Nennai Nyushi Navi Logo image

作成日: 2024/10/07 更新日:2024/10/07

総合型選抜で評定平均はどのように影響する?評定が低い場合の対策も解説

総合型選抜で評定平均はどのように影響する?評定が低い場合の対策も解説

総合型選抜(旧AO入試)を受験する際、評定平均や内申点が出願資格や合否にどう影響するのかは、多くの受験生にとって重要な関心事です。

また、評定平均が低くて心配な場合や、総合型選抜を受けるべきか迷っている方もいるかもしれません。

そこで本記事では、評定平均に関する不安を解消し、総合型選抜で合格を目指すための対策を詳しく解説します。

  • 総合型選抜における評定平均の重要性
  • 評定平均が低い場合の対策
  • 評定平均が低くても出願できるおすすめ大学

評定平均について総合型選抜入試の受験生からよくある質問についてもお答えしますので、総合型選抜における評定平均の影響を正しく理解して受験対策にお役立てくださいね。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

目次

​​

総合型選抜における評定平均の重要性とは?

評定平均は総合型選抜における合否の重要な判断材料

総合型選抜は、学力試験一発勝負の一般入試とは異なり高校での課外活動、成績(評定平均)、面接、小論文、課外活動をはじめとした複数の要素が総合的に評価される入試方式です。

その中で、評定平均は大学が受験生の基礎学力や学習意欲を判断するための重要な指標の一つです。

評定平均についてまず押さえておくべき2つのこと

総合型選抜を利用する際に評定平均について押さえておくべきポイントとしては以下の2つになります。

  • 評定平均が出願基準になることもある
  • 出願条件に含まれない場合でも影響がある

上記の2つの詳細についてはこれから解説していきます。

①評定平均が出願基準になることもある

大学や学部によっては、評定平均が一定の基準を満たしていないと出願自体ができない場合があります。

このため、評定平均は出願資格を得るための大前提となることが多いです。

②出願条件に含まれない場合でも影響がある

一部の大学や学部では、評定平均が出願条件に含まれていない場合もあります。

しかし、出願条件に含まれていない場合でも評定平均が合否に関わることが多いです。

評定平均が基礎学力の有無を示す指標であるため、大学は受験生の学力や学習意欲があるかどうかの確認のために評定平均を重要視しています。

そのため、総合型選抜を使って大学進学を目指す場合、高校生活を通じてしっかりと評定を上げておくことが望ましいです。

評定平均は調査書に書かれるので基本的に大学に確認される

総合型選抜では調査書という高校の成績や活動実績が記載された資料を大学に提出します。

この調査書には評定平均が記載されており、大学側はこれを基に受験生の学業成績や学習意欲を評価します。

したがって、評定平均は大学入試において非常に重要な情報となります。

評定平均が高ければ大学での学習に対応できる能力があると判断され、他の受験生よりも有利に評価されることが多いです。

ただし、評定平均だけでなく、出願書類の出来栄えや面接での印象なども含めた総合評価で合否が決まることも理解しておきましょう。

参考記事:総合型選抜で重要な調査書の特徴を解説

評定平均を合否判定に考慮しない大学・学部はあまりない

ほとんどの総合型選抜入試では評定平均が合否に影響します。

受験要項に「評定平均は合否判定に考慮しない」と明記されている場合を除き、ほとんどの大学や学部では評定平均が合否に影響します。

評定平均がどの程度合否判定に影響するかは大学によって異なりますが、多くの大学では何らかの形で評定平均を参考にします。

そのため、評定平均が高いに越したことはありません。可能な限り評定を上げておくことで、総合型選抜入試の合否判定で有利になります。

評定平均が低いと出願できない大学・学部もある

一部の大学や学部では、評定平均が基準値を下回ると出願が認められないことがあります。このような場合、評定平均は合格を勝ち取るための最低限の条件となります。

もし志望校の出願基準を満たしていない場合、総合型選抜での受験は基本的には不可能となります。

そのため、出願を検討している大学や学部が評定平均を出願基準に含めているかどうかを確認し、その基準をクリアできるように学習に取り組むことが大切です。

評定が低い場合は、総合型選抜にこだわらず、他の入試形式(一般入試など)を検討することも重要な選択肢になります。

評定平均が低い場合の対策(準備)のポイント

成績が悪いケースにおける逆転の方法

評定平均が低いと総合型選抜入試では不利だといえますが、逆転のチャンスは十分にあります。

総合型選抜では評定平均以外の評価項目も重視されるため、他の対策をしっかり行えば合格の可能性を高めることができます。

以下に、評定平均が低い場合に行うべき5つの対策を紹介します。

  • まずは今からでも評定平均を上げる
  • 評定平均を出願条件にしていない大学・学部・学科を選択する
  • 小論文や面接の対策に力を入れる
  • 探究活動を通じて活動実績を積む
  • 出願書類の作成に他の受験生以上に力を入れる

それぞれについて詳しく解説していきます。

まずは今からでも評定平均を上げる

出願までの時間があるなら、可能な限り評定平均を上げることが重要です。

これまでの成績は変えられませんが、これからの定期試験や授業評価での成績を改善することで、最終的な評定平均を引き上げることが可能です。

1. 毎日の学習習慣をつける

まず、毎日のコツコツとした勉強が成績向上の基本です。授業内容を復習し、理解を深めることで、定期試験の対策に役立つだけではなく、知識が定着しやすくなります。

2. テスト範囲を把握し過去問題を活用する

次に、テスト範囲をしっかりと把握し、効率的に勉強を進めることが重要です。

定期試験で高得点を狙うには、これまでの定期試験の問題や先輩から入手した過去問から出題傾向を分析して行うポイントを押さえた学習が効果的です。

3. 授業に積極的に参加する

授業への積極的な参加も評定を上げるための有効な手段です。

質問や発表を積極的に行い、教員に良い印象を与えることで平常点が加算されることもあります。日々の授業の姿勢が評定に反映されることが多いため、授業に集中し、積極的に参加することが大切です。

4. 計画的な学習を実行する

時間管理や学習計画を立てて勉強を実行することが評定を上げるためには欠かせません。

試験前だけでなく、日々の学習習慣をつけることで、抜かりなくテスト対策や授業参加を続けていきましょう。

このような取り組みを続けることで、評定平均を少しずつでも上げ、出願時により有利な成績を目指すことができます。

高校時代の成績を出願条件にしていない大学・学部・学科を選択する

成績を出願条件にしていない大学・学部・学科を選ぶ

評定平均が低い場合、評定平均を出願条件にしていない大学・学部・学科を志望校に選ぶのは非常に有効な選択肢です。これにより、評定平均に自信がなくても他の面で実力を発揮する機会が得られます。

1. 評定平均を重視しない大学を選ぶメリット

評定平均を出願条件にしていない大学では、個別試験(小論文や面接など)や課外活動の実績が重視されることが多くなります。

そのため、評定平均の低さが合否に直接影響しない環境で自分の強みを発揮できる場を見つけやすいといえます。

2. 中堅以下の大学で総合型選抜を受ける

特に中堅以下の大学・学部・学科では出願時に評定平均を求めないケースが多く、高校時代の成績が悪い人でも総合型選抜で合格することが十分に可能です。

評定平均の低さを補うために小論文や面接対策に力を入れて、志望校合格に向けた準備を進めましょう。

小論文・面接の対策に他の受験生よりも力を入れる

評定平均が低い場合、挽回するために小論文や面接の対策に力を入れることが非常に重要です。

1.
小論文対策

小論文は、あなたの考え方や論理力、そして文章表現力を評価する試験です。対策のポイントは以下の通りです。

  • 過去問を活用して頻出テーマや出題傾向を把握する。
  • 自分の意見を論理的に展開できるように練習し、説得力を持たせる。
  • 具体例や経験を盛り込むことであなたの考えを分かりやすく伝える。
  • 時間制限の中で構成を素早く考え、論理的で分かりやすい文章を書く練習を繰り返す。


2.
面接対策

面接は自己PRと志望理由が中心となります。自信を持ってこれらを面接官に伝えることが重要です。

以下の対策を行い、面接で高評価を得る準備をしましょう。

対策項目
詳細
自己PRの準備
あなたの強みや経験、志望理由を一貫性のあるストーリーで伝えられるようにします。特に、評定平均が低い理由をポジティブに捉え、今後の成長に繋がるアピールを行います。
志望理由の明確化
志望大学や学部で学びたいことを具体的に伝えることが重要です。大学の特徴と自分の将来ビジョンとの繋がりを強調しましょう。
模擬面接の実施
模擬面接を繰り返し行うことで、質問に対する適切な受け答えができるようにし、自信を持って話す練習を積みます。

3. 総合力で評価される

評定平均が低い場合でも、小論文や面接での高い評価があれば合格する可能性は十分あります。どちらも自分の強みを最大限にアピールできる場です。

成績の低さを補えるだけの探究活動の実績を積む

成績の低さを補えるだけの探究活動の実績を積む

評定平均が低い場合でも、探究活動を通じた実績を積むことで挽回できることがあります。

大学は学問を追求する場所であるため、自主的な探究活動を行うことで学問への熱意や学ぶ姿勢を示すことは強力なアピールとなります。

1. 探究活動の意義

探究活動は自分の興味や関心を掘り下げて研究し、成果を出す活動です。これにより、大学側に以下の点をアピールできます。

アピール項目
詳細
学問への熱意
自発的に学んでいることを示し、積極的な学びの姿勢が評価されます。
研究の適性
探究活動の成果を通じて、自分の研究テーマや学問への適性をアピールできます。
主体性と問題解決能力
自主的に問題に取り組み、解決策を見つける能力が評価されます。

2. 志望する学部・学科に関連するテーマで活動

志望する学部・学科に関連するテーマで探究活動を行うと、入学後の学びにつながる具体的なアピールが可能です。

例えば、心理系の学部であれば人間の心理に関する研究や実験活動、社会学部なら社会問題の調査など、志望分野に関連した内容が効果的です。これにより、「この大学でこの学問を学びたい」という強い意志を具体的に示せます。

3. 実績を積むためのポイント

探究活動を実践する際、以下のポイントに注意して取り組みましょう。

探究活動の実践のポイント
詳細
テーマ選び
自身が関心を持つ分野からテーマを選び、深く掘り下げることが重要です。
具体的な成果
探究の成果をレポートや発表、あるいは論文としてまとめ、第三者に評価される形で残すと有利です。
発表の場を探す
学校内外の発表会やコンテストに応募するなど、実績を外部に向けてアピールできる場を積極的に活用します。

4. 探究活動が加点要素となる理由

探究活動を行うこと自体が他の受験生との差別化になります。特に、多くの受験生が実施していない探究活動は明らかな加点要素として評価されます。

評定平均で不利な部分を補うだけでなく、他の受験生に対して優位性を確保する強力な手段となります。

5. 実践のすすめ

探究活動はすぐに結果が出るものではありませんが、日々の積み重ねで実績を築くことが可能です。

評定平均が低い場合、その分を補うためにも早めに取り組んで成果を出し、自分の強みとしてしっかりアピールできるように準備しましょう。

探究活動は大学側にとっても重要な評価基準の一つとなるため、時間をかけてコツコツと取り組むことで合格のチャンスが広がります。

出願書類の作成に他の受験生以上に力を入れる

総合型選抜では、評定平均に加えて出願書類の内容も一次選抜における重要な評価基準となります。そのため、評定平均が低い場合でも出願書類の完成度を高めて挽回できる可能性があります。

1. 出願書類の代表例

総合型選抜で求められる代表的な書類として、以下の2つが挙げられます。

  • 自己推薦書
  • 志望理由書

これらの書類は自分の強みや活動実績をアピールする絶好の機会です。
それぞれの書類について、評価を高めるためのポイントを見ていきましょう。

2. 自己推薦書

自己推薦書はあなたの強みやこれまでの活動実績を伝える書類です。
評定平均が低い場合でも自己推薦書を使って自分の魅力をアピールし、入学後にどう貢献できるかを具体的に示すことができます。

自己推薦書の作成のポイント
作成のポイント
詳細
具体的なエピソードを入れる
ただ抽象的なアピールではなく、何かを成し遂げた経験や問題を解決した実績を具体的に説明しましょう。
数字やデータを活用する
達成したことを定量的に示すことで、客観的な評価を得やすくなります(例:部活動のリーダーとして〇〇大会で優勝、部員数〇%の増加を達成)。
志望校に合う人物像を描く
大学が求める学生像に合わせて、自分の強みをどう活かせるかを伝えることが大切です。

3. 志望理由書

志望理由書は志望大学・学部に対する強い関心や、入学後に学びたいことをアピールする場です。
評定平均が低い場合、志望理由書でしっかりと学習意欲を伝え、大学での学びが将来の目標にどう繋がるのかを明確にする必要があります。

志望理由書の作成のポイント

作成のポイント
詳細
具体的なエピソードを入れる
ただ抽象的なアピールではなく、何かを成し遂げた経験や問題を解決した実績を具体的に説明しましょう。
数字やデータを活用する
達成したことを定量的に示すことで、客観的な評価を得やすくなります(例:部活動のリーダーとして〇〇大会で優勝、部員数〇%の増加を達成)。
志望校に合う人物像を描く
大学が求める学生像に合わせて、自分の強みをどう活かせるかを伝えることが大切です。

4. 出願書類の完成度を高めるために

完成度の高い書類を仕上げるためには、早めの準備と度重なるブラッシュアップが必要です。
以下のステップを踏むことで、書類をより洗練されたものに仕上げることができます。

作成のポイント
詳細
早めの準備
志望校の募集要項が発表されたら、すぐに出願書類の準備に取り掛かりましょう。締め切り直前ではなく、時間をかけて完成度を高めることが大切です。
第三者の意見を取り入れる
高校や塾の先生に添削を依頼することで書類の質を向上させましょう。客観的な意見は大いに役立ちます。
何度も見直し、ブラッシュアップ
一度書いて終わりではなく、何度も見直して文の流れや論理の整合性、説得力のある表現を追求しましょう。

5. 評定平均のマイナスを補う書類作成

評定平均が低い場合、出願書類の質が合否を左右する重要なポイントになります。他の受験生よりも労力をかけて書類を完成させることが合格への鍵となります。時間と手間を惜しまずに、自分自身を最もよく表現できる書類作成に力を入れましょう。

通信簿の数字を出願条件にしていない大学の例

評定平均を出願条件にしていない大学の一例

ここからは、評定平均を出願条件にしていない大学の例を地域別にご紹介します。評定が低くても出願可能な大学・学部を知っておくことで、選択肢が広がります。

関東の有名大学

以下の大学・学部・学科では、評定平均が総合型選抜入試の出願条件になっていません。


上記は2024年度入試の情報に基づいています。最新の募集要項や出願資格は、各大学の公式サイトで確認してください。

関西の有名大学

評定平均が出願条件の対象外の関西の有名大学

以下の大学の学部・学科では、評定平均が総合型選抜入試の出願条件になっていません。

大学

学部・学科

関西大学

同志社大学

関西学院大学

こちらも2024年度の入試情報を元にしています。最新情報は公式サイトでご確認ください。

上記以外でも評定平均を出願要件にしない大学が数多く存在します。特に中堅以下の大学では、評定平均にこだわらずに受験できる総合型選抜を取り入れている場合も多いです。

そのため、自分に合った募集要項を設定している入試を見つけることが重要です。

受験生が抱きがちなよくある質問とその回答

総合型選抜と評定平均に関するQ&A

ここからは、評定平均について総合型選抜の受験生からよくいただく質問に対して回答していきます。

評定平均はどのように計算されるの?

評定平均は、全ての科目の評定を合計し、その合計を科目数で割ることで計算されます。

評定平均の計算の一例

例えば、以下の成績の場合の評定平均を計算してみましょう。

科目名
評定
国語総合
3
数学Ⅰ
4
数学A
4
コミュ英Ⅰ
5
英語表現Ⅰ
4
現代社会
3
理科総合
4
情報基礎
4
体育
5

この場合、評定の合計は36で科目数は9科目となります。したがって、評定平均は以下のように計算されます。

評定平均 = 36 ÷ 9 = 4.0


科目ごとの傾斜配点も考える

​評定平均の計算の際には、大学によっては科目ごとの単位数に応じて傾斜をかける方法も採用しています。
この場合、各科目の評定にその科目の単位数を掛けて、それらの合計を全単位数で割る計算方法です。

上記の例において国語総合が3単位、数学Ⅰが2単位である場合を考えます。
国語の評定を9(3×3)、数学Ⅰの評定を8(4×2)と考え、それを単位数である5で割ります。((9+8)÷5)

この場合、国語総合と数学Ⅰの評定平均は3.4となります。

一部の大学では、特定の科目(例えば理系学部なら数学や理科)の評定を重視することがあります。

志望大学がどの科目を重視しているかを確認して、戦略的に対策を立てることが重要です。最新の募集要項や大学のアドミッション・ポリシーをチェックし、正確な評定平均を把握しましょう。

いつまでの評定平均で出願するの?

評定平均算出の対象時期

総合型選抜の出願では、出願する時点までの評定平均が対象となります。

一般的に、高校3年生の2学期に出願が行われることが多いため、高校3年生の1学期までの成績が評定平均として評価されます。

そのため、高校1年生と2年生の成績が大きく影響します。つまり、高校3年生の1学期だけで大幅に評定平均を上げることは難しいのです。

総合型選抜を視野に入れている場合は、早い段階から計画的に成績を維持・向上させることが求められます。

国公立大学と私立大学で出願に必要な評定平均は違うの?

一般的には、国公立大学の方が評定平均の要求値が高い傾向があります。国公立大学は入試の倍率が高く、競争が激しいことがその一因です。

一方、私立大学は評定平均に関わらず他の面で優れた学生を積極的に受け入れる傾向があります。

しかし、これはあくまで一般論です。

具体的な評定平均の要求値は大学や学部によって異なります。例えば、私立大学でも医学部など競争率が高い学部では評定平均の基準が厳しくなることがあります。

また、評定平均の計算方法や試験の難易度も大学によって異なる場合があるため、出願前に志望する大学の最新の入試情報を確認することが重要です。
評定平均以外にも出願条件や受験資格が設定されていることもあるため、総合的に確認して準備を進めることをお勧めします。

出願条件には評定平均以外に英語などの資格も含まれるの?

出願条件として評定平均以外に英語能力を示す資格(例えば、英検、TOEFL、IELTSなど)が求められることがあります。

はい、あります。

英語能力を示す資格や検定はよく求められる

出願条件として評定平均以外に英語能力を示す資格(例えば、英検、TOEFL、IELTSなど)が求められることがあります。

特に、国際系の学部では英語資格・検定のスコアが必要となるケースが増えています。

例えば、英検2級以上やTOEFL iBTで一定のスコアを取得していることが出願条件に含まれる場合があります。

この場合、出願までに必要な資格を取得していないと出願自体が認められません。志望校の募集要項を確認し、出願締め切りまでに必要なスコアを確実に取得することが大切です。

参考記事:総合型選抜の合否判定に英検は必要なのか?


専門的な資格や技能が求められることもある

また、学部や学科によっては特定の専門的な資格や技能が求められることもあります。たとえば、芸術系の学部ではポートフォリオの提出や美術やデザインのスキルを証明するような作品の提出が条件となることもあります。

評定平均が低くて不安な場合、英語能力を示す資格や学部・学科での学びと関連のある技能を持っていることで評定平均の低さをカバーできることもあります。

例えば、英検やTOEFLの高いスコアを持っていると語学力に関してアピールできる要素となり、有利になる可能性があります。

出願条件として求められていなくても、資格を取得しておくことは評価を高める要素になります。

参考記事:合否判定において評価される検定の一例

出願に必要な評定平均は学部によって違うの?

出願に必要な評定平均は、同じ大学でも学部によって異なることが多いです。

競争率の高い学部、例えば医学部や法学部などでは他の学部よりも厳しい評定平均の基準が設けられることがあります。

評定平均4.0以上といった基準を求められることもあり、その場合これをクリアしないと出願ができないです。

また、特定の科目の評定を重視するケースもあります。例えば、理系学部では数学や理科で高い評定平均が求められることがあります。

逆に、文学部や法学部では国語や社会科の成績が重視される場合があり、それらの科目の評定が出願条件に含まれることがあります。

よくあるケース
  • 理系学部:数学や理科で評定平均4.0以上を求める場合がある。
  • 文系学部:国語や社会科の成績に基準を設ける場合がある。
  • 特定科目の傾斜:特定の科目に重点を置き、他の科目よりも高い評定を求めることがある。

評定平均が出願条件になっていない総合型選抜でも評定平均が合否に関係する可能性があるの?

成績が出願条件にない入試における通知書の成績の扱い

出願時に評定平均を要件にしていない総合型選抜でも、評定が合否判定に関係することが多いです。

評定平均は受験生の学力や学習態度を示す重要な指標であり、特に他の選考項目が拮抗した場合には合否に影響を与えると考えられます。

活動実績や面接、小論文で同等の評価を受けた受験生が複数いる場合、評定平均が最終的な合否の決め手となる、ということです。

特に、大学側が「どちらの学生がより安定して学業に取り組めるか」を確認する際に評定が参考にされる可能性があります。

評定平均は出願基準を上回れば十分ですか?

総合型選抜において、出願基準の評定を上回るだけでは合格には十分ではありません。

出願基準はあくまで最低限の条件であり、他の受験生も同じように基準を突破しているため、基準をクリアしただけでは優位には立てません。

1. 評定平均は他の受験生と比較される

基準をクリアしただけだと、評定面で他の受験生よりも見劣りする可能性があります。特に基準ギリギリの場合、学力面での評価が不利に働くことがあります。

2. 大幅に基準を超えることが重要

出願基準を大幅に上回ることで、大学に対して自分の学力や学習意欲を強くアピールできます。これにより他の受験生との差をつけることができ、合格の可能性を高めることができます。

出願基準ギリギリの評定平均ですが、合格する可能性はありますか?

出願基準ギリギリの成績と合否判定の結果

出願基準ギリギリの評定平均でも、合格する可能性は十分にあります。

総合型選抜では評定平均だけでなく、小論文や面接、課外活動実績などが評価されるため、他の要素で優れたパフォーマンスを示せば逆転することが可能です。

1. 評定以外の評価要素に力を入れる

総合型選抜では、評定平均が低くても小論文や面接、課外活動の実績を通じて自分の強みや個性をアピールできます。
そのため、これらの対策に他の受験生以上に力を入れることが重要です。

2. 探究活動で差をつける

多くの受験生が取り組んでいないような探究活動や、志望大学・学部と関連性のある実績を積み重ねると大きな加点要素となります。

3. 出願書類の完成度を高める

評定平均が低い分、自己推薦書や志望理由書などの出願書類に一層の力を注ぐ必要があります。

これらの書類で、志望大学や学部への強い熱意と適性を伝え、大学側に「この学生を受け入れたい」と思わせることが求められます。

参考記事:出願に求められる主な書類一覧

志望校の出願基準を大きく上回る評定平均ですが、確実に合格できますか?

志望校の出願基準を大きく上回る評定平均があっても、確実に合格するわけではありません。

総合型選抜では評定平均だけでなく、小論文や面接、活動実績、出願書類など多面的な要素が評価の対象となります。そのため、評定が高いだけでは合格を保証されることはなく、他の選考項目でもしっかりとした対策が必要です。

評定平均だけでは不十分な理由

理由
詳細
総合評価
総合型選抜では、小論文や面接、出願書類、活動実績の完成度が重要視され、これらが評定以上に合否を左右することもあります。
競争相手の存在
評定が高い受験生が多く集まる場合、差別化が難しくなるため、評定以外でどれだけアピールできるかが鍵となります。

成績が良くても注意すべき点

注意すべき点
詳細
小論文や面接の対策を徹底する
評定が高くても、面接や小論文の結果が悪ければ合否に大きく影響します。
あなた自身の意見を明確に表現し、面接官に好印象を与えるための準備が必要です。
活動実績を整理しアピールする
これまでの活動や探究活動を整理し、志望大学・学部との関連性を明確にすることで、強い志望動機を示すことができます。
出願書類を丁寧に仕上げる
自己推薦書や志望理由書は、大学側が最初に見る資料です。評定が高くても書類が不十分だと評価は下がってしまいます。

どの程度の評定平均を取るべきですか?

1つの目安として「志望校が求める評定平均基準を0.5以上上回ることを目指す」と良いでしょう。

評定平均の目標値は出願を考えている大学や学部・学科の要求に依存します。

志望校が求める評定平均基準を0.5以上上回ることを目指す

1つの目安として「志望校が求める評定平均基準を0.5以上上回ることを目指す」と良いでしょう。

例えば、志望校が4.0の評定を求めている場合は4.5以上を目指すと有利になります。

 3.5以上の基準がある場合には、4.0以上を目標にするのが望ましいです。基準を大きく上回ることで、評定面で高い評価を得られる可能性がでてきます。

志望校が求める評定平均基準を0.5以上上回ることを目指す

また、もし志望校が評定平均を出願要件に含めていない場合でも、文部科学省が定める以下の成績ランクを参考にするのも有効です。

評定平均

ランク

5.0 〜 4.3

A

4.2 〜 3.5

B

3.4 〜 2.7

C

2.6 〜 1.9

D

1.8 以下

E

例えば、難関大学(早慶上理・MARCH・関関同立)に合格する生徒はAランクに相当する評定平均(4.3以上)が多い傾向があります。一方で、準難関大学ではBランク(3.5〜4.2)の評定平均でも合格者が多く見られます。

学校の成績が悪いのですが、総合型選抜で大学に合格する可能性はありますか?

学校の成績が悪くても、総合型選抜で大学に合格する可能性は十分にあります。なぜなら、総合型選抜は受験生の個性や多様な側面を評価する試験方式だからです。

評定平均が低くても、自己PRや探究活動の成果、小論文や面接で優れたパフォーマンスを発揮できれば、成績をカバーできる可能性があります。
しかし、以下の点に注意が必要です。

注意すべき点
詳細
小論文や面接の対策を徹底する
評定が高くても、面接や小論文の結果が悪ければ合否に大きく影響します。自分の意見を明確に表現し、面接官に好印象を与えるための準備が必要です。
活動実績を整理しアピールする
これまでの活動や探究活動を整理し、志望大学・学部との関連性を明確にすることで、強い志望動機を示すことができます。
出願書類を丁寧に仕上げる
自己推薦書や志望理由書は、大学側が最初に見る資料です。評定が高くても書類が不十分だと評価は下がってしまいます。


総合型選抜では、成績以外の部分をアピールするチャンスが豊富にあります。
自分の強みや個性を活かし、適切な準備を進めていけば成績に不安があっても合格の可能性は十分にあります。

この記事のまとめ

今回の内容のまとめ


本記事では、総合型選抜と評定平均の関係性について詳しく解説しました。今回取り上げた内容の中で特に重要なポイントは改めてまとめてみましたので、ご覧ください。

  • 総合型選抜では評定平均が出願条件に入る大学があり、その場合成績が基準に達しないと出願自体ができません。
  • 出願条件に評定平均が含まれない大学でも、評定平均が合否に影響を与える可能性があるため可能な限り評定平均を上げておくことが有利です。
  • 評定平均は高校1年生から3年生の1学期までの成績で算出され、科目ごとの成績を合計し科目数で割ることで計算されます。
  • 高校3年生になってから評定を大きく上げることは難しいため、早めの対策が重要です。
  • 評定平均が低くても、他の要素で挽回が可能です。出願可能な大学や学部を選び、小論文や面接の対策を強化することで合格を狙いましょう。


この記事を参考にして総合型選抜における評定平均の重要性を理解し、志望校合格に向けて万全の準備を整えてください。

参考記事:総合型選抜の最適な対策タイミングと受験スケジュール

この記事を書いた人

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。