年内入試ナビ

作成日: 2025/4/30 更新日:2025/4/30

中学校教諭になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

中学校教諭になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「中学校教諭のなり方は?」

「中学校教諭になるのに必要な資格は?」

このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。

  • 中学校教諭とはどんな職業なのか
  • 仕事内容・やりがい・給料
  • 中学校教諭になるには何をすべきか
  • 取得すべき資格
  • 向いている人の特徴

また、中学校教諭に関するよくある質問にも答えています。

中学校教諭に興味のある人や、中学校教諭を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。

全文で1万文字程度の長文になるので、当ページのポイントだけを知りたい方は、年内入試ナビの無料会員にご案内している以下のガイドをお受け取りください。 

中学校教諭のなり方ガイドを受け取る

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。


中学校教諭とは?

中学校教諭

中学校教諭とは、主に中学校で生徒に対して教育を行う専門職のことを指します。

彼らは教科指導だけでなく、生徒の成長や発達をサポートし、学校行事やクラブ活動の指導を行うなど、多岐にわたる業務を担っています。

以下に中学校教諭の仕事内容や給料についてまとめます。

  • 中学校教諭の仕事内容
  • 中学校教諭の給料・給与・年収
  • 中学校教諭のやりがいや求められること

それぞれ見ていきましょう。

中学校教諭・先生の仕事内容

中学校教諭の仕事は、中学生への授業とその準備が中心です。

専門教科の知識を活かし、教科書や教材を使ってわかりやすく教えることが求められます。

業務内容
業務内容の説明
担当教科の授業計画の作成・実施
生徒の理解を深めるためにディスカッションやグループ活動を取り入れるなど、単なる知識の伝達にとどまらない授業を行う
担当教科のテストの作成・実施
学習到達度を測るためのテストを作成し、実施する
成績評価
テストの採点や成績評価を行い、生徒の学習状況を把握する
担任教師として各生徒の生活指導
ホームルームや学年担当として、生徒の生活や学習面をサポートし、進路指導や個別相談に対応する
進路指導および相談
進学先の高校または就職先の企業など、卒業後の進路指導および相談に応じる
保護者対応
生徒の学習状況や生活面について保護者と連携し、適切な対応を行う
部活動の顧問
クラブ活動の指導・支援を通じて、生徒の特技や興味を伸ばす機会を提供する
学校行事の運営
職員会議や学年会議への参加、学校行事の企画・運営を通じて、教育環境の向上に努める

学校全体の運営にも携わります。

職員会議や学年会議への参加、学校行事の企画・運営などを通じて、教育環境の向上に取り組みます。

多岐にわたる業務を通じて、生徒の成長を支えると同時に、教育の質を高めることが中学校教諭の使命です。

中学校教諭の給料・給与・年収

給料

中学校教諭の給料は、地域や経験年数、資格の種類によって大きく異なりますが、一般的には公務員として安定した収入を得ることができます。

平均年収の目安としては、約660.6万円です。ハローワーク求人統計データによると月額の給料は25万円です。

参照:中学校教員|jobtag

経験年数が増えるにつれて昇給があり、管理職に昇進することでさらに高い給与を得ることも可能です。

また、教諭は住居手当や通勤手当、扶養手当などの各種手当が支給されることが多く、これらが総収入を押し上げます。

なお、私立学校の場合は、学校ごとに給与体系が異なる可能性があり、特に初任給や昇給率に差が出ることがあります。

私立学校は独自の報酬体系を持っているため、就職先を選ぶ際には、給与体系を事前に確認するといいでしょう。

中学校教諭のやりがい

中学校教諭のやりがいは、生徒が思春期を迎える大切な時期に関わり、学業だけでなく人格や社会性を育む役割を果たせることにあります。

  • 学業を通して生徒の成長を感じられる
  • 学校生活や集団生活を通して生徒の成長を感じられる
  • 生徒が直面する困難を共に乗り越え、成功体験を支える
  • 思春期の難しい時期を支える
  • 卒業後に「先生ありがとう」と言われる喜び

生徒の成長を間近で見届け、その未来に影響を与えられる点に、大きなやりがいを感じられます。

中学校教諭に求められるスキル

求められるスキル

中学校教諭には、授業だけでなく生徒指導や保護者対応など、多岐にわたる役割が求められます。

そのため、以下のようなスキルが必要とされます。

スキル
スキルの説明
担当教科の専門知識
担当教科に関する深い知識を持ち、生徒に適切な学びを提供する
知識をわかりやすく伝え、生徒の興味を引くプレゼンスキル
生徒が主体的に学べるよう、授業を工夫し、わかりやすく伝える力
生徒や保護者、他教員とのコミュニケーションスキル

生徒一人ひとりの個性を理解し、適切な指導を行う

また、保護者や同僚と円滑に連携し、学校全体の環境を良好に保つ

進路指導での柔軟な対応力
生徒の状況に応じた指導を行い、進学やその先まで見据えた進路のアドバイスをする力
日々の生活指導
社会通念や校則に準じて生徒の生活を自立へ導く力
生徒との信頼関係を築く力
多感な時期の生徒と丁寧なコミュニケーションを重ね信頼を得る力
忍耐力と責任感
義務教育の最終段階であり、この先の人生の一部になるという責任感

これらのスキルを活かすことで、生徒の学びを深めるだけでなく、安心して成長できる環境を整えることができます。

中学校教諭の働き方

中学校教諭の仕事は多岐に渡り、業務量も多くなります。

必然的に、1日のスケジュールも多忙です。

  • 朝……登校指導
  • 日中……授業と生徒指導
  • 放課後……部活動指導

部活動の顧問は、土日祝日の練習および試合の帯同も発生します。

加えて、体育祭や文化祭、担当学年によっては修学旅行などのイベントで引率業務を行います。

一方で、上記の業務全般を行うのは、主に公立中学の正規雇用の教諭です。

非常勤講師として公立中学に勤務すれば、基本的には担当教科の授業のみになります。

ただし非常勤講師の場合、契約が不安定だったり、給料が低かったりします。

中学校教諭という職業のデメリット・注意点

デメリット・注意点

中学校教師は、多感な時期の生徒たちの人生に影響を与える尊い仕事です。

反面、業務量の多さから大変なことも数多くあります。

  • 業務が多く、忙しい
  • 思春期の生徒対応が大変なこともある
  • 精神的に疲れることがある

すでに示したとおり、中学校教諭という仕事は多忙になります。

また多感な時期の生徒の対応は、時に勉学や生活指導の枠を超え、プライベートな内容に踏み込むこともあります。

そういった多忙を極める中で、精神的に疲弊してしまうこともあるでしょう。

中学校教諭の免許の種類

免許の種類

中学校教諭になるためには、教員免許状が必要です。

中学校教諭の免許には以下の3種類があり、それぞれ取得条件や必要な学歴が異なります。

種類
必要な学歴
主な取得条件
担当可能な業務
中学校教諭二種免許状
短期大学卒業相当

短期大学または四年制大学で定められた単位を修得

一種免許状への上進努力義務あり

担当教科の授業、進路指導、学校行事の企画・運営、部活動指導、保護者対応(※学級担任は任されることが少ない)

中学校教諭一種免許状
四年制大学卒業相当
四年制大学で定められた教職課程の単位を修得
二種免許の業務に加え、学級担任としての指導・運営が一般的
中学校教諭専修免許状
大学院修士課程修了相当

一種免許状所持または一種免許状に必要な単位を修得済み

大学院で24単位以上修得
一種免許の業務に加え、より高度な専門指導やカリキュラム開発

中学校教諭になるには?

中学校教諭になるには?

中学校教諭になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。

必要なことやなる方法について具体的に解説します。

  • 中学校教諭免許状を取得する
  • 教員採用試験に合格し中学校に就職する

それぞれ見ていきましょう。

中学校教諭免許状を取得する

中学校教諭になるには、まず「中学校教諭免許状」の取得が必要です。

免許状を取得するためには、大学や短期大学で所定の単位を修得し、教育実習を含むカリキュラムを修了する必要があります。

教職課程として認定されているカリキュラムのある学部に進学し、教育に関する基礎的な科目(教育心理学、教科指導法、教育制度など)を学びます。

また、実際の教育現場で教育実習を経験し、実践的なスキルを磨きます。

教育学部での学び

中学校教師を目指す人は、教育系の学部へ進学する人が多くいます。

教育系の学部は、教育学という学問そのものを学ぶ「教育学部」と、教員になることを目指す「教員養成系学部」の2種類に大別されます。

それぞれのカリキュラムや、教育学で学ぶ内容などを詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。

参考:教育学部では何を学ぶ?向いている人や入学後に狙える資格や就職先と共に解説

参考:教員養成系とは何を学ぶ学問?教員養成課程の内容や教職課程・教育学との違いを解説

参考:教育学とは?学問分野や具体的な学ぶ内容、取得できる資格などを解説

自治体の教員採用試験に合格し公立中学校に就職する

公立中学校に就職する

中学校教諭として働くには、教員採用試験に合格する必要があります。

公立中学校の場合、地方自治体が実施する教員採用試験を受験します。

採用試験合格後は、自治体の採用予定者名簿に掲載され、赴任先の中学校が決まります。

就任後は、新任教師は初任者研修を受けながら教育現場での実践スキルを磨くことが求められます。

私立中学独自の採用試験に合格し私立中学校に就職する

私立中学校の場合、学校独自の採用試験を受験します。

学校が募集する求人に自ら応募し、筆記試験と面接を経て合格となります。

採用後は、各学校の教育方針や指導方針に沿った研修を受けた後、授業を担当します。

学校ごとに異なるカリキュラムや指導方法に適応しながら、教育の質を高めていく必要があります。

中学校教諭になりたい高校生の進路

高校生の進路

中学校教諭になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。

代表的な2つの進路について解説します。

  • 一種を取得するなら4年制大学に進学する
  • 二種を取得するなら短大に進学する

それぞれ見ていきましょう。

一種を取得するなら4年制大学に進学する

中学校教諭の一種免許状を取得するには、4年制大学の教育学部に進学するのが一般的です。

ただし中学校教諭の場合、専任の教科を持つ場合がほとんどです。

そのため、自らが得意だったり興味があったりする教科に関する学びを得られ、なおかつ教職課程に認定されているカリキュラムを提供する学部を選ぶのも、選択肢のひとつです。

例えば、大学にもよりますが、文学部では国語や社会、地理歴史、公民、外国語などの教職免許の科目が履修できます。

二種を取得するなら短大に進学する

中学校教諭の二種免許状を取得するためには、短期大学に進学するという選択肢もあります。

短大では、2年間という比較的短い期間で教育学や教科の専門知識、教育実習を含むカリキュラムを修了できます。

そのため、早く教職に就きたいと考える人にとって、短大進学は効率的な進路といえます。

二種免許状は、一種免許状と比べて取得に必要な単位数が少なく、学費や学習期間の負担が軽減される点も魅力です。

学校で指導する内容に、一種と二種で大きな違いはありません。

ただし二種免許状の場合、一種と比べて初任給が引くかたり、昇進に不利になったりすることがあります。

就職後のキャリアを見据えて、一種免許への切り替えも検討するのが良いでしょう。

おすすめの大学

おすすめの大学

中学校教諭を目指す人におすすめの大学は、愛知教育大学、文教大学、玉川大学です。

以下に、各大学の概要を表にまとめました。

大学名
大学の概要
愛知教育大学

教育学部の学校教員養成課程で中学校教諭一種免許状の取得が可能

教職大学院を設置し、現場で活躍できる高度な教育スキルを養成

現職教員向けの免許法認定公開講座も開設し、継続的な学びを支援

東京学芸大学

教育学部のみで構成されている大学

教育実習の機会が豊富で、附属学校も多数あり、現場経験を積みながら実践力を養うことが可能

教員採用試験の合格実績も高い

大阪教育大学

学校教育教員養成課程に中等教育専攻を設置し、各教科の専門知識と教育実践力を学べる

附属中学校での実習や現場体験が充実

教員採用試験の合格者数は全国トップクラス

参考:愛知教育大学

参考:東京学芸大学

参考:大阪教育大学

中学校教諭を目指せる大学

おすすめの大学は上記の3つですが、教員免許を取得できる大学は多数あります。

年内入試ナビでは、中学校教諭を目指せる大学をまとめています。

こちらもぜひご覧ください。

参考:中学校教諭を目指せる大学を一覧はこちら

よくある質問

FAQ

中学校教諭に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。

よくある質問とその回答を記載していきます。

中学校教諭に向いている人の特徴・資質は?

中学校教諭には、以下のような特徴を持つ人が向いています。

特徴
説明
教育への情熱と使命感
生徒の成長をサポートしたいという強い思いや、教師としての仕事に誇りを持てる人
コミュニケーション能力
生徒や保護者、他の教師と円滑にコミュニケーションを図れること 生徒の話を聞き、理解しようとする姿勢や自分の考えを分かりやすく伝える力が求められる
専門知識と指導力
担当教科に関する深い知識と、生徒の理解度に合わせた教え方を工夫できる柔軟性 探究心を持ち、教材研究や授業準備に意欲的に取り組むことが必要
忍耐力と責任感
生徒と粘り強く向き合い、将来への責任感を持つこと 多少のことではくじけない熱意を持つことが求められる
柔軟性と適応力
教育現場での予期せぬ事態に臨機応変に対応できる力 様々な問題に立ち向かえるバイタリティを持つこと
生徒への愛情と包容力
生徒に対する深い愛情と理解を持ち、信頼関係を築ける包容力があること

これらの特徴を持つ人は、中学校教諭として生徒の成長を支援し、やりがいを持って働くことができるでしょう。

中学校の先生・中学教師になりやすい科目は?

なりやすい科目

中学校教師になりやすい科目として挙げられるのは、数学、理科、技術の3科目です。

これらの科目は他の教科と比べて採用倍率が低く、特に数学は授業時間が多いことから教員の需要が高い傾向があります。

一方で、国語や英語、社会、保健体育などは教員免許取得者が多く、採用倍率が高いため、競争が激しくなります。

また、これらの科目の人気の背景には、指導する分野の幅広さや生徒への影響力の大きさがあると考えられます。

中学校教員免許をとれる大学に入るにはどのくらいの偏差値が必要?

中学校教員免許を取得できる大学に入学するために必要な偏差値は、進学する大学や学部によって異なります。

例えば、埼玉大学や愛知教育大学などの国公立大学では偏差値55程度が基準となります。

一方、中部大学や至学館大学などの私立大学では偏差値40前後でも免許取得が可能です。

ただし、偏差値はあくまで進学の目安です。

教員採用試験に合格するためには基礎学力や専門知識だけでなく、教育実習での経験や教育に対する熱意が重要です。

努力次第で偏差値に関わらず教員への道は開かれます。

特に、教育現場で必要とされるコミュニケーション能力や人間力を磨き続ける姿勢が大切です。

まとめ

まとめ

本記事では、中学校教諭の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。

解説した中でも、中学校教諭に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 中学校教諭とは、中学校で生徒に対して教育を行う職業である
  • 主な仕事は、教科指導・生徒の成長や発達をサポート・学校行事やクラブ活動の指導が挙げられる
  • 中学校教諭になれる免許には、一種、二種、専修がある
  • 教育への情熱と使命感がある人・コミュニケーション能力が高い人に中学校教諭はおすすめ
  • 中学校教諭になりたい高校生は一種免許を取るなら4年制大学、二種免許を取るなら短大に進学するのがおすすめ

本記事が中学校教諭についての全体像を理解する参考になれば幸いです。

中学校教諭になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

中学校教諭になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

中学校教諭になる方法や、中学校教諭になるために最適な進学先をまとめた「中学校教諭のなり方ガイド」をプレゼント中。無料受け取りは、年内入試ナビの無料会員になるだけ。

多数の大学情報毎日更新
この資料を受け取る

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


Recommend

今のあなたが狙える大学


Recommend

少し頑張れば目指せる大学

合格への第一歩
あなたの夢の大学、見つけよう!
ログインして合格力診断を受ける