。

開業医として働く場合は、自分の裁量で働くことができるため、より柔軟な働き方ができたり、頑張り次第で収入が上げられることなどがメリットとして挙げられます。

一方で、経営者としての側面も持つため、自分で集客を行う必要があったり、収入が安定しない可能性があったりというデメリットがあります。

勤務医として働く場合は、研修などの制度が充実しており最先端の医療を学ぶ機会があったり、チームで連携した医療を行えたりというメリットがあります。また、基本的には給料も安定しています。

一方で、デメリットとしては、希望しない部署への異動や夜間勤務や待機時間などによる労働時間の長期化などが挙げられます。

それぞれメリットとデメリットがあるため、自分にあった働き方ができる形を選択しましょう。

大学や研究機関での研究者

大学や研究機関での研究者は、医学科卒業後に選ぶことができるキャリアパスの一つであり、教育と研究の二つの主な役割を担います。

大学では、学生への講義や指導を通じて次世代の医師や医療従事者の育成に貢献し、医学の進歩に寄与する研究を行います。

研究機関では、新たな医療技術の開発、病気の原因解明、治療法の改良など、医学の最前線での研究に従事します。

これらの仕事は高い専門知識と技術を要求され、常に新しい知識の追求が求められるため、医学の発展に貢献したいと考える人にとって、大変魅力的なキャリアプランです。

民間企業

医者や研究者にならずに民間企業へ就職する人もいます。

例えば、医薬品や医療機器の会社での製品開発や、製薬会社で新薬の開発に携わる人もいます。

このように、医学科卒業後は、医者や研究者以外にも、その専門的な学びを活かし民間企業で活躍できます。

医学科以外の学科を卒業後の進路

​では、医学科以外の学科を卒業した人の進路はどうでしょうか。

以下に一例をまとめて紹介します。

進路
詳細
看護師
看護学科卒業後に選択する一般的な進路。
患者のお世話や医師の診察の補助を行う。
看護師として働くためには、国家試験に合格する必要がある。
放射線技師
保健学科卒業後の進路の一つ。
人体に放射線を照射し、診断画像の撮影を行う。
管理栄養士
栄養学科卒業後の進路の一つ。
高齢者や病気を患っている方への栄養指導や栄養管理を行う。
医療・福祉施設や小中学校で活躍する。
研究者
生命科学科や健康科学科を卒業後の進路として多い。
国立研究所や民間企業で、新しい治療法の開発などを行う。

医学部に​​向いている人の特徴

医学部に向いている人の特徴

医学部に向いている人は、以下のような特徴がある人です。

  • コミュニケーション能力がある
  • 思いやりや共感性がある
  • 継続した学習ができる
  • 高い倫理観と責任感がある
  • 心身ともに強くタフである

これらの特徴に当てはまる人は医学部に向いていると言えるでしょう。

それぞれ解説します。

コミュニケーション能力がある

​医学部生にとってコミュニケーション能力は必須です。

なぜなら、医師という仕事は一人でするものでなく、看護師さんやその他の診療科の医師とチームで行うものだからです。

また、患者さんやその家族に病状や治療法を的確に伝えたり、時には悲しい現実を伝える必要もあります。

そのため、コミュニケーション能力は極めて重要な能力です。

​​思いやりや共感性がある

思いやりや共感性がある

思いやりや共感性も重要です。

なぜなら、患者さんは必ず何かしらの病気や怪我を持っているからです。

その痛みや苦しみに共感し、患者さんやその家族への思いやりを持って接することが必要です。

継続した学習ができる

​継続した学習ができるかどうかは極めて重要です。

医学部へ進学するためには、厳しい大学受験を突破する必要があります。

その後、膨大な量の知識を6年間かけて学び、医師へとなります。

さらに、医師になった後でも、常に進歩する医学についていくためには、学会への参加などの自己研鑽が求められます。

このように、一生勉強が必要となります。

このような継続的な学習ができるかたは、医学部が向いているでしょう

​高い倫理観と責任感がある

高い倫理観と責任感がある

高い倫理観と責任感がある人は医学部に向いています。

なぜなら、医師という仕事は人の命を取り扱うものだからです。

高い倫理観はもちろんのこと、責任感の強さも必要です。

心身ともに強くタフである

心身ともに強くタフである方は医学部に向いています。

なぜなら、医師という仕事は、肉体的にも精神的にも厳しい仕事だからです。

夜間勤務や休日勤務だけでなく、勉強などの自己研鑽も行う必要があります。

さらに、人の死を何度も目撃することにもなります。

このように、心身ともに大変である医師になるためには、タフさが求められます。

よくある質問

よくある質問

医学部に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。よく抱く疑問とその回答を記載していきます。

学費の負担を減らす方法はありますか?

主に以下の3つの手法があります。

  • 奨学金の活用
  • 国公立大学への進学
  • 地域枠の活用

それぞれ解説します。

​​奨学金

まずは、奨学金の活用です。奨学金にはさまざまな種類があります。

注意しなければいけないのは、貸与型と給付型の違いです。

給付型は返済不要ですが、貸与型は返済義務があります。

そのため、奨学金を借りることがかえって負担を招くケースもあります。

しっかりと制度を見極めて、自分に合ったものを活用しましょう。

​​国公立大学への進学

次に、国公立大学へ進学することです。

国公立大学は、学費が国により定められているため、私立大学と比べて圧倒的に安くなっています。

入試の難易度は上がる傾向にありますが、経済的負担はかなり減らすことができます。

地域枠の活用​

最後に、地域枠の活用です。

地域枠とは、地域の医療人材育成を目的に、学費の一部免除や、卒業後の地域内での勤務が決まっているものです。

例えば、大学卒業後は、必ず2年間は北海道内の病院で勤務しなければならない、というような条件のもと入学することです。

出願条件なども異なっており、各大学でも制度が異なるため、希望の大学にそのような制度がないか確認してみましょう。

医師の仕事は大変ですか?

医師の仕事は大変か

医師の仕事は肉体的にも精神的にも大変です。

例えば、救急科や内科などは24時間体制での診療が必要であるため、夜間勤務や休日勤務があります。

また、医学は日々進歩しており、最先端の治療を行うために、常に継続的な学習も求められます。

その上で、人の命を取り扱ったり、厳しい現実を患者さんやその家族に伝えたりする必要もあります。

このように、医師という仕事は、人の命を支えるやりがいのある仕事である一方で、極めて大変な仕事です。

女性医師と男性医師でキャリアプランは変わりますか?

基本的には、自身の選択によって専門領域を選択できるため性別ではなく個人によって異なるものです。

その上で、外科や内科は男性医師の割合が高く、産婦人科や皮膚科、眼科などは女性医師の割合も高くなっています。

医師としての専門分野は個人で選択できるため、あなたの価値観によってキャリアプランは決められます。

この記事のまとめ

この記事のまとめ

本記事では、医学部で学ぶ内容や医学部ににある学科、医学部のある大学の一例、そして学んだ後の進路や就職先までを詳しく解説しました。

その中でも、医学部に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 医学部には、医学科・看護学科・保健学科・栄養学科・健康科学科・生命科学科がある
  • 医者になるなら、医学科に進学する必要がある
  • 医学部を選ぶ際は、カリキュラム、学費、通いやすさ、医師国家試験合格率を考慮する
  • 医学部を卒業しても、医者にならない人もいる
  • 医師としてのキャリアは、自身で専門領域を決めることができる

この記事を通して、医学部の全体像をつかみ、あなたの進路選択の参考になれば幸いです。


この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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