作成日: 2026/2/20 更新日:2026/2/20
工学とは何を学ぶ?種類や学ぶこと・向いている人について解説

「理系に進みたいけど、工学部って具体的に何を学ぶの?」
「工学に興味があるけど、難しそうだから自信がない…。」
「数学や物理が得意じゃないけど、工学部でやっていけるかな?」
工学部への進学を考えている高校生の皆さんは、このような不安や疑問を抱えているのではないでしょうか。
工学は、私たちの生活を支える重要な学問分野です。
実際、スマートフォンやロボット・自動車・建築物など、身の回りのあらゆるものに工学の知識が活かされています。
そこで本記事では、以下の内容について解説します。
- 工学で学ぶこと
- 工学を学べる大学
- 工学に向いている人の特徴
この記事を読めば、自分に合った工学分野を見つけるヒントが得られるので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
工学とは

工学とは、科学的原理を応用し、人間の生活を改善するための技術の開発と実装を目指す学問分野です。また、工学の目的は「科学を実際に役立てる技術や製品」を設計・開発することです。
私たちの身の回りにある製品やインフラ・環境システムなど、人工的に作られたものの多くは工学によって生み出されています。
たとえば、PCやスマホは通信や半導体技術が応用されています。また、細胞や遺伝子の研究によって医療や薬の分野が発展してきました。
機械や自動車・ロボット・情報・化学など、さまざまな分野に及ぶのが工学の特徴です。このように、工学は科学と技術の進歩を推進し、新たな発見や技術の実用化を可能にします。
工学とは何を学ぶ?種類や学ぶことを解説

工学では何を学ぶのでしょうか。以下に工学で学ぶ内容についてまとめます。
分野 | 学ぶ内容 |
基礎数学 | 工学で扱う微積分、線形代数、確率・統計などを学ぶ |
物理学 | 自然界の基本的な法則や原理を理解する |
材料工学 | 物質の構造、性質、性能、加工方法を学ぶ |
電気工学 | 電気および電子システムの設計、解析、実装を扱う |
機械工学 | 機械や装置の設計、製作、運用、保守、最適化を学ぶ |
航空宇宙工学 | 航空機やロケット、人工衛星などの設計・製造・運用に関する総合的な技術を学ぶ |
応用化学 | 化学の理論を実際の製品やプロセスに応用する方法を学ぶ |
生物工学 | 生物のシステムやプロセスを利用して、医療、農業、環境、産業などの分野で応用する技術を学ぶ |
情報工学 | コンピュータシステムの設計、アルゴリズムの開発、データ処理、ネットワーク、ソフトウェア開発について学ぶ |
建築・都市工学 | 都市の設計、インフラ整備、交通システム、環境保護、都市計画、災害対策などを学ぶ |
土木工学 | 道路や橋梁・上下水道などの社会基盤施設の計画・設計・施工・維持管理に関する技術を学ぶ |
環境工学 | 水質や大気・廃棄物・エネルギーなどの環境問題に対して科学技術を用いて解決する技術を学ぶ |
それぞれ見ていきましょう。
基礎数学

工学の基礎として、数学は非常に重要です。主に扱う内容は、以下のとおりです。
内容 | 詳細 |
微積分 | 変化するシステムの挙動を理解するための数学的手法 |
線形代数 | システムのモデル化や解析に使用される数学的手法 |
確率・統計 | データの解析や予測に使用される数学的手法 |
工学では、物理的な現象を記述するための道具として数学を扱います。数学によって、現実世界の現象を論理的に説明したり予測したりできます。
このことから、基礎数学は工学における幅広い分野をカバーする学問といえるでしょう。
物理学
物理学は、物質のふるまいや性質・相互作用などをはじめとする自然界の基本的な法則や原理を理解するための学問です。
機械の設計や電気回路の解析など、具体的な工学的問題を解決する際に役立ちます。物理学では、以下のような内容を学びます。
内容 | 詳細 |
力学 | 物体の運動と力の関係を扱う |
熱力学 | エネルギーとその変換、温度の関係を扱う |
電磁気学 | 電気と磁気の相互作用を扱う |
光学 | 光の性質とその挙動を扱う |
以上の基本的な物理学の分野は、互いに密接に関連しており、現代の科学技術の発展を支える重要な基盤です。
材料工学

材料工学は、物質の構造や性質・性能・加工方法を学ぶ分野です。材料科学では、おもに以下の内容を学びます。
内容 | 詳細 |
金属 | 高強度や耐熱性に優れる材料 |
セラミックス | 高硬度や耐腐食性に優れる材料 |
ポリマー | 柔軟性や軽量性に優れる高分子の有機材料 |
複合材料 | 異なる材料の特性を組み合わせた複合材料 |
材料の選択は、製品の性能や寿命に直接影響を与えるため、材料工学は私たちの生活において非常に重要な学問といえるでしょう。
電気工学
電気工学は、電気および電子システムの設計・解析・実装を扱う分野です。主に、電気や磁気、光(電磁波)の研究や応用を取り扱います。電気工学で研究する内容は、以下のとおりです。
内容 | 詳細 |
電気回路理論 | 電気回路の基本的な原理や法則を学ぶ |
信号処理 | デジタル信号やアナログ信号の処理方法を学ぶ |
電子デバイス | 半導体デバイスの動作原理や特性を学ぶ |
通信システム | データ通信の原理や技術を学ぶ |
制御システム | システムの動作を制御するための理論と方法を学ぶ |
電力工学 | 発電、送電、配電のシステムや技術を学ぶ |
以上の知識は、現代の高度なテクノロジーやインフラストラクチャの基盤を形成するために欠かせません。電気工学は、電気をより安全かつ効率的に利用するために欠かせない学問です。
機械工学

機械工学は工学の核となる基盤的な学問分野で、機械の設計から製作・運用にいたるまでのすべての事柄を対象としています。学ぶ内容は、以下のとおりです。
内容 | 詳細 |
機械設計 | 機械の構造や機能を設計する技術 |
材料力学 | 材料の強度や変形を解析する技術 |
熱力学 | エネルギーの変換や熱の流れを扱う技術 |
流体力学 | 流体の挙動や力学を解析する技術 |
制御工学 | 機械やシステムの制御方法に関する技術 |
エンジン | エンジンの構造や機能、駆動に関する技術 |
近年では、環境との調和も重視され、次世代エコカーの開発など、持続可能な社会の実現にも貢献することが期待されています。
また、化学やバイオテクノロジー・医学など他分野との連携が進んでいることも、特筆すべきポイントです。
航空宇宙工学
航空宇宙工学は、航空機やロケット・人工衛星などの設計・製造・運用に関する総合的な工学分野です。航空宇宙工学は、主に4つの専門領域に分かれます。
内容 | 詳細 |
流体力学 | 液体や気体などの流体の運動や性質、流体中での物体の運動を研究する |
構造力学 | 構造物が荷重を受けたときに生じる応力や変形を解析する |
推進工学 | 航空機やロケット、人工衛星などの推進システムの設計、解析、開発を担う |
制御工学 | 航空機の動作を制御するための方法論を研究する |
とくに、航空機の分野ではより効率的で環境に配慮した次世代機の開発が進められています。航空宇宙工学を修めた人材は、航空宇宙関連企業だけでなく、自動車や電機産業など幅広い分野で活躍できるでしょう。
応用化学
応用化学は、化学の理論を実用化に結びつける工学分野です。学ぶ内容は、以下のとおりです。
内容 | 詳細 |
有機化学 | 有機化合物の構造や反応を扱う |
無機化学 | 無機化合物の特性や反応を扱う |
物理化学 | 化学反応の物理的側面を扱う |
分析化学 | 物質の成分や構造を分析する |
化学工学 | 化学プロセスの設計や最適化を学ぶ |
応用化学は、実験と理論の両面から、基礎研究から工業化までの一貫したプロセスを扱います。そのため、リサイクル可能な物質の開発や環境負荷の低減など具体的な解決策を生み出す分野といえるでしょう。
生物工学

生物工学は、生命の仕組みを解明し、その機能を工学的に応用する先端分野です。遺伝子工学と細胞工学を中心に、医療・食品・環境など幅広い分野で革新的な技術開発を進めています。
内容 | 詳細 |
遺伝子工学 | 遺伝子の操作や応用技術 |
細胞工学 | 細胞の培養や操作技術 |
バイオマテリアル | 生体材料の開発と応用 |
バイオプロセス | 生物プロセスの設計と最適化 |
環境バイオテクノロジー | 環境保護や改善に生物技術を応用する |
最近では、AIや機械学習との融合により、創薬プロセスの効率化や個別化医療の実現に向けた取り組みも進んでいます。生物工学は、持続可能な社会の実現に向けた新たな可能性を切り拓く学問といえます。
情報工学
情報工学は、コンピュータとデジタル技術を基盤とする現代社会の根幹を支える工学分野です。情報工学で学ぶ内容は、以下のとおりです。
内容 | 詳細 |
プログラミング | ソフトウェアの作成とデバッグ技術 |
アルゴリズム | 効率的な問題解決手法の設計と解析 |
データベース | データの管理と検索技術 |
ネットワーク | データ通信とネットワーク構築技術 |
人工知能 | 知的システムの設計と応用 |
また、産業用ロボットの制御やIoTデバイスの開発など、製造業と連携しているのも特徴です。
情報工学は、情報処理技術の進化とともに、社会のデジタル化を牽引する重要な役割を担っている工学分野として期待されています。
建築・都市工学

建築・都市工学は、人々の暮らしを支える社会基盤の創造と維持を担う重要な工学分野です。
最近では、AIやIoTを活用したスマートシティの開発や災害に強い都市づくりの実現に向けた取り組みが進んでいます。建築・都市工学で学ぶ内容は、以下のとおりです。
内容 | 詳細 |
都市計画 | 都市の発展と整備のための計画 |
交通工学 | 交通システムの設計と管理 |
環境工学 | 都市の環境保護と改善技術 |
インフラ整備 | 都市の基盤施設の設計と建設 |
防災工学 | 災害対策と復興計画の設計 |
建築・都市工学には、既存インフラの維持管理や更新・歴史的建造物の保存など、都市の価値を未来へ継承する役割もあります。
土木工学
土木工学は、人々の生活基盤を支える社会インフラの設計・建設・維持管理を担う総合的な工学分野です。
道路や鉄道・港湾・上下水道・トンネルといった構造物から、河川や海岸の自然環境まで、幅広いインフラを扱います。この分野は主に4つの専門領域で構成されています。
内容 | 詳細 |
構造工学 | 構造物に作用する力や変形を解析し、安全性と耐久性を確保するための工学分野 |
水工学 | 河川や海岸・港湾などにおける水の流れや水災害を研究し、水資源の利用と防災のための技術を探求する学問 |
地盤工学 | 建物や道路などの構造物を安全に支えるために、地盤の特性を調査・分析し、改良や強化を行うための工学分野 |
土木計画学 | 社会基盤施設の整備・運用における理念や方法・手順の体系化を目指す学問 |
自然災害への対策やインフラの維持管理など、社会のニーズに応える技術を開発することも土木工学が解決すべき課題です。
土木工学を修めた人材は、建設会社や設計事務所・公共機関など、社会基盤の整備に関わる幅広い分野で活躍しています。
環境工学
環境工学は、私たちの生活と自然環境を両立させるための技術を研究・開発する分野です。
水質や大気・土壌・エネルギーなど、幅広い環境問題に対して科学技術を用いた具体的な解決策を研究します。近年は、カーボンニュートラルや再生可能エネルギーの活用など、地球規模での環境課題に取り組んでいます。
環境工学を修めた学生は、卒業すると環境コンサルタントや環境技術者として企業や行政機関で活躍できるでしょう。
工学と理学の違いは?

工学と理学の違いは、目的・アプローチ・応用範囲にあります。工学は目的志向で、理学は探求指向といえます。以下に工学と理学の特徴をまとめました。
項目 | 工学 | 理学 |
目的 | 実際の問題解決と具体的な製品やシステムの設計・開発 | 自然界の基本的な法則や原理を理解すること |
アプローチ | 数学や科学の原理を応用して現実世界の問題を解決 | 観察、実験、理論の構築を通じて自然界の現象を理解・説明 |
応用範囲 | 自動車、建築、コンピュータ、電気機器、医療機器など | 物理学、化学、生物学、地学などの基礎研究 |
工学は、実用的な技術や製品の開発に興味がある人に向いています。一方、理学は自然界の基本的な法則や原理の理解に興味がある人に適しています。
また、純粋な知識の探求や基礎的な科学研究に貢献したい人も向いているでしょう。どちらを選ぶかは、あなたの興味や目指すキャリアによって異なります。
実践的な技術開発に興味があるなら工学、科学的な研究に興味があるなら理学を選ぶとよいでしょう。
なお、理工学部は、自然科学の基礎研究を担う理学と技術応用を目指す工学の両方の立場から教育・研究を行う学部です。
理学部について詳しく知りたい人は「理学部では何を学ぶ?学ぶことや工学部・理工学部との違いを解説」の記事を参考にしてみてください。
学べる学校は?大学の一例

工学がある大学の具体例は以下のとおりです。
鳥取大学工学部機械物理系学科
関西学院大学工学部情報工学課程
工学院大学工学部機械システム工学科
それぞれ見ていきましょう。
なお、大学の工学部について詳しく知りたい人は「工学部とは?学ぶ内容・学科・進学するメリット・デメリットを解説」の記事を参考にしてみてください。
鳥取大学 工学部 機械物理系学科

鳥取大学工学部機械物理系学科は、機械工学・航空宇宙工学・ロボティクス・物理工学の分野に特化して学べます。理論から実践まで幅広く学べるカリキュラムを提供しているのが、本学科の特徴です。
学生は、基礎力学からメカトロニクス・航空宇宙工学まで幅広い分野で教育を受け、研究活動も積極的に行っています。鳥取大学工学部機械物理系学科の主な特徴は、以下のとおりです。
日本塑性加工学会や計測自動制御学会で受賞するなど、優れた研究活動が行われている
機械力学、メカトロニクス、航空宇宙工学など多岐にわたる専門分野を学べる
そのため、機械工学や宇宙工学に強い興味があり、理論と実践の両方に積極的に取り組みたい人に向いている学科といえます。
とくに、研究活動に興味があり、学会発表や論文執筆を目指す学生に適しているでしょう。
参照元:鳥取大学工学部 機械物理系学科 工学専攻 機械宇宙工学コース 工学研究科
関西学院大学 工学部 情報工学課程

関西学院大学の情報工学課程では、AIやデータマイニング・コンピュータグラフィックスなど最先端の技術を習得できます。本課程の特徴は、以下のとおりです。
AI、感性工学、ネットワーク、コンピュータグラフィックスなど、幅広いIT技術を学べる環境が整っている
200台のデスクトップPCや40台の貸し出しノートPCなど、充実した演習環境・最先端の研究設備がある
英語の授業も充実しており、海外で活躍できる人材を育成している
情報工学に興味があり、とくにAIやデータサイエンス・感性工学などの先端技術に関心がある人に向いています。
単に知識やスキルを身につけるだけでなく、それを現実社会の問題に応用できる人材に成長したい人におすすめの大学です。
工学院大学 工学部 機械システム工学科

工学院大学の機械システム工学科は、機械要素と知能を組み合わせた機械システムの設計・製造・管理を学ぶ学科です。
基礎学力を重視しつつ、システム工学・ロボティクス・制御工学などの横断的な科目を提供しています。特徴は以下のとおりです。
機械システムの土台となる力学の基礎を1年次からしっかり学ぶ
「機械」「制御」「電気」「情報」を横断的に学び、ハードとソフトの両面に対応できる技術者を育成する
実験や実習を通じて、実践的な理解力と応用力を養う
本学科は、機械の設計や管理に興味があり、基礎力学から実践的な応用まで幅広く学びたい人に向いている学科といえます。
とくに、システム工学やロボティクス・制御工学に興味がある学生にとっては、向いているでしょう。
工学部に向いている人の特徴

工学を学ぶにはどのような人が向いているのでしょうか。主な特徴は以下のとおりです。
問題解決能力が高い
数学と科学への興味がある
技術や新しいテクノロジーに対する好奇心が旺盛
ものづくりが好き
それぞれ見ていきましょう。
問題解決能力が高い

工学分野で成功するためには、問題解決能力が求められます。工学は、数学や科学の原理を用いて現実の問題を解決する学問であり、問題解決能力が高い人はこの分野で貴重な存在です。
問題解決能力が高い人は、問題を機会として捉え、本質を正確に把握する力に長けています。既存の枠組みを超えて物事を考えられるため、新しい技術や製品の開発に貢献できるでしょう。
このように、問題解決能力の高い人は工学分野で活躍する可能性が高くなります。
数学と科学への興味がある
工学を学ぶうえで、数学と科学への興味は必須の要素です。数学的思考は、エンジニアリングの問題解決スキルを養うために必要不可欠です。
また、科学的な視点から物事を考える能力は、新しい技術を理解して応用するために重要なスキルといえます。
工学におけるさまざまな理論を理解し、実世界の問題解決に適用する力を養うためには、数学と科学への深い理解が求められます。
そして、その知識とスキルは、エンジニアとしてのキャリアを築くうえで大きな武器となるでしょう。
技術や新しいテクノロジーに対する好奇心が旺盛

工学を学ぶうえで重要な特性のひとつに、技術や新しいテクノロジーに対する好奇心が旺盛であることが挙げられます。
工学は常に進化し続け、新たな発見や技術が次々と生まれているからです。工学の分野では、新しい技術を学び、理解して活用することで新たな価値を生み出すことが常に求められます。
好奇心は工学における創造性の核心であり、エンジニアにとって最も価値のある、かつ最も難しい部分でもあります。
このような理由から、技術や新しいテクノロジーに対する好奇心が旺盛な人は、工学の学習に適しているといえるでしょう。
ものづくりが好き
ものづくりが好きな人は、工学部に向いています。たとえば、幼い頃からおもちゃを分解して仕組みを理解したくなるような好奇心旺盛な性格の人です。
また、新しい技術やツールに対する関心が高く、それらを活用して革新的なアイデアを形にできる創造性を持っている人も、工学部での学びを楽しめるでしょう。
ものづくりの過程で生じるさまざまな課題に対して、論理的に考え、解決策を見出せる分析力も工学における重要な資質といえます。
学んだことで取得が目指せる資格

工学を学べる学部で目指せる資格には、以下のようなものがあります。
資格名 | 資格の説明と取得方法 |
中学校教諭1種免許状(数学) | 中学校で数学を教えるための資格。教育学部や教職課程での所定の単位を取得し、教員採用試験に合格することで取得可能。 |
高等学校教諭1種免許状(数学、工業、情報) | 高等学校で数学、工業、または情報を教えるための資格。所定の単位を取得し、教員採用試験に合格することで取得可能。 |
電気主任技術者(1・2・3種) | 電気設備の工事、維持、運用に関する監督を行う資格。実務経験や試験合格が必要。 |
自動車整備士(3級) | 自動車の点検、修理、整備を行う資格。自動車整備士養成校での教育および試験合格が必要。 |
建設機械施工技士(1・2級) | 建設機械の操作や管理を行う資格。実務経験と試験合格が必要。 |
衛生工学衛生管理者 | 職場の衛生管理を行う専門職。所定の講習を修了し、試験に合格することで取得可能。 |
労働衛生コンサルタント | 労働環境の衛生管理を専門とする資格。試験合格と実務経験が必要。 |
労働安全コンサルタント | 労働安全に関する指導や助言を行う専門職。試験合格と実務経験が必要。 |
技術士補 | 技術士の補助業務を行う資格。試験合格が必要。 |
情報処理技術者 | IT分野における基礎的な知識と技術を持つことを証明する資格。基本情報技術者試験の合格が必要。 |
第1級陸上特殊無線技士 | 陸上の無線設備の操作や保守を行う資格。試験合格が必要。 |
第3級海上特殊無線技士 | 海上の無線設備の操作や保守を行う資格。試験合格が必要。 |
電気通信主任技術者 | 電気通信設備の工事や維持を監督する資格。実務経験と試験合格が必要。 |
弁理士 | 特許や商標などの知的財産権に関する業務を行う資格。試験合格が必要。 |
基本情報技術者 | 情報技術に関する基礎的な知識を証明する資格。試験合格が必要。 |
危険物取扱者(甲種) | 危険物の取り扱いや管理を行う資格。試験合格が必要。 |
毒物劇物取扱者 | 毒物や劇物の取り扱いや管理を行う資格。試験合格が必要。 |
公害防止管理者(大気・水質・ダイオキシン類) | 公害防止に関する業務を行う資格。試験合格が必要。 |
放射線取扱主任者(1・2種) | 放射線の取り扱いや管理を行う資格。試験合格が必要。 |
作業環境測定士(1種) | 作業環境の測定を行う資格。試験合格が必要。 |
環境計量士 | 環境に関する計量業務を行う資格。試験合格が必要。 |
建築士(1・2級) | 建築物の設計や施工管理を行う資格。実務経験と試験合格が必要。 |
建築設備士 | 建築設備の設計や施工管理を行う資格。試験合格が必要。 |
木造建築士 | 木造建築物の設計や施工管理を行う資格。実務経験と試験合格が必要。 |
以上の資格は、所定の教育を受けたり自分で勉強したりすることで在学中に取得可能です。
参照元:神奈川大学|取得可能な資格
工学を学んだ学生の卒業後の主な進路

卒業生の多くは、自動車や電機・精密機器などのメーカーで設計開発職や品質管理職として活躍しています。その他にも以下のような業界・業種が就職先として挙げられます。
業界・職種 | 概要 |
IT業界 | 情報工学系を中心に、システム開発やデータサイエンスの分野で需要が増えている |
建設業界 | 土木・建築系の学生を中心に、ゼネコンやハウスメーカー、設計事務所などで構造設計や施工管理を担当する |
技術系公務員 | 国や地方自治体で働く |
また、学部を卒業後に院へ進学する人が多いのも工学部の特徴です。国公立大学や難関私大では、約8割の人が大学院へ進学する傾向にあります。有名大学の大学院進学率は以下のとおりです。
大学名 | 大学院進学率 | 特徴 |
約85% | 就職希望者の約97%が就職。年間2,000社からの求人 | |
約90% | 修士課程修了後約9割が就職 | |
86.3% | 機械・航空宇宙工学科で89.8% | |
73.5% | 学部卒業生でも96.7%の就職率を確保 | |
約75% | 修士修了者の84%が就職 8%が博士課程進学 |
工学部の就職率は約90%と高く、専門性を活かした多様なキャリアパスが開かれているといえるでしょう。
工学に関するよくある質問

工学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。ここでは、工学に関するよくある疑問を3つ紹介します。
- 工学は理系科目が得意でないと学べませんか?
- 工学部は忙しいと聞きますが本当ですか?
- 女子なのですが、工学部に進学して大丈夫でしょうか?
それぞれの回答とともに、詳しく見ていきましょう。
工学は理系科目が得意でないと学べませんか?

工学を学ぶうえで、理系科目が得意であるに超したことはありませんが、得意でなくても学ぶことは可能です。重要なのは、ものづくりや技術への強い興味と意欲を持っていることです。
目的意識がはっきりしていれば、必要な知識や理系的な能力は大学での学びを通じて段階的に身につくでしょう。
とは言え、理系科目に不安がある場合は、高校で学ぶ理系科目の基礎をしっかり身につけておくことをおすすめします。
工学部は忙しいと聞きますが本当ですか?
確かに、工学部は忙しい学部として知られています。必修科目が多く、週に20コマ前後の授業があることは珍しくありません。また、実験やレポート課題も頻繁に課されるのが工学部の特徴です。
1回につき3〜4時間かかる実験が週2回あることは珍しくなく、その後のレポート作成にも相当な時間が必要です。加えて、3~4年次からは研究室に配属されて研究活動も加わるため、より多忙になるでしょう。
ただし、忙しさは学科によって異なります。医学系や化学系はとくに忙しい一方、数学科や情報系は比較的余裕があるでしょう。
また、長期休暇中は自由な時間を確保できるため、アルバイトやインターンシップなども可能です。効率的に時間を管理し、計画的に課題に取り組むことで、アルバイトやサークル活動との両立も実現できるでしょう。
女子なのですが、工学部に進学して大丈夫でしょうか?

工学部では女子学生の比率は15.2%と少数派であり、男性が多い環境に不安を感じる声もあります。しかし、就職活動では、工学部の女子学生の比率が低いことがむしろ強みとなります。
なぜなら、就職活動では理系女子の需要が高く、多くの企業が積極的な採用を行っているという背景があるからです。
なお、近年は女子学生支援プログラムや女子枠入試を設ける大学も増えており、学習環境も整備されつつあります。
そのため、工学部では女子学生にも専門性を活かした多様なキャリアパスが開かれており、性別に関係なく充実した学びと将来の可能性が広がっている学部であると言えるでしょう。
今回の内容のまとめ

工学は、私たちの生活を豊かにする実践的な学問であり、数学や自然科学の知識を活用して社会の課題を解決する分野です。本記事の中で重要な内容は以下のとおりです。
- 工学とは、科学的原理を応用して人間の生活を改善するための技術の開発と実装を目指す学問です。
- 基礎数学から情報工学まで12の専門分野があり、それぞれが現代社会を支える重要な役割を担っています。
- 問題解決能力が高く、数学と科学への興味があり、新しい技術への好奇心が旺盛な人に適しています。
- 教員免許から技術士まで多様な資格の取得が可能で、卒業後のキャリアの可能性を広げられます。
- 工学は、AIやロボット工学など最先端技術の進歩により、これからの社会をリードする重要な学問として注目されています。
工学を学ぶことで、基礎数学から情報工学まで幅広い分野で専門性を磨けるだけでなく、問題解決能力や論理的思考力を養えます。
とくに近年はAIやロボット工学・環境技術など、最先端の技術革新が進んでいます。そのため、工学を学ぶことで得られる知識やスキルによって、将来のキャリアの可能性が大きく広がるでしょう。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。