作成日: 2025/4/16 更新日:2025/4/16
建築士になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「建築士のなり方は?」
「建築士になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 建築士とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 建築士になるには何をすべきか
- 役立つ資格
- 向いている人の特徴
また、建築士に関するよくある質問にも答えています。
建築士に興味のある人や、建築士を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
建築士とは?

建築士とは、建物の設計や施工管理を行う専門職であり、建築物の安全性や機能性、美観を確保するために重要な役割を担っています。
具体的な仕事内容としては、クライアントの要望をヒアリングし、それに基づいて設計図を作成したり、建築計画を立案したり、建築基準法などの法律を守りながら建物が安全に建てられるように監督したりします。
仕事はデスクワークだけでなく、現場での確認作業も多くあります。
以下に建築士の仕事内容や給料についてまとめます。
- 建築士の仕事内容
- 建築士の給料・給与・年収
- 建築士に必要な能力
それぞれ見ていきましょう。
建築士の仕事内容と業務の流れ
建築士は、建物の設計から完成までを統括し、さまざまな役割を担う専門職です。
具体的な業務の流れは以下のとおりです。
業務の流れ | 業務の概要 |
|---|---|
建物のコンセプトの作成 | クライアントの要望をもとに、建物のデザインや機能、法規制を考慮した基本構想を作成する |
設計図の作成 | 建築基準法に準拠し、構造・設備・デザインを考慮した詳細な設計図を作成する |
予算の作成・管理 | 使用する材料や工法を選定し、建設にかかるコストを算出・管理する |
施工業者と連携し、プロジェクトを進行 | 施工現場を訪れ、施工業者と協力しながら進捗を確認し、プロジェクトを円滑に進める |
進行中の課題の解決 | 工事中に発生する問題に対応し、計画通りに工事が進むよう調整する |
完成後の維持・メンテナンス | 建物の安全性を維持するため、点検や補修に関するアドバイスを行う |
建築士の仕事は、単に設計するだけでなく、予算管理や施工管理、課題解決など多岐にわたります。
また、環境に優しい建材の選定や、省エネ対策を考慮することも重要です。
完成後も、建物の適切な維持管理に関与し、安全で快適な空間を提供する役割を担います。
建築士の給料・給与・年収

求人ボックスのデータによると一級建築士の平均年収は約506万円です。
月収に換算すると約42万円となり、初任給はおおよそ22万円程度とされています。
また、アルバイトやパートの場合の平均時給は1,107円、派遣社員では1,911円程度となっています。
正社員の年収分布では、最も多い層は412万〜480万円の範囲に集中しており、平均年収の506万円はその範囲をやや上回る水準です。
全体の給与幅は344万〜888万円と幅広く、職場環境や経験年数、求められるスキルの違いによって大きく異なることが分かります。
参照:求人ボックス
建築士の給与には、基本給のほかに各種手当や賞与が含まれることが多く、企業によっては資格手当や住宅手当、家族手当などが支給されることもあります。
特に資格手当は、一級建築士であれば数万円の上乗せが期待でき、月々の収入を増やす要因となります。
大手ゼネコンに勤務している建築士や、独立開業して軌道に乗った建築士は、年収1000万を超えることもあります。
建築士の働き方
建築士の働き方は多様です。
まず職場としては、以下のような就職先があります。
- 設計事務所
- 建設会社
- 住宅メーカー
- 自治体
社員として企業に勤務する人もいれば、自治体の建築士として公務員になる人、フリーランスとして独立開業する人もいます。
公務員の建築士は、主に以下の業務に携わります。
- 建築指導……建築基準法に基いて行う建築行政
- 住宅関係……自治体などの住宅政策にかかわる業務
- 公共建築工事……公共建築工事における設計や管理
- 都市計画……市街地の活性化や街の再開発計画
自分にあった働き方を見つけられるのも、建築士の魅力のひとつです。
建築士に必要な能力

建築士として成功するためには、さまざまな能力が求められます。
必要な能力について以下の表にまとめました。
必要な能力 | 説明 |
|---|---|
専門知識と技術 | 建築物の設計、施工、管理に関する深い知識が必要である 建築基準法などの法律や規制を理解し順守する能力も求められる |
創造力とデザインセンス | クライアントの要望を実現するために独創的なアイデアとそれを形にする能力が必要である 機能的で美しいデザインを生み出すデザインセンスが求められる |
コミュニケーション能力 | クライアントや施工チーム、行政機関などと情報を共有し調整する能力が必要である プロジェクトを円滑に進めるために多くの関係者と連携するスキルが求められる |
問題解決能力と分析力 | 設計や施工中に発生する課題を迅速に解決し最適な方法を見つける能力が必要である 細部まで分析する力はプロジェクトの成功率を高める |
時間管理能力と責任感 | プロジェクトを期限内に完了させるためにスケジュールを計画的に管理する能力が重要である 責任を持って業務に取り組む姿勢が求められる |
建築士のやりがい
人々の生活に密接に関連する建築物、それを設計する建築士には、多くのやりがいがあります。
以下は建築士のやりがいの一例です。
- 自分が設計した建物が形になり、多くの人に利用されること
- 完成した建物を見たときの達成感
- 社会に貢献しているという実感
住宅、オフィスビル、公共施設など、建築物は多くの人々の利用を前提としています。
自分が設計した建築物が完成し、多くの人が利用している様子を目の当たりにした時には、大きな達成感を得られるでしょう。
同時に、それだけの人の役に立っているという社会貢献の実感も得ることができます。
建築士という職業の注意点

大きなやりがいのある建築士ですが、それゆえに注意点もあります。
残業や休日出勤が発生する
まず、締切前は忙しくなることが多く、残業や休日出勤も頻繁に発生します。
最終的な納期は決まっているものの、建築物という大規模なプロジェクトでは、関わる企業や人の数も多くなり、スケジュール通りに進まないことがあるからです。
遅れを取り戻したり、納期に間に合わせたりするためには、休日出勤や残業がどうしても発生します。
責任の大きな仕事なのでプレッシャーを感じやすい
建築物は、ほんの少しの設計や施工のずれが、大規模な事故につながります。
それゆえに、建築士には安全で安心できる建築物の設計が求められます。
ある意味で命に直結するものをイチから作り上げるため、大きな責任を伴う仕事です。
その責任の大きさから、プレッシャーを感じる職業なのは間違いありません。
建築士の資格の種類

建築士の資格は主に3つの種類に分けられ、それぞれの資格ごとに設計可能な建物の規模や用途に違いがあります。
以下に建築士の資格の種類についてまとめます。
- 一級建築士
- 二級建築士
- 木造建築士
それぞれ見ていきましょう。
一級建築士
一級建築士は、建築士資格の中で最も高い専門性と幅広い業務範囲を持つ資格です。
設計や工事監理が可能な建築物に制限はなく、大規模な商業施設や公共建築物、複雑な構造を持つ建物にも対応できます。
そのため、多様なプロジェクトに携わることができるのが大きな特徴です。
取得には建築学科を卒業した上で実務経験が求められるため、確かな知識とスキルが必要です。
試験は計画、法規、構造、施工など多岐にわたる内容を網羅しており、設計製図試験も含まれるため、高度な専門性が試されます。
一級建築士は、キャリアの選択肢が広がり、業界内での信頼性や年収アップにもつながる、非常に価値の高い資格です。
二級建築士

二級建築士は、主に戸建住宅や小規模な建築物を対象とした設計や工事監理を行う資格です。
扱える建築物には延べ床面積1,000m²以下、高さ13m以下などの制限がありますが、住宅メーカーや小規模な建築プロジェクトでの需要が高い資格です。
大学や専門学校で指定の科目を学び卒業することで、受験資格を得られます。
試験は建築計画や法規、施工などが中心で、設計製図も含まれます。
地域に密着したプロジェクトに関わることが多く、住環境づくりに携わりたい人にとって魅力的な資格と言えるでしょう。
木造建築士
木造建築士は、木造建築に特化した資格で、主に延べ床面積300m²以下、2階建て以下の木造建物の設計・工事監理を行います。
伝統的な日本建築や木材を活かした住宅の設計に携わることが多く、木造建築への深い理解と専門性が求められる資格です。
二級建築士と同じように、短大や専門学校での学びを通じて受験資格を得ることが一般的です。
資格取得後は地域の木造住宅プロジェクトやリフォームなどで活躍できます。
自然素材を使った建築に興味がある人や、地域密着型の仕事を希望する人に最適な資格です。
建築士になるには?

建築士になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。
必要なことやなる方法について具体的に解説します。
- 建築士試験の受験資格を獲得する
- 建築士試験を受験し合格する
- 必要な年数の実務経験を積む
それぞれ見ていきましょう。
建築士試験の受験資格を獲得する
建築士試験を受験するためには、受験資格を取得することが必要です。
以下では、学歴や実務経験による受験資格取得方法を解説します。
一級建築士を目指す場合、4年制大学の建築学科を卒業することが最も効率的なルートです。
2020年(令和2年)の法改正により、大学で指定科目を修めて卒業すれば、実務経験なしで試験を受験できるようになりました。
ただし、試験合格後に免許を登録するためには、2年以上の実務経験が必要です。
このルートは、建築の専門知識を深く学び、理論と実践の両面から準備を進めることができます。
二級建築士や木造建築士の場合、大学、短期大学、高等専門学校・高等学校で指定科目を修めて卒業すれば、実務経験なしで試験を受験できます。
ただし高卒の方は、免許を登録するためには、2年以上の実務経験が必要です。学歴がない場合は受験資格を得るのに実務経験が7年以上必要です。
受験資格について以下の表にまとめました。
資格名 | 学歴 | 実務経験 |
|---|---|---|
一級建築士 | 大学(建築系学科卒業) | なし(実務経験不要) |
短大(3年制)・高専(5年制)卒業 | なし(実務経験不要) | |
短大(2年制)卒業 | なし(実務経験不要) | |
二級建築士資格を持つ者 | なし(実務経験不要) | |
建築設備士資格を持つ者 | なし(実務経験不要) | |
建築実務経験のみ(学歴不問) | 7年以上 | |
二級建築士 | 大学・短大・高専(建築系)卒業 | なし(実務経験不要) |
高校(建築系学科)卒業 | 2年以上 | |
建築実務経験のみ(学歴不問) | 7年以上 | |
都道府県知事が同等と認めるもの | 所定の年数以上 | |
木造建築士 | 大学・短大・高専(建築系)卒業 | なし(実務経験不要) |
高校(建築系学科)卒業 | 2年以上 | |
建築実務経験のみ(学歴不問) | 7年以上 | |
都道府県知事が認めた者 | 所定の年数以上の経験 |
参照:建築士試験
建築士試験に役立つ住居学
建築士になるために役立つ学問のひとつが、住居学です。
住居学を学ぶことで、二級建築士試験の受検資格を得ることができます。
年内入試ナビで詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
建築士試験を受験し合格する

試験では、設計や施工に関する幅広い知識と実践的なスキルが問われます。
試験は学科試験と製図試験の2つで構成されており、それぞれ異なる対策が求められます。
試験区分 | 試験内容 | 対策ポイント |
|---|---|---|
学科試験 | 建築計画、法規、構造力学、施工などの専門知識を問う | 過去問分析と模擬試験の活用 苦手分野を重点的に学習 |
製図試験 | 設計図を正確に描く能力が求められる | 繰り返し練習し、制限時間内に仕上げるスキルを習得 |
試験に合格するには、計画的な学習と実践的なトレーニングが不可欠です。
学科試験では、過去問題を分析し、出題傾向を把握することが重要となります。
特に、自分の苦手分野を明確にし、重点的に学習することで、効率よく得点力を向上させることができます。
一方、製図試験では、設計図を正確に描く能力が求められるため、繰り返し練習を行い、制限時間内に仕上げるスキルを身につける必要があります。
また、予備校やオンライン講座を活用することで、試験の傾向を把握し、効率的な学習を進めることが可能です。
学習スケジュールを計画的に立て、継続的に取り組むことが、合格への鍵となります。
必要な年数の実務経験を積む
建築士試験に合格した後は、都道府県の建築士会に建築士として登録します。
この登録を終えると、初めて建築士を名乗ることができます。
建築士登録を行うためには実務経験を積む必要があり、必要な実務経験年数は資格ごとに異なります。
資格名 | 学歴や資格 | 登録のために必要な実務経験年数 |
一級建築士 | 二級建築士 | 不要 |
4年生大学卒かつ指定科目を60単位以上履修した者 | 卒業後2年以上 | |
4年生大学卒かつ指定科目を50単位以上履修した者 | 卒業後3年以上 | |
4年生大学卒かつ指定科目を40単位以上履修した者 | 卒業後4年以上 | |
短期大学卒、高等専門学校卒 | 卒業後4年以上 | |
国土交通大臣が同等以上と認める資格を有する場合 | 所定年数以上 | |
建築整備士 | 建築整備士として4年以上 | |
二級建築士 | 大学・短大・高等専門学校で指定科目を卒業している場合 | 不要 |
高等学校・中等教育学校で指定科目を卒業している場合 | 2年以上 | |
建築に関する学歴がない場合 | 7年以上 | |
木造建築士 | 高等学校卒、中等教育学校卒 | 2年以上 |
専修学校 | 1年以上 |
建築士になりたい高校生の進路

建築士になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な2つの進路について解説します。
- 一級建築士を目指すなら4年制大学の建築学科に進学する
- 二級建築士や木造建築士でよければ短大や専門学校の建築学科に進学する
それぞれ見ていきましょう。
一級建築士を目指すなら4年制大学の建築学部・建築学科に進学して学ぶ
一級建築士を目指す高校生には、4年制大学の建築学科への進学が一般的です。
一級建築士の受験資格を得るためには、指定科目を履修する必要があります。
指定科目と必要単位数は以下のとおりです。
- 建築設計製図……7単位
- 建築計画……7単位
- 建築環境工学……2単位
- 建築設備……2単位
- 構造力学……4単位
- 建築一般構造……3単位
- 建築材料……2単位
- 建築生産……2単位
- 建築法規……1単位
- 複合・関連科目……適時
一級建築士の資格試験は、1.〜9.の計30単位、1.〜10.で計40単位以上を取得することで受験可能となります。
また、1.〜10.で計60単位以上取得すると、免許登録の際に必要な実務年数が最短の2年になります。
二級建築士や木造建築士でよければ短大や専門学校の建築学科に進学して学ぶ
一級建築士と同様に、二級建築士と木造建築士も、指定科目を履修する必要があります。
ただし単位数が少ないため、短期大学や専門学校に通い、4年生大学よりも短期間で要件を満たすことができます。
学校によっては下記の必要単位数を満たさないところもありますが、その場合でも試験前に実務経験を積むことで受験資格を得ることができます。
また、二級建築士の場合は、建築に関する学歴がなかったとしても、7年間の実務経験を積むことで受験資格を得られます。
- 建築設計製図……3単位
- 建築計画……2.3.4.の中からいずれか2単位
- 建築環境工学……2.3.4.の中からいずれか2単位
- 建築設備……2.3.4.の中からいずれか2単位
- 構造力学……5.6.7.の中からいずれか3単位
- 建築一般構造……5.6.7.の中からいずれか3単位
- 建築材料……5.6.7.の中からいずれか3単位
- 建築生産……1単位
- 建築法規……1単位
- 複合・関連科目……適時
二級建築士の資格試験は、1.〜9.で計10単位、1.〜10.で計20単位以上を取得することで受験可能です。
建築学科の学びを活かせる職業
建築学科の学びを活かせるのは、建築士だけではありません。
空間デザイナーや、インテリアコーディネーターという職業でも、建築学の学びを活かすことができます。
どちらの職業も年内入試ナビでまとめているので、こちらもぜひご覧ください。
参考:空間デザイナーになるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
参考:インテリアコーディネーターになるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
おすすめの大学

建築士を目指す方におすすめの大学として、東京大学、京都大学、早稲田大学があります。
これらの大学は、建築学に関する高度な教育と研究環境を提供しており、建築士としてのキャリア形成に適した学びの場となっています。
以下に、各大学の概要を表にまとめました。
大学名 | 大学の概要 |
|---|---|
東京大学 工学部 建築学科 | 建築設計製図や卒業設計など、創造力を育むカリキュラムを提供 必修科目は少なく、自主的な選択により幅広い講義や演習を履修可能 専門性を極めるために、卒業生の約70%が大学院修士課程に進学している |
京都大学 工学部 建築学科 | 建築設計や都市計画、環境デザインなど多様な分野を学べるカリキュラムを提供 自由な学風のもとで先端的な研究が進められ、創造性と問題解決能力を養成 国内外の建築業界で活躍する卒業生を多数輩出し、多様なキャリアパスを支援 |
早稲田大学 創造理工学部 | 日本最古の建築教育機関。 一級建築士の合格者数は全国トップクラスで、設計・構造・環境の3領域を体系的に学べる。 |
参考:東京大学 工学部 建築学科
参考:京都大学 工学部 建築学科
参考:早稲田大学 創造理工学部
なお、年内入試ナビでは、建築士を目指せる学大学をまとめています。
こちらもぜひご覧ください。
おすすめの短期大学、専門学校

建築士になるためにおすすめの短期大学、専門学校は、日本大学短期大学部、京都建築大学校、修成建設専門学校です。
以下に、各学校の概要をまとめました。
学校名 | 概要 |
日本大学短期大学部 | 建築・生活デザイン学科を設置しており、二級建築士の受験資格を取得できる。大学編入制度を活用し、四年制大学の建築学科へ進学することも可能。 |
京都建築大学校 | 4年制の高度専門士課程を設置し、一級建築士の受験資格を得ることができる。4年間で実務経験2年分が認められる |
修成建設専門学校 | 100年以上の歴史を持つ建築専門学校。建築士試験の合格者数が多い。施工現場での実習や企業連携のプロジェクトが豊富。 |
参考:京都建築大学校
参考:修成建設専門学校
よくある質問

建築士に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
建築士に向いている人の特徴は?
建築士には、以下のような特徴を持つ人が向いています。
特徴 | 説明 |
|---|---|
ものづくりへの情熱 | 建築が好きで、ものづくりに強い興味を持つ人 小さい頃からプラモデル作りや工作が好きだった人は適性がある可能性が高い |
デザインセンスと創造力 | 美的センスがあり、空間をデザインする創造力を持つ人 建築物や芸術作品を鑑賞し、自身のセンスを磨き続ける姿勢が重要である |
空間イメージ力 | 平面図から立体的な空間をイメージできる能力がある人 クライアントの希望を実現し、機能性とデザイン性のバランスを考慮した設計ができる人 |
責任感と粘り強さ | 長期的な視野を持ち、責任感を持って最後まで粘り強く取り組める人 |
コミュニケーション能力 | クライアントや他の専門家とのコミュニケーションが必要で、人と話すのが好きで相手の立場に立って考えられる人 |
好奇心旺盛 | 建築以外にも様々な分野に興味を持ち、常に新しい知識や技術を学ぼうとする姿勢を持つ人 |
理系科目への適性 | 数学や物理などの理系科目が得意な人は建築の技術的側面を理解しやすい |
法規制の理解 | 建築に関する法律や規制を理解し、遵守する能力が必要 |
細かい作業が得意 | 設計図や部品の作成など、細かい作業が求められるため |
建築士は技術と創造性、そして人間性のバランスが求められる職業です。
これらの特徴を持ち、建物を通じて人々の生活を豊かにすることに喜びを感じられる人にとって、非常にやりがいのある仕事といえるでしょう。
建築士と建築家の違いは?

建築士と建築家には、以下のような違いがあります。
項目 | 建築士 | 建築家 |
|---|---|---|
資格の有無 | 国家資格であり、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類がある 試験合格と登録が必要である | 資格の有無に関わらず名乗ることが可能である 法律で定められた資格ではなく、建築に関わる仕事の総称として使われる |
業務範囲 | 建築物の設計および工事監理を行う独占業務を持つ 一級建築士は全ての建築物を扱え、二級建築士と木造建築士には規模や構造の制限がある | 主に設計やデザインを担当し、創造性に重点を置くが、明確な業務範囲の定義はなく、建築関連全般を指す場合もある |
役割の特徴 | アーキテクト(設計者)とエンジニア(技術者)の両面を持ち、法規制や技術面にも精通していることが求められる | デザイン性や空間構成、美的要素に重点を置き、芸術的側面が強調される傾向がある |
建築士は国家資格として法的に認められた資格を持ち、特定の業務を独占的に行うことができます。
一方、建築家はより広義の概念で、創造性やデザイン性を重視する職業として認識されています。
建築士と設計士の違いは?
建築士と設計士には、以下のような違いがあります。
項目 | 建築士 | 設計士 |
|---|---|---|
資格の有無 | 国家資格であり、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類がある 試験合格と登録が必要である | 法的に定められた資格ではなく、誰でも名乗ることができる 建築の設計に携わる人を指す一般的な呼称 |
業務範囲 | 建築物の設計および工事監理を行う独占業務を持つ 資格の種類によって扱える建築物の規模や構造が異なる | 主に小規模な木造建築物(100平方メートル未満)の設計を担当する 複雑な建築物では建築士の補助として働く場合が多い |
仕事内容 | 設計図作成、クライアントとの打ち合わせ、行政手続き、現場管理や工事監理 | 小規模な木造建築物の設計、建築士の補助業務(設計補助、書類作成など)、クライアントとの打ち合わせ補助 |
建築士と設計士は、どちらも建築設計に携わる職業ですが、資格の有無や業務範囲、責任の度合いに大きな違いがあります。
多くの場合、設計士として経験を積みながら建築士の資格取得を目指すキャリアパスが一般的です。
社会人が建築士になるには?

社会人がキャリアを転換し建築士になることは、険しい道のりですが、不可能ではありません。
専門学校の夜間コースや通信制大学を利用することで、働きながらでも資格取得を目指せます。
また、実務経験を積みながら学びを重ね、受験資格や免許登録の要件を緩和するのが一般的です。
多忙な中で建築士になるためには、計画的な勉強と公立の良い時間の使い方が必要になるでしょう。
まとめ

本記事では、建築士の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、建築士に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 建築士とは、建物の設計や施工管理を行う職業である
- 主な仕事は、クライアントの要望をヒアリングし、それに基づいて建物の設計図を作成したり、建築計画を立案したりすることである
- 建築士になれる免許には、一級建築士・二級建築士・木造建築士がある
- ものづくりに興味がある人・美的センスや空間をデザインする創造力がある人に建築士はおすすめ
- 建築士になりたい高校生は一級建築士を目指すなら4年制大学・二級建築士や木造建築士でよければ短大や専門学校に進学するのがおすすめ
本記事が建築士についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
建築士になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
