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作成日: 2025/1/29 更新日:2025/1/29

公募推薦の推薦書とは?特徴や記載内容、自己推薦書との違いも解説

公募推薦の推薦書とは?特徴や記載内容、自己推薦書との違いも解説

大学を公募推薦で受験しようとした場合、推薦書が必要になりますが、そもそも公募推薦の推薦書とは何かという疑問が湧きますよね。

そこで本記事では、公募推薦で必要な推薦書とは何かについて、特徴や記載内容、自己推薦書との違いなどに触れながら具体的に詳しく解説していきます。

受験生がよく抱く疑問とその回答も掲載していますので、最後まで読み進めて公募推薦の推薦書についての理解を深めましょう。

この記事を書いた人

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。

公募推薦の推薦書とは?

公募推薦の推薦書とは

公募推薦の推薦書とは、高校が特定の学生を大学に推薦するために必要な公式文書です。推薦書は、公募推薦入試の重要な書類の一つであり、必ず大学に提出する必要があります。

推薦書は高校に発行してもらう必要があるため、担任の先生に発行を依頼することになります。

公募推薦の推薦書の記載内容

推薦書の記載内容

公募推薦の推薦書は、高校名と学校長の氏名、高校の公印のみで構成されることがほとんどですが、大学によっては推薦理由の記載なども必要な場合があります。

推薦書に何を記載する必要があるかは大学によって変わるので、必ずフォーマットを確認したうえで高校の先生に作成をお願いしましょう。

大学が公募推薦の推薦書で記載を求める内容の例

ここからは、大学が公募推薦で提出を求める推薦書の実例をご紹介します。


なお、各大学の最新年度の推薦書のフォーマットは7月〜9月頃に公開されます。志望大学の推薦書のフォーマットがいつ公開されるのかを確認し、公開されたらすぐに作成を依頼するようにしましょう。


近畿大学

近畿大学

近畿大学への推薦書には、次の事項を記載する必要があります。

  1. 学校名

  2. 学校長名

  3. 生徒氏名

参考:近畿大学指定の推薦書(令和6年度)

摂南大学

摂南大学

摂南大学への推薦書には、次の事項を記載する必要があります。

  1. 学校名

  2. 校長名(印)

  3. 記載責任者氏名(印)

  4. 志願者氏名

参考:摂南大学指定の推薦書(2024年度)


なお、摂南大学では、諸活動・取得資格調書も添付が必要なので、併せて準備する必要があります。このように、追加で必要な書類を指定されることもあるので、必ず確認するようにしましょう。


上智大学

上智大学

上智大学への推薦書には、次の事項を記載する必要があります。

  1. 高等学校名

  2. 高等学校長氏名

  3. 公印

  4. 被推薦生徒氏名

  5. 志望学部学科名

  6. 推薦の理由

参考:上智大学指定の推薦書(2025年度)

上智大学では、A4サイズ1枚以内に手書きかPC入力で推薦の理由まで記載する必要があります。推薦理由については、高校の先生と話し合って書いてもらう内容を決めましょう。

推薦書は誰が記載するのか

公募推薦の推薦書の記載者とは

公募推薦の推薦書を書くのは、基本的には高校の校長です。ただし、いきなり校長が書くのではなく、まずは担任の先生と記載内容を決めることになります。


そのため、公募推薦を受験する事が確定したら、まずは推薦書のフォーマットを担任の先生に共有するようにしましょう。

高校に公募推薦の推薦書を依頼する際の注意点

高校に公募推薦の推薦書を依頼する際の注意点

高校に公募推薦の推薦書を依頼する際には、次の点に注意しましょう。

  1. ​出願資格を満たしているかを事前に確認する
  2. 早めに依頼する

公募推薦で出願するためには、大学や学部毎に定められる出願資格をクリアする必要があります。そのため、まずは推薦書を依頼する前に、自分に出願資格があるかを確認するようにしましょう。


また、高校の先生は多忙であり、推薦書を書くための十分な時間を確保するためには、余裕を持ったスケジュールが必要です。


そのため、少しでも公募推薦を受ける可能性がある段階で作成を依頼する可能性があることを伝え、推薦書のフォーマットが公表され次第、なるべく早めに共有することが重要です。


大学への提出が求められる主な出願書類一覧

大学への提出が求められる主な出願書類

公募推薦で推薦書と併せて大学への提出が必要な出願書類には、主に以下のようなものがあります。

書類名

書類の詳細

願書

基本的な個人情報や志望動機、学歴などが記載されます。

調査書

学業成績や出席状況、課外活動の実績などを記載した書類で、高校が発行します。

・参考記事:調査書に関する特集ページ

志望理由書

なぜその大学を志望するのか、どのような学びを期待しているのかを記載する書類です。

参考記事:この書類に関する特集ページ

自己推薦書

自分自身の強みや特技、将来の目標などを自らアピールするための書類です。

活動報告書

これまでの課外活動やボランティア活動、クラブ活動などの詳細を報告する書類です。

学修計画書(学習計画書)

大学で何を学びたいのか、将来的な目標などを具体的に記載するものです。

資格の取得証明書

取得した資格や検定の証明書を提出することで、自分の能力やスキルをアピールできます。

これらの書類は、大学が受験生の総合的な能力や適性を評価するために重要な役割を果たします。出願時に提出が必要な書類は大学・学部毎に違いますので、早めに確認して準備し、余裕を持って出願できるようにしましょう。

参考記事:大学側に提出が求められる主な書類一覧


受験生が公募推薦の推薦書についてよく抱く疑問とその回答

公募推薦の推薦書についてよく抱く疑問

ここからは、受験生が公募推薦の推薦書についてよく抱く疑問へ回答していきます。

高校から公募推薦の推薦書をもらうのに必要な時間は?

高校から推薦書をもらうの必要な日数

高校から公募推薦の推薦書をもらうのには1週間程度かかることが一般的です。ただし、学校の事情や担当教員のスケジュールによって異なる場合がありますので、早めに依頼することをおすすめします。


特に、推薦書が必要な時期が重なる秋口には先生方が多忙になるため、2週間程度かかる場合があります。そのため、早めの準備と連絡を心がけ、余裕を持って行動することが大切です。


高校から公募推薦の推薦書を取得できないことはあるのか?

高校から公募推薦の推薦書をもらえないケースとは

公募推薦の推薦書は、その入試の出願条件を満たしていれば基本的には作成してもらえます。しかし、入試によっては1つの高校から出願できる人数の上限が決まっている場合があります。


その場合、もし上限の人数より多くの出願希望者がいたら校内選考が行われる可能性があります。校内選考に漏れてしまった場合、公募推薦の推薦書を取得できないことになります。


また、出願資格を満たしていない場合も高校から推薦書を取得できないので、その場合は、他の入試方式で出願する必要があります。

人気大学の公募推薦入試でも推薦書をもらうことはできるの?

人気大学の公募推薦入試でも推薦状はもらえる

人気大学の公募推薦入試でも推薦書をもらうことは可能です。ただし、人気大学ほど出願条件が厳しい傾向にあるので、出願条件を満たすのは、より難しくなります。


逆に言うと、出願条件さえ満たせば基本的には推薦書をもらうことができるので、公募推薦は狙い目であると言うこともできます。

万が一公募推薦の推薦書がもらえない場合はどうすればよい?

万が一推薦書がもらえない場合とは

万が一公募推薦の推薦書がもらえない場合は、他の大学や学部の受験を検討したり、総合型選抜や一般入試などの他の入試方式で受験したりする必要があります。


推薦書がもらえない理由については、高校の進路指導部や担任の先生が教えてくれるので、それを踏まえて、先生に相談しながら、どのように受験していくのかを検討するようにしましょう。

推薦書の内容が合格に影響することはあるの?

書類の内容は合否結果に影響するのか

基本的には、推薦書の内容が合格に影響することはあまりありません。というのも、推薦書はあくまで高校から推薦を得ていることの証明に過ぎないからです。


人物評価は推薦書以外の出願書類で主に行われるので、そちらの完成度を上げることが重要になってきます。

推薦書と自己推薦書の内容は被ってもいいの?

推薦書と自己推薦書の内容の重複について

推薦書は基本的に学校名などの最低限の情報しか載っていない書類です。しかし、稀に「推薦する理由」などを記載することがあります。


その場合、「学校があなたを推薦する理由」と自己推薦書などで「あなたがあなた自身を推薦する理由」をそれぞれ大学に提出することになります。


この場合、どちらもあなたの長所やアピールポイントを記載した書類になりますので内容が多少被っていても問題ありません。それよりも、両者に矛盾が生じることのほうがリスクです。注意してください。


なお、自己推薦書の内容が学校が発行した推薦書の推薦理由に酷似してしまうと「自己推薦書を自分の言葉で書いていない」とみなされるのでご注意ください。


公募推薦と指定校推薦、総合型選抜での推薦書の内容の違いは?

公募推薦と指定校推薦と総合型選抜の推薦書の違い

公募推薦と指定校推薦は学校推薦型選抜なので、高校が発行する推薦書が必要になります。一方、総合型選抜は自己推薦型選抜なので、自己推薦書によって自己アピールをすることになります。


ただし、公募推薦と指定校推薦でも自己推薦書が求められたり、総合型選抜でも高校が発行する推薦書が必要な場合もあったりしますので、各大学部・学部の募集要項をよく確認するようにしましょう。

今回の内容のまとめ

今回の内容のまとめ

本記事では、公募推薦の推薦書について詳しく解説しました。その中で特に重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 推薦書は公募推薦入試において受験生が大学に提出する書類の一つで、高校の先生が記載します。

  • 推薦書の内容は形式的なものですが、学業成績や人物評価などの記載が必要なこともあります。

  • 推薦書の内容が合否に影響することはあまりなく、調査書や自己推薦書などが評価対象になります。

  • 推薦書を高校に書いてもらうには1〜2週間程度かかるので、早めに担任の先生に依頼しましょう。

  • 出願要件を満たしていないと推薦書を書いてもらえないので、依頼する前に出願資格があるかを確認しましょう。

この記事を通じて、あなたが公募推薦の推薦書についてより深く理解し、志望校合格にお役立ていただければ幸いです。​

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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