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作成日: 2025/4/12 更新日:2025/9/02

美大の総合型選抜(旧AO入試)とは?試験内容や対策のポイントと共に解説

美大の総合型選抜(旧AO入試)とは?試験内容や対策のポイントと共に解説

「絵を描くのが好き」
「デザインの仕事がしたい」
「美術・芸術に関する学びを大学でも続けたい」

そんな思いを持つ高校生に人気なのが、美術大学、いわゆる“美大”です。

ですが、美大の入試は実技が必要だったり、独特な選考方法があるので、一見すると対策がしにくいと思われがちです。

そこでおすすめなのが、総合型選抜(旧AO入試)です。

総合型選抜(旧AO入試)では、一般入試で課される学力試験なしで、これまでの作品についてまとめたポートフォリオや面接、実技試験によって合否が判定されます。

当記事では、美大の総合型選抜(旧AO入試)の試験内容や対策すべきポイント、公募推薦や一般入試との違いなどについて解説しています。

総合型選抜(旧AO入試)を実施している主要な美大も紹介しているので、少しでも美大への進学をお考えでしたらぜひ最後までご覧ください。

なお、そもそも総合型選抜がどういうものか分からないという方は、以下のリンクより無料で受け取れる「総合型選抜の始め方ガイド」を事前にチェックしておくと良いでしょう。

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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

目次

  • 1 美大の総合型選抜ってどんな入試?特徴をわかりやすく解説
  • 2 美大の総合型選抜(旧AO入試)の主な試験内容
  • 3 出願から合格までの流れ:入試スケジュールを確認しよう
  • 4 美大の総合型選抜(旧AO入試)に合格するための対策
    • 4-1 ポートフォリオ
    • 4-2 面接
    • 4-3 実技試験
    • 4-4 小論文
  • 5 公募推薦や一般入試との違い
  • 6 美大の総合型選抜(旧AO入試)がおすすめな人の特徴
  • 7 総合型選抜(旧AO入試)を実施している主要な美大
    • 7-1 武蔵野美術大学
    • 7-2 多摩美術大学
    • 7-3 愛知県立芸術大学 美術学部
    • 7-4 東京造形大学
  • 8 公募推薦を実施している主要な美大
    • 8-1 ​​多摩美術大学
    • 8-2 ​東京造形大学
    • 8-3 ​​金沢美術工芸大学
  • 9 美大の総合型選抜(旧AO入試)の受験を考えている人がよく抱く疑問
    • 9-1 美大の総合型選抜(旧AO入試)を受けるなら美術予備校は必要?
    • 9-2 総合型選抜(旧AO入試)のポートフォリオでは何が重要?
    • 9-3 美大の総合型選抜(旧AO入試)の併願や推薦入試と一般入試の併願は可能?
    • 9-4 美大の総合型選抜(旧AO入試)の面接ではどんなことを聞かれる?
    • 9-5 美大の総合型選抜(旧AO入試)でも評定平均は重要?
  • 10 このページのまとめ

美大の総合型選抜ってどんな入試?特徴をわかりやすく解説

美大の総合型選抜ってどんな入試?特徴をわかりやすく解説

総合型選抜(旧AO入試)は、ポートフォリオ(作品集)や面接、実技試験、小論文といった多様なアプローチで受験生を多面的に評価する比較的新しい入試制度です。

様々な試験内容を独自に組み合わせることで、各受験生の創造性や個性、表現力、思考力、ポテンシャルを総合的に判断し、大学が求める学生像と合致する学生を選抜します。

特に美大の総合型選抜(旧AO入試)では、高校の成績や偏差値はあまり問われないことが多く、単なる知識の量だけでは測れないアートやデザインへの情熱と独自の視点が重視されます。

このような特性から、自己表現や自己アピールに自信がある学生や、自分の作品に込めた想いを時間をかけて丁寧に伝えたいと考えている学生にとって、非常に魅力的な選抜方式となっています。

美大の総合型選抜(旧AO入試)の主な試験内容

美大の総合型選抜の主な試験内容

美大の総合型選抜(旧AO入試)では、多様な才能を持つ学生を求めるため、学生の個性や創造性を重視した選考方法になっています。

大学や学部・学科・専攻によって試験内容は様々ですが、主な試験内容は以下のとおりです。

試験内容
概要
書類審査
・ポートフォリオ(作品・資料集)や志望理由書、調査書などの提出書類を総合的に審査する。
・事前課題として制作した作品を提出し、審査する場合もある。
面接
・作品やポートフォリオの解説をしたり、志望理由・大学で学びたい内容・将来のビジョンなどについて質疑応答したりする。
実技試験
・デッサンや描画、デザイン、立体造形など、志望学科や専攻ごとに指定される実技試験に取り組む。
小論文
・志望学科や専攻ごとに指定されるテーマ・文字数で小論文を書く。
・専攻の内容に関連したテーマが多い。
プレゼンテーション
・作品やポートフォリオを用いて指定時間でプレゼンテーションを行う。
・プレゼンテーション後に質疑応答がある。

美大の総合型選抜(旧AO入試)では、これらの多様な試験内容を独自に組み合わせ、大学が求める学生像と合致する受験生を選抜しています。

試験内容によって必要な準備・対策等は大きく異なるので、募集要項などで必ず早めに確認してください。

出願から合格までの流れ:入試スケジュールを確認しよう

美術

一般的に、美大の総合型選抜(旧AO入試)は次のスケジュールで実施されます。

時期
スケジュール
6月頃
募集要項が公開されるので、確認する
9月
出願・書類提出
10月
試験
11月
合格発表

大学によってスケジュールが異なるので、具体的な出願期間や試験日程は必ず各大学の受験サイトや受験年度の募集要項で確認しましょう。

なお、美大の総合型選抜(旧AO入試)では、ポートフォリオや自己推薦書の出来が合否に大きく影響します。

そのため、ポートフォリオの準備や自己アピールのための練習時間を十分に確保するためにも、高2(遅くとも高3の夏休み前)から出願準備をするのが望ましいです。

ちなみに、美大の総合型選抜(旧AO入試)では、第1次選考として書類審査を行い、後日、第2次選考として面接や実技試験を行うことが多いのが特徴です。

また、試験日を2日間設け、1日目に実技試験、2日目に面接を行う大学もあります。

美大の総合型選抜(旧AO入試)のスケジュールについて募集要項などで確認したら、受験するにあたってどのような準備をしておくべきか整理しておく必要があります。

以下で無料配布している「総合型選抜の始め方ガイド」では、総合型選抜を受験するうえで必要な準備について解説していますので、気になる方はこの機会にゲットしておきましょう。

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美大の総合型選抜(旧AO入試)に合格するための対策

対策

美大の総合型選抜(旧AO入試)に合格するための対策には、いくつかの重要なポイントがあります。ここからは、美大の総合型選抜(旧AO入試)対策で重要なポイントについてそれぞれ詳しく解説します。

ポートフォリオ

ポートフォリオ

美大の総合型選抜(旧AO入試)におけるポートフォリオは、あなたのアート作品集です。

どの大学の総合型選抜(旧AO入試)でも提出する重要なものであり、多くの大学では第1次選考の書類審査でデザインの能力を総合的に評価します。

第1次選考の合否を決めると言っても過言ではないので、早い時期から時間をかけて丁寧に作成しましょう。

ポートフォリオ作りのポイント

ポートフォリオは、学校や家で描いた作品や趣味で作ったもので作っても問題ないですが、単なる作品の集合ではなく、あなたの創造性や技術力、芸術に対する情熱を試験官に示すものであるべきです。

そのため、過去の作品を振り返って必要なものを整理し、各作品の制作意図や使用した技法についての解説を添えましょう。そうすることで、審査員にあなたの作品や制作の過程を伝えられます。

また、ポートフォリオ作りでは、次のことも大切です。

  • ジャンルを広げて表現力の幅を見せる
  • コンセプトや制作意図をしっかり整理する
  • 新しい作品を追加する際には、最近のトレンドや技術を取り入れることで、時代に即した感性をアピールする

このような点を意識し、視覚的に魅力的で、論理的に構成されたポートフォリオを作成できれば、第1次選考通過に繋がるでしょう。ポートフォリオの作り方については、以下の記事を参考にしてください。

​総合型選抜(旧AO入試)で求められるポートフォリオとは?基本構成と作り方のポイントと共に解説​

面接

面接試験は美大の総合型選抜(旧AO入試)でほぼ確実に実施されます。面接についてのアドバイスは次のとおりです。

  • 志望理由や大学で学びたいことなどを具体的に話せるように準備する
  • 作品へのこだわりや工夫、制作に対する考え方を説明できるようにする
  • 先生や友達に聞いてもらいながら練習する

ポートフォリオに掲載した作品をどのような意図で制作したのかを明確に伝えられるように練習を重ねると共に、より詳細な志望理由を分かりやすく伝えられるようになると良いでしょう。

また、面接官とのコミュニケーション能力も評価の対象となるので、相手の質問を理解して自分の言葉で答えることが求められます。

自分の考えを自分の言葉でしっかりと話し、志望校への想いや熱意をしっかりと伝えることができれば、合格にグッと近づけるはずです。

実技試験

実技試験の対策

美大の総合型選抜(旧AO入試)における実技試験は、受験生の創造性や技術力を評価する非常に重要な機会です。

実技試験では、絵画、彫刻、デザインなど、各大学・学科の特色や専攻に適した課題が設定されます。そのため、志望する大学の過去の課題を研究し、傾向を把握しておきましょう。

多くの大学の入試サイトには過去問題や合格者の作品が参考資料として掲載されているので、参考にしてみてください。

実技試験では、技術力だけでなく、作品を通じてどのように自己表現を行うかが問われます。したがって、日頃から独自の視点を養い、アートに対する深い理解と洞察を持つことが求められます。

また、限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮するために、時間配分の練習も欠かせません。このように、実技試験対策には日頃の練習が必要ですが、個人で対策するのは難しいです。

そのため、美術系の予備校で継続してレッスンを受けるの1一つの手です。志望校の合格者を輩出している予備校なら、志望校に合格するための知識や技術を磨くことができるでしょう。

実技試験を通して志望学科・専攻に必要なスキルをしっかり身につけていることをアピールできれば、総合型選抜(旧AO入試)合格に大きく近づけます。

小論文

美大の総合型選抜(旧AO入試)では、一部の学科・専攻で小論文試験が実施されます。

一般的な大学の小論文試験のような難解な問題が出ることは少ないですが、志望学科・専攻に関することや美術に関するテーマに対して自分の考えを述べる型が多いです。

そのため、次のような対策が効果的です。

  • ​自分の考えを“理由”とセットで伝える練習をする
  • 日頃からニュースや芸術に関心を持ち、テーマに対応できるようにする

受験生はテーマについて自分の意見を述べるだけでなく、具体的な例を挙げて説得力のある文章を構築する必要があります。

そのため、小論文の準備としては、美術に関連する幅広い知識を身につけ、それを元に様々な視点から物事を考える練習をすると良いでしょう。

また、大学の入試サイトに掲載されている過去問題に取り組み、学校や塾・予備校の先生からアドバイスをもらうことで、文章力を向上させることができます。

関連記事:総合型選抜で課される小論文の解説ページ​

公募推薦や一般入試との違い

勉強

美大で実施している総合型選抜(旧AO入試)、公募推薦、一般入試の主な特徴や違いを一覧にまとめました。

項目
総合型選抜(旧AO入試)
公募推薦
一般入試
試験内容
・ポートフォリオなどの書類審査
・面接
・実技試験
・小論文
・プレゼンテーション
・大学別の学力試験
・共通テスト
・実技試験
出願要件
・高校卒業資格
・作品制作実績や課外活動実績
・志望学科・専攻に関連する知識や強い興味関心があること
・高校卒業資格
・学校長からの推薦
・作品制作実績や課外活動実績
・志望学科・専攻に関連する知識や強い興味関心があること
・高校卒業資格
出願時の提出書類
・ポートフォリオ(作品・資料集)
・事前課題
・志望理由書
・調査書
​
・ポートフォリオ(作品・資料集)
・事前課題
・志望理由書
・調査書
・学校長の推薦状
・調査書
・志願票
試験スケジュール
・9〜11月
・1〜3月
併願・専願
・専願の場合がある
・併願可能

美大の一般入試では大学別の学力試験や共通テストがありますが、総合型選抜(旧AO入試)と公募推薦では学力試験や共通テストを課さないことが多いです。

また、総合型選抜(旧AO入試)では基本的に学校長による推薦がなくても受験できますが、公募推薦への出願には、学校長による推薦が必要です。

総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦の選抜基準や試験内容は、大学・学部・学科・専攻などによって大きく異なるため、最新の募集要項や説明会の内容を参考にしましょう。

美大の総合型選抜(旧AO入試)がおすすめな人の特徴

美大の総合型選抜を受けるのがおすすめな人

美大受験に当たって、一般選抜よりも総合型選抜(旧AO入試)での受験がおすすめな人の特徴としては、次のようなものが挙げられます。

  • 大学で学びたい内容が明確に決まっている
  • これまでの制作実績や熱意を強くアピールしたい
  • 個性的・独創的な作品が多い
  • 学力試験にはあまり自信がない
  • 試験時間内に作品を作るのが得意
  • 面接やプレゼンテーションが得意
  • 第一志望の受験回数を増やしたい

上記のような特徴に当てはまる場合は、総合型選抜(旧AO入試)での受験がおすすめです。

あなたの志望校で学びたい気持ちを活かし、総合型選抜(旧AO入試)ならではの自己アピールや面接などを通して大学へ熱意を伝えましょう。

総合型選抜(旧AO入試)を実施している主要な美大

総合型選抜を実施している主な美大

ここからは、主要な美大の総合型選抜(旧AO入試)の特徴や試験日程、試験内容などについて解説します。

美大の総合型選抜(旧AO入試)を検討している人や、どの美大が総合型選抜(旧AO入試)を実施しているのか知りたい人は、ぜひ目を通してみてください。

武蔵野美術大学

武蔵野美術大学

武蔵野美術大学は、美術・デザインを中心とする各分野の専門家養成を理念とする美術大学です。日本で最大規模の造形教育の大学として知られ、1929年の創立から多くの芸術家やデザイナーを輩出してきました。

特徴や試験日程

武蔵野美術大学の総合型選抜(旧AO入試)は、9月出願・11月合格発表の前期と、11月出願・12月合格発表の後期の2回実施しているのが特徴です。

それぞれ下記の学部・学科で総合型選抜(旧AO入試)を行っています。

日程
学部
学科・専攻
前期(9〜11月)
造形学部
・日本画学科
・油絵学科 油絵専攻・グラフィックアーツ専攻
・彫刻学科
・工芸工業デザイン学科
・空間演出デザイン学科
・建築学科
・基礎デザイン学科
・芸術文化学科
・デザイン情報学科
造形構想学部
・クリエイティブイノベーション学科
・映像学科
後期(11〜12月)
造形学部
・油絵学科 グラフィックアーツ専攻
・彫刻学科
造形構想学部
・映像学科

参照元:武蔵野美術大学 入試情報 総合型選抜

試験内容

総合型選抜(旧AO入試)は、試験方式が複数に分かれています。学部・学科によって指定の方式が異なるため、最新の募集要項をよく確認しましょう。

※総合型選抜 前期の工芸工業デザイン学科とクリエイティブイノベーション学科は、複数の試験方式から選択が可能です。試験内容は、主に自己推薦書とポートフォリオによる書類審査(第1次選考)と、面接やテストなどによる第2次選考となっています。

武蔵野美術大学では、総合型選抜(旧AO入試)を「大学で学びたい内容が決まっている人やものづくりへの熱意にあふれている人を選抜する試験」と位置づけています。

そのため、第1次選考の自己推薦書とポートフォリオを用いたアピールが非常に重要です。

これまでの作品を資料にまとめ、どのようにものづくりに取り組んできたか、今後どのように取り組んでいきたいかを強くアピールする必要があります。

第2次選考では、学科・専攻や試験方式ごとに独自の試験を実施しているため、志望学科や専攻に特化した対策が重要です。

デッサンや表現力テストのような実技試験はもちろん、小論文やプレゼンテーションなどを実施しているところもあるので、しっかり対策しましょう。

参照元

武蔵野美術大学 2025年度 学生募集要項 総合型選抜[前期]
​武蔵野美術大学 2025年度 学生募集要項 総合型選抜[後期]​

多摩美術大学

多摩美術大学は、東京都世田谷区と八王子市にキャンパスを持つ美術系総合大学です。絵画、彫刻、工芸、デザイン、建築、映像、演劇、舞踊、芸術学など、幅広い芸術分野を網羅する10学科と大学院を設置しています。

特徴や試験日程

多摩美術大学の総合型選抜(旧AO入試)は、9つの学科・専攻・コースで実施しています。

なお、総合型選抜(旧AO入試)を実施していない学科・専攻・コースでは、学校長による推薦が必要な学校推薦型選抜(公募推薦)を実施しており、併願はできません。

入試方式
実施学科・専攻・コース
総合型選抜(学校長の推薦は不要)
・絵画学科 日本画専攻・版画専攻
・彫刻学科
・工芸学科
・生産デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻
・情報デザイン学科 メディア芸術コース・情報デザインコース
・演劇舞踊デザイン学科 演劇舞踊コース・劇場美術デザインコース
学校推薦型選抜(学校長の推薦が必要)
・絵画学科 油画専攻
・グラフィックデザイン学科
・生産デザイン学科 プロダクトデザイン専攻
・建築・環境デザイン学科
・芸術学科
・統合デザイン学科

総合型選抜(旧AO入試)は、11月初旬に出願が開始し、11月末には合格発表があります。

参照元:多摩美術大学 2025年度 美術学部 総合型選抜・学校推薦型選抜

試験内容

主な試験内容は、小論文とデッサンなどの実技試験、面接です。

試験は2日間実施され、1日目で小論文や実技試験、2日目に面接があります。実技試験を実施する学科・専攻・コースが多く、それぞれの対策が必要です。

また、午前中に小論文試験、午後に実技試験というスケジュールの学科・専攻・コースも多いので、最後まで集中して試験を乗り切る体力も重要でしょう。

なお、総合型選抜(旧AO入試)を実施する9つの学科・専攻・コースのうち、5つの学科・専攻・コースでは、出願時にポートフォリオの提出が必要となっています。

さらに、6つの学科・専攻・コースでは、面接試験時に作品やポートフォリオの提出・持参が必要です。

最新の募集要項をよく確認し、志望する学科・専攻・コースの試験内容や出願時の提出書類、面接時の作品・ポートフォリオの有無をチェックしましょう。

参照元:2025年度 多摩美術大学 美術学部 学生募集要項

愛知県立芸術大学 美術学部

愛知県立芸術大学

愛知県立芸術大学は、愛知県長久手市にある公立の芸術大学です。美術大学と音楽学部があり、国公立大学の特徴であるリーズナブルな学費と少人数制の丁寧な指導で人気を集めています。

特徴や試験日程

美術学部の総合型選抜(旧AO入試)は、美術科の以下の5つの専攻が対象です。美術科 油画専攻と芸術学専攻では、総合型選抜(旧AO入試)での学生募集はありません。

  • 日本画専攻
  • 彫刻専攻
  • デザイン専攻
  • 陶磁専攻
  • メディア映像専攻

出願開始は10月下旬です。11月下旬に試験があり、12月初旬に最終合格発表があります。

参照元:愛知県立芸術大学 入試情報 入試・イベント 学部入試(美術)

試験内容

愛知県立芸術大学 美術学部の総合型選抜(旧AO入試)の試験では、国公立大学で必須な場合が多い大学入学共通テストが不要であり、書類審査や実技試験、面接などで合否を判定するのが特徴です。

実技試験と学力試験を実施せず、出願時に提出する自己アピール資料と面接のみで合否を判定する専攻もあります。

ただし、学年の人数が1専攻につき10〜30名とかなり少人数なこともあり、合格難易度は高いです。

そのため、出願書類の作り込みから志望学科の試験・面接対策まで、時間をかけて万全な準備をしておく必要があるでしょう。

参照元:愛知県立芸術大学 令和7年度入学用 美術学部 総合型選抜 学生募集要項​

東京造形大学

東京造形大学は、東京都八王子市にある美術大学です。デザイン学科が8専攻、美術学科が2専攻あり、写真や映像デザインから建築デザインまで幅広く造形について学べる大学となっています。

また、創造的なアプローチと実践的なスキルを重視する美術大学として高く評価されています。

特徴や試験日程

東京造形大学の総合型選抜(自己アピール)入試は、 全ての専攻で実施されており、10ある専攻のうち2つまで併願が可能という点が特徴です。

9月初旬に出願開始、10月初旬の書類審査と10月下旬のプレゼンテーション選考を経て、11月初旬に合格発表があります。

参照元:東京造形大学 入学案内 総合型選抜(自己アピール)入試​

試験内容

試験内容は、ポートフォリオを含む出願書類の審査とプレゼンテーション選考の2つです。プレゼンテーション選考では、5分ほどの自己アピールと質疑応答が行われます。

総合型選抜は一般選抜とほぼ同程度の募集定員となっており、特別な出願資格もありません。そのため、これまでのものづくり経験と作品に自信があるなら、ぜひチャレンジすべき大学と言えるでしょう。

参照元:東京造形大学 総合型選抜(自己アピール)入学試験 2025年度 学生募集要項

公募推薦を実施している主要な美大

美大

美術大学の中には、総合型選抜(旧AO入試)ではなく公募推薦(学校推薦型選抜)を実施している大学もあります。

​​多摩美術大学

多摩美術大学では、総合型選抜(旧AO入試)を実施していない学科・専攻・コースで学校推薦型選抜(公募推薦)を実施しています。

学校長からの推薦が必要という点は総合型選抜(旧AO入試)と異なりますが、試験内容や形式は総合型選抜(旧AO入試)とほぼ同じです。

​東京造形大学

東京造形大学では、指定校推薦のみ学校推薦型選抜を実施しています。そのため、在籍する高校に推薦枠があり、推薦枠を得られれば出願が可能です。

​​金沢美術工芸大学

金沢美術工芸大学は、石川県金沢市にある公立の美術大学です。美術科とデザイン科、工芸科が設置されており、特に工芸科では、金沢という土地ならではの伝統技法などを専門的に学べます。

金沢美術工芸大学では、総合型選抜(旧AO入試)を実施せずに学校推薦型選抜(公募推薦)を実施しています。公立大学である点や募集人員が少ない点、出願要件が多い点などを考慮すると合格難易度は高いです。

しかし、大学入学共通テストが不要であり、事前課題の提出と実技試験や面接で受験できるため、第一志望であれば受験して損はないでしょう。

美大の総合型選抜(旧AO入試)の受験を考えている人がよく抱く疑問

美大の総合型選抜に関してよく抱かれる疑問

最後に、美大の総合型選抜(旧AO入試)を考えている方がよく抱く疑問にまとめて回答していきます。

美大の総合型選抜(旧AO入試)を受けるなら美術予備校は必要?

予備校に通う必要性

美大の総合型選抜(旧AO入試)を受ける際に美術予備校に通う必要があるかどうかは、個々の状況や目指す大学によって異なります。

美大受験の経験者が周りにいたり、学校の美術教師が美大受験に詳しくて手厚くサポートしてくれたりする場合は、美術予備校に通わず学校だけで受験対策ができることもあるでしょう。

一方、美大受験や美大の総合型選抜(旧AO入試)について知っている人が周りにいない場合は、美術予備校に通って受験のノウハウを得ることをおすすめします。

美術予備校は、美大受験に関する専門的な指導や最新の入試情報を提供し、ポートフォリオの作成や面接対策、実技試験の練習をサポートしてくれる場所です。

美術予備校に通えば、美大の総合型選抜(旧AO入試)についての情報や合格に必要なスキルを身につけることができ、出願先の選定や出願準備、試験対策もまとめて行えます。

また、美術予備校に通うことで得られる仲間との情報共有や刺激も大きなメリットです。必ずしも美術予備校に通う必要はありませんが、必要に応じて利用することが合格への第一歩になります。

総合型選抜(旧AO入試)のポートフォリオでは何が重要?

美大の総合型選抜(旧AO入試)におけるポートフォリオは、受験生の個性や創造性を示す重要なツールです。ポートフォリオでは、次の点が最も重視されます。

重視される点
説明
作品の完成度
完成度の高い作品であることが求められます。
作品の多様性
1つのスタイルに固執せず、様々なアプローチを試みた作品を揃えることで、幅広いスキルをアピールできます。
レイアウト
見やすく作品が引き立つレイアウトにすることで、試験官にあなたの個性やスキルが伝わりやすくなります。
自分らしさ
独自のアートスタイルを効果的に伝えられるポートフォリオを作成しましょう。
テーマ性
制作のプロセスが伝わるようにしましょう。
発想力
あなたの発想力が伝わるようにしましょう。

これらのポイントを押さえてポートフォリオを作成しましょう。

美大の総合型選抜(旧AO入試)の併願や推薦入試と一般入試の併願は可能?

一般選抜や推薦入試との併願受験について

美大の総合型選抜(旧AO入試)では、専願制(合格後の入学確約が必須)の場合があります。そのため、試験日程や志望度を考慮した上で併願しましょう。

また、大学によっては総合型選抜(旧AO入試)と公募推薦(推薦入試)の併願ができない場合もあります。そのため、必ず最新の募集要項で併願の可否を確認しましょう。

なお、総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試と一般入試は併願できます。そのため、総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試で不合格だった場合は、一般入試を受験しても問題ありません。

美大の総合型選抜(旧AO入試)の面接ではどんなことを聞かれる?

美大の総合型選抜(旧AO入試)の面接では、次の点などについて質問されることが多いです。

質問される点
質問例
受験生の個性や志望動機、将来のビジョン
なぜこの大学を選んだのか?
作品の説明や普段の制作活動
あなたの作品に込めた思いは何か?

面接対策としては、事前に自分の作品や活動経験についてしっかりと整理し、自分の言葉で明確に伝えられる準備をすることが重要です。

さらに、大学の理念や志望学科・専攻の特色およびカリキュラムについて理解を深め、自分の将来のビジョンとどのように結び付くかを考えておくと良いでしょう。

面接は試験官に自分をアピールする絶好の機会です。そのため、緊張せずリラックスして面接に臨み、しっかり自分をアピールできるようにしましょう。

美大の総合型選抜(旧AO入試)でも評定平均は重要?

評定平均と合否の関係

美大の総合型選抜(旧AO入試)においては、一般的には評定平均はそれほど重視されませんが、最低基準を設けている大学もあります。

そのため、事前に基準を確認し、出願の基準を満たしているかをチェックしておきましょう。また、評定平均を上げられるのであれば、少しでも上げておきたいところです。

ただし、美大の総合型選抜(旧AO入試)では、学力よりも受験生の個性や創造性、志望学科・専攻に必要な技術力が重視されます。

評定平均が良ければそれに越したことはありませんが、評定平均を上げるだけでなく、他の試験対策とバランス良く準備することが求められます。

​合否と通知表上の成績の関係性とは?​

このページのまとめ

美大の総合型選抜に関するまとめ

今回は、美大の総合型選抜(旧AO入試)の特徴や試験内容、対策すべきポイントなどについて解説してきました。最後に、押さえておくべきポイントをまとめます。

  • 美大の総合型選抜(旧AO入試)では、ポートフォリオや面接、実技試験、小論文といった多様な選考が課される。
  • これまでの作品をまとめたポートフォリオと、作品を解説したり志望理由について話したりする面接が特に重要。
  • 総合型選抜(旧AO入試)と一般入試では、試験内容や出願要件、試験時期が大きく異なる。
  • 公募推薦への出願には、学校長による推薦が必要。
  • 美大の総合型選抜(旧AO入試)は、大学で学びたい内容が明確に決まっている人や、これまでの制作実績や熱意を強くアピールしたい人に特におすすめ。
  • 総合型選抜(旧AO入試)を実施している主要な美大として、武蔵野美術大学、多摩美術大学、愛知県立芸術大学、東京造形大学がある。

これから美大受験を考えているなら、受験機会を増やせる総合型選抜(旧AO入試)はおすすめです。是非、ここで紹介した内容を参考にして、美大の総合型選抜(旧AO入試)にチャレンジしてみてください!

最後に、総合型選抜の概要や出願書類、必要となる準備、向いている人の特徴について改めて整理しておきたいという方は、以下よりゲットできる「総合型選抜の始め方ガイド」をチェックしておくと良いでしょう。

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この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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