作成日: 2024/9/28 更新日:2024/9/28
総合型選抜(旧AO入試)の出願書類とは?必要書類の一覧や書類選考で落ちる原因を解説
総合型選抜(旧AO入試)では、受験生が自分の個性や適性、将来のビジョンをアピールするために多くの書類の提出が求められます。
これらの書類は大学が求める人物像に合致しているかどうかを判断する重要な材料です。本記事では、以下のことについて解説します。
- 総合型選抜の書類選考とはなにか
- 総合型選抜で提出が求められることの多い書類一覧
- 出願書類ごとにチェックされやすいポイント
- 総合型選抜の書類選考で落ちる原因
- 出願書類の完成度を高めるために実施したいこと
また、総合型選抜の出願時に提出する書類に関するよくある質問とその回答も紹介します。
出願書類に関する知識を得て、対策を進めるためのヒントにしてください。
この記事を書いた人
年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
総合型選抜(旧AO入試)の書類選考(書類審査)とは
総合型選抜(旧AO入試)における書類選考(書類審査)は受験生の学力や適性、活動実績を多面的に評価するプロセスです。そんな書類審査では、以下の要素が評価の中心となります。
主な審査対象 | 各審査対象項目の説明 |
---|---|
学業成績 | 調査書に記載された高校時代の成績や出席率、科目ごとの評定。 |
活動実績 | 部活動やボランティア、課外活動、学校外での経験など。 |
志望動機 | なぜその大学や学部を選んだのか、その理由と将来の展望。 |
自己PR | 自身の強みや特技、特性をどう活かして大学生活に貢献するか。 |
学修計画 | 大学で何を学び、将来にどう活かしていくかの具体的な計画。 |
このような書類は受験生が大学の求める人物像にどれだけ合致しているかを示すものであり、個性や意欲を効果的にアピールする場でもあります。
総合型選抜(旧AO入試)の出願時期
総合型選抜(旧AO入試)の出願時期は各大学により異なりますが、一般的には夏から秋にかけて実施されます。
大学の公式Webサイトでは、出願開始の数ヶ月前からスケジュールや詳細な募集要項が発表されますので定期的なチェックが必要です。
また、出願期間は短い場合が多いため、以下の点に注意して早めに準備を進めましょう。
注意点 | 各注意点の詳細 |
---|---|
出願書類の作成 | 志望理由書や自己PR文、活動報告書などは、内容の充実が必要なため早期に準備を開始します。 |
必要な証明書の取得 | 調査書などの公式書類の取得には時間がかかることがあります。 |
模擬面接や書類添削 | 面接対策や書類のブラッシュアップを行い、合格の可能性を高めます。 |
出願時期を逃さないためにも、スケジュール管理を徹底しつつ常に最新の情報を確認することが重要です。
総合型選抜で提出が求められる主な必要書類
総合型選抜(旧AO入試)の書類選考では、提出が必要な書類を通じて大学側は受験生の学力や人物像を多角的に評価します。以下は、必要とされることの多い書類の解説です。
- 調査書
- 願書
- 活動報告書
- 志望理由書
- 自己推薦書
- 学修計画書
大学ごとに書類の種類やフォーマットが異なります。大学のウェブサイトや募集要項を確認して準備を進めることが重要です。
調査書
調査書は総合型選抜(旧AO入試)の書類選考において、受験生を総合的に評価するための重要な資料です。
この書類には高校生活での成績、出席状況、部活動や特別活動、資格取得の実績などが記載され、学業成績だけではなく、受験生の学校生活全般での取り組みが反映されます。
各大学は調査書をもとに、受験生がどのような環境でどのような成果を上げてきたかを評価します。
特に、評定平均が大学の出願基準を満たしているかどうかは、重要なチェックポイントです。
出願基準に達していない場合は出願することすらできず不合格が確定するため、日頃からバランスの取れた成績を維持することが求められます。
さらに、調査書では学校外での活動や特別な成果も評価の対象となることがあるため、積極的に活動に参加し、その成果をしっかりと記録しておくことが重要です。
参考記事:この出願書類の特集ページ
願書
願書は、大学入試において最も基本的かつ重要な書類の一つです。
この書類には、氏名や住所などの個人情報を正確に記入することが求められ、大学ごとに指定されたフォーマットに従う必要があります。
願書の内容は、後々の手続きや選考の基礎となるため、誤りなく記入することが非常に重要です。
また、多くの場合、証明写真の貼付が求められます。指定されたサイズや規格に従って写真を準備しましょう。
提出前には記入漏れや誤字脱字がないかを念入りに確認し、必ず願書のコピーを取っておくことをお勧めします。コピーを保管しておくことで、後の確認や再提出が必要になった場合にも対応しやすくなります。
活動報告書
活動報告書は総合型選抜(旧AO入試)において、受験生の個性や能力を具体的に示すための非常に重要な書類です。
この書類では学業以外の経験を通じて、自分の人柄やスキルをアピールすることが求められます。例えば、部活動、ボランティア、インターンシップ、趣味など、多岐にわたる活動が含まれます。
活動報告書で重要なのは、それぞれの活動において自分が果たした役割や成果を具体的に記述することです。
さらに、その活動を通じて得た学びや成長を明確に示すことで、大学側にあなたの積極性やリーダーシップ、問題解決能力などをアピールできます。
例えば、チームの一員として取り組んだプロジェクトでリーダーシップを発揮した経験や、ボランティア活動を通じて学んだコミュニケーションスキルなどをエピソードとともに具体的に書きましょう。
また、単に活動内容を羅列するだけではなく、その経験があなたにどのような影響を与えたか、何を学んだかについても詳しく記述することが重要です。
志望理由書
志望理由書は総合型選抜(旧AO入試)において、大学側にあなたがどれほどその大学や学部を志望しているかを示す重要な書類です。
ここでは、なぜその大学や学部を選んだのか、そしてどのような目標を持っているのかを具体的に伝えることが求められます。
志望理由書を作成する際には、以下のポイントに注意しましょう。
1:具体的なエピソードや経験を交える
自分がその大学や学部を選んだ理由を、個人的なエピソードや経験に基づいて説明すると説得力が増します。
例えば、特定の活動や出来事を通じてその分野に興味を持ったきっかけを示し、それが自分の将来の目標とどう結びついているかを具体的に述べると良いでしょう。
2:大学の教育理念やカリキュラムとの共鳴を示す
その大学が提供する教育プログラムやカリキュラム、教育方針に対してどのように共感しているかを明示します。
単に「良い大学だから」ではなく、その大学でしか学べない特別な要素を強調し、それが自分の学びや将来の目標にどう貢献するかを説明することが大切です。
3:自分の独自性をアピールする
志望理由書は他の応募者との差別化を図るための絶好の機会です。
自分の強みやユニークな経験を具体的に記述し、それが大学にどのように貢献できるかを明確に伝えましょう。具体的な成果やエピソードを挙げて、大学側に強い印象を与えることが合格につながる鍵です。
志望理由書は、あなたの熱意と適性を大学に伝える重要なツールです。自分の志望動機をしっかりと整理し、丁寧に書き上げることが大切です。
自己推薦書
自己推薦書は総合型選抜(旧AO入試)において、自分自身をどのように大学にアピールするかがカギとなる書類です。
この書類では、単に自己をPRするだけでなく、大学側が求めている学生像と自分が一致していることを伝えることが求められます。自己推薦書を作成する際に押さえておきたいポイントを以下にまとめます。
1:具体的なエピソードや経験を使ってアピールする
あなたの強みや特技を伝えるために、具体的なエピソードを交えると効果的です。例えば、リーダーシップを発揮した経験や難題を克服したプロセスを具体的に記述することで、単なる自己評価ではなく、行動に基づく実績として強調できます。
2:成長の過程を示す
ただの成功体験ではなく、失敗や挑戦を通じてどのように成長したのかを描くことが、自己推薦書を説得力のあるものにします。どのような課題に直面し、それをどのように乗り越え、何を学んだのかを具体的に説明しましょう。
3:将来の目標と大学の教育方針との関連性を明示する
自分がその大学で学びたいことや将来の目標を明確に記述します。さらに、それが志望する大学の教育方針やカリキュラムにどのように合致しているのかを示すと、あなたの熱意と適性がより一層伝わります。
4:大学にどのように貢献できるかを示す
自己推薦書はあなたが大学にとってどのような存在となるかを示す場でもあります。
自分の強みや経験が大学生活やコミュニティにどのように貢献できるかをアピールしましょう。これにより、大学側に「この学生を受け入れることでどのようなプラスがあるか」を具体的に伝えられます。
5:自分らしさを大切にする
自己推薦書はあなた自身を正直に表現するものです。
過剰なアピールや飾り立てた言葉を使うよりも、誠実さや人間性が伝わる文章を心がけると、読み手に共感を持ってもらいやすくなります。自己推薦書は、受験生としてのあなたの魅力を最大限に引き出す重要な書類です。
自分の強みや成長、目標を明確に整理し、自分らしく表現することが合格への大きなステップとなるでしょう。
参考記事:合格を勝ち取れる自己PR作成のポイント
学修計画書
学修計画書は、大学での学びについて具体的に計画を示すための重要な書類です。この書類では、あなたの興味や目標を大学側に伝え、どのように大学での学びを通じて成長し、将来のキャリアに繋げていくかを明示することが求められます。
学修計画書を作成する際には、次のポイントに注意してください。
1:興味・関心の具体化
まず、あなたがどのような分野やテーマに興味があるのかを明確にします。
このとき、個人的な経験やエピソードを交えて、なぜその分野に興味を持ったのかを説明すると説得力が増します。また、興味を持った学問分野が志望する大学の学びとどのように関連しているかを示すことが重要です。
2:具体的な学びの内容と目標の設定
次に、大学で学びたい具体的な科目やプログラムについて触れます。
どの分野を深く学びたいのか、それがあなたの学問的な興味とどう結びついているのかを説明し、それを通じてどのような知識やスキルを習得したいかを明確にします。また、最終的に達成したい学問的な目標や学習成果も具体的に書きましょう。
3:学習方法やアプローチの提示
ただ学ぶだけではなく、その過程でどのような学習方法やアプローチを採用するつもりかも具体的に述べると、学習計画の現実性と効果性を示せます。
たとえば、講義の受講や実践的な演習、ゼミや研究活動への参加など、あなたがどのように学びを進めるかを計画に組み込むことが重要です。
4:将来のキャリアプランとの関連付け
学びが将来のキャリアにどのように結びつくかを具体的に記述することも大切です。
あなたの学びが将来的な職業や社会での貢献にどのように活かされるか、具体的なビジョンを示すことで、あなたの計画が一貫したものとなり、説得力が増します。
5:書類の論理性と完成度を確認する
最後に、学修計画書全体が論理的に展開されているか、誤字脱字がないかを確認しましょう。
文章の流れが自然で読みやすく、要点がしっかりと整理されているかも重要です。
学修計画書は、あなたの学びに対する真剣さや将来に向けた計画性を示す重要な書類です。しっかりと準備をして、志望大学での学びのビジョンを明確に伝えましょう。
出願書類ごとのチェックされやすいポイント
大学入試の書類選考では、出願書類ごとに異なるチェックポイントが存在します。ここでは、主な書類について、書類選考時に重視される点を紹介します。
志望理由書・自己推薦書|大学が求めている人物像に適しているか
志望理由書や自己推薦書は、大学が求める人物像とあなたが合致しているかを確認する重要な書類です。
記載時のポイント | 詳細 |
---|---|
大学のミッションや特徴に共感しているか | 大学の教育方針やミッションステートメントを理解し、それに共感した経験や価値観を具体的に示す必要があります。 |
具体的なエピソードを交える | 過去の経験や達成した成果をエピソードに基づいて伝えることで、志望理由や自己PRをより説得力のあるものにしましょう。 |
自己分析の正直さと適合性 | 自分の強みや弱みを客観的に見つめ、正直に伝えることが評価されます。特に大学が求める特性に焦点を当ててアピールすると、合格の可能性が高まります。 |
将来の目標や学びを通じた成長計画 | 志望校でどのように学び、自分がどのように成長したいかを具体的に説明することで、大学に対する熱意と将来のビジョンを伝えましょう。 |
参考記事:大学が求める人物像をまとめたアドミッション・ポリシーとは?
活動報告書|どのような経験があるか
活動報告書は、学業以外の活動を評価する重要な書類です。
単に活動の列挙にとどまらず、あなたの成長や学びを示すことが求められます。
記載時のポイント | 詳細 |
---|---|
活動内容の具体性 | 部活動やボランティア、インターンシップなどの活動内容について、あなたが果たした役割や実績を具体的に記述することが重要です。 |
学びと成長の明確化 | 活動を通じて何を学び、どのように成長したかを説明します。リーダーシップやチームワーク、コミュニケーション能力など、成長を実感できるポイントを具体的に伝えましょう。 |
エピソードを交えて書く | ただ活動内容を記載するのではなく、具体的なエピソードを交えることで、読み手にあなたの強みや人間性を効果的にアピールします。 |
論理的でわかりやすい構成 | 時系列に沿って整理し、読みやすく論理的に書くことで、あなたの活動や成果がより説得力を持って伝わります。 |
学修計画書|大学でどんなことを学びたいのか
学修計画書は大学での学びの具体的な方向性を示し、将来の目標やキャリアプランとの関連を明確にするための書類です。学修計画書を記載する際のポイントは以下の通りです。
記載時のポイント | 詳細 |
---|---|
学びたい分野やテーマの具体化 | 自分が学びたい分野やテーマを明確に示し、それが志望する学部や学科のカリキュラムにどのように関連しているかを説明します。 |
学問背景や関連知識の調査 | その分野に関連する学問的背景や知識を調査し、どのように興味を持ち続けてきたかを説明することで、学びに対する意欲をアピールできます。 |
将来のキャリアプランとの関連付け | 大学での学びが将来のキャリアや社会貢献にどのように結びつくかを示すことで、学習計画が現実的であることを強調します。 |
過去の学習経験の活用 | これまでの学びや活動がどのように大学での学びに役立つかを示すことで、あなたの学習計画に一貫性を持たせます。 |
社会への貢献を明示する | 大学で学んだことを活かし、どのように社会に貢献したいかを最後にまとめることで、意欲やビジョンを強調します。 |
総合型選抜(旧AO入試)の書類選考(書類審査)を突破できない4つの原因
総合型選抜(旧AO入試)の書類選考を突破できない4つの原因について詳しく解説します。
以下の4つのポイントに気をつけることで、書類選考を突破する可能性を高めることができます。
1.調査書の評定平均が基準に達していない
調査書に記載される評定平均は、大学が受験生の学力や学習態度を評価する重要な指標です。
評定が出願条件で定められた基準に達していない場合、出願することができず書類選考を突破できないことが確定します。
定期試験の成績を上げるための勉強に取り組み、評定平均の向上に努めましょう。
参考記事:合否判定の結果と通知表に記載される成績の善し悪し
2.志望動機が曖昧
志望動機が明確でない場合、大学側はその受験生が本当にその大学で学びたいのか、疑念を抱くことがあります。曖昧な志望動機では、評価が低くなる可能性があります。
対策
大学や学部の特徴、理念にしっかりと共感し、それを踏まえた志望動機を記述する。
具体的な経験やエピソードを交えて、志望理由を説得力のあるものにする。
過去の活動や経験を具体化し、将来どう生かすかを明示する。
3.志望先の情報が薄い
志望先の大学や学部について知っている情報が不十分だと、大学側はその受験生が適切なリサーチを行っているか、志望度が高いかどうかを疑います。
対策
志望大学の公式サイトやパンフレット、オープンキャンパスに参加し、志望校の情報をしっかり収集する。
志望先のカリキュラムや研究内容、教授陣の研究分野、クラブ活動などについても言及し、自分の将来の目標や興味と結びつける。
志望理由に具体的な事例やエピソードを盛り込み、説得力を高める。
4.文章が読みづらい
文章の構成が乱れていたり、誤字脱字が多かったりすると大きな減点対象になります。読みやすく論理的な文章を心掛けることが重要です。
対策
文章の構成を明確にし、導入、主題、結論を整理する。
主題に対する論理的な流れを保ち、読みやすい文章を作成する。
文法や語彙に注意し、誤字脱字がないようにする。
事前に他人にチェックしてもらうなどして文章の完成度を高める。
書類の完成度を上げるために実施しておきたい事
総合型選抜(旧AO入試)の書類選考で成功するために、出願書類の完成度を上げるための具体的なポイントを4つ挙げました。
これらを踏まえて、書類を作成し、合格の可能性を高めましょう。
大学が知りたいポイントを入れる
大学は、あなたが自分自身をどれだけ理解し、将来の目標に向けた具体的な計画を持っているかを知りたがっています。そのため、出願書類には大学が求める人物像や特徴に合致する内容を盛り込むことが重要です。
主な出願書類 | 各書類で記載すること |
---|---|
志望理由書 | 具体的な志望動機と大学で学びたいことを明確に記載する。 |
活動報告書 | 過去の実績や経験を詳細に書き、あなたの強みや適性をアピールする。 |
学修計画書 | 大学での学びを将来どのように活かすか、具体的な計画を立て将来の目標と結びつける。 |
活動実績を客観的に評価する
活動実績を客観的に示すことは、大学に自分の実力を正確に伝えるために欠かせません。単なる自己評価ではなく、客観的なデータや証拠を示すことで、信頼性が増します。
客観的なデータの一例 | データ内容の詳細 |
---|---|
証明書や受賞歴 | ボランティアやプロジェクトへの参加証明書、受賞歴などを提示する。 参考記事:慈善活動は実績になるのか |
第三者の推薦状 | 先生や上司などからの推薦状を活用し、客観的な評価を加える。 |
ポートフォリオ | 実績を具体的にまとめたポートフォリオを用意することで、成果を視覚的にアピールする。 参考記事:総合型選抜で求められるポートフォリオ |
実績だけではなく経験や学びも記載する
実績だけを記載するのではなく、それを通じて何を学び、どのように成長したかを示すことで、大学側にあなたの人間性や学びの姿勢をアピールできます。
例えば、部活動でのリーダーシップ経験やボランティア活動の経験がある場合、その経験から得た学びを具体的に説明することが重要です。
失敗談も記載する
成功体験だけでなく、失敗体験やその教訓を正直に伝えることも重要です。
失敗から学び、成長した姿勢を示すことで大学側にあなたの成長意欲や問題解決能力をアピールできます。
例えば、プロジェクトの失敗や試験でのミスを挙げてその経験から何を学び、どう改善したかを詳しく記載するといったことが有効です。
困難を乗り越えたプロセスを説明することで、粘り強さや成長意欲を示すことができます。
出願時に求められる書類に関するよくある質問
総合型選抜(旧AO入試)の提出書類に関するよくある質問とその回答を紹介します。
願書とエントリーシートの違いは?
願書とエントリーシートは、大学入試において異なる目的と内容を持つ重要な書類です。
願書とは
願書は学生の基本情報や学歴、志望する学部・学科などを記載するための書類で、入試の正式な出願書類として扱われます。主に事務的な情報を提供することが目的であり、大学が受験生を管理するために必要なデータを含んでいます。
エントリーシートとは
エントリーシートは学生の自己PRや志望動機、特技、活動経験など、より個人的で具体的な情報を記載する書類です。
エントリーシートは大学が受験生の人間性や適性、意欲を評価するための重要な参考資料となります。
参考記事:この資料の特集ページ
両者の違い
願書はあくまで基本的な個人情報や学部志望に関する事務的な内容をまとめたものである一方、エントリーシートは受験生の個性やアピールポイントを伝える役割を担っています。
両方を適切に作成することで、大学側に対してあなたの熱意や適性を効果的にアピールすることができ、合格の可能性を高めることができます。
志望理由書と自己推薦書の違いは?
志望理由書と自己推薦書の違いについて、それぞれの目的や内容を詳しく説明します。
志望理由書について
志望理由書の目的 | 志望する大学や学部を選んだ理由、大学で学びたいこと、将来の目標などを記述し、志望動機を明確に伝えるための書類です。 |
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志望理由書の内容 | なぜその大学や学部を選んだのか、その大学で何を学びたいのか、将来に向けてどのように活かしたいのかといった点が中心になります。志望校のカリキュラムや教育理念と自分の目標や価値観がどれだけ一致しているかを具体的に示します。 |
志望理由書の評価ポイント | 大学は、志望理由書を通して受験生の熱意や大学との相性を確認します。また、受験生が自分の将来のビジョンに基づき、しっかりと計画を立てているかどうかも見られます。 |
自己推薦書について
自己推薦書の目的 | 自分自身の強み、特技、経験や実績を具体的にアピールするための書類です。自己PRの要素が強く、自分をどのように評価しているかを示すことが求められます。 |
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自己推薦書の内容 | 自分の強みや過去の実績、どのような活動をしてきたのか、リーダーシップやコミュニケーション能力など、具体的なエピソードを交えて自分をアピールします。また、大学に入ってどのように貢献できるかも説明します。 |
自己推薦書の評価ポイント | 大学は、自己推薦書を通じて受験生が自分の強みをどれだけ把握しているか、他の受験生との差別化ができているかを評価します。また、自己理解の深さや、大学にどのように貢献できるかという点も見られます。 |
両者の違いのまとめ
志望理由書は「なぜこの大学を選んだのか」「大学で何を学びたいのか」に焦点を当て、大学との相性や志望動機を強調します。
自己推薦書は、「自分はどれだけ優れているのか」「どんな強みを持っているか」を示し、自分の能力や経験をアピールする書類です。
志望校に課される出願書類の種類はどのように調べればよいですか?
志望校に課される出願書類の種類を調べる際には、次の方法が効果的です。
1. 大学の公式Webサイトを確認する
入試情報や募集要項が掲載されているページをチェックするのが最も確実です。
特に「入試要項」や「募集要項」というセクションには、提出が求められる書類の種類や詳細な条件が記載されています。大学によっては、「総合型選抜専用ページ」などの特設ページがある場合もあるので、そちらも確認しましょう。
2. オープンキャンパスや入試説明会に参加する
オープンキャンパスや入試説明会では、直接大学のスタッフや教授に質問できる絶好の機会です。
具体的な書類の詳細についてもその場で確認することができます。
また、最新の情報が提供されることが多いので、出願準備の大きな参考になります。
参考記事:総合型選抜でオープンキャンパスに参加するメリット
3. 過去の合格者の体験談やブログ、SNSを活用する
合格者の体験談やブログ、SNSでは、実際にどのような書類が求められたか、どのように準備したかなどの具体的なアドバイスが得られることがあります。
特に最新の受験者からの情報は、実体験に基づくものなので信頼性が高いです。
4. 進路指導の先生や塾の講師に相談する
進路指導の先生や塾の講師は、各大学の出願書類に関する情報を把握していることが多いです。
特に、自分が通う学校や塾の他の生徒が過去にその大学を受けた場合、具体的なアドバイスや資料をもらえることもあります。
5. 志望校の過去の入試資料を確認する
志望校が提供する過去の入試資料やガイドブックも参考になります。多くの大学では、過去の募集要項やサンプル書類が公式Webサイト上で掲載されていることがあります。
これらの方法を組み合わせて、必要な出願書類をしっかりと準備し、抜け漏れがないようにしましょう。
今回の内容まとめ
この記事では、総合型選抜の出願書類について解説しました。以下にてこの記事の要点をまとめます。
ポイント | 詳細 |
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総合型選抜の書類選考の重要性 | 学力だけでなく、受験生の適性や将来のビジョンを多面的に評価するため、書類選考が大きな役割を果たす。 |
必要書類の一覧と役割 | 調査書、願書、活動報告書、志望理由書、自己推薦書、学修計画書などが大学の判断材料となる。 |
書類選考で落ちる主な原因 | 評定平均の不足、志望動機の曖昧さ、志望校のリサーチ不足、文章の構成や内容の不備が原因となりやすい。 |
書類作成のコツ | 大学が求める人物像に合わせつつ、自分の経験や学びを具体的に示し、誠実な文章でアピールする。 |
情報収集の方法 | 大学の公式Webサイト、オープンキャンパス、進路指導や塾の講師、過去の募集要項などを活用して最新情報を得る。 |
この記事の内容を参考にして総合型選抜の出願書類の完成度を高めていただければと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。
参考記事:総合型選抜のメリットとデメリットを解説
この記事を書いた人
竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。