作成日: 2025/1/28 更新日:2025/1/28
公募推薦入試を受けるべきか?メリット・デメリットや受けるべき人の特徴と共に解説

大学入試の受験戦略を立てる際に公募推薦入試を受けるべきか悩んでいませんか?
そこで、このページでは、公募推薦入試を受けるべきかについて、次の点などを踏まえて詳しく解説していきます。
- 一般入試との違い
- 公募推薦入試のメリットとデメリット
- 向いている人と向いていない人の特徴
- 受験を検討したい人気大学
また、よくある質問への回答も紹介しているので、ぜひ最後まで目を通して公募推薦入試を受けるべきか判断する一助にしてください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
そもそも公募推薦入試とは何か?

公募推薦入試は学校推薦型選抜の1つであり、多くの大学で採用されています。各大学や学部・学科が定める出願条件を満たし、学校長の推薦を受けられれば、基本的に誰でも出願できます。
項目 | 詳細 |
出願条件 | ・学校長の推薦が必要です。 ・主な出願条件は評定平均です。難関大学の場合は出願に必要な最低ラインが3.5以上であることも多いです。 ・評定平均のほかに英語外部試験のスコア基準を設けている大学も増えてきています。 |
選考方法 | ・学力試験のほかに書類選考や面接が行われ、学業成績や課外活動での実績が評価されます。 ・小論文などが実施されることがあります。 ・受験生が自らの意欲や能力をアピールすることを重視しています。 |
向いている人 | ・特定の大学や学部・学科を志望する理由や入学に対する熱意を伝えることができる人 ・行きたい大学や学部・学科で学びたいことが明確であり、自己アピール力を活かして受験したい人 |
一般入試との違い

公募推薦入試と一般入試には次のような違いがあります。
項目 | 公募推薦入試 | 一般入試 |
主な試験日程 | 9〜12月 | 1〜3月 |
選考方法 | ・評定平均 ・課外活動の実績 ・志望理由 ・英検などの資格 ・小論文 ・面接 ・学力試験 | ・学力試験 |
併願受験・合格後の入学辞退 | 併願可の場合を除き、基本的に不可 | 可 |
特徴 | ・年内に合格発表がある ・評定平均をはじめとする高校の成績を重視 ・学力試験は課されないことが多い ・受験するには学校長の推薦が必要 | ・共通テスト後に実施される ・学力試験の結果のみで合否を判定する ・高校の成績や学校長の推薦は不問 |
大きな違いをまとめると次のようになります。
- 公募推薦入試は年内に完結することが多いが、一般入試は年明けから始まる。
- 公募推薦入試では高校の成績などのさまざまな観点を重視されるが、一般入試では学力試験の結果のみで合否判定される。
- 一般入試では併願や合格後の入学辞退が可能だが、公募推薦入試はどちらも不可の場合が多い。
- 一般入試は誰でも受験できるが、公募推薦入試で受験するには学校長の推薦が必要。
このように、公募推薦入試と一般入試は試験日程や選考方法が大きく異なるだけでなく、併願や合格後の入学辞退についても違いがあるため、注意が必要です。
公募推薦入試を受けるメリット

一般入試に加えて公募推薦入試を受けるメリットとしては、主に次の4つが挙げられます。
- 受験機会が増える
- 評定や課外活動の実績を活かせる
- 合格すれば年内に進路を確定させられる
- 一般入試では届かない難関大学に挑戦できる
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
受験機会が増える

公募推薦入試を利用すると、一般入試に加えてもう1回受験機会が増えるのは大きなメリットです。本番一発勝負の一般入試では、試験の出来が当日の体調や精神状態に大きく左右されるという不安があります。
しかし、公募推薦入試を活用することでリスクを分散でき、万が一の不運な事態にも備えることができます。
また、受験機会が増えることで、試験本番に慣れて本番の試験に対する不安やプレッシャーを軽減する効果も期待できます。
そのため、一発本番で一般入試に臨むよりも、しっかりと場慣れをして臨みたいタイプなら、公募推薦入試を受けるのも1つの手です。
評定や課外活動の実績を活かせる
公募推薦入試では、高校生活での総合的な取り組みを評価するため、一般入試では審査されない評定平均や課外活動の実績が高く評価されます。
そのため、学業と課外活動を両立して頑張ってきた学生にとって有利な入試と言えます。
具体的には、高校3年間の評定平均が高い学生や、部活動・ボランティア活動・生徒会活動などで積極的に活躍してきた学生にとっては、努力を直接的に評価してもらえるチャンスです。
そのため、高校3年間しっかりと授業を受けて勉強を頑張ってきた経験や、部活動などに熱心に取り組んできた実績を評価してもらいたいなら、公募推薦入試を受けるのがおすすめです。
合格すれば年内に進路を確定させられる

公募推薦入試の大きな魅力の1つは、合格すれば年内に進路を確定させられる点です。公募推薦入試は主に9〜11月頃に実施され、12月までには合格発表があります。
そのため、公募推薦入試で合格すると年内に合格をもらいやすいです。
第一志望校の公募推薦入試で合格をもらえたら早めに受験を終えられますし、まだ一般入試で本命校を受ける場合も安心してチャレンジできるのは大きなメリットです。
一般入試では届かない難関大学に挑戦できる
評定平均がかなり高かったり飛び抜けた課外活動の実績があったりする場合は、一般入試では届かないレベルの難関大学へ公募推薦入試で合格することも考えられます。
なぜなら、一般入試と公募推薦入試では審査される内容が異なるからです。一般入試では学力試験のレベルが高く、倍率も高いために、難関大学の合格は難しいとされます。
しかし、公募推薦入試では多角的な評価が行われるため、評定平均や課外活動の実績が豊富な方にとってはチャンスが広がります。
そのため、高校3年間の評定平均や課外活動の実績が良く、目指したい大学がある場合は、公募推薦入試でチャレンジしてみても良いでしょう。
公募推薦入試を受けるデメリット

公募推薦入試は魅力的な選択肢ですが、受験する上でのデメリットも考慮する必要があります。一般入試に加えて公募推薦入試を受けることのデメリットは、主に次の5つです。
- 評定平均や課外活動など、高1から準備が必要
- 一般入試との併願だと対策すべき内容が増えて大変
- 合格した大学の入学を辞退できず、進路が確定するケースも多い
- 合格した安心感でその後の勉強がおろそかになる
- 不合格を引きずって気持ちを切り替えられなくなる
それぞれ詳しく解説していきます。
評定平均や課外活動など、高1から準備が必要
公募推薦入試で合格するためには、高い評定平均を維持したり、課外活動で実績を残したりする必要があります。
公募推薦入試では、高1から高3の1学期までの評定平均を通算して評価されます。そのため、高1から高い評定平均を維持する必要があり、常に提出物をきちんと出したり試験で高成績を収めたりする必要があります。
また、探究学習や課外活動で実績を残したり資格を取得したりするためには、高1から計画的に取り組む必要があります。このように、公募推薦入試で合格するためには高1から準備が必要です。
準備には時間を要するため、負担が大きいというデメリットがあります。
一般入試との併願だと対策すべき内容が増えて大変

公募推薦入試と一般入試を併願する場合、それぞれ異なる試験内容に対して準備を行う必要があります。
具体的には、公募推薦入試のためには提出書類の作成や小論文・面接の練習をし、一般入試のためには志望校別の学力試験対策をしなければなりません。
公募推薦入試と一般入試は試験内容が大きく異なるため、併願する場合は両方の対策を行うための勉強時間の確保や効率的な学習計画の立案が求められます。
さらに、公募推薦入試は主に年内の9〜12月に実施されるため、公募推薦入試の対策に時間をかけることで、一般入試のための年内の学習がおろそかになる可能性もあります。
このように、入試対策の両立は決して簡単なものではありません。そのため、両立が難しいことを頭に入れて計画的に勉強を進める必要があります。
合格した大学の入学を辞退できず、進路が確定するケースも多い
公募推薦入試には「専願制」と「併願制」があり、専願制の場合は合格したら必ず入学しなければなりません。
そのため、専願制の公募推薦入試に合格したら、その後、一般入試などで他の大学や学部・学科に合格しても、合格した大学や学部・学科に進学できなくなってしまう点に注意が必要です。
したがって、公募推薦入試で合格を確保して後から他の大学や学部・学科を受験する場合は、必ず併願制で出願しましょう。
合格した安心感でその後の勉強がおろそかになる
多くの受験生は、合格した安心感でその後の勉強がおろそかになりがちです。
特に公募推薦入試と一般入試を併願する場合、公募推薦入試で合格が取れると、合格できた安心感から一般入試に向けたラストスパート時期に勉強をおろそかにしがちになります。
現役で一般入試を受験するなら、年明けの1〜2ヶ月は特に重要な時期です。1〜2月に多くの現役生が学力を一気に伸ばしてくるため、ここで勉強に身が入らないと一般入試の合格が難しくなる可能性もあります。
不合格を引きずって気持ちを切り替えられなくなる

公募推薦入試で不合格になった場合に、一般入試に気持ちを切り替えるのが難しくなることがあります。
特に、一般入試よりも公募推薦入試に力を注いでいた場合、公募推薦入試の不合格は大きな心理的ダメージとなるでしょう。
不合格になったことを引きずってその後の勉強がおろそかになると、一般入試でも思ったような結果が出せないことは大いにあり得ます。
そのため、気持ちの切り替えが苦手な人や、公募推薦入試に落ちたことでかなりショックを受けそうな人は、公募推薦入試を受けないほうが良いこともあります。
向いている人と向いていない人

ここからは、公募推薦入試に向いている人と向いていない人の特徴について解説していきます。
公募推薦入試で合格しやすい人の特徴

公募推薦入試で合格するためには、単に学業成績が優れているだけでは不十分です。公募推薦入試で合格する人には、多くの場合、次のような特徴があります。
- 評定平均が出願基準よりかなり高い
- 部活動など課外活動の実績が非常に優れている
- 英検準1級以上など優れた資格をもっている
- コミュニケーション能力が高く、面接での印象が良い
- 大学でやりたいことが明確
- 受験する大学・学部・学科のことをよく理解している
公募推薦入試では評定平均の高さが求められるので、評定平均が出願基準よりも大幅に高いと大きなアピールポイントになります。
加えて、学校外での課外活動や社会貢献活動に積極的に参加していたり、高校在学中に難関資格を取得していたりすると、実績が高く評価されます。
そのため、実績を提出書類や面接でしっかりとアピールできる人は、公募推薦入試に合格しやすいと言えます。
公募推薦入試より一般入試がおすすめな人の特徴

次の特徴に当てはまる場合は、公募推薦入試よりも一般入試が向いています。
- 自己アピールが苦手で面接や小論文より学力テストが得意
- 評定平均が低い
- 生活態度があまり良くない
- いろいろな大学を受験したい
- 年内に合格が出ると気が緩んでしまう
- 公募推薦入試の準備をする時間がほとんどない
- 明確な志望理由がない
- 課外活動の実績などのアピールポイントがない
以上の特徴に当てはまる場合は、一般入試に専念したほうが良い結果になる可能性が高いでしょう。あなた自身の強みや適性を見極め、最適な受験方式を選択することが大切です。
公募推薦入試の受験がおすすめな受験生の具体的な条件

ここからは、公募推薦入試を受けるべきと判断できる主な条件を5つご紹介します。公募推薦入試を受けるべきか決めかねている場合は、ぜひ以下の条件に当てはまるかチェックしてみてください。
評定平均が4.0以上または志望校の出願基準+0.5以上あり、課外活動の実績も豊富

評定平均が4.0以上または志望校の出願基準+0.5以上あり、課外活動の実績も豊富な受験生は、公募推薦入試において非常に有利です。
部活動で実績を残していたり英検2級以上を取得していたりする場合などは、提出書類や面接でアピールできるポイントがいくつもあるので、入試対策で手間取ることも少ないでしょう。
ただし、公募推薦入試での合格を目指すなら、提出書類の作り込みや面接対策を入念に行うことが重要です。
アピールポイントを最大限に活かせる志望理由や面接でのQ&A集を作成し、実際に面接でアピールポイントをわかりやすく伝える練習をすることで、合格の可能性をさらに高めることができます。
第一志望の大学が公募推薦入試を実施している
第一志望の大学が公募推薦入試を実施している場合、公募推薦入試にチャレンジすることで第一志望合格の可能性が広がります。
学業以外の活動にも力を入れてきた人なら、公募推薦入試で自分の強みを大いに活かすことができるでしょう。
また、公募推薦入試に学力試験が含まれている大学の場合、一般入試のための勉強が役立つ可能性もあります。そのため、学力試験が得意なら、ぜひ挑戦することをおすすめします。
一般入試では難しい大学に公募推薦入試でチャレンジしたい

学力テストより評定平均や課外活動の実績のほうが自信がある場合、一般入試では難しそうな大学に公募推薦入試でチャレンジしてみても良いでしょう。
チャレンジとしてレベルの高い大学の公募推薦入試を受けてみると、もし不合格でも「チャレンジ校だったから」とスパッと諦めて気持ちを切り替えやすいです。
面接や小論文が得意など、志望校の選抜内容との相性が良い
公募推薦入試では必ず面接が課されますが、それ以外の選考項目はまちまちです。小論文や学力試験、グループディスカッションやプレゼンテーションなど、何が課されるかは大学や学部・学科によって異なります。
また、それぞれの選考の特徴や配点も大きく異なるため、試験内容や評価方法を詳細に把握し、自分と相性が良い試験を受けると合格しやすいです。
合否にかかわらず最後まで諦めず勉強できる性格である

公募推薦入試から一般入試まで頑張る予定なら、公募推薦入試の結果が合格であれ不合格であれ、気持ちを切り替えて最後まで頑張り続けることが非常に重要です。
気持ちの切り替えの早さに関しては個々の性格によるところが大きいです。そのため、自分のこれまでの経験に加えて保護者や友人からの意見も参考にして気持ちの切り替えができる性格か考えてみましょう。
また、受験期のメンタルサポートは塾や予備校でも行われている場合があります。そのため、塾や予備校でしっかりメンタル面のサポートが受けられるなら、公募推薦入試後も油断せずに受験勉強を続けられるでしょう。
受験を検討したい人気大学

ここからは、公募推薦入試の受験を検討したい人気大学を5校ご紹介していきます。ぜひ志望校の1つとして検討してみてください。
上智大学

上智大学は早慶上理と呼ばれる都内の難関私立大学の一角を占め、特に入試難易度の高い大学として知られています。
留学制度が充実しているため海外留学をする学生が多く、海外からの留学生と上智大生による国際交流も盛んに行われています。
こうした校風もあり、海外文化や外国語を本格的に学びたい方や国際性豊かな環境でコミュニケーション力を磨きたい方におすすめの大学です。
なお、上智大学では、全学部・学科で2025年度公募推薦入試を実施しています。2024年度の合格倍率は以下のとおりです。
学部 | 学科 | 2024年度の合格倍率 |
神 | 神 | 1.3 |
文 | 哲 | 3.0 |
史 | 1.7 | |
国文 | 4.0 | |
英文 | 1.0 | |
ドイツ文 | 1.1 | |
フランス文 | 2.0 | |
新聞 | 3.1 | |
総合人間科学 | 教育 | 3.9 |
心理 | 4.7 | |
社会 | 4.9 | |
社会福祉 | 2.1 | |
看護 | 1.6 | |
法 | 法律 | 3.1 |
国際関係法 | 1.5 | |
地球環境法 | 2.7 | |
経済 | 経済 | 2.2 |
経営 | 3.7 | |
外国語 | 英語 | 1.9 |
ドイツ語 | 1.9 | |
フランス語 | 1.5 | |
イスパニア語 | 1.4 | |
ロシア語 | 1.5 | |
ポルトガル語 | 1.0 | |
総合グローバル | 総合グローバル | 2.5 |
国際教養 | 国際教養 | 2.3 |
理工 | 物質生命理工 | 3.0 |
機能創造理工 | 1.4 | |
情報理工 | 3.2 |
参照元:上智大学 2024年度 入学試験データ 特別入学試験 志願者・合格者数一覧
一部の学部・学科は倍率3〜4倍台ですが、1倍台前半の学科も複数あり、狙い目です。
学習院大学
都内の難関私立大学群GMARCHの1つである学習院大学でも、全学部で公募推薦入試を実施しています。学習院大学は歴史と伝統のある私立大学であり、 JR山手線「目白駅」から徒歩30秒という立地の良さも魅力です。
学習院大学の2024年度公募推薦入試の倍率は以下のようになっています。
学部 | 学科 | 合格倍率 |
法 | 政治 | 1.0 |
経済 | 経済 | 2.6 |
経営 | 2.5 | |
文 | 哲 | 2.3 |
史 | 2.6 | |
英語英米文化 | 3.3 | |
ドイツ語圏文化 | 3.0 | |
フランス語圏文化 | 1.5 | |
教育 | 6.0 | |
理 | 物理 | 2.0 |
化 | 1.7 | |
数 | 1.6 | |
生命科学 | 2.5 | |
国際社会科 | 国際社会科 | 1.6 |
一部の学部・学科は倍率1倍台であり、公募推薦入試としてはかなり狙い目です。出願基準は高いですが、評定平均や英語外部検定試験などの基準をクリアしている場合はチャレンジしてみて損はないでしょう。
なお、公募推薦入試を実施していない学科も一部あるので、出願する場合は必ず最新の募集要項をご確認ください。
関西大学

関西大学は関西圏における難関私立大学群「関関同立」の1つです。商学部とシステム理工学部、環境都市工学部、化学生命工学部で公募推薦入試を実施しています。2024年度の合格倍率は以下のとおりです。
学部 | 学科 | 昨年度の合格倍率 |
商 | 商 | 1.9 |
システム理工 | 数 | 1.7 |
物理・応用物理 | 1.9 | |
機械工学 | 2.0 | |
電気電子情報工学 | 2.2 | |
環境都市工学 | 都市システム工学 | 1.2 |
エネルギー環境・化学工学 | 1.0 | |
化学生命工学 | 化学・物質工学(専願) | 1.5 |
化学・物質工学(併願) | 1.4 | |
生命・生物工学 | 4.2 |
関西大学の公募推薦入試は全体的に倍率が低く、どの学部・学科も狙い目です。
特にシステム理工学部、環境都市工学部、化学生命工学部では数学や理科に関する筆記試験があり、一般入試と同じような対策が可能なので、一般入試との併願にも向いています。
近畿大学
近畿大学は関西圏における有名私立大学群「産近甲龍」の1つです。多様な学部と専門分野を有し、公募推薦入試でも高い人気を誇ります。
近畿大学には他大学とは異なる入試制度が複数あり、通常の公募推薦入試とは異なる受験戦略を取れるのが大きな特徴です。近畿大学の公募推薦入試の特徴は次のとおりです。
- 他大学との併願が可能
- 2教科2科目の学力試験を行う学部・学科が複数ある
- 高得点科目重視方式、学部独自方式など14の判定・併願方式がある
なお、倍率は1.1〜16.5倍と学部・学科によってかなり差が大きくなっています。
近畿大学の公募推薦入試ではさまざまな受験戦略が考えられるため、受験するなら入試制度をしっかり理解して自分の力を最大限発揮できる出願方式を選択しましょう。
筑波大学

筑波大学は茨城県つくば市にある国立大学です。「推薦入試」という名称で公募推薦入試を実施しており、学類によっては1校から推薦される生徒の数が制限されています。
参照元:筑波大学 令和7年度(2025年度)推薦入試 学生募集要項(学校推薦型選抜)
令和6年度の志願者倍率は次のとおりです。
- 最低:1.4倍(情報学群 知識情報・図書館学類)
- 最高:6.4倍(人間学群 教育学類)
- 全学群合計:3.0倍
参照元:筑波大学 令和6年度入学試験実施結果
志願者倍率は年度や学類によって異なるので、大学入試情報サイトにてよく確認するようにしましょう。
公募推薦入試を受けるべきか検討している人がよく抱く疑問

最後に、公募推薦入試と一般入試の併願を検討している受験生がよく抱く疑問にまとめて回答していきます。
公募推薦入試と一般入試だとどっちが難しい?

公募推薦入試と一般入試の難しさを比較する際、どちらが難しいかは一概には言えません。なぜなら、試験内容がそれぞれ異なるからです。
ただし、一般的には、評定平均が高く課外活動の実績がある場合は公募推薦入試、学力試験の成績が良い場合は一般入試のほうが比較的向いていると言えます。
受験を検討している大学の募集要項で試験内容や近年の合格倍率をチェックし、自分の能力をより発揮しやすい入試方式を選ぶのがおすすめです。
合格する見込みがなさそうなら公募推薦入試を受験しない選択肢もある?
評定平均が低い、課外活動の実績が乏しいなど、公募推薦入試でアピールできるポイントが少なく、合格する見込みがない場合は、一般入試に向けて全力を尽くすのも1つの選択肢です。
なぜなら、一般入試に専念することで試験科目の勉強や志望校の過去問演習などに集中でき、より高い学力を身につけられるからです。そのため、合格可能性を考慮した上で公募推薦入試も受けるかを判断しましょう。
すべり止めの合格を確保するために公募推薦入試を受けるべきか?

公募推薦入試を利用することで、一般入試よりも早く合格を得られる可能性があるため、受験のプレッシャーを軽減することができます。
しかし、公募推薦入試には専願が多いため、すべり止めで受ける場合は併願制で出願できるか必ず確認しましょう。
また、すべり止めの大学に合格した場合、手続きの締切日までに入学金などを支払ったりしないと入学の権利を失ってしまう点にも注意が必要です。
加えて一度支払った入学金は入学辞退した場合でも返金されないケースが多いため、辞退すれば無駄になってしまいます。そのため、公募推薦入試を受けるべきかについては保護者ともしっかり話し合いましょう。
今回の内容のまとめ

このページでは、公募推薦入試と一般入試の違いや公募推薦入試を受けるメリットとデメリット、公募推薦入試に向いている人と向いていない人の特徴、公募推薦を使って受験を検討したい人気大学などについて解説してきました。
最後にここまでの内容のポイントを以下にまとめます。
- 公募推薦入試を受ける主なメリットは、受験機会が増える、評定や課外活動の実績を活かせる、合格すれば年内に進路を確定させられる、一般入試では届かない難関大学に挑戦できることである。
- 一方、デメリットとしては、高1から準備が必要、一般入試との併願だと大変、専願が多い、合格した安心感でその後の勉強がおろそかになる、不合格を引きずって気持ちを切り替えられなくなる等がある。
- 評定平均が4.0以上または志望校の出願基準+0.5以上あり課外活動の実績も豊富な人や、合否にかかわらず最後まで諦めず勉強できる性格の人は公募推薦入試を受けるのに向いている。
- 公募推薦入試でおすすめの大学の一例として、上智大学、学習院大学、関西大学、近畿大学、筑波大学の5校がある。
公募推薦入試は、あなた自身の実績や学力、性格、志望大学の入試制度などを考慮して戦略的に受験するのがおすすめです。
特に一般入試と公募推薦入試の併願をお考えの場合は、ぜひ本ぺージの内容を参考にし、自分が公募推薦入試を受けるべきかしっかり考えてみましょう!
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。