作成日: 2025/7/30 更新日:2025/10/01
歯科医師になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「歯科医師のなり方は?」
「歯科医師になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 歯科医師とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 歯科医師になるには何をすべきか
- 取得すべき資格
- 向いている人の特徴
また、歯科医師に関するよくある質問にも答えています。
歯科医師に興味のある人や、歯科医師を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
歯科医師とは

歯科医師とは、虫歯の治療や歯の健康を守ることを専門とする医療従事者です。
彼らの主な役割は、虫歯や歯周病の予防と治療、歯のクリーニング、抜歯、詰め物やクラウンの装着など、多岐にわたります。
また、矯正歯科や口腔外科といった特定の分野に特化することも可能です。
歯科医師は、患者の口腔内の健康を維持し、病気を早期に発見し治療することで、全身の健康にも寄与します。
彼らは個人の診療所で働く場合もあれば、病院や大学の付属病院で勤務することもあります。
さらに、研究や教育、行政といった分野でも活躍することが可能です。
以下に歯科医師の仕事内容や給料についてまとめます。
- 歯科医師の仕事内容
- 歯科医師の給料・給与・年収
- 歯科医師のやりがい
- 歯科医師の働き方
- 歯科医師に必要な資格、知識、スキル
- 歯科医師という職業の注意点
それぞれ見ていきましょう。
歯科医師の仕事内容
歯科医師は、患者の口腔内の健康を守り、治療・予防を通じてQOL(生活の質)の向上に貢献する専門職です。
診療は大きく分けて「保険診療」と「自由診療」の2種類があります。
保険診療
保険診療は、国の健康保険制度に基づいて提供される、必要最低限の治療を対象とした診療です。
患者の自己負担は原則1〜3割で、治療内容や材料は保険で認められた範囲に限られます。
- 虫歯や歯周病の治療(詰め物・神経の治療など)
- 抜歯や知覚過敏の処置
- 保険適用の入れ歯やブリッジの製作
- 歯石除去や歯面清掃などの予防処置
- 定期検診やフッ素塗布などの基本的な予防管理
自由診療
自由診療は、保険の枠を超えて、より高品質な材料や先進的な治療法を用いる診療です。
費用は全額自己負担となりますが、審美性や機能性を重視する患者に選ばれることが多く、歯科医師の高度な技術力が求められます。
- セラミックやジルコニアによる審美的な詰め物・被せ物の製作
- インプラント治療
- ホワイトニングや矯正歯科などの審美・機能改善治療
- マウスピース型矯正や高度な噛み合わせ治療
- 自費による予防プログラムやメンテナンス
歯科医師の給料・給与・年収

歯科医師の給料・給与・年収については、勤務先や経験年数によって大きく異なります。
厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」によると、歯科医師の平均年収は約1,136万円です。
歯科医院で勤務する歯科医師の初任給は、他の医療職に比べてやや高めに設定されることが一般的です。
都市部の大規模な歯科医院では初年度から比較的高い給与が期待できる一方、地方の個人クリニックではやや控えめな傾向があります。
また、保険診療中心の歯科医師と、自由診療を積極的に行う歯科医師では、年収に大きな差が生まれる傾向があります。
- 保険診療中心の歯科医師:診療報酬が国で定められているため、収入の上限がある程度決まっており、一定の安定性はあるものの、大幅な年収増は見込みにくい傾向にある
- 自由診療を行う歯科医師:インプラントや審美歯科、矯正歯科など、保険適用外の高単価な治療を多く手がけることで、年収が数千万円規模に達するケースもある
さらに、開業しているか勤務しているかによっても収入は大きく異なります。
同サイトの情報によると、就業形態として「自営、フリーランス」が66.0%となっていますが、自営やフリーランスは人によって収入の差が大きくなります。
平均年収はあくまで参考程度にとどめるのがよいでしょう。
参照:歯科医師|jobtag
歯科医師のやりがい
歯科医師のやりがいは、患者の「痛みを取り除く」「口元の自信を取り戻す」といった、目に見える成果に深く関われる点にあります。
やりがいを実感できる場面は以下の通りです。
- 治療により患者が笑顔を取り戻したとき
- 長期的な通院を通じて信頼関係が築けたとき
- 口腔内の改善が、全身の健康改善につながったとき
- 難症例への対応を通じてスキルが向上し、自己成長を実感できたとき
- 地域医療の一端を担い、社会的意義を感じたとき
医療技術と人間性の両方が試される中で、自分の手で誰かの生活を良くできるという充実感が味わえる仕事です。
歯科医師の働き方

歯科医師の働き方は多様で、働く場所やライフスタイルに応じた選択肢があります。
代表的な働き方は以下の通りです。
- 歯科医院や総合病院での一般診療(常勤・非常勤)
- 特定領域に特化した専門クリニックでの勤務(矯正・小児・口腔外科など)
- 高齢者や障がい者を対象とした訪問診療
- 大学や研究機関での教育・研究活動
- 自ら開業し、経営者として歯科医院を運営
診療以外にも活躍の場が広く、専門性を活かしながら自分に合った働き方を選びやすい職種です。
歯科医師に必要な資格、知識、スキル
歯科医師として働くためには、「歯科医師国家試験」に合格し、歯科医師免許を取得することが前提です。
これは法的に必須の資格であり、すべての歯科医療行為を行うための基盤となります。
しかし、資格を取得するだけでは現場で十分に活躍できるわけではありません。
実際の診療では、以下のような幅広い知識やスキルも求められます。
必要な知識
- 歯科医学全般の専門知識(解剖学・生理学・口腔病理学・歯周病学など)
- 全身管理に関する理解(持病や薬の影響を考慮した診療)
- 放射線・薬理・麻酔などの周辺医療知識
- 感染予防や衛生管理に関する知識
- 患者指導や公衆衛生に関する知識
必要なスキル
- 精密な手作業ができる器用さと集中力
ミリ単位の処置が求められるため、繊細な手先の感覚が必須 - コミュニケーション力
患者との信頼関係を築き、不安を取り除く対話力が必要 - 状況判断力と対応力
急変対応や複雑な治療計画の立案など、判断力も問われる - チーム医療における協調性
歯科衛生士や技工士などと連携して診療を進める - 継続的な学習意欲と情報収集力
新しい治療法や技術への対応力は、常にアップデートが求められる
歯科医師は、医療技術と人間性の両方が求められる専門職です。
確かな知識・技術に加えて、患者一人ひとりに寄り添う姿勢や、医療人としての責任感も重要な資質といえるでしょう。
歯科衛生士について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
参考:歯科衛生士になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
歯科医師という職業の注意点

歯科医師として働くには、日々の診療だけでなく、責任ある立場としての覚悟や努力も必要です。
注意点として意識すべき項目は以下の通りです。
- 口腔内という繊細な部位を扱うため、細やかな技術と集中力が求められる
- 治療の責任が直接患者の健康に関わるため、精神的なプレッシャーも大きい
- 医療技術・器具の進化に対応するため、継続的な学習とアップデートが不可欠
- 長時間の診療で体力・姿勢への負担が蓄積しやすい
- 開業の場合、集患・人材マネジメント・経営判断など経営者視点も必要
高収入や安定性がある一方、技術・知識・責任・経営力のすべてが求められる職業であることを理解しておく必要があります。
歯科医師になる方法

歯科医師になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。
ここでは、歯科医師のなり方の具体的なステップについて紹介します。
- 歯科医師国家試験を受験し合格する
- 臨床研修(1年以上)を修了し、歯科医師免許を取得・登録する
- 病院やクリニックなどの医療機関に就職する
それぞれ見ていきましょう。
歯科医師国家試験を受験し合格する
歯科医師になるためには、まず歯科医師国家試験に合格しなければなりません。
この試験は、日本の歯科医師を目指す学生にとって最も重要な試練の一つです。
試験は毎年行われ、受験者は歯科医学に関する広範な知識を問われます。
特に、基礎医学、臨床歯科医学、そして公衆衛生に関する理解が求められます。
合格するためには、大学での学習内容をしっかりと復習し、模擬試験などを利用して試験対策を行うことが重要です。
区分 | 内容 |
|---|---|
資格概要 | 歯科医師国家試験 歯科医師免許を取得するための国家試験 合格後、歯科医師名簿に登録し免許を受ける |
受験要件 | 文部科学省認定の6年制歯学部または歯科大学を卒業、あるいは卒業見込みの者 予備試験合格かつ実地修練1年以上 外国歯科医学校卒業者などの場合は厚生労働大臣の認定 |
合格率 | 総合合格率:70.3%、新卒合格率:84.0%、既卒合格率:44.9% |
試験内容 | 【必修問題】80問:倫理、社会・医療、基礎医学、救急、診断・治療の基礎など 【一般問題】180問:基礎~臨床の総論・各論、主に専門知識 【臨床実地問題】100問:現場での対応力を問う総合問題 合計360問・マークシート方式・2日間実施 |
実施時期 | 毎年2月(直近は2025年2月1日・2日実施) |
受験者数・合格者数(例:第118回) | 受験者 約3,000名、合格者 約2,100名 |
臨床研修(1年以上)を修了し、歯科医師免許を取得・登録する

国家試験に合格した後には、1年以上の臨床研修を修了する必要があります。
この研修は、実際の診療現場での経験を通じて、患者への対応や治療技術を向上させることを目的としています。
研修は指定の病院やクリニックで行われ、指導医の下で実践的なスキルを身につけることが求められます。
臨床研修を無事に修了したら、歯科医師免許を取得するための申請を行います。
免許が交付されると、正式に歯科医師として登録され、診療活動を行うことが可能になります。
この過程を経ることで、歯科医師としての第一歩を踏み出すことができるのです。
病院やクリニックなどの医療機関に就職する
歯科医師免許を取得した後、多くの人がまず病院や歯科クリニックなどの医療機関に就職します。
勤務先としては、大学病院の歯科口腔外科、公立病院の歯科診療科、民間の一般歯科クリニックなどさまざまです。
勤務先によって経験できる内容も異なり、例えば大学病院では高度な医療技術や研究に携わる機会が多く、民間のクリニックでは一般歯科診療や地域医療に密着した実務経験が積めます。
ここでしっかりと臨床経験を積むことが、今後のキャリアの土台になります。
将来的に専門医資格を取得したり、開業を目指す場合も、まずは勤務歯科医として現場経験を積むことが一般的なステップです。
歯科医師になりたい高校生の進路

歯科医師になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な進路は、大学進学です。
歯学部・歯科系の大学に進学する
歯科医師を目指すには、6年制の歯学部または歯科系大学への進学が必須です。
歯科医師国家試験の受験資格も、この6年間の課程を修了した者にのみ与えられます。
歯学部では、以下のような幅広い学問分野を体系的に学びます。
大学で学ぶ主な学問分野、基礎系
- 生物学・化学・物理学
→ 歯科医学を理解するための基礎的な自然科学知識 - 解剖学・生理学・病理学
→ 人体と口腔内の構造や機能、疾患の仕組みを理解する - 薬理学・微生物学・免疫学
→ 感染症対策や薬の作用を理解するための必須分野
大学で学ぶ主な学問分野、臨床系
- 保存修復学・補綴学
→ 虫歯の治療や被せ物・義歯の技術 - 口腔外科学・歯内療法学・小児歯科学
→ 抜歯、外科的処置、小児への対応など - 矯正歯科学・高齢者歯科学
→ 噛み合わせの調整や高齢者特有の症例への対応 - 歯科放射線学・歯科麻酔学
→ レントゲン診断や麻酔の安全な使用 - 臨床実習(病院・クリニックでの実地研修)
→ 実際の診療を通して、現場力と患者対応力を養う
歯科医師国家試験の受験要件は、文部科学省の指定する6年制歯学部(歯科大学)を卒業し、必要な単位・臨床実習を修了することです。
歯学部での6年間は、講義・実習・臨床を通じて、歯科医師に求められる知識・技術・姿勢を総合的に育む大切な期間です。
この課程をしっかりと修了することで、国家試験に臨むための十分な土台が築かれます。
歯学部や、歯学部で学ぶ歯学について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
おすすめの大学

歯科医師を目指す人におすすめの大学は、以下の大学が挙げられます。
大学 | 学科・コースの概要 |
|---|---|
日本の私立歯学部の中でもトップクラスの評価を受け、「歯科医師たる前に人間たれ」という建学精神のもと、知識・技能だけでなく、高い倫理観とコミュニケーション能力の育成に力を入れている 水道橋病院、市川総合病院、千葉歯科医療センターの3つの大規模医療施設を持ち、多職種連携によるチーム医療や、診療参加型の臨床実習が充実している ITを活用したe-Learningや統合型学習プログラムも特徴 | |
6年間の体系的カリキュラムで、プロフェッショナリズム、コミュニケーション能力、患者中心のチーム医療などを実現する教育体制 診療参加型臨床教育を重視し、低学年から現場体験や地域医療実習を実施している 5年次には附属病院の全診療科で1年間の実習、6年次には選択プログラムで専門性を深めることができる | |
100年以上の歴史を持ち、知識・技術・医療倫理観を兼ね備えた歯科医師の育成に注力している 6年一貫制カリキュラムで、一般教育から歯科基礎、臨床教育まで段階的に学べる 問題基盤型学習(PBL)やコミュニケーション能力向上の授業が特徴で、4年次には医療系大学間の共用試験(CBT・OSCE)を受験 |
上記に挙げた大学以外にも、年内入試ナビでは歯科医師を目指せる大学の一例をまとめています。
こちらもぜひ参考にしてください。
よくある質問

歯科医師に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
歯科医師に向いている人の特徴は?
歯科医師に向いている人には、以下のような特徴があります。
向いている人の特徴 | 特徴の詳細 |
|---|---|
手先が器用 | 口腔内の狭い空間で精密な処置を行うため、細かい作業や器用さが求められる |
コミュニケーション能力が高い | 患者の不安を和らげ、治療の説明をわかりやすく伝える力が必要 |
学ぶ意欲がある | 医療技術の進化に対応するため、最新の知識や技術を習得し続ける姿勢が求められる |
柔軟性がある | 複数の患者や業務に対応しながら臨機応変に行動できる柔軟な思考が必要 |
集中力・粘り強さがある | 長時間の治療や学習にも耐えられる集中力と継続力が必要 |
向上心がある | 技術の完成度を追求し、より良い治療を目指して努力できる人が適している |
これらの特徴を持つ人は、歯科医師として患者に信頼されやすく、長く活躍する素養があります。
歯科医師と口腔外科医の違いは?

歯科医師と口腔外科医は、どちらも口腔内の治療を行う専門職ですが、対応する治療の範囲や専門性に違いがあります。
比較項目 | 歯科医師(一般歯科) | 口腔外科医 |
|---|---|---|
主な治療内容 | 虫歯・歯周病治療、詰め物、歯のクリーニングなど | 外科手術(親知らずの難抜歯、腫瘍切除、顎変形症など) |
治療の範囲 | 歯や歯茎の一般的な疾患 | 顎・口腔内・顔面まで含む、より広範囲な外科的治療 |
必要な技術 | 一般的な歯科処置技術 | 高度な外科処置 麻酔管理 全身疾患への理解など |
活躍の場 | 町の歯科医院 クリニック | 大学病院 総合病院 専門医療機関 |
一般的な治療は歯科医師が、手術や全身管理を伴う治療は口腔外科医が担当します。
歯科医師と医師の違いは?
歯科医師と医師はどちらも医療従事者ですが、資格や診療範囲などに明確な違いがあります。
比較項目 | 歯科医師 | 医師(医科) |
|---|---|---|
必要な学部 | 歯学部・歯科大学 | 医学部 |
資格 | 歯科医師国家資格 | 医師国家資格 |
診療範囲 | 口腔内(歯・歯茎・顎など)のみ | 全身の疾患、内科・外科・産婦人科など広範囲 |
職場傾向 | 歯科クリニック、歯科病院 | 総合病院、診療所、大学病院、研究機関など |
学ぶ内容 | 歯科保存学、補綴学、口腔外科学など歯学系科目中心 | 基礎医学・臨床医学を含む全身医療に関する内容 |
歯科医師は「口の専門家」、医師は「全身の専門家」とイメージすると分かりやすいでしょう。
歯科医師になるにはどのくらい費用がかかる?

歯科医師になるには、歯学部の6年間を修了し国家試験に合格する必要がありますが、その学費は進学先によって大きく異なります。
代表的な国立大学と私立大学のケースで比較すると、以下のような費用がかかります。
国立大学の場合(例:東京医科歯科大学)
項目 | 金額 |
|---|---|
入学料 | 282,000円 |
授業料(年額) | 642,960円 |
6年間の合計 | 約414万円 |
国立大学は文部科学省が学費を一律に定めているため、全国どこでも同水準で、費用は比較的安く抑えられます。
参照:東京医科歯科大学 授業料
私立大学の場合(例:日本大学歯学部)
項目 | 金額 |
|---|---|
入学金 | 600,000円 |
授業料(年額) | 3,500,000円 |
年次 | 年額学費(合計) |
|---|---|
1年次 | 7,040,000円 |
2・3年次 | 各 5,340,000円 |
4~6年次 | 各 4,740,000円 |
6年間合計 | 31,940,000円 |
私立大学では授業料のほか、施設費や教育充実費などが加算されるため、総額で3,000万円を超えることもあります。
参照:日本大学歯学部 学費
歯科医師になるのはやめとけ、歯科医師はしんどいと言われる理由は?
歯科医師という職業は専門性が高くやりがいも大きい一方で、次のような理由から「しんどい」「やめとけ」と言われることもあります。
理由としては以下のような点が挙げられます。
- 長時間労働と経営負担が重なるため
- 身体的・精神的負担が大きいため
- 学び続けるプレッシャーがあるため
- 必ずしも高収入とは限らないから
- 働き方の自由度が低い場合もあるため
これらの点を踏まえたうえで、「なぜ歯科医師を目指すのか」を明確にしておくことが大切です。
歯科医師の将来性は?
歯科医師は医療系国家資格の中でも安定性が高い職業ですが、社会状況や医療制度の変化によって将来性は大きく左右されます。
従来の虫歯治療に加え、予防歯科や高齢者歯科、審美歯科などニーズが多様化しており、働き方や専門分野の選び方によってキャリアの広がりがあります。
将来性を左右する要因
歯科医師数の増加:資格保有者は年々増えており、開業だけで安定するのは難しくなっている
予防歯科の普及:虫歯治療中心から、定期検診・予防中心の診療へシフト
高齢社会の進行:訪問歯科や嚥下リハビリなど、高齢者向けサービスの需要が拡大
審美・矯正ニーズの増加:ホワイトニングやマウスピース矯正など、美容面の需要が高まっている
歯科医師の将来性は「従来型の治療中心」から「予防・高齢者・美容の領域を取り込む」ことにかかっています。
資格を取得した後も新しい診療スタイルを取り入れ、地域や時代のニーズに適応できるかが安定につながります。
まとめ

本記事では、歯科医師の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、歯科医師に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 歯科医師とは、口腔内の健康管理と治療を専門とする医療従事者である
- 主な仕事は、虫歯や歯周病の予防と治療、歯のクリーニング、抜歯、詰め物やクラウンの装着などが挙げられる
- 歯科医師になるには、歯科医師国家試験に合格後、臨床研修(1年以上)を修了し、歯科医師免許の取得する必要がある
- 手先が器用な人・学ぶ意欲がある人に歯科医師はおすすめ
- 歯科医師になりたい高校生は歯学部のある大学・歯科大学に進学するのがおすすめ
本記事が歯科医師の全体像を理解する参考になれば幸いです。
歯科医師になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
