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作成日: 2025/12/23 更新日:2025/12/23

福祉住環境コーディネーターになるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

福祉住環境コーディネーターになるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「福祉住環境コーディネーターのなり方は?」

「福祉住環境コーディネーターになるのに必要な資格は?」

このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。

  • 福祉住環境コーディネーターとはどんな職業なのか
  • 仕事内容・やりがい・給料
  • 福祉住環境コーディネーターになるには何をすべきか
  • 取得すべき資格
  • 向いている人の特徴

また、福祉住環境コーディネーターに関するよくある質問にも答えています。

福祉住環境コーディネーターに興味のある人や、福祉住環境コーディネーターを目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。

本記事の内容をスライドにまとめた「福祉住環境コーディネーターのなり方ガイド」の受け取りはこちら。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

目次

福祉住環境コーディネーターとは

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障がいのある人が安全に暮らせる住環境を整えるために、住宅改修や福祉用具の選定を提案する専門職です。

医療・介護・建築の知識を組み合わせ、本人の身体状況や生活動作、家族の介護負担などを踏まえて、必要な環境整備を考える点が特徴です。

対象となる住まいは一般住宅が中心で、依頼者の生活リスクを調べ、転倒予防や移動しやすさを意識した住環境を提案します。

手すりの位置、段差の解消、トイレ・浴室の改善、スロープ設置など、具体的な改修計画に落とし込み、必要に応じて工務店やケアマネジャーとも連携します。

業務範囲は幅広く、建築の視点に加えて介護保険制度や福祉用具の知識も必要な職種です。

以下に仕事内容、年収、働き方などをまとめます。

福祉住環境コーディネーターの仕事内容

福祉住環境コーディネーターの業務は、利用者の生活状況の把握から改修計画の提案、事業者との調整まで多岐にわたります。

主な業務は以下のとおりです。

  • 住宅内の環境評価(動線、段差、浴室・トイレなどの安全性確認)
  • 利用者の身体機能・生活動作の聞き取り
  • 福祉用具の選定提案(手すり、歩行補助具、電動ベッドなど)
  • 住まいの困りごとをヒアリング
  • 住宅改修プランの作成(図面・見積もり補助)
  • ケアマネジャー、理学療法士、工務店との調整
  • 介護保険制度を利用した住宅改修の手続きサポート
  • 改修工事後の効果確認や再調整

本人の生活に直結するため、ヒアリングや観察に基づく丁寧な分析が重要になります。

福祉住環境コーディネーターの給料・給与・年収

給料・給与・年収

福祉住環境コーディネーターは医療・介護・住宅関連会社に所属するケースが多く、給与は勤務先によって幅があります。

目安となる年収は以下のとおりです。

  • 介護・福祉系企業:300万円前後〜400万円台
  • 建築・リフォーム会社:350万円〜450万円台
  • 経験者や管理職:500万円を超える場合もある

資格そのものは民間資格のため、資格手当や大きな昇給に直結するとは限りませんが、住宅改修部門での専門性として評価されることがあります。

福祉住環境コーディネーターのやりがい

福祉住環境コーディネーターのやりがいは、提案した住環境の改善が利用者の生活に直結する点にあります。

住まいの小さな工夫が安全性や自立度に影響するため、成果を実感しやすい職種です。

  • 利用者の生活が改善したことを直接実感しやすい
  • 住まいの工夫が介護負担の軽減につながる
  • 医療・介護・建築など幅広い領域を横断して関わるため、専門性が身につく
  • 相手の困りごとに寄り添い、解決策を形にできる

生活環境が整うことで、転倒が減ったり、本人の自立度が上がったりする場合があり、取り組みの成果が分かりやすく表れます。

福祉住環境コーディネーターの働き方

働き方

福祉住環境コーディネーターの働き方は、勤務先によって大きく異なります。

医療・介護分野や建築業界など活躍の場が幅広く、業務内容も相談対応から現地調査、改修プランの作成、関係者との調整まで多岐にわたります。

利用者の生活状況や介護度に合わせた提案が求められるため、専門職との連携や継続的なフォローが発生する点が特徴です。

勤務時間や働き方は比較的安定している職場が多いものの、調査日程の調整や急な相談が入ることもあり、柔軟に動く必要があります。

項目
解説
主な勤務先
介護事業所、リフォーム会社、住宅設備メーカー、福祉用具専門店、自治体、医療機関
雇用形態
正社員、契約社員、パート、派遣、委託(訪問調査中心の業務など)
勤務時間
日中の勤務が中心。利用者宅への訪問スケジュールに合わせて変動する場合あり
働き方の特徴
外出(住宅調査・関係者打合せ)と事務作業(書類作成・申請)が混在する、他職種との連携が多い

福祉住環境コーディネーターは “現場で住まいを見る力” と “制度・福祉用具の知識” の両方が求められるため、デスクワークだけでなく現地で利用者の生活動線を確認する業務が多くあります。

介護職のように不規則な夜勤は基本的にありませんが、住宅改修の工事日程に合わせて調整が必要になったり、急な相談対応が入ることもあるため、スケジュール管理が欠かせない働き方です。

福祉住環境コーディネーターに必要な知識・資格・スキル

福祉住環境コーディネーターとして働くうえでは、医学・介護・建築の基礎知識を横断的に理解することが求められます。

資格の取得は必須ではありませんが、公益財団法人 東京商工会議所が実施する「福祉住環境コーディネーター検定試験」の取得者は、業務内容の基礎理解があると判断され、採用・配属で有利になることがあります。

現場では、利用者の身体状況を把握しながら住宅環境を診断し、具体的な改修方法や福祉用具の選定を説明する力が求められます。

必要な知識

  • 医学的知識(加齢による身体変化、疾患の特性、身体機能の評価など)
  • 介護の基礎(動作介助、介護度と必要支援、ケアマネジメントの流れ)
  • 建築・住環境の基礎(段差・勾配、手すりの設置基準、動線設計、住宅改修に関する法制度)
  • 福祉用具の知識(歩行補助具、手すり、住宅改修関連用具の特性・適用場面)

求められるスキル

  • アセスメント力:利用者の身体機能・生活動線・住まいの課題を整理し、改善点を把握する力
  • コミュニケーション能力:利用者、家族、ケアマネジャー、施工担当者など多職種と調整しながら提案を形にする力
  • 説明力・提案力:専門用語を避け、改修案や福祉用具のメリット・デメリットを分かりやすく伝える力
  • 問題解決力:現場の制約(部屋の広さ、既存の構造、予算など)を考慮し、現実的な代替案を導く力
  • 書類作成スキル:住宅改修の理由書、図面、助成制度の申請書類などを正確に作成する力
  • 多職種連携力:医療・介護・建築それぞれの立場を理解し、必要に応じて専門職へ橋渡しする調整力

あると有利な資格

福祉住環境コーディネーターとして働くために必須の国家資格はありませんが、以下の資格があると業務理解が深まり、利用者評価や住宅改修の判断の精度が高まります。

資格名
解説
福祉住環境コーディネーター検定試験(2級・3級)
東京商工会議所が実施する民間資格。医学・介護・建築を横断した基礎知識を体系的に学べる。住宅改修の助言に必要な基本理解が身につく。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアプラン作成の専門資格。利用者の介護課題を総合的に理解する力が向上し、住環境提案の幅が広がる。
福祉用具専門相談員(2日〜数日の指定講習修了)
福祉用具の特性・選定方法・アセスメントを学ぶ資格。福祉用具貸与や販売業務に携わる場合に役立つ。
建築士(1級・2級)
建築構造・工法・法規に精通し、より高度な住宅改修や専門的な判断が可能になる。大規模改修に携わる企業で重視されやすい。

福祉住環境コーディネーターの業務は、利用者の状態と住まいの状況を総合的に判断する場面が多くあります。

そのため複数の資格を組み合わせることで、より実践的な提案ができるようになります。

福祉住環境コーディネーターという職業の注意点

注意点

福祉住環境コーディネーターの業務は「住まい」という生活の根幹に関わるため、利用者や家族から期待される責任が大きく、提案内容によっては生活の質に直結します。

また、住宅改修の助成制度(介護保険など)や、建築基準の制約を踏まえて現実的なプランを組み立てる必要があります。

そのため、医療・介護・建築の知識を日常的にアップデートするとともに、関係職種との調整力が求められます。

以下に主な注意点をまとめます。

注意点
解説
助成制度の制約がある
介護保険による住宅改修は上限金額や対象工事が決まっており、希望どおりの改修ができないことがある。
制度理解が不十分だと提案が実施できない場合もある。
建築的な制約の下で提案を行う必要がある
建物の構造(鉄筋コンクリート造、木造など)によっては手すりの設置位置が限られたり、段差解消が難しい場合がある。
住宅設備の耐荷重や施工基準を理解したうえで代替案を考える必要がある。
多職種との調整が多く、時間調整が複雑になりがち
ケアマネジャー、リハビリ職(PT・OT)、施工業者など、複数の職種と連携して進めるため、情報の共有漏れや進行遅れが生じないよう注意が必要。
利用者・家族の意向と安全性のバランスを取る必要がある
生活習慣や希望が安全性と一致しないこともあり、解決策を丁寧に説明しながら納得を得るコミュニケーション力が欠かせない。
提案の結果が生活の質に直結するため責任が大きい
手すりの位置・高さ、動線の改善策などが適切でないと、転倒リスクが高まる可能性がある。
アセスメントの精度を高めるためには、継続的な経験蓄積と確認作業が重要。
現場対応が必要なことがある
実際の住まいの測定や施工前の打ち合わせなど、訪問業務があり、天候や時間帯によって環境が変わる。
書類作成・制度説明・現地調査を並行して行うため、業務管理が欠かせない。

福祉住環境コーディネーターは、制度・建築・医療の交差点に立つため、専門領域が広く、学び続ける姿勢が求められます。

提案が利用者の安全や自立度に影響するため、責任の大きさを自覚しながら、関係者と協力して現実的で安全な環境づくりを支えることが重要です。

福祉住環境コーディネーターになる方法

なる方法

福祉住環境コーディネーターとして働くには、どのような準備やステップが必要なのでしょうか。

ここでは、福祉住環境分野で専門性を身につけ、仕事につなげるための代表的な流れを紹介します。

  • 生活環境整備に関する基礎知識を身につける
  • 建築・福祉用具・介護に関する学習を進める
  • 福祉住環境コーディネーター検定の取得を検討する
  • 実習や現場経験を積む
  • 医療・介護・行政・住宅関連企業など、関わりたい領域に沿って進路を選ぶ
  • 就職後、住宅改修や住宅相談を通して実務力を伸ばす

それぞれ見ていきましょう。

生活環境整備に関する基礎知識を身につける

福祉住環境コーディネーターは、利用者が自宅で安全に生活するための環境づくりを支援します。

そのため、まずは「高齢者・障害者の生活課題」や「住環境が身体負担に与える影響」などの基礎的な知識を理解することが重要です。

基礎知識の身につけ方の例

  • 高齢者の身体特性や疾病による動作の変化を学ぶ
  • 住宅の構造や動線、安全性に関する基礎を知る
  • 転倒や介助負担の要因を整理し、改善方法を理解する

これらを把握しておくと、住宅改修や福祉用具選定の背景がつかみやすくなり、後の学習も進めやすくなります。

建築・福祉用具・介護に関する学習を進める

学習を進める

福祉住環境コーディネーターは建築の専門家ではありませんが、住宅改修の提案には最低限の住宅構造の理解が欠かせません。

また、利用者の身体状況に合った福祉用具の選定や、介護動作に関する知識も必要になります。

主な学びの方法は以下のとおりです。

方法
特徴
専門学校(福祉・介護系)
介護動作、福祉用具の基礎、安全な生活支援を体系的に学べる。
建築系の短大・大学
建築構造や設計の基礎が学べ、住宅改修の理解が深まる。
民間講座・通信講座
福祉住環境に特化した内容を短期間で学べる。
独学
参考書や専門書で基礎を学べる。体系的に理解するための工夫が必要。

どの方法でも「生活者の視点で安全性・利便性を評価する」という姿勢が求められます。

福祉住環境コーディネーター検定の取得を検討する

福祉住環境コーディネーターとして働くうえで資格は必須ではありません。

ただし、業務範囲が広いため、検定を通じて知識を体系的に整理しておくと実務で役立ちます。

採用時に資格保有を歓迎する企業もあり、専門性を示しやすい点もメリットです。

検定では、加齢に伴う身体機能の変化、住宅で起こりやすいリスク、福祉用具の特徴、介護保険制度の仕組み、住宅改修の工程など、現場で必要となる領域を幅広く学びます。

住宅改修の提案は多面的な理解が求められるため、事前に基礎を固めておくと判断の精度が安定します。

検定の特徴は以下のとおりです。

  • 2級は住宅改修の基本、福祉用具の分類、身体状況に応じた環境整備など基礎内容を幅広く扱う。
  • 1級は行政制度や建築的視点を含む高度な内容で、管理職・相談業務の指導に関わる人向け。
  • 合格により、相談業務や住宅改修の提案時に専門性を示しやすくなる。

資格取得は、進路の幅を広げる選択肢として検討できます。

実習や現場経験を積む

実習や現場経験

福祉住環境の理解を深めるには、実際の生活場面に触れることが重要です。

利用者の動作、介助負担、住宅の構造を目で確認することで、机上の知識と現場の実感が結びつきます。

現場経験につながる取り組みは以下のとおりです。

  • 介護施設での生活支援や動作観察。
  • 福祉用具専門相談員の業務見学。
  • 工務店やリフォーム会社の住宅改修現場の見学。
  • 地域包括支援センターでの相談業務の同行。

実際の利用者の生活環境を見ることで、提案の根拠や改善点を具体的に判断できるようになります。

医療・介護・行政・住宅関連企業など、関わりたい領域に沿って進路を選ぶ

福祉住環境コーディネーターが活躍する領域は幅広く、進む分野によって業務内容が変わります。

自分の関心や得意分野に合わせて進路を検討することが大切です。

主な活躍領域と特性は以下のとおりです。

活動の場、勤務先
主な業務内容と特徴
住宅改修を中心に業務を行う企業(住宅改修業者、リフォーム会社、工務店)
建築的な視点と福祉の視点を組み合わせ、利用者の生活動線や安全性を考慮した住環境整備を行う。
福祉用具の選定や適合を行う事業所(福祉用具販売店、レンタル事業者)
福祉用具の特徴や利用者の身体機能を理解し、選定・調整・使用方法の説明を中心に対応する。
相談支援や制度活用が中心の行政機関(市町村、地域包括支援センター)
介護保険制度などの理解を前提に、多職種と連携しながら住民からの相談対応を行う。
建築と福祉をつなぐ専門性を活かす場(建築事務所)
図面の読み取りや安全性の評価など、建築的な知識を活かしながら福祉視点での助言を行う。

希望する業務内容を明確にしておくと、必要な知識や資格を効率的に準備できます。

就職後、住宅改修や相談業務を通して実務力を伸ばす

実務力を伸ばす

就職後は、実際の住宅環境を確認し、利用者の身体状況や生活動線を踏まえながら改善案を作成します。

現場ごとに必要な支援が異なるため、経験を重ねることで判断力と提案力が磨かれます。

主な業務内容は以下のとおりです。

  • 住宅内の危険箇所や動線の評価。
  • 手すり、段差解消、浴室・トイレの環境改善の提案。
  • 福祉用具の選定と配置方法の検討。
  • 介護保険制度を利用した住宅改修の申請支援。
  • 施工業者との調整や見積内容の確認。
  • ケアマネジャーや家族との情報共有と調整。

実務経験が蓄積されるほど、利用者の生活に即した提案ができるようになります。

福祉住環境コーディネーターになりたい高校生の進路

高校生の進路

福祉住環境コーディネーターを目指す高校生には、どのような進路があるのでしょうか。

代表的な進路について解説します。

大学に進学する

大学で福祉・医療・建築などの基礎を学び、福祉住環境整備に関する知識を体系的に身につける進路です。

住環境改善には高齢者・障がい者の特性理解と建築・福祉用具への知識が欠かせません。

大学ではこれらを幅広く学べるため、将来の専門性を深めやすい点が特徴です。

おすすめ学部・学科と学べる内容の一例は次のとおりです。

学部・学科
主な内容
福祉学部(福祉環境専攻など)
高齢者・障がい者支援、生活環境評価、バリアフリー設計などを学ぶ。
医療・リハビリ系(作業療法学など)
身体機能評価、生活動作の理解、住宅改修の必要性を専門的に学ぶ。
建築学部
住宅設計、建築基準、改修技術、ユニバーサルデザインなどを習得。

大学で学ぶことで、福祉・医療・建築を横断的に理解し、環境整備に必要な基礎力を身につけることができます。

短大や専門学校に進学する

短期大学や専門学校は、より実践的に福祉と住環境整備に関する技術を習得したい高校生に向いています。

現場を想定した授業が中心で、福祉用具の選定、住宅改修の基礎、相談支援の流れなどを短期間で学べます。

おすすめの学科と学べる内容は以下のとおりです。

学科
主な内容
介護福祉学科
生活動作の理解、福祉用具の活用、介護現場での住環境調整の基礎を学ぶ。
福祉住環境関連の専門課程
バリアフリー住宅の基礎、改修提案、福祉用具選定などを実習中心で習得。
建築・インテリア系学科
住宅構造、改修手法、ユニバーサルデザインなどを技術面から学ぶ。

短大や専門学校は、実習・現場体験の時間が多く、卒業後すぐに現場で役立つ知識を身につけやすい点が特徴です。

福祉住環境コーディネーター資格の受験にも進みやすい学習環境といえます。

独学で資格取得を目指す

福祉住環境コーディネーターは受験資格がなく、独学での資格取得も可能です。

高校卒業後すぐに働きながら学ぶ人や、他分野から住環境の知識を身につけたい人に選ばれるルートです。

独学ではテキスト学習が中心となり、福祉・医療・建築の基礎を自分のペースで習得できます。

住宅改修の実例や福祉用具の特性を理解するため、市販テキストだけでなく現場見学や関連資格の入門書を併用する学習方法が一般的です。

独学で資格取得を目指す際に取り組む内容の例は次のとおりです。

学習内容
主なポイント
福祉・医療の基礎知識
高齢者・障がい者の身体特性、生活動作の理解、介護現場の基礎知識を学ぶ。
住宅改修・建築の基礎
バリアフリーの基本、手すり設置・段差解消など改修の考え方を理解する。
福祉用具の理解
車いす、歩行補助具、ベッドなどの特性と選定のポイントを学習する。

独学は費用を抑えつつ資格取得を目指せる点がメリットですが、実技や現場経験が不足しやすい傾向にあります。

必要に応じて講習会・勉強会・関連施設の見学などを組み合わせて学習することが効果的です。

おすすめの大学

おすすめの大学

以下は、「福祉」「福祉社会」「住環境デザイン」「人間福祉」などを学べる学部・学科を持ち、高校生が福祉住環境コーディネーターや福祉分野への進学を検討する際の候補になりやすい大学の例です。

大学
学部・学科
特徴
健康科学部
福祉工学科建築 バリアフリー専修
建築・環境デザインと福祉を組み合わせたカリキュラムで、ユニバーサルデザインや福祉住環境の設計などを学べる環境。
福祉用具プランナーの資格取得支援などもあり、福祉住環境に関する知識と設計力を養える。
総合福祉学部
社会福祉学科
地域福祉、生活支援、福祉サービスのデザインなどを扱う学科があり、高齢者支援や住環境改善など福祉全般の理解を深められる。
福祉の理念や生活支援・相談の基礎を学べる環境。
コミュニティ福祉学部福祉学科
社会福祉・地域支援・福祉サービスの仕組みなどを幅広く学べ、社会の福祉環境や地域包括支援など福祉住環境に関わる視点を習得できる。
フィールドワークや実践的学びもカリキュラムに含まれる。
福祉社会デザイン学部
高齢化社会や社会課題に対する福祉社会のありかた、住環境や福祉のデザインを学ぶ学部で、福祉住環境に関する理念や制度、社会福祉全般を学べる環境。
ユニバーサルデザイン、福祉政策、生活支援といった観点での学習が可能。
生活環境学部
住環境学科
「住まいと人間の生活」の関係を学ぶ住宅・環境系の学科で、住宅の設計、住まいの安全性、環境と暮らしに関する知識を体系的に学べる。
高齢者や障害のある人に配慮した住環境設計という観点で福祉住環境に応用できる学び。

上記の大学以外にも、漫画原作者になるうえで必要な文章力や表現力を磨ける学校は多数あります。

年内入試ナビでは、漫画原作者を目指せる大学の例をまとめています。

こちらもぜひご覧ください。

参考:福祉住環境コーディネーターを目指せる大学の例はこちら

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おすすめの短期大学・専門学校

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以下は、福祉や医療、福祉教育を学べる短大・専門学校で、福祉住環境コーディネーターを目指すための基礎を身につけやすい進路先の一例です。

学校名
特徴
建築・インテリア分野に強みを持つ専門学校
住宅設計や製図、住空間計画を基礎から学べる
人の動線や使いやすさを考える設計教育が重視されており、高齢者や障害のある人の生活を想定した住環境理解につながる
建築的な知識を軸に、住宅改修や住環境整備に関わりたい人に向いた学校
建築・インテリア・福祉住環境など、生活に密着した分野を実践的に学べる専門学校
住まいの安全性やバリアフリー、設備計画などを通じて、生活者視点での住環境づくりを学ぶ
福祉と建築の橋渡し役として、現場で活かせる基礎力を身につけたい人に適している

よくある質問

FAQ

福祉住環境コーディネーターに興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。

よくある質問とその回答を記載していきます。

福祉住環境コーディネーターに向いている人の特徴は?

福祉住環境コーディネーターは、利用者の生活課題を整理し、安全性と利便性を高める住環境を提案する仕事です。

住まいづくりに関わる幅広い知識を総合的に扱うため、多角的に物事を考える姿勢が求められます。

以下のようなタイプの人は適性があるといえます。

特徴
解説
相手の話を丁寧に聞ける
利用者の身体状況や生活の不便さをヒアリングし、最適な住環境改善につなげるため。
環境を観察するのが得意
住宅内の危険箇所や動線を見極め、改善点を発見する力が必要。
調整や折衝が苦にならない
利用者、家族、ケアマネジャー、施工事業者など多くの関係者と協力する場面が多い。
専門知識を自分の言葉で説明できる
住宅改修の必要性や費用の妥当性を分かりやすく説明する力が求められる。
地道な情報収集ができる
介護保険制度、建築基準、福祉用具の新製品など、継続的な知識更新が必要。

福祉住環境コーディネーターは、住まいに関する知識と、福祉分野の視点をつないで課題を整理する職種です。

暮らしを観察し、必要な工夫を丁寧に提案できる人であれば、現場で力を発揮しやすくなります。

住宅改修の提案はどこまで担当できるの?

担当範囲

福祉住環境コーディネーターは、住宅改修の 提案・助言 までが主な役割です。

工事そのものを実施したり、設計の責任者になったりする立場ではありません。

担当できる範囲の一般的な目安は以下のとおりです。

  • 利用者宅の環境評価
  • 必要な福祉用具・住宅改修の助言
  • 介護保険制度を利用した住宅改修の申請サポート
  • 他職種との連携・調整

一方、建築設計や大規模リフォームを行う場合は、建築士や施工業者との連携が必須になります。

福祉住環境コーディネーターはどの業界で活かせるの?

取得後は以下のような幅広い領域で役立ちます。

  • 介護・福祉分野(介護事業所、ケアマネジメント事業所、在宅介護支援など)
  • 住宅・建築分野(住宅メーカー、リフォーム会社、建材メーカー)
  • 福祉用具レンタル・販売事業所
  • 自治体・地域包括支援センターの相談業務
  • 保険会社(事故後の住宅環境評価など)

特に「バリアフリー住宅・高齢者向け住宅」の需要が年々増加しているため、今後も活躍できる場は広がっています。

将来的にキャリアアップはできるの?

キャリアアップ

福祉住環境コーディネーターは、経験を重ねることで専門性を深められます。以下のようなキャリアパスが一般的です。

  • 住宅改修の専門相談員
  • 福祉用具専門相談員との兼任
  • リフォーム会社での住環境アドバイザー
  • 地域包括支援センターなどでの相談支援
  • 建築士など上位資格との組み合わせによる専門性強化

特に建築・福祉の両分野に通じている人材は希少性が高いため、職域の広がりにつながります。

まとめ

まとめ

本記事では、仕事内容・年収・働き方・必要な知識や資格・注意点・なる方法までを整理しました。

以下に、福祉住環境コーディネーターに関する重要なポイントをまとめます。

  • 住宅の危険箇所や動線を評価し、手すり設置や段差解消など具体的な改修を提案する
  • 医療・介護・建築の知識を横断して用いる点が特徴で、多職種との連携が不可欠
  • 年収は勤務先によって幅があり、介護・福祉系企業は300万円台、建築系は350〜450万円台が目安
  • 改修内容が生活の安全性や自立度に直結するため、成果を実感しやすい
  • 介護事業所、リフォーム会社、行政機関、福祉用具専門店など活躍の場が広い
  • 資格は必須ではないが、福祉住環境コーディネーター検定(2級・3級)が基礎理解に有効
  • 利用者の身体状況・住環境・制度を踏まえ、現実的な環境改善策を導くスキルが必要
  • 提案が生活の質に影響するため、制度・建築的制約の理解や多職種調整力が求められる
  • 高校卒業後の進路は、大学、短大・専門学校、独学など複数の選択肢がある

当記事で解説した内容は、「福祉住環境コーディネーターのなり方ガイド」でまとめています。

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福祉住環境コーディネーターのなり方・必要な資格・仕事内容を解説

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この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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