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慶應義塾大学医学部では、帰国生対象入学試験という特別入試が用意されています。

海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し、能力や適性等を多面的に評価することで、広く多様性のある優秀な人材を受け入れるのが特徴です。
本ページでは、慶應義塾大学医学部の特別選抜である、帰国生対象入学試験の概要と対策についてお伝えします。

この記事を書いた人

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竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。

実施している年内入試の種類と日程について

医学科

試験名帰国生対象入学試験
出願締切日2025/07/15
一次合格発表日2025/09/09
試験日2025/09/28
合格発表日2025/09/30

慶應義塾大学医学部医学科 帰国生対象入学試験 入試日程

7月前半という夏の早い時期に出願登録や書類郵送が締め切られます。

その後、9月上旬に第1次選考の合格発表が行われ、9月下旬に第2次選考、その数日後に最終合格発表が行われるスケジュールです。

なお、医学部の帰国生入試は「翌年4月入学」の志願者のみを対象としています。

出願が7月前半と非常に早く設定されているため、TOEFLやIELTSなどの英語資格試験、および各種国家統一試験のスコアメイクを極めて早期に完了させておく必要があります。

また、第1次選考の合格発表から第2次選考までは約3週間の期間がありますが、医学部の第2次選考では数学の基礎知識を応用した「総合問題」や、医学に関わる「模擬講義」の受講など、非常に専門的で高度な内容が課されます。

1次選考の通過を待ってから対策を始めるのでは間に合わないため、出願準備と並行して、早期から2次選考を見据えた学習を計画的に進めておくことが合格への大きな鍵となります。

各入試の募集人数・倍率

医学科

試験名帰国生対象入学試験
募集人数-
倍率 2026-
倍率 20257.5

医学科(帰国生対象入学試験)の倍率の特徴

慶應義塾大学医学部医学科の帰国生対象入学試験における募集枠は、「若干名」となっています。

2025年度の実績データによれば倍率は約7.5倍となっており、極めて高い高倍率の激戦入試です。

この非常に狭き門に対して、海外での多様な経験に加え、卓越した理数系の能力を併せ持つトップレベルの受験生が世界中から殺到します。

そのため、統一試験の圧倒的なハイスコアだけでなく、独自の高度な「総合問題」を突破できる確かな学力が合否を分ける、非常にシビアな競争環境となっています。

各学部・学科の出願基準・出願書類と二次選抜について

医学科

試験名帰国生対象入学試験
出願評定-
必要英検スコア-
出願書類志望理由書 その他書類 事前課題
試験内容

小論文や学科諮問などの筆記試験

面接

その他

医学科 帰国生対象入学試験

出願基準について

  • 海外在籍期間の条件: 外国の教育課程に基づく高校に、最終学年を含め2年以上継続して在籍し、卒業(見込み)であることが必須です。
  • 国籍の制限: 医学部の出願にあたっては、「日本国籍を有する者」または入管法による「永住者」「特別永住者」の在留資格を持つ者に限定されています。
  • 英語・統一試験資格: TOEFL iBT または IELTS Academic Module のスコア提出が必須です。明確な基準点は設けられていません。また、各国の大学入学に必要な国家試験等の統一試験(SAT、IB、GCE Aレベルなど)の成績提出も必須となります。
  • 理数系科目の指定要件: 提出する統一試験(IB、GCE Aレベル、アビトゥア、バカロレア等)において、「数学」および「他の自然科学系の科目」を試験科目として含んでいることが必須条件となります。一部の国の制度(フランス、ドイツ、中国など)では、それに加えて「外国語としての英語」を受験していることも求められます。
  • 現役・既卒の制限: 既卒生(浪人生)も出願可能ですが、「過去に本学の帰国生対象入学試験に出願していない者」という制限があります。

医学部は他学部と異なり、「日本国籍・永住権等」の国籍要件が明確に定められている点に注意が必要です。

また、提出する統一試験(IBやAレベルなど)において、「数学」と「理科(他の自然科学系科目)」の履修・受験が絶対条件として指定されています。

そのため、海外滞在中の早い段階から、自分の選択科目が医学部の出願要件を満たしているかを慎重に確認し、計画的にスコアメイクを進めることが最重要となります。

出願書類について

  • 志望理由書: 大学所定用紙で、「慶應義塾大学医学部を志望した理由」と「将来目指している医師像」について、日本語800字以内で記述します。
  • エッセイ: 大学所定用紙の指示に従い、日本語で作成します。
  • 推薦状: 外国の出身高校の校長または教員に執筆を依頼した「推薦状」の提出が必要です。
  • 英語資格のスコア直送: TOEFL iBTまたはIELTSの「Official Score」は、受験生が郵送するのではなく、試験実施機関から慶應義塾大学へ直接電子送付する手配をとらなければなりません。

他学部がWeb上で志望理由を入力するのに対し、医学部は所定用紙に「自筆」で「将来の医師像」を含めた志望理由やエッセイを記述するという形式をとっています。

論理的な内容の整合性はもちろん、手書きによる丁寧さや熱意も伝わるよう準備する必要があります。

試験内容について

  • 総合問題: 日本の「数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C」の基礎知識を応用した高度な総合問題が出題されます。
  • 模擬講義: 医学に関わる講義をその場で受講し、その内容に対する理解力に加え、「質問力」や「ディスカッション能力」が総合的に考査されます。
  • 面接: 学力および人物について問われる個人面接です。

第1次選考の合格者を対象に、第2次選考として上記3つが実施されます。

医学部の第2次選考では、帰国生入試であっても日本の理系受験生と同等以上の数学力(数Ⅲ・数Cまで含む)が問われる独自の「総合問題」が課されます。

そのため、海外カリキュラムの学習だけでなく、日本の高校数学に対する徹底した対策が必須となります

また、「模擬講義」では単に講義を聴いて要約するだけでなく、質問力やディスカッション能力が直接評価されます。

日頃から医療系の社会的テーマに対して問題意識を持ち、自らの意見を他者と論理的に交わす実践的なコミュニケーションの訓練を積んでおきましょう。

各学科の総合型選抜の対策ポイント

出願書類の書き方

医学部の志望理由書では、日本語800字以内で「慶應義塾大学医学部を志望した理由」に加え、「将来目指している医師像」を明確に、かつ自筆で記述する必要があります。

また、指定のテーマに沿ったエッセイも自筆で作成します。

海外での教育経験という多様なバックグラウンドを持つあなたが、なぜ日本の、それも慶應義塾大学の医学部でなければならないのか、そして将来どのような医療人として社会に貢献したいのかという明確な覚悟と目的意識が求められるためです。

過去の合格者は、海外生活で直面した医療格差や現地でのボランティア活動、あるいは言葉の壁を乗り越えた経験を、将来グローバルに活躍する臨床医や研究医としてのビジョンに説得力を持って紐付ける傾向があります。

海外での経験の棚卸しと並行して、自分が理想とする「医師像」を具体的に言語化し、なぜ慶應医学部がその実現に最適なのかを整理して、手書きの文章としてまとめましょう。

2次試験の対策

医学部の第2次選考で最も評価されるポイントは、数学の基礎知識を応用した極めて高度な「総合問題」の解答力と、「模擬講義」を通じた理解力、質問力、ディスカッション能力です

帰国生であっても、入学後は日本の最難関の医学生と同等のカリキュラムをこなす高い理数系学力が必須であり、さらに医師として他者と協働し、課題を解決していく高度なコミュニケーション能力が不可欠だからです

総合問題の内容は非公表ですが、一般的な難関大理系レベルの数学力が必要となります。

模擬講義では、最先端の医学的テーマに関する講義を受けた後、単なる要約ではなく、医学的・倫理的な観点からの深い考察や活発な議論が求められます。

高校数学の応用問題をまんべんなく解くトレーニングに加え、医療系のニュースや書籍を読み、自らの意見を論理的に言える練習を繰り返しましょう。

面接で問われること

第2次選考の面接では、学力や人物像について問われます。

特に、自筆で提出した志望理由書やエッセイの内容、海外での経験、そして将来の医師としての覚悟が深く掘り下げられます。

大学側は、筆記試験やスコアだけでは測れない、あなたの人間性、倫理観、ストレス耐性、そして医師という重責を担うにふさわしい資質やコミュニケーション能力を直接確認したいと考えているからです。

「海外の医療制度と日本の医療制度の違いを踏まえ、あなたは将来どのように貢献したいか」といった質問に対し、自身の経験に基づき、客観的かつ情熱的に回答する姿勢が好印象を与えます。

提出した志望理由とエッセイの内容を完璧に頭に入れ、医療倫理や最新の医学トピックに関する知識を頭に入れておきましょう。

学校の先生や専門家を相手に本番さながらの模擬面接を繰り返すと良いです。

対策スケジュール

全体スケジュールとして、7月前半に出願・書類郵送が締め切られ、9月上旬に第1次選考合格発表、9月下旬に第2次選考、そして直後に最終合格発表という流れになります。

遅くとも出願直前の6月までにTOEFL等の英語資格や国家統一試験でハイスコアを獲得し、試験実施機関から慶應義塾大学への「Official Scoreの電子直送手配」を完了させておきましょう。

さらに、第2次選考の高度な数学対策に早期に着手する必要があります。

直前である夏休みを活用して、日本の難関大レベルの数学の演習を徹底的に行いましょう。

また、医学部ですので、医療系の時事問題のインプットも忘れずに行ってください。

総合型選抜に対するよくある質問

Q:外国籍ですが、医学部の帰国生入試に出願することはできますか?

A:出願できません。

医学部の出願にあたっては国籍の制限が設けられており、「日本国籍を有する者」、または入管法等による「永住者」「特別永住者」の在留資格を持つ者に限定されています。

Q:SATやIBなどの統一試験において、選択科目の指定はありますか?

A:はい、医学部志願者は提出する国家試験等の統一試験において、「数学」および「他の自然科学系の科目(理科)」を含んでいることが必須条件となります。

さらに、フランス(バカロレア)、ドイツ(アビトゥア)、中国(全国大学統一入試)などの教育制度を利用して出願する場合は、それに加えて「外国語としての英語」を受験していることも必須となります。

まとめ

慶應義塾大学医学部の帰国生対象入学試験について、重要なポイントを振り返ります。

  • 概要:海外で教育を受けた受験生の多様な背景を尊重し、能力や適性を多面的に評価する入試です。
  • 入試の日程:7月前半に出願が締め切られ、9月下旬に第2次選考が行われるため、スピーディーな日程です。
  • 募集人数・倍率の傾向:募集枠は若干名で、約7.5倍という極めて高い競争率を誇る激戦入試です。
  • 出願と試験の対策ポイント:指定された理数系科目を含む統一試験等でのハイスコア獲得に加え、自筆の志望理由書の推敲、そして日本の難関大レベルの数学力が問われる「総合問題」や面接に向けた徹底した準備が合格への鍵となります。


慶應義塾大学医学部の帰国生対象入学試験で合格する人材像

この入試で合格をつかむのは、海外での多様な経験と、日本の最難関医学部で学ぶのに十分な卓越した理数系学力を併せ持つ受験生です。

将来の理想とする医師像を明確に抱き、高度な総合問題や模擬講義、面接において、医学的な見地から自らの考えを論理的かつ説得力を持って伝えるディスカッション能力が求められます。

極めて高い倍率と高度な試験内容に挑む困難な道のりですが、医師への強い覚悟を形にする価値ある挑戦となります。

あなたの挑戦を応援しています。

この記事の監修者

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ユーザー画像の背景

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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