作成日: 2026/3/12 更新日:2026/3/12
指定校推薦と公募推薦の違いは?定義や時期、併願できるかも解説

指定校推薦や公募推薦について調べ始めると、「指定校推薦と公募推薦の違いは?」「自分にはどっちが向いているの?」と悩む受験生や保護者は少なくありません。
そこで本記事では、以下の内容について解説します。
- 指定校推薦と公募推薦の違い
- それぞれの仕組みやメリット・デメリット
- 選考方法や合格率の傾向
- 向いている人の特徴について
- どちらの推薦が自分に合っているのか判断するためのポイント
- 合格を目指すうえで押さえておきたい対策内容
「指定校推薦と公募推薦で迷っている」「後悔しない受験方法を選びたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
学校推薦型選抜とは

指定校推薦と公募推薦を理解するためには、まず「学校推薦型選抜」という入試制度そのものを知る必要があります。
現在の大学入試では、推薦入試は「学校推薦型選抜」という名称で統一されています。
以前は単に「推薦入試」と呼ばれることが一般的でしたが、大学入試改革に伴い正式名称が変更されました。
文部科学省の大学入学者選抜実施要項では、学校推薦型選抜は次のように定義されています。
項目 | 内容 |
入試の名称 | 学校推薦型選抜 |
推薦者 | 出身高校の校長 |
主な評価資料 | 調査書(内申成績など) |
判定方法 | 出願書類を中心に総合的に評価 |
つまり、学校推薦型選抜とは「出身高校の校長の推薦に基づいて出願し、主に調査書などをもとに評価される入試方式」です。
また、文部科学省は大学に対して、書類審査だけで合否を決めるのではなく、以下のような評価方法のうち少なくとも1つを組み合わせるよう求めています。
- 小論文
- 面接
- 実技検査
- 資格検定の結果
- 大学入学共通テスト
- 大学独自の個別試験
このように、学校推薦型選抜では学力試験が行われない場合もありますが、多くの大学で小論文や面接などが課されます。
また、学校推薦型選抜の大きな特徴は「高校の推薦が前提になる」という点です。
自分の意思だけで自由に出願できるわけではなく、出身高校から推薦を受ける必要があります。
この点は、総合型選抜との大きな違いです。
入試方式 | 出願方法 |
学校推薦型選抜 | 高校の推薦が必要 |
総合型選抜 | 原則として自分の意思で出願可能 |
総合型選抜は基本的に公募制であり、受験生が自分の意思で出願できます。
一方、学校推薦型選抜は高校側の推薦が必要になるため、学校内での選考や基準をクリアすることが前提となります。
この学校推薦型選抜の中に、「指定校推薦」と「公募推薦」という2つの方式が存在します。
指定校推薦とは

指定校推薦とは、大学があらかじめ指定した高校に対して与える推薦枠を利用して出願する入試制度です。
高校と大学の信頼関係のもとで行われる入試制度であり、日頃の成績や学校生活の取り組みが重視されます。
以下では、指定校推薦について表でまとめました。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 大学が指定した高校に在籍している生徒のみ出願できる |
推薦方法 | 高校内での選考を通過した生徒が大学へ推薦される |
評価ポイント | 評定平均、出席状況、学校生活への取り組み姿勢などが重視される |
試験内容 | 学力試験がない場合が多く、小論文や面接のみで選考されることが多い |
競争範囲 | 校内の生徒同士で推薦枠を争う |
合格後 | 原則として入学辞退ができない(専願) |
向いている人 | 成績を安定して維持してきた人、早く進学先を決めたい人 |
校内選考を通過すれば合格の可能性が高い点が大きな特徴ですが、合格後は原則として進学を辞退できません。
そのため、進学先をしっかり検討したうえで利用することが大切な入試方式といえます。
公募推薦とは

公募推薦とは、大学が出願条件を満たす受験生を広く募集し、高校からの推薦を受けて出願する入試制度です。
出願条件を満たしていれば多くの受験生が挑戦できる入試方式であり、成績だけでなく志望理由や意欲などを含めた総合的な評価が行われます。
以下に公募推薦の概要を記載します。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 大学の出願条件(評定平均など)を満たしていれば、多くの高校から出願できる |
推薦方法 | 高校からの推薦を受けて出願する |
出願範囲 | 指定校推薦と違い、特定の高校に限定されない |
選考内容 | 調査書、小論文、面接、プレゼンテーション、学力試験など(大学によって異なる) |
評価ポイント | 学力だけでなく、志望理由や学習意欲、人物面などを総合的に評価 |
併願 | 大学によっては併願可能な場合がある |
向いている人 | 自分の意欲や考えをアピールしたい人、複数の大学に挑戦したい人 |
指定校推薦よりも受験の選択肢が広く、併願が可能な場合もあるため、受験のチャンスを広げたい人に向いた入試方式といえます。
参考:公募推薦入試を受けるべきか?メリット・デメリットや受けるべき人の特徴と共に解説
指定校推薦と公募推薦の違い

指定校推薦と公募推薦は、どちらも高校からの推薦を受けて出願する入試方式です。
ただし、出願できる条件や選考方法、スケジュールなどには明確な違いがあります。
それぞれの特徴を理解することで、自分に合った受験方法を選びやすくなります。
出願数の違い
指定校推薦と公募推薦では、出願できる大学の数に違いがあります。
項目 | 指定校推薦 | 公募推薦 |
|---|---|---|
出願時期 | 10〜11月頃 | 10〜11月頃 |
選考時期 | 出願後すぐ | 出願後すぐ |
合格発表 | 11〜12月頃 | 11〜12月頃 |
進路決定の早さ | 非常に早い(合格=進学確定) | 比較的早い(合格後も進路変更の可能性あり) |
併願の可否 | 原則不可(専願) | 可能な大学もある |
進路選択の自由度 | 低い(合格後は原則進学) | 比較的高い(他大学受験を続けられる場合がある) |
指定校推薦は、合格した場合にその大学へ必ず進学することを前提とした「専願」の入試方式です。
合格が決まった時点で進路がほぼ確定し、原則として他大学の受験はできません。
高校が大学に対して責任を持って推薦する制度であるため、途中で進路を変更することは基本的に認められていない点が大きな特徴です。
一方、公募推薦は大学によって「専願」と「併願可」の2種類があります。
併願可の場合は、推薦入試に合格していても一般入試や他大学の受験を続けられるため、より幅広い進路選択が可能になります。
志望校を複数検討したい人や、一般入試にも挑戦したい人にとっては、公募推薦のほうが柔軟に受験戦略を立てやすい入試方式といえるでしょう。
公募推薦と指定校推薦のスケジュールはおおよそ同じですが、指定校推薦は校内選考を通過した時点でほぼ大学合格が決まるのに対し、公募推薦の合格率は未知数です。
そのため、公募推薦を利用する場合、不合格だった場合の次のアクションを常に検討しておく必要があります。
選考方法の違い

指定校推薦と公募推薦は、選考の進み方や評価されるポイントには明確な違いがあります。
選考方法の違いを理解することで、自分に合った対策を立てやすくなります。
項目 | 指定校推薦 | 公募推薦 |
|---|---|---|
推薦の形 | 高校が大学に推薦 | 高校の推薦を受けて出願 |
校内選考 | あり(評定・生活態度を重視) | 原則なし |
学力試験 | なし、または簡易的 | ありの場合が多い |
主な選考内容 | 調査書、面接、小論文など | 調査書、面接、小論文、学力試験など |
評価の中心 | 高校での成績・人物評価 | 学力・意欲・表現力の総合評価 |
競争範囲 | 校内 | 全国の受験生 |
指定校推薦は校内選考があり、競争範囲が校内に限られるため、高校内での評価がもっとも重視されます。
一方、公募推薦は全国の受験生との競争となり、学力や表現力を含めた多角的な評価が行われます。
それぞれの選考方法の違いを踏まえ、自分の強みが生きる入試方式を選ぶことが大切です。
出願要件の違い
両者は出願できる条件に大きな差があり、ここが最も重要な違いの一つです。
項目 | 指定校推薦 | 公募推薦 |
|---|---|---|
対象高校 | 大学が指定した高校のみ | 条件を満たせば全国の高校 |
評定平均 | 高めに設定されることが多い | 条件は大学ごとに異なる |
校内選考 | あり(枠数が限られる) | 基本的になし |
併願 | 原則不可(専願) | 可能な大学も多い |
指定校推薦は限られた枠を校内で争う必要がありますが、その分条件を満たせば有利です。
公募推薦は出願の自由度が高く、より多くの受験生にチャンスがあります。
出願できる人の違い

指定校推薦と公募推薦の大きな違いの一つは、「誰が出願できるのか」という点です。
それぞれの特徴をまとめると、次のようになります。
- 指定校推薦……大学から指定されている高校の生徒のみ
- 公募推薦……大学の条件を満たし、高校の推薦を受けた生徒
指定校推薦は、大学が特定の高校に対して推薦枠を割り当てる方式です。
そのため、自分の高校にその大学の推薦枠が来ている場合のみ出願できます。
また、各高校に割り振られる人数は1〜数名程度であることが多く、人気大学では高校内で推薦者を決める必要があります。
一方、公募推薦は高校が指定されていません。
大学が提示している条件(評定平均や活動実績など)を満たし、出身高校の推薦が得られれば出願できます。
つまり、公募推薦は「大学の条件を満たしていれば全国の高校生が出願できる」という点が特徴です。
なお、文部科学省の調査によると、学校推薦型選抜の中でも公募型の割合は次のようになっています。
- 国立大学……99.2%
- 公立大学……90.2%
- 私立大学‥‥22.3%
このデータからも分かるように、国公立大学では公募推薦が中心です。
一方で、指定校推薦は主に私立大学で多く採用されている方式です。
校内選考の有無と厳しさの違い
指定校推薦と公募推薦では、高校内での選考の仕組みにも違いがあります。
まず、指定校推薦では大学に出願する前に高校内の選考があります。
指定校推薦は大学から高校に対して限られた人数の枠が与えられる制度です。
そのため、高校側は「誰を推薦するか」を校内で決める必要があります。
多くの場合、校内選考では次のような点が評価されます。
- 評定平均(内申成績)
- 生活態度や欠席状況
- 部活動や課外活動の実績
- 志望理由や進学意欲
枠が1〜2名程度のことも多いため、人気大学では校内で競争になることもあります。
一方、公募推薦でも高校の推薦は必要です。
学校推薦型選抜は文部科学省の制度上、「出身高等学校長の推薦に基づき」行われる入試方式だからです。
また、文部科学省は大学に対して、推薦要件をできるだけ具体的に示すよう求めています。
ただし、公募推薦は指定校推薦のように「その高校だけの限られた枠」を争う制度ではありません。
大学の条件を満たしていれば出願できるため、指定校推薦ほど校内で枠を争うケースは多くないといえます。
このように、指定校推薦は高校内での選考が大きなポイントになるのに対し、公募推薦は大学が提示する出願条件を満たしているかどうかが重要になります。
合格率の違い

合格率にも指定校推薦と公募推薦では明確な傾向の違いが見られます。
項目 | 指定校推薦 | 公募推薦 |
|---|---|---|
合格率 | 非常に高い | 指定校推薦より低め |
不合格の可能性 | 低い | あり |
競争相手 | 校内の生徒 | 全国の受験生 |
選考の厳しさ | 比較的緩やか | 大学ごとに差が大きい |
指定校推薦は推薦枠があるため合格率が高く、ほぼ確実に合格が期待できます。
一方、公募推薦は競争がある分、対策次第で合否が分かれる入試方式といえます。
合格後の扱いの違い(専願・辞退のしやすさ)
指定校推薦と公募推薦では、合格した後の扱いにも違いがあります。特に大きいのは「専願かどうか」という点です。
文部科学省の調査によると、私立大学の学校推薦型選抜では次のような傾向があります。
- 公募推薦……55.4%が併願可能
- 指定校推薦……91.7%が専願
このデータからも分かるように、指定校推薦は専願になるケースが多い入試方式です。
指定校推薦は、大学が特定の高校に対して「この高校なら信頼できる学生を推薦してくれる」と考えて推薦枠を出す制度です。そのため、大学側としては「合格したのに辞退される可能性が高い」という前提では枠を出しにくくなります。
このような理由から、指定校推薦は「合格したらその大学に進学する」という前提が強く、専願条件が設定されることが多いのです。
また、指定校推薦では大学へ出願する前に高校内での確認が行われることが一般的です。例えば次のような点が確認されることがあります。
- 本当にその大学へ進学する意思があるか
- 他の大学へ進学したい気持ちがないか
このような理由から、指定校推薦では進学意思の確認が比較的厳しく行われる傾向があります。
入試方式ごとの併願の考え方をまとめると、次のようになります。
- 私立大学の公募推薦……併願できる大学も多い
- 私立大学の指定校推薦……専願が多い
- 国公立大学の学校推薦型選抜……基本的に1校1学部のみ
なお、指定校推薦と公募推薦を両方検討するケースもあります。
例えば、指定校推薦の校内選考に通らなかった場合、公募推薦や一般選抜に切り替えるという進路です。
指定校推薦は高校ごとに1〜数名程度の枠しかないことが多いため、校内選考で推薦を得られない生徒が出るのは珍しくありません。
そのため、指定校推薦を第一志望にしつつ、公募推薦や一般選抜を併せて検討する受験生も多くいます。
時期の違い

指定校推薦と公募推薦はどちらも学校推薦型選抜に含まれるため、大学への正式な出願時期は大きく変わりません。
一般的な流れは次のようになっています。
- 秋に出願準備
- 11月以降に大学へ出願
- 12月以降に合否発表
これは文部科学省が定めている大学入学者選抜のスケジュールに基づいています。
ただし、学校推薦型選抜の中でも大学入学共通テストを利用する方式では、合格発表が遅くなる場合があります。
公立大学向けの実施要領では、合格発表の時期は次のように整理されています。
- 共通テストを課さない場合……1月23日まで
- 共通テストをす場合……2月11日まで
このように、試験方式によっては結果発表が年明けになることもあります。
また、指定校推薦と公募推薦では「大学に出願するまでの準備時期」に違いがあります。
指定校推薦では、大学への出願前に高校内で推薦者を決める「校内選考」が行われます。
そのため、大学の出願が11月でも、高校内ではそれより前から準備が進んでいることが多いです。
指定校推薦の一般的な流れは次のとおりです。
- 高2冬〜高3春 大学や推薦枠の情報収集
- 高3夏まで 志望校を決める
- 高3秋 校内選考
- 11月以降 大学へ出願
一方、公募推薦は次のような流れになることが多いです。
- 高3夏〜秋 志望理由書や面接対策
- 11月以降 大学へ出願
- 11月〜12月ごろ 試験
- 年内〜年明け 合格発表
ただし、校内選考の時期や出願準備のスケジュールは高校によって異なります。
実際の締切や校内スケジュールは、必ず担任や進路指導の先生に確認することが重要です。
公募推薦と指定校推薦のメリット・デメリット

公募推薦と指定校推薦はどちらも学校推薦型選抜に分類される入試方式ですが、それぞれ特徴が異なります。
進路が早く決まりやすい方式もあれば、受験できる大学の幅が広い方式もあります。
ここでは、共通のメリットと、それぞれのメリット・デメリットを整理します。
共通のメリット
学校推薦型選抜の大きな特徴は、進路が比較的早い時期に決まりやすい点です。
制度上、学校推薦型選抜は「11月1日以降に出願」「12月1日以降に合格発表」が基本とされています。
そのため、指定校推薦や公募推薦で合格すれば、一般選抜よりも早い段階で進学先が決まる可能性があります。
一般選抜では2月〜3月に合否が出ることが多いため、受験期間が長くなりやすいです。
それと比べると、推薦入試は年内に進路が決まるケースも多く、精神的な負担が軽くなるというメリットがあります。
指定校推薦のメリット・デメリット

指定校推薦の主な特徴は、高校内の推薦枠を利用して出願する点です。
メリット | 校内選考を通れば合格に近づきやすい |
面接や小論文などが中心で、学力試験がない大学も多い | |
競争相手が高校内の生徒に限られる | |
デメリット | そもそも高校に推薦枠がない大学には出願できない |
専願が多く、合格後に進路変更できない場合が多い | |
高校での成績や生活態度の影響が大きい |
指定校推薦は、大学が特定の高校に推薦枠を割り当てる制度です。
そのため、校内選考を通過できれば合格の可能性は比較的高く、早い段階で進路が決まりやすいという特徴があります。
一方で、推薦枠がなければ出願できないことや、専願条件が多いことには注意が必要です。
参考:指定校推薦のデメリットとは?他の受験制度との違いやメリットデメリットを解説
公募推薦のメリット・デメリット
公募推薦は、大学が提示する条件を満たしていれば全国の高校生が出願できる方式です。
公募推薦は、高校に指定校枠がなくても出願できるため、受験のチャンスを広げやすい入試方式です。
項目 | 内容 |
メリット | 高校に推薦枠がなくても自分で受験のチャンスを作れる |
国公立大学を含めて受験できる大学の選択肢が広い | |
併願できる大学も多い | |
デメリット | 小論文や面接だけでなく学力試験が必要な大学もある |
共通テストが必要になる場合もある | |
不合格の場合は一般選抜へ切り替える必要がある |
特に国公立大学では公募推薦が中心となっています。
ただし、大学によっては小論文や面接に加えて学力試験や大学入学共通テストが必要になる場合もあります。
また、不合格になった場合には一般選抜へ素早く切り替える必要があります。
自分に合った入試方式を選ぶことが大切

指定校推薦と公募推薦は、それぞれメリットとデメリットが異なる入試方式です。
- 成績が安定しており、早く進路を決めたい人
- 志望校が明確で専願でも問題ない人
こうした人には指定校推薦が向いている場合があります。
一方で、
- 志望校の幅を広げたい人
- 国公立大学を目指したい人
こうした人には公募推薦が選択肢になることがあります。
自分の成績状況や志望校、受験戦略を踏まえて、どの入試方式が合っているのかを考えることが大切です。
公募推薦と指定校推薦のどっちがいい?

公募推薦と指定校推薦はどちらも学校推薦型選抜に分類される入試方式ですが、「どちらがよいか」は一概には決められません。
成績の状況や志望校へのこだわり、併願したいかどうかなどによって、向いている方式は変わります。
ここでは、それぞれの推薦方式に向いている人の特徴を整理します。
公募推薦のほうが向いている人
公募推薦は、大学が定めた出願条件を満たしていれば全国の高校生が出願できる入試方式です。
そのため、指定校推薦とは異なり「高校に枠があるかどうか」に左右されません。次のような人は、公募推薦のほうが向いている場合があります。
- 自分の高校に志望大学の指定校推薦枠がない人
- 指定校の校内選考では難しそうだが、大学の選考で勝負したい人
- 複数の大学を比較しながら受験したい人
- 志望理由書、面接、小論文などを準備して実力を伸ばしたい人
- 国公立大学を志望している人
公募推薦では、評定平均だけでなく、志望理由書や面接、小論文などを含めた総合評価が行われることが多くあります。
そのため、「なぜこの大学で学びたいのか」「将来どのような目標を持っているのか」といった内容を自分の言葉で説明できる人に向いている入試方式です。
参考:公募推薦入試で受かる人と落ちる人の特徴とは?対策や狙い目の大学も紹介
指定校推薦のほうが向いている人

指定校推薦は、大学から高校に割り当てられた推薦枠を利用する入試方式です。
大学に出願する前に高校内で推薦者が決まるため、日頃の学校生活での評価が大きく影響します。
次のような人は指定校推薦に向いている可能性があります。
- 評定平均が高く、成績が安定している人
- 欠席や遅刻、提出物の遅れが少ない人
- 学校の先生から「安心して推薦できる」と評価されやすい人
- 合格したらその大学へ進学する意思が固い人
指定校推薦は校内選考を通過すれば合格に近づきやすい入試方式です。
そのため、日頃から真面目に学校生活を送ってきた人にとっては有利に働くことがあります。
参考:指定校推薦の校内選考で選ばれる人の特徴は?推薦をもらうには何をすべきか徹底解説
迷ったときの判断基準
公募推薦と指定校推薦のどちらを選ぶべきか迷った場合は、次の3つのポイントで考えると整理しやすくなります。
① 受かったら本当にその大学へ進学したいか
これは特に指定校推薦で重要なポイントです。
指定校推薦は専願になることが多いため、「少し気になる程度」の大学で使うと後悔する可能性があります。
② 校内選考と大学の入試のどちらで勝ちやすいか
指定校推薦は高校内での選考が重視され、公募推薦は大学での選考が重視されます。
入試方式 | 重視されるポイント |
指定校推薦 | 校内での成績・生活態度 |
公募推薦 | 志望理由書・面接・小論文など |
そのため、自分が
- 学校の成績や生活態度で評価されやすいのか
- 書類や面接などでアピールできるのか
を考えることが重要です。
③ 落ちたときの次の一手を残せるか
公募推薦は併願できる大学もあり、一般選抜へ切り替える余地を残しやすい方式です。
一方、指定校推薦は専願になることが多く、「出願した時点でその大学を第一志望にする」形になりやすいです。
そのため、受験戦略としては次のように考える人も多くいます。
- 安全に受験のチャンスを広げたい → 公募推薦+一般選抜
- 志望校が明確で一本に絞りたい → 指定校推薦
このように、自分の成績状況や志望校へのこだわり、受験計画を踏まえて入試方式を選ぶことが重要です。
合格を勝ち取るための対策

推薦入試で合格を目指すには、「推薦だから簡単」と考えるのではなく、それぞれの入試方式に合った準備を進めることが重要です。
公募推薦と指定校推薦では評価されるポイントが異なるため、特徴を理解したうえで対策を行うことで合格の可能性を大きく高めることができます。
公募推薦の合格のためにやるべきこと
公募推薦では、学力だけでなく、志望理由や人物面、小論文や面接での表現力などが総合的に評価されます。
そのため、募集要項をよく読み、出願条件と選考内容を正確に把握したうえで準備を進めることが重要です。
まず最初に行うべきことは、募集要項を細かく確認することです。
大学によって条件や試験内容が大きく異なるため、次の点は必ず確認しておきましょう。
- 評定平均の条件
- 資格の条件(英検など)
- 既卒生も出願できるか、現役生のみか
- 小論文、面接、学力試験の有無
- 国公立大学の場合は大学入学共通テストの有無
これらの条件を理解したうえで、志望理由書や面接、小論文の準備を進めていきます。
特に志望理由書では、「なぜこの大学・学部で学びたいのか」を具体的に説明できるようにすることが重要です。
また、小論文が課される大学では、過去の出題テーマを調べて論理的に書く練習を行うことが必要です。
面接対策として、自分の経験や考えを言葉で説明する練習も行っておくと安心です。
さらに、公募推薦では評定平均が出願条件として設定されていることが多いため、日頃の学校成績も重要になります。
評定平均を安定させるためには、次のような基本的な学習習慣を意識することがポイントです。
- 定期テスト2週間前から学校ワークに取り組む
- ワークは最低2周して内容を定着させる
- 提出物は締切当日ではなく2日前までに終わらせる
- 授業プリントや小テストはその日のうちに見直す
評定平均は「定期テスト」「提出物」「授業中の小テスト」の積み重ねで決まります。
日頃の授業と課題を確実にこなすことが、結果として推薦入試の条件を満たすことにつながります。
また、公募推薦は不合格になる可能性もあるため、一般選抜との併願を想定して学力対策を並行して進めることも大切です。
早めに情報収集と準備を始め、自分の強みを伝えられる状態を整えておくことが合格につながります。
指定校推薦の合格のためにやるべきこと
指定校推薦では、大学の試験よりも「高校内で推薦されるかどうか」が大きなポイントになります。そのため、日頃の学校生活や成績が評価の中心になります。
指定校推薦を目指す場合、特に意識しておきたいポイントは次の通りです。
- 定期テストで安定した成績を維持する
- 出席状況や提出物など、基本的な生活態度を整える
- 先生との信頼関係を築き、授業や学校活動に前向きに取り組む
- 校内選考に備えて志望理由を簡潔に説明できるようにしておく
- 合格後は辞退できない場合が多いことを理解し、進学の意思を固めておく
指定校推薦は、日頃の学校生活の評価がそのまま選考につながる入試方式です。
特別な試験対策だけでなく、1年生の頃から安定して成績を維持することが重要になります。
また、部活動や委員会活動などに継続して取り組んでいることも、学校内での評価につながる場合があります。
こうした日々の取り組みの積み重ねが、校内選考での判断材料になります。
さらに、指定校推薦を考えている場合は、進路指導室などで早めに情報を確認しておくことも大切です。
- 志望大学の指定校推薦枠があるか
- 必要な評定平均はどの程度か
- 校内選考が行われる時期
こうした情報は高校によって異なるため、高3の春から初夏の段階で確認しておくと進路計画を立てやすくなります。
なお、校内選考を通過しても気を抜くことはできません。
指定校推薦でも、大学側の面接や提出書類の内容によっては不合格になる可能性がゼロではありません。
そのため、校内推薦が決まった後も、志望理由書の内容を見直したり、面接対策を行ったりして準備を続けることが必要です。
よくある質問

推薦入試には複数の種類があるため、「併願はできるのか」「ほかの入試方式と何が違うのか」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
ここでは、受験生から特によく聞かれる質問について、わかりやすく解説します。
公募推薦と総合型選抜の違いは?
公募推薦と総合型選抜は、どちらも一般選抜とは異なる方式で大学に出願できる入試制度ですが、いくつかの重要な違いがあります。
最も大きな違いは、「高校からの推薦が必要かどうか」です。
公募推薦は、高校長の推薦を受けて出願する入試方式です。
そのため、評定平均などの出願条件が設定されていることが多く、高校の先生に推薦してもらう必要があります。
一方、総合型選抜は高校からの推薦は必要ありません。
調査書の提出は必要ですが、これは生徒が高校に依頼して作成してもらう書類であり、推薦とは異なります。
総合型選抜では、志望理由書や活動実績、面接、小論文などを通して、受験生の意欲や将来の目標、主体性などが総合的に評価されます。
また、出願や合否発表の時期にも違いがあります。
制度上の基本的な日程は次のように整理されています。
入試方式 | 出願開始 | 合格発表 |
総合型選抜 | 9月1日以降 | 11月1日以降 |
学校推薦型選抜(公募推薦など) | 11月1日以降 | 12月1日以降 |
このように、総合型選抜のほうが推薦入試よりも早い時期に出願や選考が始まるのが一般的です。
そのほかの主な違いを整理すると、次の通りです。
項目 | 公募推薦 | 総合型選抜 |
高校からの推薦 | 必要(高校長の推薦書) | 不要 |
出願条件 | 評定平均などの基準がある場合が多い | 評定基準がない、または比較的緩い場合もある |
提出書類 | 推薦書、調査書、志望理由書など | 調査書、志望理由書、活動報告書など |
主な評価方法 | 面接、小論文、基礎学力試験など | 面接、プレゼン、小論文、活動実績など |
重視される要素 | 学校での成績や人物評価 | 意欲、将来目標、活動実績、主体性 |
出願の自由度 | 高校の推薦が必要なため制限がある | 自分の意思で出願できる |
総合型選抜では、学力試験だけでは測りにくい主体性や探究活動、課外活動の経験などが重視される傾向があります。
そのため、「なぜこの大学で学びたいのか」「大学でどのようなことに取り組みたいのか」といった将来の目標を明確に伝えられる人に向いた入試方式といえます。
関連記事:総合型選抜(旧AO入試)と公募推薦の違いとは?合否判定の基準やスケジュールの相違点と共に解説
指定校推薦で合格後、大学入学までにやるべきことは?

指定校推薦で合格したあとは、進学先が確定しているからこそ、入学までの時間を有効に使うことが大切です。
まず最優先で行うべきなのは、大学や高校から案内される入学手続きや提出書類を期限内に確実に済ませることです。
あわせて、入学金や学費の納入、奨学金や住居に関する準備も早めに進めておくと安心です。
合格後にやるべきことの例は以下の通りです。
- 大学や高校から案内される入学手続きや提出書類を期限内に提出する
- 入学金や学費の納入を期限までに済ませる
- 奨学金の申請や住居探しなど入学後の生活準備を進める
- 大学の授業に備えて基礎学力の復習や関連分野の予習を行う
- 卒業まで出席状況や生活態度を保ち、高校生活を最後まで責任を持って過ごす
指定校推薦は高校と大学の信頼関係の上に成り立っているため、合格後も責任ある行動を心がけることが求められます。
公募推薦で落ちた場合、どうする?
公募推薦で不合格になった場合でも、進路の可能性が閉ざされるわけではありません。
多くの受験生は、一般入試や他大学の推薦入試、総合型選抜などを併願しており、次の選択肢へ気持ちを切り替えることが重要です。
まずは、不合格の結果を冷静に受け止め、小論文や面接、学力面で不足していた点を振り返りましょう。
そのうえで、一般入試に向けて学習計画を立て直し、学力対策に集中することが合格への近道となります。
公募推薦での経験は、志望理由の整理や面接対策といった点で、一般入試や他の選抜方式にも必ず活かせます。
結果に落ち込みすぎず、次のチャンスに向けて行動を続けることが大切です。
まとめ

本記事では、指定校推薦と公募推薦の違いについて、出願条件や時期、合格率、向いている人の特徴などの観点から解説しました。
解説した中でも、指定校推薦と公募推薦に関する重要なポイントを最後に整理します。
- 学校推薦型選抜とは、出身高校の校長の推薦に基づき、主に調査書などをもとに評価される大学入試方式である
- 指定校推薦とは、大学が指定した高校の生徒のみが出願でき、校内選考を通過した生徒が推薦される入試制度である
- 公募推薦とは、大学の出願条件を満たし高校の推薦を受ければ、多くの高校から出願できる入試方式である
- 指定校推薦は校内選考を通れば合格率が高く、専願が多いため進路が早く決まりやすい特徴がある
- 公募推薦は併願できる場合もあり、志望理由や面接、小論文などを通じて総合的に評価される入試方式である
本記事が、指定校推薦と公募推薦のどちらを選ぶべきか悩んでいる受験生や保護者にとって、納得のいく進路選択を行うための判断材料になれば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。