出願書類の書き方
法学部の帰国生入試および国際バカロレア入試では、Webエントリーシステム上において「日本語600字以上800字以下」で志望理由を入力する必要があります。
ここで、あなたの海外での経験や国際バカロレアでの学びが、慶應法学部の法律学科・政治学科での学問的探求にどう結びつくかを明確に記述しなければいけません。
この入試制度は、海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し、能力や適性等を多面的に評価することで、広く多様性のある優秀な入学者を受け入れることを目的としているためです。
過去の合格者は、海外生活で実際に直面した法制度の違いや、現地で感じた政治的マイノリティの課題といった具体的なエピソードを、大学での研究テーマに紐付けて論理的に記述する傾向があります。
海外での経験や多様な文化の中での学びを客観的に振り返り、それが法学や政治学という学問分野のどの部分と接点を持つのかを深く自己分析しましょう。
2次試験の対策
第2次選考の「論述試験」では、与えられた課題について理解し、発想する能力、および文章の構成力、表現力などが評価されます。
日本国外での生活や多様な背景を持つ学生であっても、大学レベルの社会科学や哲学のテキストを正確に読み解き、自らの経験を学問的な視点から再解釈して表現する高度な論理的思考力が求められるからです。
過去の実際の試験では、「ナショナリズム研究における『想像の共同体』の概念を解説した文章を熟読したうえで、自分自身のナショナル・アイデンティティをめぐる経験をその概念を用いて再解釈し、1000字以内で記述する」という非常に高度な課題が出題されています。
「課題文の要約・概念の的確な抽出」→「自身の関連する経験の提示」→「その概念に基づく経験の客観的分析・再解釈」という文章構成のフレームワークが有効です。
社会学や政治学の学術的な文章や新書を読み込み、そこで学んだ専門的な概念を使って、あなたの海外経験を客観的に論じる1000字程度の記述トレーニングを繰り返し行ってください。
面接で問われること
第2次選考の面接試験では、論述試験と同日に「学力・人物」について問われます。
事前のWeb入力による志望理由や、提出された統一試験・TOEFL等の成績、そして当日の論述試験の内容を踏まえ、あなたの実際のコミュニケーション能力や、法学・政治学を学ぶための適性、多様な背景がもたらす知的な柔軟性を、教員が直接の対話を通して確認するためです。
面接では「海外での経験が現在のあなたの価値観にどう影響を与えたか」や「先ほどの論述試験で書いた〇〇という意見に対して、別の視点から反論するとしたらどう答えるか」といった質問がなされます。
感情論ではなく、多角的かつ論理的な視点で自らの考えを述べる姿勢が好印象を与えます。
本番で焦らないための準備アクションとして、あなたが入力した志望理由や自らの経験に対し、「なぜそう感じたのか」「社会的な視点で見るとどういう課題があるか」と自問自答を繰り返し、模擬面接で様々な角度からの突っ込みに論理的に答える訓練をしておくことが不可欠です。
対策スケジュール
合格までの全体像として、7月前半に出願・書類郵送が締め切られ、8月下旬に第1次選考合格発表、9月の頭に第2次選考、そしてその数日後に最終合格発表という、夏の間に完結する非常に早いスケジュールで進行します。
このスケジュールにおいて絶対に達成しておくべき目標は、遅くとも出願直前の6月までにTOEFL iBTやIELTS、およびSATやIB等の国家統一試験で目標スコアを獲得し、試験実施機関から慶應義塾大学への「Official Scoreの電子直送手配」を完了させておくことです。
直前期である夏休みは、午前中に高度な評論文の読解と要約を行い、午後は時間を測っての1000字論述演習、夜は専門的な知識のインプットや模擬面接を行うといったスケジュールが効果的です。
出願の最大の壁となる「スコア要件の達成」と「書類手配」を早めに片付け、残りの時間を論述対策にあてましょう。