作成日: 2025/7/29 更新日:2025/7/29
歯科衛生士になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「歯科衛生士のなり方は?」
「歯科衛生士になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 歯科衛生士とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 歯科衛生士になるには何をすべきか
- 取得すべき資格
- 向いている人の特徴
また、歯科衛生士に関するよくある質問にも答えています。
歯科衛生士に興味のある人や、歯科衛生士を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
歯科衛生士とは

歯科衛生士とは、歯科医師のサポートをしながら、口腔内の健康維持や予防処置を行う国家資格の医療専門職です。
虫歯や歯周病の予防、口腔ケアの指導を通じて、患者の生活の質(QOL)向上に貢献します。
国家資格を取得することで、歯科医院や病院、介護施設、保健所など幅広い現場で活躍できます。
以下に歯科衛生士の仕事内容や給料についてまとめます。
- 歯科衛生士の仕事内容
- 歯科衛生士の給料・給与・年収
- 歯科衛生士のやりがい
- 歯科衛生士に必要な知識、資格、スキル
- 歯科衛生士の働き方
- 歯科衛生士という職業の注意点
それぞれ見ていきましょう。
歯科衛生士の仕事内容
歯科衛生士の主な仕事は、患者の口腔内の健康維持と予防処置の実施です。
歯科医師の補助にとどまらず、専門的な知識と技術を活かして、口腔疾患の予防・保健指導・診療補助など多岐にわたる役割を担っています。
下記にて、仕事内容を表にまとめました。
カテゴリー | 内容 |
|---|---|
口腔衛生管理・予防処置 | 歯石・歯垢の除去、フッ素塗布・シーラント処置、歯磨き指導 |
診療補助 | 診療時のアシスタント、レントゲン撮影補助・記録管理 |
口腔内のチェック・健康指導 | 口腔内の観察・記録、生活習慣のアドバイス、定期検診・メインテナンス対応 |
患者とのコミュニケーション | 不安の軽減と信頼関係の構築、年齢や状況に応じた説明 |
このように、歯科衛生士は「予防のプロフェッショナル」として、治療だけでなく予防・教育・支援の側面からも患者の健康を支える重要な存在です。
歯科医療チームの一員として、信頼される存在になることが求められます。
歯科衛生士の給料・給与・年収

歯科衛生士の給料・給与・年収については、地域や勤務先の規模、経験年数によって異なりますが、一般的に安定した収入が期待できます。
全国平均では、約24.9万円からスタートし、経験を積むことで着実に昇給するケースが多いです。
特に都心部や大規模歯科医院、総合病院などでは、給与が高めに設定されることがあります。
年収に関しては、平均405万円程度が一般的です。
さらにスキルアップや資格取得により、給与の向上を目指すことも可能です。
参照:歯科衛生士:JobTag
歯科衛生士のやりがい
歯科衛生士は、患者の口腔内の健康をサポートすることで、生活の質を高める役割を担っています。
やりがいを実感できる場面は以下の通りです。
- 口腔環境を整えることで、生活全体の質の向上にもつながり、患者の健康改善に貢献できたとき
- 丁寧なケアやアドバイスに対して、患者から直接感謝されたとき
- 新しい機器や予防技術に触れ、常に知識をアップデートできるため医療の進化に触れられたとき
- 専門知識や技術力に加え、コミュニケーション力も磨かれ自己成長を感じられたとき
このように、歯科衛生士は「人の役に立つ実感」と「学び続けられる環境」の両方を持つ、やりがいの大きい仕事です。
歯科衛生士の働き方

歯科衛生士は、勤務先やライフスタイルに合わせて多様な働き方ができる職業です。
代表的な働き方は以下の通りです。
- 一般歯科医院で予防処置や診療補助、保健指導などの基本的な業務を担当
- 総合病院の歯科口腔外科で専門的な治療現場でのサポート業務を担当
- 保健所・保健センターで地域住民に対する口腔衛生指導や健康教育を担当
- 高齢者施設・介護施設で訪問歯科や口腔ケアを担当
- 企業で製品説明や開発支援、講演活動など、専門知識を活かした業務を担当
- 学校歯科保健で子どもたちへのブラッシング指導や口腔衛生教育を担当
歯科衛生士は医療現場のニーズに応じてさまざまな場所・時間で活躍できる柔軟な職業です。
結婚・出産後も復職しやすく、ライフスタイルが変化しても長く続けやすいのもメリットの一つです。
歯科衛生士に必要な知識、資格、スキル
ここでは、歯科衛生士に必要な知識・資格・スキルについて表にまとめました。
カテゴリ | 項目 | 詳細 |
|---|---|---|
必須の資格 | 歯科衛生士国家資格 | 歯科衛生士として働くには、国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を取得する必要がある |
受験資格の取得 | 文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する歯科衛生士養成校で所定の課程を修了することが条件である | |
必要な知識 | 歯科・口腔に関する基礎知識 | 歯の構造、歯周病・虫歯の原因や予防法、歯科材料、口腔内の解剖学などの知識 |
予防歯科の専門知識 | スケーリング、フッ素塗布、シーラントなどの予防処置に関する知識 | |
全身の健康と口腔の関係 | 糖尿病・高血圧など全身疾患との関連知識や、高齢者・妊婦への対応方法 | |
衛生・感染管理に関する知識 | 院内感染予防、器具の消毒・滅菌、感染症対策の基本 | |
必要なスキル | コミュニケーション能力 | 患者との信頼関係を築き、不安を和らげながら適切な説明や指導を行う力 |
観察力・判断力 | 口腔内の状態を正確に把握し、変化に気づいて適切に対応する力 | |
手先の器用さ・繊細な作業力 | スケーリングや器具操作など、細かな作業を安全・正確に行う技術 | |
継続的な学習力 | 新しい医療技術や知識を自ら学び、アップデートし続ける姿勢 |
このように、歯科衛生士は国家資格をもとに、医療人としての専門知識と対人スキルの両方が求められる職業です。
技術と人間力の両面をバランスよく伸ばすことが、長く活躍するための鍵となります。
取得必須ではないですが、日本歯科衛生学会が認定する歯科衛生士、日本成人矯正歯科学会が認定する矯正歯科衛生士、ホワイトニングコーディネーターといった資格もあります。
歯科衛生士という職業の注意点

以下では、歯科衛生士という職業に関する注意点をまとめました。
注意点 | 詳細 |
|---|---|
体力・集中力が求められる | 一日中立ち仕事や同じ姿勢での作業が多く、腰痛・肩こりなどの身体的な負担がかかりやすい 小さな口腔内で細かい作業をするため、高い集中力と目の疲労への対処も必要 |
人とのコミュニケーションが中心のため気配りが必要 | 患者の不安や悩みに寄り添う接遇力や気配りが求められる 苦手なタイプの患者や、治療に非協力的な人への対応にストレスを感じることも |
業務の幅が広く、多忙になりがち | 予防処置だけでなく、診療補助、器具の消毒、カルテ入力、受付対応などマルチタスクが必要 小規模な歯科医院では、業務の境界線が曖昧になり、負担感を感じるケースもある |
スキル・知識のアップデートが必要 | 歯科医療は進化しており、新しい技術や機器への対応が求められる 国家資格取得後も、自己研鑽や勉強会・研修への参加が必要 |
職場によって待遇に差がある | 勤務先によっては、給与や休暇制度、福利厚生に大きな差があり、転職の際は慎重な見極めが必要 特にパート勤務では、労働条件が不安定なこともあるため、雇用形態の確認が重要 |
歯科衛生士はやりがいのある仕事ですが、「人の健康に関わる責任感」や「体力・気力への負担」もある職種です。
働く環境や自分の適性をよく理解し、長く続けられるスタイルを見つけることが大切です。
歯科衛生士になる方法

歯科衛生士になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。
ここでは、歯科衛生士のなり方の具体的なステップについて紹介します。
- 歯科衛生士養成機関で3年以上学ぶ
- 歯科衛生士国家試験に合格する
それぞれ見ていきましょう。
歯科衛生士養成機関で3年以上学ぶ
歯科衛生士になるためには、まず高校を卒業した後に、厚生労働省や文部科学省が指定する歯科衛生士養成機関で3年以上の専門教育を受けることが必須です。
進学先としては、専門学校、短期大学、大学の歯科衛生学科などがあり、自分の目指すキャリアやライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
これらの学校では、解剖学・生理学・歯科予防処置・保健指導などの医学的知識を体系的に学び、加えて口腔内のケア技術や器具の扱い方、患者との接し方などの実践的スキルも習得します。
さらに、学外実習を通じて実際の歯科医院や病院での現場経験を積むことができるため、卒業後すぐに現場で活躍できる力を身につけることが可能です。
国家試験合格に向けた対策も行われ、学びの全てが資格取得とその後の実務につながっています。
歯科衛生士国家試験に合格する
歯科衛生士になるためには、国家試験に合格することが必要です。
この試験は、養成機関で3年以上の課程を修了した人に受験資格が与えられ、毎年3月に全国一斉で実施されます。
出題範囲は、基礎医学、歯科予防処置、診療補助、保健指導など幅広く、専門的な知識が求められます。
合格率は例年90%前後と高めですが、確実に合格するには計画的な学習と実践的な対策が欠かせません。
多くの養成校では、模擬試験や過去問題の演習、集中講義など、国家試験に向けたサポートが充実しており、個別指導などのフォロー体制も整っています。
国家試験に合格後は、各都道府県に登録することで正式に歯科衛生士として働けるようになり、歯科医院や病院、保健所、教育機関など幅広い職場での活躍が可能になります。
まずはこの国家試験の合格を目指すことが、歯科衛生士としての第一歩です。
歯科衛生士になりたい高校生の進路

歯科衛生士になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な進路について解説します。
- 大学に進学する
- 短大や専門学校に進学する
それぞれ見ていきましょう。
大学に進学する
歯科衛生士を目指す進路のひとつに、大学への進学があります。
一般的には「歯学部」「健康科学部」「医療保健学部」などに設置されている歯科衛生士養成課程に進むことになります。
大学では、国家資格取得のための基礎知識や技術に加えて、研究活動やチーム医療の理解、リーダーシップなどより高度な医療人としてのスキルを学ぶことができます。
さらに、4年間の学びを経ることで、教育機関での指導者や公衆衛生の現場、医療系企業など、将来的に幅広い分野でのキャリア展開が可能になります。
大学では講義・演習・実習がバランスよく配置され、じっくりと知識と技術を深められる点も魅力です。
専門職としての自信をつけながら、自分の将来の可能性を広げたい人にとって、大学進学は有力な選択肢です。
短大や専門学校に進学する
短期大学や専門学校への進学は、歯科衛生士として早く現場で働きたい人に適した進路です。
これらの養成機関は、3年間のカリキュラムで国家試験合格に必要な知識・技術を効率よく学べるよう設計されています。
特に臨床実習が豊富に組まれており、実際の歯科医院や病院で現場経験を積む機会が多いため、即戦力としてのスキルが養われます。
また、国家試験対策にも力を入れており、模擬試験や個別指導による手厚いサポートを受けながら学べる点も安心材料です。
卒業後すぐに働き始めたい人、学費や通学期間を重視する人にとっても魅力的な進学先と言えるでしょう。
社会に早く出たい、現場で経験を積みながら成長していきたいという学生にとって、短大・専門学校は実践重視の現実的な選択肢です。
おすすめの大学

歯科衛生士を目指す人におすすめな大学は、以下の大学が挙げられます。
大学名 | 所在地 | 学部・学科名 | 特徴 |
|---|---|---|---|
東京都 | 生命歯学部 口腔健康科学科 | 歯科医師の養成で有名な日本歯科大学の付属病院と連携した教育体制が整っており、実践的かつ専門性の高い教育が受けられる 最先端の設備で学べ、歯科衛生士国家試験の合格率も高水準 | |
神奈川県 | 歯学部 口腔保健学科 (歯科衛生士コース) | 歯科医師とのチーム医療を意識したカリキュラムが組まれており、チームでの実習や連携教育が充実 附属病院での実習もあり、臨床現場での経験が豊富に積むことができる | |
東京都 | 保健医療学部 口腔保健学科 | 医療系総合大学ならではの強みを活かし、医科・歯科・看護など多職種連携教育が受けられる 医療人としての高い倫理観と実践力を兼ね備えた歯科衛生士の育成に力を入れたカリキュラムが組まれている |
いずれの大学も、国家試験合格に向けたサポート体制が整っており、卒業後の進路も幅広く、医療現場で即戦力として活躍できる力が養えます。
また上記に挙げた大学以外にも、年内入試ナビでは歯科衛生士を目指せる大学の一例をまとめています。
こちらもぜひ参考にしてください。
また、歯学部や、歯学部で学ぶ歯学について詳しく解説した記事もあります。
こちらもぜひご覧ください。
おすすめの短期大学・専門学校

歯科衛生士を目指す人におすすめな短期大学と専門学校を紹介します。
以下の表にまとめました。
短期大学
学校名 | 所在地 | 学科・コース | 特徴 |
|---|---|---|---|
東京都 | 歯科衛生士科Ⅰ部(昼間部3年) 歯科衛生士科Ⅱ部(夜間部3年) | 国家試験対策が非常に手厚く、合格率は全国トップクラス 校内実習だけでなく都内の提携クリニックや病院での実習機会も豊富で都心にあるため、通学しやすく就職先も多い | |
神奈川県 | 歯科衛生科 | 歯学部附属病院、総合病院、歯科診療所など豊富な最先端医療設備の実習先を活かし、1年次から段階的に知識と実践力を身につけられる 模擬試験、グループ学習、個別指導など、国家試験合格に直結する丁寧な試験対策が整っており就職率が高いのも魅力 |
専門学校
学校名 | 所在地 | 種類 | 特徴 |
|---|---|---|---|
東京都 | 昼間部(3年制) 夜間部(3年制) | 少人数制で一人ひとりを丁寧に指導する環境が整っており、初学者でも安心して学べる 実技重視のカリキュラムで、現場に出たときに自信を持って働けるようなスキルが身につくのが大きな強み | |
東京都 | 歯科衛生士学科午前部(3年制) 歯科衛生士学科夜間部(3年制) | 医療系総合専門学校として、歯科以外の医療職との連携意識が自然に育まれる 国家試験対策講座や就職支援も充実しており、医療業界に不安なく飛び込める環境が整っており、再進学者にも人気 |
これらの学校は、実践力重視・サポートの手厚さ・通いやすさなど、学生の不安やニーズに応える体制が整っており、「すぐに現場で活躍したい」「着実に資格を取りたい」といった目標に合った進学先としておすすめです。
よくある質問

歯科衛生士に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
歯科衛生士に向いている人の特徴は?
歯科衛生士は、専門知識と技術だけでなく、人と関わる力や気配りも求められる仕事です。
以下に、歯科衛生士に向いている人の特徴をわかりやすくまとめました。
特徴 | 説明 |
|---|---|
人と接するのが好きな人 | 患者との信頼関係が大切な仕事 笑顔や声かけで不安を和らげるコミュニケーション力が求めらる |
几帳面で丁寧な作業が得意な人 | 細かな器具の操作や口腔内のケアなど、正確で丁寧な仕事が必要 小さな変化に気づく観察力も重要 |
人の役に立つことにやりがいを感じる人 | 予防処置や保健指導を通して、患者の健康を支える実感が得られる 感謝されることに喜びを感じられる方に向いている |
体力と集中力に自信がある人 | 一日中立ち仕事が続くため、身体への負担があるため体力が必要 細かい作業に集中し続ける力も求められる |
向上心があり、学び続けられる人 | 医療技術や治療方法は日々進化しているため、継続的な学習が必要 セミナーや勉強会に積極的に参加できる人は成長しやすい |
笑顔で接客ができる人 | 患者の不安を和らげ、信頼関係を築く 安心感のある医療対応ができる |
歯科衛生士は人との関わりを大切にしながら、医療の現場で成長したい人にぴったりの職業です。
自分の強みや性格が活かせるかどうかを見極めて、進路選択の参考にしてください。
歯科衛生士と歯科助手の違いは?

歯科衛生士と歯科助手は、どちらも歯科医院で働く職種ですが、業務内容や資格の有無に大きな違いがあります。
以下にわかりやすくまとめました。
項目 | 歯科衛生士 | 歯科助手 |
|---|---|---|
資格 | 国家資格が必要 | 資格不要(未経験でも可) |
主な業務内容 | 歯石除去・フッ素塗布・口腔衛生指導など 医療行為を含む | 器具の準備・片付け・受付など 補助業務中心 |
仕事内容の範囲 | 歯科医師の指示のもと 専門的な処置が可能 | 医療行為はできず、事務や雑務が中心 |
学校・学習期間 | 養成校で3年以上学び、国家試験に合格 | 特別な教育課程は不要 |
就職後の役割 | 医療職として、患者の口腔予防や指導を担当 | 医療職ではなく、診療サポート・事務役割 |
歯科衛生士は「医療職」、歯科助手は「サポート職」と考えるとイメージしやすいです。
それぞれにやりがいや役割がありますが、専門性とキャリア性を重視するなら歯科衛生士がおすすめです。
歯科衛生士になることの難易度は?
歯科衛生士になるには、指定の養成機関で3年以上学んだ後、国家試験に合格して免許を取得する必要があります。
この国家試験の合格率から、難易度を具体的に見てみましょう。
直近6年の合格率を見ると、以下の通りです。
年度(開催回) | 合格率 |
|---|---|
令和7年(第34回) | 91.0% |
令和6年(第33回) | 92.4% |
令和5年(第32回) | 93.0% |
令和4年(第31回) | 95.6% |
令和3年(第30回) | 93.3% |
令和2年(第29回) | 94.3% |
このように、毎年9割以上の受験者が合格しており、比較的高い合格率を維持しています。
これは、養成校での学習内容が国家試験に直結しており、しっかり取り組めば合格が狙える資格であることを示しています。
歯科衛生士は、高い就職率・安定性・やりがいがある点で、非常に魅力的な職業と言えるでしょう。
参照:日本歯科衛生士会
歯科衛生士と歯科医師の違いは?

歯科衛生士と歯科医師は、どちらも歯科医療に携わる専門職ですが、資格・仕事内容・責任範囲などに明確な違いがあります。
以下に分かりやすくまとめました。
項目 | 歯科衛生士 | 歯科医師 |
|---|---|---|
役割 | 口腔衛生の維持・改善、予防処置、保健指導、診療補助 | 診断や治療、病気の診断や治療 |
資格取得方法 | 指定の養成機関での学習と国家試験の合格 | 大学の歯学部を卒業し、国家試験に合格 |
学習期間 | 短期間で専門技術を習得 | 長期間の学習が必要 |
歯科医師について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
参考:歯科医師になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
社会人が歯科衛生士を目指す際にかかる費用・学費は?
社会人から歯科衛生士を目指す場合、専門学校・短期大学・大学などの養成校に3年以上通学し、国家試験合格を目指します。
学費は学校や地域によって差がありますが、おおよその目安を下表に示します。
学費のほか、教科書代や白衣、実習費、保険料などが別途必要です。歯科衛生士になるには最短で3年かかります。
区分 | 年数 | 合計費用目安 | 主な内訳 |
|---|---|---|---|
専門学校(私立) | 3年 | 250万〜400万円 | 入学金10〜20万円、年間授業料60〜70万円、実習費・教材費 |
短期大学 | 3年 | 250万〜350万円 | 入学金20〜35万円、授業料・実習費・維持費・教材費 |
大学(私立) | 4年 | 500万〜600万円 | 入学金10〜30万円、年間授業料100万円、諸経費・教材費等 |
まとめ

本記事では、歯科衛生士の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、歯科衛生士に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 歯科衛生士とは、患者の口腔内の健康を維持・向上させる国家資格職である
- 主な仕事は、歯石の除去、フッ素塗布、ブラッシング指導、歯科医師の診療補助などが挙げられる
- 歯科衛生士に取得必須の資格は「歯科衛生士国家資格」である
- 人の健康を支える仕事がしたい人・医療と人と関わることにやりがいを感じたい人に歯科衛生士はおすすめ
- 歯科衛生士になりたい高校生は、歯科衛生士養成課程のある大学・短期大学・専門学校に進学するのがおすすめ
本記事が歯科衛生士についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。