作成日: 2026/1/27 更新日:2026/1/27
食品衛生監視員になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「食品衛生監視員のなり方は?」
「食品衛生監視員になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 食品衛生監視員とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 食品衛生監視員になるには何をすべきか
- 取得すべき資格
- 向いている人の特徴
また、食品衛生監視員に関するよくある質問にも答えています。
食品衛生監視員に興味のある人や、食品衛生監視員を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
食品衛生監視員とは

食品衛生監視員とは、食品衛生法に基づいて食の安全を見守る公務員です。
飲食店や食品工場、スーパーなどを対象に、食品が安全に製造・取り扱われているかを確認し、必要に応じて指導を行います。
国家公務員として、または都道府県や市区町村の保健所に所属する地方公務員として働くのが一般的です。
以下に食品衛生監視員の仕事内容や給料についてまとめます。
- 食品衛生監視員の仕事内容
- 食品衛生監視員の給料・給与・年収
- 食品衛生監視員のやりがい
- 食品衛生監視員の働き方
- 食品衛生監視員に必要な知識、資格、スキル
- 食品衛生監視員という職業の注意点
それぞれ見ていきましょう。
食品衛生監視員の仕事内容
食品衛生監視員の仕事は、私たちが日常的に口にする食品が安全に製造・流通・販売されているかを確認し、食の安全を守ることです。
飲食店や食品工場などを対象に、法律に基づいたチェックや指導を行い、食中毒や健康被害を未然に防ぐ重要な役割を担っています。
以下では、食品衛生監視員の仕事内容をまとめました。
- 食品関連施設への立入検査:飲食店や食品工場などに立ち入り、設備や調理環境、衛生管理が基準を満たしているか確認する
- 食品のサンプリング・検査:流通・販売されている食品を採取し、安全基準に適合しているかを検査する
- 衛生指導・改善指示:法令違反や不備があった場合に、改善点を指摘し是正指導を行う
- 苦情・相談への対応:食品の安全や衛生に関する消費者からの苦情や相談に対応する
- 食品事故・食中毒発生時の調査:食中毒などが発生した際に、原因究明と被害拡大防止の調査を行う
- 食品衛生に関する普及啓発活動:事業者や市民に向けて、食品衛生や安全に関する正しい知識を発信する
- 営業施設の監視:飲食店や食品製造施設を立ち入り検査し、食品衛生法に基づいて衛生管理状況を確認・指導する
- 輸入食品監視:海外から輸入される食品について、検査や書類確認を行い、安全性を確保する
食品衛生監視員は、食品の製造から販売までのすべての過程をチェックし、法律に基づいて安全を守る専門職です。
立入検査や指導だけでなく、事故対応や啓発活動まで幅広い業務を担い、私たちの健康な食生活を支えています。
食の安全に直接関わる、社会的意義の高い仕事といえるでしょう。
食品衛生監視員の給料・給与・年収

食品衛生監視員の給与水準は、国家公務員・地方公務員のいずれであっても大きな差はなく、ほぼ共通の水準となっています。
どちらも公務員であるため、安定した給与体系と充実した福利厚生が特徴です。
人事院の令和7年度国家公務員給与等実態調査によると、専門行政職俸給表が適用された食品衛生監視員の平均月給は461,821円、平均年収は約769万円でした。
参照:人事院勧告
食品衛生監視員のやりがい
食品衛生監視員のやりがいは、日々の業務を通じて人々の健康と社会の安全を支えている実感を得られることです。
食の安全という生活に直結する分野で専門性を発揮できる点は、この仕事ならではの魅力です。
以下では、食品衛生監視員のやりがいについてまとめました。
やりがい | 詳細 |
|---|---|
食の安全を守れる | 食中毒や健康被害を未然に防ぎ、多くの人の命と健康を支えている実感を持てる |
社会貢献性が高い | 地域の飲食店や食品事業者を支援し、安心できる食環境づくりに貢献できる |
専門知識を活かせる | 食品、化学、生物、法律などの知識を実務で活かしながら働ける |
判断力・責任感が身につく | 法令に基づく適切な判断が求められ、専門職としての成長を実感できる |
現場経験が積める | 立入検査や調査対応を通じて、実践的なスキルが身につく |
安定した働き方 | 公務員として安定した雇用環境のもと、長期的なキャリアを築ける |
食品衛生監視員は、食の安全を守る最前線で活躍しながら、専門性と社会貢献の両方を実感できる仕事です。
法律・科学・コミュニケーション力を活かし、地域社会に貢献できる点は大きなやりがいといえるでしょう。
安定した環境で専門職として成長したい人にとって、非常に魅力的な職業です。
食品衛生監視員の働き方

食品衛生監視員は、公務員として安定した雇用のもと、食の安全と人々の健康を守る専門職です。
ただし、国家公務員として働く場合と、地方公務員として働く場合では、職種や勤務先、働き方の特徴が異なります。
そのため、進路選択の際には、それぞれの違いを理解しておくことが重要です。
以下では、国家公務員と地方公務員それぞれの働き方を比較してまとめます。
項目 | 国家公務員の場合 | 地方公務員の場合 |
|---|---|---|
職種 | 輸入食品の安全を監視・検査する行政の専門職 | 地域の食品衛生を監視・指導する行政の専門職 |
雇用形態 | 厚生労働省に所属する国家公務員 | 都道府県・市区町村に所属する地方公務員 |
勤務先 | 全国の検疫所(空港・港湾など) | 保健所や自治体の行政機関 |
主な対象 | 海外から輸入される食品 | 国内の飲食店・食品工場・販売施設 |
働き方の特徴 | 輸入食品の検査・監視が中心で、専門的な検査業務が多い 国の基準に基づき全国規模で業務を行う 勤務地変更(全国転勤)の可能性がある 専門性を高め、国の食品安全行政を担う | 飲食店などへの立入検査と事業者指導が中心 担当する地域に密着して業務を行う 原則として採用自治体内での勤務 地域に根ざし、住民の生活に直結した安全を守る |
食品衛生監視員は、国家公務員・地方公務員いずれの場合も、公務員としての安定した働き方と高い社会的意義を持つ職業です。
一方で、国家公務員は輸入食品を中心に全国規模で活躍し、地方公務員は地域に密着して日常の食の安全を守るという違いがあります。
自分が「国の水際で食の安全を守りたいのか」「地域に寄り添って暮らしを支えたいのか」を考えたうえで、進路を選ぶことが大切です。
食品衛生監視員に必要な知識、資格、スキル
食品衛生監視員として働くためには、食品の安全を科学的かつ法律的に判断する専門知識と、事業者や市民に適切に伝える実務スキルが求められます。
また、国家公務員・地方公務員いずれの場合も公的な立場で「食の安全」を守る仕事であるため、幅広い知識と高い責任感が必要とされます。
以下では、食品衛生監視員に必要な知識・資格・スキルを、国家・地方の違いを踏まえてまとめます。
■必要な知識
- 食品衛生に関する法律知識
- 食品表示法に関する知識
- 微生物学の基礎知識
- 化学の知識
- 栄養学の知識
※国家公務員の場合は、輸入食品検査に関わるため、微生物学・化学の専門性が特に重視される傾向があります。
参考:栄養学で学ぶことは?栄養学を学べる大学や卒業後のキャリアを紹介
■必要な資格
- 国家公務員の場合:人事院が実施する国家公務員試験(食品衛生監視員)に合格し、厚生労働省に採用される必要がある
- 地方公務員の場合:都道府県や市区町村が実施する地方公務員試験(食品衛生監視員区分)に合格し、自治体に採用される必要がある
いずれの場合も、大学や専門学校で食品・化学・生物・栄養などの専門課程を修めていることが受験資格の条件となるのが一般的です。
■必要なスキル
- コミュニケーション能力
- 論理的な判断力
- 観察力・分析力
- 責任感・公平性
- 語学力(主に国家公務員の場合)
食品衛生監視員は、法律と科学の知識を土台に、専門的なスキルを活かして食の安全を守る公的専門職です。
国家公務員・地方公務員いずれの場合も、高い責任感と継続的な学習が求められます。
その分、社会的意義が大きく、安定した環境で専門性を高められる職業といえるでしょう。
食品衛生監視員という職業の注意点

食品衛生監視員は社会的意義の高い仕事ですが、専門職・公務員ならではの注意点も理解しておくことが大切です。
事前に仕事内容の厳しさや求められる姿勢を把握しておくことで、入職後のギャップを防ぐことができます。
以下では、食品衛生監視員という職業の注意点をまとめました。
注意点 | 詳細 |
|---|---|
法令改定への対応 | 食品衛生法や関連規制は頻繁に改定されるため、常に最新情報を学び続ける必要がある |
継続的な自己学習 | 技術革新や国際基準の変化に対応するため、業務外でも知識更新が求められる |
高い責任感が必要 | 食の安全に直結する判断を行うため、一つひとつの業務に重い責任が伴う |
現場対応の難しさ | 事業者への指導では、時に厳しい対応や調整力が求められる場面もある |
客観的な判断力 | 感情に左右されず、法令や事実に基づいた公平な対応が必要である |
給与水準の特徴 | 公務員のため民間と比べて大幅な高収入は期待しにくい一方、安定性は高い |
食品衛生監視員は、常に学び続ける姿勢と高い責任感が求められる専門職です。
一方で、公務員としての安定した働き方と、食の安全を守るという大きな社会的使命を両立できる点は大きな魅力といえるでしょう。
仕事内容や注意点を正しく理解したうえで目指すことで、納得感のあるキャリア形成につながります。
食品衛生監視員になる方法

食品衛生監視員になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。
ここでは、食品衛生監視員のなり方の具体的なステップについて紹介します。
- 大学や短期大学へ進学する
- 国家公務員・地方公務員試験どちらかを受験する
- 試験に合格し、採用される
- 研修を受けて実務経験を積む
それぞれ見ていきましょう。
大学や短期大学へ進学する
食品衛生監視員を目指す場合、「国家公務員」と「地方公務員」では大学進学の位置づけや要件が異なるため、進路を分けて考える必要があります。
まず、国家公務員(厚生労働省・検疫所勤務)を目指す場合、4年制大学の卒業が必須条件です。
採用試験の受験資格として、食品衛生監視員養成課程に該当する専門教育を修めていることが求められます。
人事院が指定している課程は以下の通りです。
課程 | 畜産学 | 水産学 | 農芸化学 |
所定の科目 | (1)家畜育種学 (2)家畜品種論 (3)家畜繁殖学 (4)家畜栄養学 (5)飼料学 (6)家畜管理学 (7)家畜解剖学又は組織学 (8)家畜生理学又は生化学 (9)畜産物利用学 (10)草地利用学 (11)家畜衛生学 (12)畜産学汎論 (13)畜産経営論 | (1)水産資源学 (2)漁業学 (3)水産増殖学 (4)水産物利用学 (5)水産生物学 (6)水族環境学 (7)水産生物化学 | (1)土壌学 (2)植物栄養学 (3)生物化学 (4)応用微生物学 (5)栄養化学 (6)食品化学 (7)農産物利用学 (8)畜産物利用学、水産物利用学又は林産物利用学 (9)農薬化学 (10)生物有機化学 |
必要取得科目数 | 11科目以上 | 6科目以上 | 8科目以上 |
業務では輸入食品の検査や監視を担うため、微生物学、化学分析、食品衛生学などの知識が重視されます。
地方公務員として食品衛生監視員を目指す場合も、大学や短期大学で専門分野を学ぶことが一般的です。
その場合、学歴要件や対象分野は自治体によって異なります。
多くの自治体では、食品、栄養、化学、生物、獣医学、農学、水産学などの課程修了を受験資格としており、保健所などでの監視・指導業務に対応できる基礎的な公衆衛生知識が求められます。
そのため、進学先を選ぶ際は、「国家公務員か地方公務員か」「志望自治体の受験資格」を事前に確認したうえで、学部・学科を検討することが重要です。
国家公務員・地方公務員試験どちらかを受験する

食品衛生監視員になるには、国家公務員か地方公務員かを選び、それぞれに対応した公務員試験を受験します。
両者は受験資格や前提条件が異なります。
国家公務員と地方公務員の違いは以下のとおりです。
区分 | 国家公務員 | 地方公務員 |
主な勤務先 | 検疫所(輸入食品の監視・検査) | 都道府県・市区町村の保健所など |
受験する試験 | 国家公務員採用試験(大卒程度・専門職) | 各自治体が実施する採用試験 |
学歴要件 | 4年制大学卒業(または卒業見込み)が必須 | 自治体により異なる(大学・短大・専修学校など) |
必要な専攻分野 | 食品学、栄養学、化学、生物学、薬学、農芸化学、水産学など(指定あり) | 食品・栄養・化学・生物・農学・水産学など(自治体ごとに異なる) |
試験内容 | 一般教養+食品衛生法、微生物学、化学などの専門科目 | 一般教養+専門科目(出題範囲は自治体ごとに異なる) |
このように、国家公務員は「大卒必須・専攻指定あり」という点が特徴です。
一方、地方公務員は自治体ごとに条件が異なるため、必ず志望先の募集要項を確認する必要があります。
食品衛生監視員の試験について
食品衛生監視員になるためには、国家公務員試験または地方公務員試験のいずれかに合格する必要があります。
どちらも専門職区分の試験ですが、試験の実施主体や内容に違いがあります。
以下では、試験内容についてそれぞれまとめました。
区分 | 試験内容 | 特徴 |
|---|---|---|
国家公務員(厚生労働省) | 専門試験(筆記):食品衛生学、微生物学、化学、薬学、農学、水産学など 人物試験(面接):志望動機、適性、専門職としての考え方などを評価 | 教養試験はなく、専門知識重視 全国の検疫所勤務を前提とした試験 理系バックグラウンドが強く求められる |
地方公務員(都道府県・市区町村) | 教養試験(筆記):文章理解、数的処理、判断推理、資料解釈など 専門試験(筆記):食品衛生法、公衆衛生学、微生物学、化学、栄養学など 人物試験(面接):志望動機、地域貢献意識、コミュニケーション力などを評価 | 教養+専門+面接のバランス型 自治体ごとに試験科目や配点が異なる 地域密着型の業務を前提とした試験 |
どちらを受験するかによって、勉強方法や対策の重点が大きく変わるため、進路を早めに決めて準備することが重要です。
試験に合格し、採用される
食品衛生監視員は、国家公務員として働く場合と、地方公務員として働く場合で採用先が異なります。
国家公務員を目指す場合は、国家公務員試験に合格後、厚生労働省に採用され、全国の検疫所などに配属されます。
一方、地方公務員を目指す場合は、都道府県や市区町村が実施する地方公務員試験に合格し、自治体に採用されます。
地方公務員として採用された場合は、保健所などの行政機関に配属され、地域の食品衛生を守る食品衛生監視員としてのキャリアがスタートします。
いずれの働き方でも、公務員として法令に基づいた公平かつ責任ある判断と対応が求められます。
研修を受けて実務経験を積む

採用後は、国家公務員・地方公務員いずれの場合も、食品衛生や行政実務に関する研修を受けながら実務経験を積んでいきます。
国家公務員の場合は、検疫所における輸入食品監視や検査業務を中心に研修を受け、地方公務員の場合は、飲食店や食品事業者への立入検査や衛生指導を中心に業務を学びます。
最初は先輩職員の指導のもとで段階的に業務を担当し、継続的な研修と現場経験を重ねることで、食品衛生の専門職としての知識と実践力を高めていくことになります。
食品衛生監視員になりたい高校生の進路

食品衛生監視員になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な進路について解説します。
- 大学に進学する
- 短期大学に進学する
それぞれ見ていきましょう。
大学に進学する
食品衛生監視員を目指す場合、大学進学は進路によって位置づけが異なります。
特に「国家公務員」を目指すか、「地方公務員」を目指すかで、大学進学の意味合いは明確に分かれます。
まず、国家公務員と地方公務員で共通する、大学で学ぶべき分野は以下の通りです。
- 食品衛生学・公衆衛生学
- 微生物学・生物学
- 化学・分析化学
- 栄養学
- 実験・実習による科学的思考力
これを踏まえた上で、国家公務員と地方公務員で異なる点を見ていきましょう。
国家公務員を目指す場合
厚生労働省に採用される国家公務員の食品衛生監視員は、4年制大学卒業(または卒業見込み)が受験資格として必須です。
そのため、国家公務員を志望する場合、大学進学は前提条件となります。
人事院が指定している課程は以下の通りです。
課程 | 畜産学 | 水産学 | 農芸化学 |
所定の科目 | (1)家畜育種学 (2)家畜品種論 (3)家畜繁殖学 (4)家畜栄養学 (5)飼料学 (6)家畜管理学 (7)家畜解剖学又は組織学 (8)家畜生理学又は生化学 (9)畜産物利用学 (10)草地利用学 (11)家畜衛生学 (12)畜産学汎論 (13)畜産経営論 | (1)水産資源学 (2)漁業学 (3)水産増殖学 (4)水産物利用学 (5)水産生物学 (6)水族環境学 (7)水産生物化学 | (1)土壌学 (2)植物栄養学 (3)生物化学 (4)応用微生物学 (5)栄養化学 (6)食品化学 (7)農産物利用学 (8)畜産物利用学、水産物利用学又は林産物利用学 (9)農薬化学 (10)生物有機化学 |
必要取得科目数 | 11科目以上 | 6科目以上 | 8科目以上 |
大学では、検疫所での輸入食品監視・検査業務を想定し、専門知識を体系的に学ぶことが重要です。
地方公務員を目指す場合
地方公務員の食品衛生監視員については、大学卒業が必須ではない自治体もあり、受験資格は自治体ごとに異なります。
ただし、多くの自治体で理系分野の専門課程修了が条件とされており、大学進学は有力な選択肢のひとつです。
参考例として、自治体では以下の分野が対象となることがあります。
- 食品・栄養系
- 化学・生物系
- 農学・水産学系 など(詳細は自治体ごとに要確認)
大学で学んだ基礎知識は、保健所での飲食店指導や食品事業者の監視業務に直結します。
短期大学に進学する
食品衛生監視員を目指す進路として、短期大学に進学し、食品衛生や検査に関する実務的な知識を学ぶ方法もあります。
現場を意識したカリキュラムが多く、短期間で専門性を身につけられる点が特徴です。
おすすめの学部・学科
- 食品衛生学科
- 食品科学科
- 食品分析・検査系学科
- バイオ・微生物系学科
学べる内容
- 食品衛生学・食品衛生法
- 微生物検査・化学分析
- 検査機器の操作実習
- 現場を想定した実践的な演習
短期大学進学は、地方公務員の食品衛生監視員を目指す人にとって現実的な進路の一つです。
ただし、国家公務員の食品衛生監視員は4年生大学の卒業が学歴要件のため、短期大学への進学は地方公務員を目指す場合飲みに限られます。
おすすめの大学

以下では、食品衛生監視員を目指せる大学を紹介します。
大学名 | 学部・学科 | 特徴 |
北里大学 | 医療衛生学部 保健衛生学科 環境保健学コース | 公衆衛生・食品衛生・検査科学など、医療・衛生分野に強い総合大学 微生物学や衛生検査に関する実験・実習が充実している 医療・保健分野の専門職を多く輩出し、食品衛生監視員を目指す進路と親和性が高い 国家公務員・地方公務員の両方を視野に入れやすいカリキュラム構成されている |
帝京科学大学 | 生命環境学部 生命科学科 生命・健康コース | 生命科学を基盤に、健康・食品・環境分野を幅広く学べる 微生物学や化学など、食品衛生監視員試験に必要な基礎分野を体系的に学習可能 少人数教育で、実験・実習を重視した学びが特徴 地方公務員の食品衛生監視員を目指す学生にも適した環境 |
関東学院大学 | 理工学部 応用化学コース | 化学の基礎力を土台にした実践的な学修プログラムを展開し、2026年4月から「食品衛生監視員」や「食品衛生管理者」の資格養成課程が履修可能 所定の科目を履修すると、卒業と同時に国家資格の任用資格として食品衛生監視員資格を取得できる 化学分析や実験を中心に学びながら、行政や食品産業で活かせる専門知識と技術を身につけられる |
食品衛生監視員を目指す場合、大学で食品・化学・生物・栄養などの理系分野を体系的に学ぶことは、大きな強みになります。
今回紹介した大学はいずれも、食品衛生や公衆衛生に関連する専門知識を身につけやすく、国家公務員・地方公務員の食品衛生監視員試験に対応しやすい進学先です。
将来の選択肢を広く持ちたい人や、専門性を活かして公的機関で働きたい人にとって、大学進学は非常に有効な進路です。
食品衛生監視員を目指せるぴったりな大学は年内入試ナビで見つかる
食品衛生監視員を目指す際に最も適した大学を探すには、年内入試ナビの利用がおすすめです。
年内入試ナビは、一般選抜以外の形式で受験できる大学や受験情報をまとめたナビサイトです。
評定平均や通学可能な地域を登録すれば、現実的に合格圏内の大学や、自宅から通える範囲の大学が表示されます。
しかも、大学から「あなたに入学してほしい」というオファーをもらえる可能性もあります。
合格を十分に狙うことができ、一般受験を受けずに入学を目指せる大学がわかるので、ぜひ登録してみてください。
おすすめの短期大学

以下では、食品衛生監視員を目指せる短期大学を紹介します。
大学名 | 学科 | 特徴 |
|---|---|---|
食物栄養学科 | 栄養学と食品衛生を中心に、食と健康を基礎から学べる 食品衛生学、栄養学、調理学など、食品衛生監視員に関連する基礎知識を修得可能 実験・実習が多く、実践的な学びが多い 地方公務員の食品衛生監視員を目指す進路とも相性が良い | |
包装食品工学科 | 食品製造・加工・包装技術に特化した、食品分野専門の短期大学 食品衛生法、微生物学、食品工学など、実務に直結する専門知識を学べる 食品工場や製造現場を想定した実習が充実している 食品衛生監視員を目指す学生にも適した専門性の高い環境 | |
人間健康科 食物栄養専攻 | 栄養学を中心に、人の健康と食の安全を総合的に学べる学科 食品衛生学、栄養学、調理実習など基礎から実践までカバーしている 地域に根ざした教育を行っており、地方公務員志望者にも向いた学習環境 食に関わる専門職や公務員を目指す進路につながりやすい |
食品衛生監視員を目指す進路として、短期大学で栄養学や食品衛生を実践的に学ぶルートも有効です。
特に、地方公務員の食品衛生監視員を目指す場合、短期大学で必要な専門課程を修めることで受験資格を満たせるケースがあります。
大学進学と比べて修業年限が短く、早く専門知識を身につけて公務員試験に挑戦したい人や、実習重視で学びたい人に適した進路といえるでしょう。
よくある質問

食品衛生監視員に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。よくある質問とその回答を記載していきます。
食品衛生監視員に向いている人の特徴は?
食品衛生監視員は、食の安全を守る専門職として、法律と科学の知識をもとに冷静で公平な判断を行う仕事です。
日々の立入検査や指導、調査対応を通じて社会に貢献できる一方、責任感や継続的な学習姿勢も求められます。
以下では、食品衛生監視員に向いている人の特徴をまとめました。
向いている特徴 | 理由 |
|---|---|
食の安全に関心がある人 | 食中毒防止や衛生管理を通じて、人々の健康を守る仕事にやりがいを感じられる |
ルールや法律を守る意識が高い人 | 食品衛生法などの法令に基づき、公平で一貫した判断が求められる |
冷静に物事を判断できる人 | 現場では感情に流されず、事実と基準をもとに対応する必要がある |
理科・科学分野が得意な人 | 微生物学や化学などの知識を使って、食品の安全性を判断する必要がある |
観察力・注意力がある人 | 衛生状態や小さな異変に気づく力が、事故防止につながるため重要 |
人と話すことに抵抗がない人 | 事業者への指導や市民への説明など、対話の機会が多い仕事 |
責任感が強い人 | 判断一つで健康被害の有無が左右されるため、高い責任感が求められる |
安定した働き方を重視する人 | 公務員として、長期的に安定したキャリアを築きたい人に向いている |
食品衛生監視員は、食の安全を守る使命感と、冷静で誠実な対応力を併せ持つ人に向いている職業です。
派手さはありませんが、社会に不可欠な役割を担い、専門性を活かしながら安定して働ける点が大きな魅力といえるでしょう。
食や健康に関わる仕事で社会貢献したい人にとって、非常に適性の高い職種です。
食品衛生監視員はつらい?

食品衛生監視員の仕事は、「つらい」と感じる場面がある職業です。
飲食店や食品工場への立入検査では、衛生状態の不備を指摘したり、改善指導を行ったりする必要があり、事業者との調整に気を遣う場面も少なくありません。
また、食中毒が発生した際には、迅速かつ正確な対応が求められ、精神的なプレッシャーを感じることもあります。
一方でやりがいも大きく、公務員のため安定した働き方ができる点は大きなメリットです。
責任は重いものの人々の健康を守る社会的意義の高い仕事です。
食品衛生監視員と管理栄養士の違いは?
食品衛生監視員と管理栄養士は、どちらも「食」と「健康」に関わる職業ですが、役割と働き方は大きく異なります。
以下では、違いについてまとめました。
- 食品衛生監視員:公務員として食品衛生法に基づき、飲食店や食品事業者を監視・指導し、食の安全を社会全体で守る役割を担う
- 管理栄養士:主に病院、学校、福祉施設などで、個人や集団に対して栄養管理や食事指導を行う
つまり、食品衛生監視員は「ルールを守らせる立場」であり、管理栄養士は「食生活を支援する立場」です。
参考:管理栄養士になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
参考:栄養士になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
食品衛生監視員の養成施設とは?

食品衛生監視員の養成施設とは、食品衛生監視員として必要な専門知識や科目を履修できる大学・短期大学・専門学校のことを指します。
これらの養成施設で、食品衛生学、微生物学、化学、栄養学などの指定科目を修了することで、国家公務員または地方公務員の食品衛生監視員試験の受験資格を得ることができます。
養成施設は全国にあり、大学の食品科学系学部や農学部、薬学部のほか、食品衛生課程を設けた短期大学や専門学校も含まれます。
ただし、すべての学校・学科が受験資格の対象になるわけではないため、進学前に公式な受験資格要件を確認することが重要です。
養成施設での学びは、公務員試験対策だけでなく、採用後の実務にも直結します。
まとめ

本記事では、食品衛生監視員の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、食品衛生監視員に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 食品衛生監視員とは、食品の安全を確保するために、法律に基づいて食品関連施設を監視・指導する公務員である
- 主な仕事は、飲食店や食品工場への立入検査、衛生指導、食品の検査、食中毒発生時の原因調査などが挙げられる
- 食品衛生監視員に取得必須の資格は、「国家公務員試験(食品衛生監視員)」または「地方公務員試験(食品衛生監視員区分)」である
- 食の安全を守りたい人や、法律と科学の知識を活かして社会に貢献したい人に、食品衛生監視員はおすすめ
- 食品衛生監視員になりたい高校生は、食品、化学、生物、栄養などを学べる大学・短期大学に進学するのがおすすめ
本記事で解説した内容は、「食品衛生監視員のなり方ガイド」でまとめています。
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この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
