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    慶應義塾大学理工学部では、分野志向型入試という特別選抜が用意されています。

    自らの興味に基づいた活動や学業成績に加え、学問分野への強い興味や探求心を重視し、学科別に募集を行うのが特徴です。

    理工学部では電気情報工学、数理科学、化学科の3つの学科が分野志向型入試を実施しています。

    本ページでは、慶應義塾大学理工学部の特別選抜である、分野志向型入試の概要と対策についてお伝えします。

    目次

    • 1実施している年内入試の種類と日程について
    • 2各入試の募集人数・倍率
    • 3各学部・学科の出願基準・出願書類と二次選抜について
    • 4各学科の総合型選抜の対策ポイント
    • 5総合型選抜に対するよくある質問
    • 6まとめ

    この記事を書いた人

    プロフィール写真
    ユーザー画像の背景

    竹内 健登

    東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。

    実施している年内入試の種類と日程について

    電気情報工学科

    試験名分野志向型入試
    出願締切日2025/10/02
    一次合格発表日2025/10/24
    試験日二次試験:2025/12/06 三次試験:2025/12/07
    合格発表日2025/12/12
    試験名出願締切日一次合格発表日試験日合格発表日
    分野志向型入試2025/10/022025/10/24二次試験:2025/12/06 三次試験:2025/12/072025/12/12

    数理科学科

    試験名分野志向型入試
    出願締切日2025/10/02
    一次合格発表日2025/10/24
    試験日二次試験:2025/12/06 三次試験:2025/12/07
    合格発表日2025/12/12
    試験名出願締切日一次合格発表日試験日合格発表日
    分野志向型入試2025/10/022025/10/24二次試験:2025/12/06 三次試験:2025/12/072025/12/12

    化学科

    試験名分野志向型入試
    出願締切日2025/10/02
    一次合格発表日2025/10/24
    試験日二次試験:なし 三次試験:2025/12/07
    合格発表日2025/12/12
    試験名出願締切日一次合格発表日試験日合格発表日
    分野志向型入試2025/10/022025/10/24二次試験:なし 三次試験:2025/12/072025/12/12

    慶應義塾大学理工学部 電気情報工学科・数理科学科・化学科 分野志向型入試 入試日程

    10月上旬に出願が締め切られ、10月末に第1次選考の合格発表が行われます。

    その後、約1ヶ月の期間を空けて12月上旬の週末に第2次選考と第3次選考が連日実施され、12月中旬に最終合格発表となるスケジュールです。

    なお、化学科に関しては第2次選考が実施されず、第1次選考合格者はそのまま第3次選考へ進むという特徴的な日程となっています。

    出願期間が10月上旬のわずか数日間と非常に短く設定されているため、2000字にも及ぶ長文の志望理由書の準備や、成績証明書などの必要書類の準備を早期に完了させておく必要があります。

    各入試の募集人数・倍率

    電気情報工学科

    試験名分野志向型入試
    募集人数10
    倍率 2026-
    倍率 20252.5
    試験名募集人数倍率 2026倍率 2025
    分野志向型入試10-2.5

    数理科学科

    試験名分野志向型入試
    募集人数10
    倍率 2026-
    倍率 20252.5
    試験名募集人数倍率 2026倍率 2025
    分野志向型入試10-2.5

    化学科

    試験名分野志向型入試
    募集人数4
    倍率 2026-
    倍率 20252.5
    試験名募集人数倍率 2026倍率 2025
    分野志向型入試4-2.5

    電気情報工学科・数理科学科・化学科 分野志向型入試の倍率の特徴

    各学科の募集人数は次の通りです。

    • 電気情報工学科:最大10名程度
    • 数理科学科:最大10名程度
    • 化学科:最大4名程度

    ​学科別の詳細な志願者・合格者データは公表されておらず、3学科を合わせた全体の倍率のみ公開されています。

    2025年度と、全体の志願者数は10名、最終合格者数は4名であり、実質倍率は2.50倍でした。

    値的には標準的な倍率ですが、志願者全員が合格するわけではないため、油断禁物です。

    各学部・学科の出願基準・出願書類と二次選抜について

    電気情報工学科

    試験名分野志向型入試
    出願評定4.1
    必要英検スコア-
    出願書類志望理由書 その他書類
    試験内容

    小論文や学科諮問などの筆記試験

    面接

    試験名出願評定必要英検スコア出願書類試験内容
    分野志向型入試4.1-志望理由書 その他書類

    小論文や学科諮問などの筆記試験

    面接

    数理科学科

    試験名分野志向型入試
    出願評定4.1
    必要英検スコア-
    出願書類志望理由書 その他書類
    試験内容

    小論文や学科諮問などの筆記試験

    面接

    試験名出願評定必要英検スコア出願書類試験内容
    分野志向型入試4.1-志望理由書 その他書類

    小論文や学科諮問などの筆記試験

    面接

    化学科

    試験名分野志向型入試
    出願評定4.1
    必要英検スコア-
    出願書類志望理由書 その他書類
    試験内容

    面接

    試験名出願評定必要英検スコア出願書類試験内容
    分野志向型入試4.1-志望理由書 その他書類

    面接

    電気情報工学科・数理科学科・化学科 分野志向型入試

    出願基準について

    • 評定平均のボーダー: 「全体の学習成績の状況が4.1以上」という高い基準に加え、「数学と理科のすべての科目の評定がそれぞれ4以上」であることが必須条件です。
    • 欠席日数の制限: 調査書記載の欠席日数の合計が「30日を超えないこと」という制限があります。
    • 指定科目の履修: 数学(数Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C)合計15単位以上、理科(物理基礎・物理・化学基礎・化学)合計12単位以上、英語コミュニケーションⅠ・Ⅱを含む外国語合計14単位以上という履修要件が設定されています。
    • 現役・既卒の制限: 現役生のみが対象です。既卒生(浪人生)は出願できません。

    全体の評定が4.1以上であっても、指定された数学・理科の科目のうち一つでも「3」以下があると出願資格を満たしません。

    理数系科目の成績に一切の穴が許されない厳しい基準です。

    さらに「欠席日数30日以内」の制限や、物理・化学の指定単位数の縛りがあるため、早い段階で自身の高校のカリキュラムや成績表と募集要項を厳密に照らし合わせる必要があります。

    出願書類について

    • 志望理由書: 2000字以内で、かつ自筆(手書き)で作成する必要があります。また、志望理由書には、学科ごとに指示されたテーマを盛り込む必要があります。
      電気情報工学科: 分野に関連して深い興味を持つに至った理由や、実現したい夢・希望。
      数理科学科: 求める学生像を踏まえた、自分の「数学への思い・情熱」。
      化学科: 化学に関わる活動実績(あれば併せて言及)。

    2000字という非常に長大な志望理由書を「手書き」で完成させなければならないため、構成づくりから清書まで膨大な時間がかかります。

    出願期間が10月上旬のわずか数日間しかないため、早めに取り掛かることが必須です。

    各学科が「求める学生像」として提示している要件に、自身のこれまでの活動やコンテスト等の実績をいかに論理的かつ情熱的に結びつけられるかが評価の分かれ目となります。

    試験内容について

    • 第2次選考の有無と傾向: 電気情報工学科と数理科学科は「数学の基本的な考え方を問う筆記問題」と「論理的思考力・応用力を問う記述問題(物理・数学)」が課されます。一方、化学科は第2次選考が実施されません。
    • 面接の時間と質問内容: 電気情報工学科と数理科学科は「一人20分程度」で、物理・数学の考え方や志望動機が問われます。一方、化学科は「一人40分程度」と倍の時間が設定されており、志望動機に加えて化学全般や物理・数学の知識まで深く問われます。

    3学科とも第2次選考と第3次選考が実施されますが、学科によって内容が大きく異なります。

    面接は単なる人物確認ではなく、「数学的な考え方」や「物理・化学の応用知識」を直接問う口頭試問的な要素が強く含まれます。

    電気情報・数理科学の志願者は、第2次選考の高度な理数系記述試験対策と面接対策の並行が不可欠です。

    一方、化学科志願者は筆記が免除される分、40分間という非常に長い面接のなかで、ごまかしの効かない専門知識と探求心をアピールし切るための徹底した模擬面接対策が合否を決定づけます。

    各学科の総合型選抜の対策ポイント

    出願書類の書き方

    理工学部の分野志向型入試では、2000字以内という非常に長い志望理由書を「自筆」で作成する必要があります。

    書くべき内容は学科ごとに異なり、電気情報工学科は「分野への深い興味と実現したい夢」、数理科学科は「数学への思い・情熱」、化学科は「化学に関わる活動実績(あれば)」を具体的に記述することが求められます。

    この入試が、単なる学力だけでなく、自らの興味から進んで行っている活動や、学問分野への強い探求心を持つ学生を求めているためです。

    過去の合格者は、科学オリンピックへの出場経験、独自に取り組んだプログラミングやアプリ開発、個人的な研究活動などを、大学での最先端の研究テーマと結びつけて具体的にアピールする傾向があります。

    これまでの活動やコンテスト等の実績を棚卸しし、それが志望学科の求める学生像にどう合致するのかを分析して、2000字の構成案を練り始めることです。

    2次試験の対策

    電気情報工学科と数理科学科で課される第2次選考では、数学の基本的な考え方を問う筆記問題に加え、論理的な思考力や応用力を問う高度な記述問題の解答力が評価されます(※化学科はありません)。

    入学後、最先端の理学・工学を学ぶための基盤となる高度な理数系の学力と、未知の課題に対して既存の知識を応用して論理的に解決に導く思考力が不可欠だからです。

    過去の試験では、単に公式に当てはめるだけでは解けない、物理現象の数学的なモデル化や、複雑な数式を論理的に証明させるようなお題が出題される傾向にあります。

    難関大レベルの数学・物理の記述問題に取り組み、答えを出すだけでなく「なぜそのアプローチをとったのか」を論理的に記述し、学校の先生などに添削してもらう訓練を繰り返すと良いでしょう。

    面接で問われること

    第3次選考の面接では、提出した志望理由に関する質問に加え、電気情報工学科と数理科学科(約20分)では「物理や数学の考え方」、化学科(約40分)では「化学全般や物理・数学の知識」に関する口頭試問的な質問がなされます。

    大学側は、書類や筆記試験だけでは測りきれない、あなたの希望する学問分野に対する旺盛な知的好奇心と探求心、そして豊かで柔軟な発想力を直接の対話を通して深く確認したいと考えているからです。

    「あなたが志望理由書に書いた〇〇という現象について、物理(または化学)の観点から黒板を使って説明してください」といった質問に対し、丸暗記の知識ではなく、自らの言葉で論理的かつ情熱的に説明できる姿勢が好印象を与えます。

    本番で焦らないためにも、自分の志望理由書の内容を科学的な根拠に基づいて深く語れるように知識を整理しておきましょう。

    また学校の先生を相手に、理数系の専門知識を問われる高度な模擬面接を繰り返し行っておくことが重要です。

    対策スケジュール

    10月上旬に出願が締め切られ、10月下旬に第1次選考合格発表、その後約1ヶ月空いて、12月の頭に第2次選考、その直後に第3次選考、そして12月中旬に最終合格発表という日程です。

    このスケジュールにおいて絶対に達成しておくべき目標は、出願直前の9月までに、2000字に及ぶ自筆の志望理由書を完成させ、高い評定平均(全体4.1以上、数学・理科各科目4以上など)と指定科目の履修条件をクリアしておくことです。

    秋以降は、一般選抜や第2次選考に向けた高度な数学・理科の記述演習を行いましょう。

    また並行して、面接に向けた志望分野の専門知識のインプットや口頭試問対策を行うと良いでしょう。

    総合型選抜に対するよくある質問

    Q:出願時に複数の学科を併願することはできますか?

    A:理工学部の分野志向型入試では、出願時に「電気情報工学科」「数理科学科」「化学科」のうちいずれか1つの学科を選択する必要があり、学科の併願はできません。

    Q:既卒生(浪人生)は出願できますか?

    A:出願できません。

    国内の高等学校等に在籍している現役生のみが対象となります。

    Q:全体の評定平均が4.1以上あれば出願基準を満たしますか?

    A:全体の評定平均が4.1以上であっても、それだけでは基準を満たしません。

    指定された数学(合計15単位以上)および理科(合計12単位以上)のすべての科目の評定が、それぞれ「4以上」であることが必須条件です。

    さらに、調査書記載の欠席日数が合計「30日を超えないこと」という厳格な条件も設定されています。

    まとめ

    慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試について、重要なポイントを振り返ります。

    • 概要:自らの興味に基づいた活動と一定水準以上の学業成績、そして学問分野への強い探究心を持つ学生を評価する特別選抜です。
    • 入試の日程:10月上旬のわずかな期間で出願が締め切られ、12月上旬に第2次・第3次選考が行われるため、出願締切から逆算した早期からの準備が不可欠です。
    • 募集人数・倍率の傾向:倍率は全体で2.5倍程度と標準的な水準に落ち着いていますが、化学科は第2次選考(筆記)が免除されるという制度上のアドバンテージがあります。
    • 出願と試験の対策ポイント:指定科目の厳しい評定基準を満たした上で、2000字の手書き志望理由書を推敲すること
      。そして、高度な理数系記述問題(化学科以外)と専門知識を問う面接対策を並走させることが合格への鍵となります。


    慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試で合格する人材像

    この入試で合格をつかむのは、特定の学問分野に対する深い探求心と、しっかりとした活動実績を持つ受験生です。

    高い基礎学力に裏打ちされた論理的思考力と、未知の課題に対して自らの言葉で情熱的に語れる柔軟な発想力が評価されます。

    分野志向型入試は、あなたの学問に対する知的好奇心と、これまでのたゆまぬ努力を最大限に評価する入試です。

    厳格な出願要件や高度な選考課題が待ち受けていますが、自らの興味を貫き通す強い意志が、最先端の研究環境への扉を開きます。

    あなたの挑戦を応援しています。

    この記事の監修者

    プロフィール写真
    ユーザー画像の背景

    竹内 健登

    東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。

    [目次]