作成日: 2026/1/20 更新日:2026/1/20
息子・娘が受験生なのに大学入試に向けて勉強しない!理由や正しい親の接し方を詳しく解説

「息子・娘が受験生なのに勉強しないのには理由がある?」
「子どもが大学受験の勉強しないときの対処法は?」
こうお悩みの親御さんも多いのではないでしょうか。
今回の記事では、息子・娘が受験生なのに勉強しない理由と、親の正しい接し方ついて詳しく解説します。
子どもの受験勉強でお悩みの方は参考にしてください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
- 1 受験生の息子・娘が勉強しない7つの理由
- 1-1 勉強そのものに苦手意識がある
- 1-2 受験を諦めかけており、努力する意味を見失っている
- 1-3 将来像が描けず、大学進学の目的がない
- 1-4 成績や現状に対する危機感が薄い
- 1-5 大学受験自体に納得していない
- 1-6 趣味や部活動など、別の優先事項がある
- 1-7 親への反発心から行動を止めている
- 2 大学受験を控えても勉強しない息子・娘に対する正しい接し方
- 2-1 共通して意識したい基本姿勢
- 2-2 勉強に対する苦手意識が強い場合
- 2-3 受験を諦めかけている場合
- 2-4 目的意識が持てていない場合
- 2-5 危機感が薄い場合
- 2-6 大学受験そのものに納得していない場合
- 2-7 趣味や部活動など優先事項がある場合
- 2-8 親への反発が原因の場合
- 3 受験勉強をしない子どもに対する親のNG行動
- 3-1 「勉強しなさい」と命令口調で言う
- 3-2 イライラをぶつけて叱責する
- 3-3 兄弟や他人と成績を比較する
- 3-4 ご褒美や罰で無理に行動を操作する
- 3-5 勉強方法や計画に細かく口出しする
- 3-6 スマホの全面禁止、抜き打ち取り上げ
- 3-7 ネガティブ予言・脅し文句
- 3-8 過度な監視・詮索
- 4 保護者からよくある質問
- 4-1 今は見守るべきか、介入すべきか
- 4-2 スマートフォンやゲームは制限すべきか
- 4-3 大学進学以外の進路を認めるべきか
- 4-4 塾や予備校には通わせるべき?
- 4-5 メンタルの不調に陥っている可能性がある。専門家に相談したほうがいい?
- 4-6 合意・約束を守ってくれない。どうしたらいい?
- 4-7 夫婦で意見が割れた場合、どうしたらいい?
- 5 まとめ
受験生の息子・娘が勉強しない7つの理由

受験生になっても勉強しない子どもは、決して珍しい存在ではありません。
多くの場合、その背景には怠けや甘えではなく、心理的要因や環境要因が複雑に絡み合っています。
行動だけを見て対処しようとすると、的外れな対応になりやすくなります。
まず理由を整理して把握することで、親が取るべき関わり方の方向性も見えやすくなります。
受験生が勉強しない主な理由として、以下のようなものが挙げられます。
- 勉強そのものに苦手意識がある
- 受験を諦めかけており、努力する意味を見失っている
- 将来像が描けず、大学進学の目的がない
- 成績や現状に対する危機感が薄い
- 大学受験自体に納得していない
- 趣味や部活動など、別の優先事項がある
- 親への反発心から行動を止めている
それぞれの背景を具体的に見ていきましょう。
参考:大学受験で保護者がサポートできることとは?受験生の親ができることを徹底解説
勉強そのものに苦手意識がある
受験生が勉強しない理由として多いのが、過去の学習経験による苦手意識です。
中学や高校のどこかで理解できない単元を抱えたまま進級し、「やっても分からない」という感覚が積み重なっているケースがあります。
この状態では、勉強は「成果が出ない行為」「失敗を思い出す行為」になりやすく、無意識に避ける対象になります。
行動が止まっている原因は意欲の欠如ではなく、失敗体験を回避しようとする心理です。
親が注意したいのは、努力量や結果だけで判断しないことです。特に次の点が重要になります。
- 成績や順位だけで評価しない
- 勉強時間の長さを基準にしない
- 分からない点を言葉にしても責められない環境を作る
理解できない状態のまま量を求めると、苦手意識はさらに強化されます。
受験を諦めかけており、努力する意味を見失っている

模試の結果や周囲との比較から、「もう間に合わない」と感じている受験生も少なくありません。
この段階では、努力と結果が結びつかないという前提が先に立ち、勉強する意味そのものが見えなくなります。
特に第一志望校への思いが強かった場合、目標が崩れた瞬間に行動が止まることがあります
本人の中では、諦めきれない気持ちと現実への失望が同時に存在しています。
この状態で根拠のない励ましをすると、気持ちとのズレが広がります。
有効なのは、次のような整理です。
- 現在の立ち位置を事実として確認する
- 今後選べる進路を具体的に並べる
- 「今からできること」を範囲限定で確認する
努力の意味を再構築するには、現実を直視できる材料が必要になります。
将来像が描けず、大学進学の目的がない
大学進学が「周囲が行くから」「親に言われたから」という理由だけの場合、受験勉強は目的を持たない作業になりがちです。
将来と結びついていない行動は、継続する理由を見つけにくくなります。
このタイプの受験生は、大学進学そのものを否定しているわけではありません。
「なぜ大学に行くのか」「行った先で何が変わるのか」を自分の言葉で整理できていない状態です。
親ができる関わりとしては、
- 大学で何を学べるのかを具体的に共有する
- 大学以外の進路も含めて選択肢を並べる
- 答えを急がず考える時間を確保する
目的が見えないまま行動を求めると、抵抗感が強まりやすくなります。
成績や現状に対する危機感が薄い

一見すると危機感がないように見える受験生でも、実際には「現実を見るのが怖い」「考えると不安になる」といった心理が隠れていることがあります。
深く考えないことで心の安定を保とうとしている状態です。
この場合、感情的に現実を突きつけると、防衛反応として思考停止が起こりやすくなります。
効果的なのは、感情を交えずに状況を整理する関わり方です。
- 模試結果やデータを淡々と共有する
- 現状と目標の距離を数字で確認する
- 将来の選択肢を複数並べて示す
危機感は押し付けるものではなく、理解を通じて生まれるものです。
大学受験自体に納得していない
本人の中で、大学受験という制度や価値観に納得できていないケースもあります
この場合、勉強しない行動は「やりたくない」という意思表示に近い側面を持ちます。
「なぜ受験しなければならないのか」という疑問が放置されると、行動で抵抗する形になりやすくなります。
親が一方的に正しさを主張すると、対話は成立しません。
重要なのは、
- 子どもの考えを否定せずに聞く
- 親の考えも意見として伝える
という姿勢です。納得感が生まれると、行動が変わる余地が出てきます。
趣味や部活動など、別の優先事項がある

部活動や趣味に打ち込んでいる場合、本人の中では明確な優先順位があります。
問題は、それを十分に整理しないまま否定してしまうことです。
優先事項があること自体は問題ではありませんが、受験との兼ね合いを考える必要があります。
話し合う際は、
- いつまで続けるのか
- 受験との折り合いをどうつけるか
- 本人がそこから何を得ているのか
を確認すると、感情的な対立を避けやすくなります。
過干渉や否定的な声かけが続くと、勉強は「親に管理される行為」になりやすくなります。
その結果、勉強しないことが親との距離を取る手段になるケースがあります。
親への反発心から行動を止めている
この場合、問題は勉強そのものではなく、親子関係にあります。
行動を変えさせようとする前に、関係性を見直す必要があります。
具体的には、
- 勉強に関する話題を一度減らす
- 判断を子どもに委ねる場面を増やす
- といった対応が有効になることもあります。
このように、受験生が勉強しない背景は一つではありません。
理由を見誤らずに整理することが、適切な関わり方を選ぶための前提になります。
参考:子どもが大学受験をする親はしんどい?ストレスの原因やサポート方法を徹底解説
大学受験を控えても勉強しない息子・娘に対する正しい接し方

受験生が勉強しないと、親はつい行動を変えさせようとしてしまいがちです。
しかし、勉強しない背景にはさまざまな理由があり、原因を整理せずに対応すると逆効果になることがあります。
重要なのは、「勉強しない」という行動だけを見るのではなく、なぜその行動に至っているのかを理解した上で関わることです。
共通して言えるのは、外から強制するよりも、本人が「自分でやる理由」を見いだせるよう支える姿勢が、継続的な行動につながりやすいという点です。
その上で、理由ごとに有効な接し方を使い分けることが重要になります。
共通して意識したい基本姿勢
どの理由であっても、以下の姿勢は共通して有効です
- 命令や叱責で動かそうとしない
- 本人の話を遮らずに聞く
- 感情ではなく事実や選択肢を整理する
- 「一緒に考える」という立場を取る
この前提を押さえた上で、理由別の関わり方を見ていきます。
勉強に対する苦手意識が強い場合

この場合は、やる気の問題ではなく「何から手を付ければいいか分からない」状態になっていることが多くあります。
有効なのは、行動を具体化する関わり方です。
- 最初に取り組む科目や単元を一緒に決める
- 「今日はここまで」と範囲を限定する
- 分からない点を言葉にしても否定しない
勉強全体を見せるのではなく、「今やる一歩」を明確にすることで、心理的なハードルが下がりやすくなります。
受験を諦めかけている場合
模試の結果などから「やっても無駄」と感じ、行動が止まっているケースです。
この場合は、自己効力感を回復させる関わりが重要になります。
- 短期間で達成可能な目標を設定する
- 小さな達成を言葉で確認する
- 一時的な小さなご褒美を区切りとして使う
大きな目標を掲げ直すより、「できた」という実感を積み重ねることが、再び動き出すきっかけになります。
目的意識が持てていない場合

大学進学が本人の中で目的化していない場合、勉強は意味のない作業になりがちです。
この場合は、興味や関心を言語化する関わりが有効です。
- 何に興味があるのかを聞く
- 大学の学部・学科で学べる内容を一緒に調べる
- 大学以外の進路も含めて選択肢を並べる
「なぜ大学に行くのか」を押し付けるのではなく、考える材料を渡す姿勢が重要です。
危機感が薄い場合
一見すると危機感がないように見えても、現実を見ることを避けているだけの場合があります。
この場合は、感情を交えず冷静に伝える関わりが有効です。
- 模試結果や成績を事実として共有する
- 現状と目標との差を数字で示す
- 複数の進路選択肢を整理して示す
不安を煽るのではなく、「判断材料」を渡すことが目的になります。
大学受験そのものに納得していない場合

この場合、勉強しない行動は意思表示に近い意味を持ちます。
有効なのは、進路について改めて話し合う姿勢です。
- 本人の考えを否定せずに聞く
- 親の考えも意見として伝える
- 結論を急がず、考える時間を確保する
納得感が生まれないまま行動を求めると、反発は強まりやすくなります。
趣味や部活動など優先事項がある場合
本人の中で優先順位がはっきりしているケースです。
この場合は、時間の整理が有効になります。
- 1日のタイムスケジュールを一緒に見直す
- いつまで続けるのか期限を確認する
- 受験との折り合いをどうつけるか考える
優先事項そのものを否定するより、現実的な配分を考える方が建設的です。
親への反発が原因の場合

この場合、問題は勉強ではなく親子関係にあります。
有効なのは、本人を信じて委ねる姿勢を示すことです。
- 勉強に関する声かけを一時的に減らす
- 判断を本人に任せる場面を増やす
- 「信じている」と言葉で伝える
管理を手放すことで、逆に自分から動き出すケースもあります。
受験勉強をしない子どもに対する親のNG行動

大人が良かれと思って取った行動でも、受験生にとっては逆効果になることがあります。
特に感情的な対応や過度な介入は、勉強そのものへの意欲だけでなく、親子関係にも悪影響を及ぼしやすくなります。
受験期の学習は、本人が状況を受け止め、自分なりに納得して取り組めるかどうかが重要です。
その過程を妨げる関わり方は、短期的には動いたように見えても、結果的に勉強から距離を取らせてしまうことがあります。
避けるべき親の行動の例は、以下のとおりです。
- 「勉強しなさい」と命令口調で言う
- イライラをぶつけて叱責する
- 兄弟や他人と成績を比較する
- ご褒美や罰で無理に行動を操作する
- 勉強方法や計画に細かく口出しする
- スマホの全面禁止、抜き打ち取り上げ
- ネガティブ予言・脅し文句
- 過度な監視・詮索
それぞれ、なぜNGとされるのかを見ていきましょう。
「勉強しなさい」と命令口調で言う
命令口調は一時的に行動を起こさせることはありますが、継続的な学習意欲にはつながりにくいとされています。
特に思春期の受験生は、自立心が強まる時期であり、強制されるほど反発や無力感を抱きやすくなります。
命令によって動いた場合、勉強は「親にやらされるもの」になり、主体性が育ちません。
その結果、親の目が届かない場面では行動が止まりやすくなります。
声かけを工夫する際は、
- 現状や事実を共有する
- いくつかの選択肢を提示する
といった形にすることで、受験生自身が考え、選ぶ余地が生まれます。
これにより、勉強が「指示された行動」ではなく、「自分で決めた行動」へと変わりやすくなります。
イライラをぶつけて叱責する

感情的な叱責が問題なのは、勉強の改善につながる情報がほとんど含まれない点にあります。
親の怒りが前面に出ると、受験生は「何が問題なのか」よりも「怒られた」という事実だけを受け取ります。
その結果、
- 失敗を隠す
- 話し合いを避ける
- 勉強自体を嫌なものとして認識する
といった反応が起こりやすくなります。
叱責は一時的な発散にはなっても、学習行動の改善には結びつきにくい対応です。
兄弟や他人と成績を比較する
比較がNGとされる理由は、努力の方向性ではなく「優劣」に意識が向いてしまうためです。
他人と比べられると、受験生は自分でコントロールできない要素に注目しやすくなります。
その結果、
- どうせ勝てないという諦め
- 努力しても評価されないという感覚
- 自己肯定感の低下
につながりやすくなります。
受験勉強は個人差が大きいため、他人の結果を基準にしても、具体的な改善行動は見えにくくなります。
ご褒美や罰で無理に行動を操作する

ご褒美や罰に頼る方法は、行動の理由が「勉強」ではなく「報酬や回避」にすり替わる点が問題です。
この状態では、報酬がなくなった途端に行動が止まりやすくなります。
特に受験期は、
- 長期間の継続
- 自分で計画を立てて調整する力
が求められます。
外的な報酬に依存すると、自分で判断する力が育ちにくく、学習の自立を妨げる結果になりやすくなります。
勉強方法や計画に細かく口出しする
細かい管理が問題になるのは、受験生が「自分で考える必要がなくなる」点です。
親がすべて決めてしまうと、うまくいかなかった場合に責任を自分事として捉えにくくなります。
また、
- 失敗を恐れて試行錯誤しなくなる
- 指示待ちの姿勢が定着する
- 親がいないと勉強が進まない
といった状態になりやすくなります。
計画の立て方に関しては、任せる部分と相談に乗る部分を分けることが重要です。
このように、NG行動の多くは「やる気がないから起こる問題」ではなく、「関わり方によって作られる問題」です。
避けるべき行動を理解した上で、前項の「正しい接し方」と組み合わせることで、受験生が自分で動き出す余地を残すことができます。
スマホの全面禁止、抜き打ち取り上げ

受験勉強をしない原因をスマートフォンに求め、全面禁止や突然の取り上げに踏み切る親は少なくありません。
しかし、この対応は問題の本質を解決しないまま、別の問題を生みやすい行動です。
まず、スマホは単なる娯楽ではなく、連絡手段・情報収集・息抜きなど複数の役割を持っています。
それを一方的に奪われると、子どもは「勉強しないから罰を受けた」と感じやすく、納得感を持てません。
その結果、以下のような悪影響が出やすくなります。
- 反発心が強まり、親への不信感が増す
- 隠れて使用するようになり、管理が難しくなる
- 勉強しない原因を考える機会が失われる
- 勉強=自由を奪われる行為という認識が定着する
また、抜き打ちで取り上げる行為は、「いつ奪われるか分からない」という不安を与えます。
この不安は集中力を下げ、学習効率の低下につながりやすくなります。
重要なのは、「スマホを使っているから勉強しない」のか、「勉強がうまくいかないからスマホに逃げている」のかを切り分けることです。
原因を整理しないまま制限を強めても、行動の改善にはつながりにくい傾向があります。
ネガティブ予言・脅し文句
将来の不安を強調して行動を変えさせようとする声かけも、よく見られるNG行動です。
一見すると現実的な忠告に思えますが、受験生の心理状態によっては逆効果になりやすくなります。
受験期の高校生は、すでに将来に対する不安を抱えていることが少なくありません。
その状態で「一生困る」「人生が終わる」といった表現を使うと、不安が過剰に刺激されます。
この結果、以下のような反応が起こりやすくなります。
- 不安が強まり、考えること自体を避ける
- どうせ無理だという諦めにつながる
- 親の言葉を現実的な助言として受け取れなくなる
- 対話を避けるようになる
特に、「脅し」は行動の理由を恐怖にすり替えてしまいます。
恐怖によって動いた行動は一時的になりやすく、親の目が届かなくなると止まりやすいという問題があります。
また、「一生困る」といった断定的な表現は、進路の選択肢を狭めて伝えることにもなります。
逃げ道がないと感じた受験生ほど、現実から目を背ける行動を取りやすくなります。
将来について伝える際は、最悪の結果を強調するのではなく、
- 今の状態で考えられる選択肢
- それぞれに必要な準備
- 今から取れる行動
を事実として整理する方が、現実的な判断につながりやすくなります。
過度な監視・詮索

学習時間や進捗を細かく確認したり、スマホの中身や交友関係まで詮索したりする行動は、受験生に強い圧迫感を与えやすくなります。
親としては心配からの行動でも、子ども側には「信頼されていない」「常に見張られている」という印象として伝わりがちです。
過度な監視が続くと、
- 自分で考えて動く機会が減る
- 失敗や不安を隠すようになる
- 親の目がないと行動できなくなる
といった悪影響が出やすくなります。
また、勉強が「管理される作業」になることで、反発や無気力につながる場合もあります。
必要なのは、行動を管理することではなく、状況を把握し、困った時に相談できる関係を保つことです。
監視ではなく信頼を前提にした関わり方の方が、受験生の主体性を損なわずに支えることができます。
保護者からよくある質問

受験期になると、「このままで大丈夫なのか」「どこまで口を出すべきなのか」といった判断に迷う親は少なくありません。
勉強していない様子を見るほど、不安や焦りが強まり、対応が極端になりやすくなります。
こうした悩みに対して重要なのは、正解を一つに決めることではなく、「今の状況に合った関わり方」を見極めることです。
以下では、親が特に悩みやすいポイントについて、考え方を整理します。
今は見守るべきか、介入すべきか
「見守る」と「何もしない」は同じではありません。
見守るとは、状況を把握した上で、必要な場面だけ関与する姿勢を指します。
一方、放置は現状を把握せず、判断を先送りしている状態です。
判断の目安としては、以下の点を確認します。
- 学校や模試の結果を本人が把握しているか
- 進路について最低限の情報を理解しているか
- 生活リズムが極端に崩れていないか
これらが確認できていれば、過度な介入は必要ない場合もあります。
逆に、現状を避け続けている場合は、関わり方を見直す必要があります。
親が本人に投げかけやすい質問例としては、
- 「今の成績をどう感じている?」
- 「この先、どんな選択肢があると思う?」
など、考えるきっかけを与える問いが有効です。
スマートフォンやゲームは制限すべきか

スマートフォンやゲームをどう扱うかは、多くの家庭で悩みやすい問題です。
一律に取り上げる方法は即効性があるように見えますが、反発や隠れた使用につながりやすく、根本的な解決にはなりにくい傾向があります。
重要なのは、「使うか使わないか」ではなく、「どのように使っているか」を整理することです。
確認したいポイントは、
- 使用時間はどのくらいか
- 勉強や睡眠に影響しているか
- 情報収集や息抜きとして機能しているか
これらを踏まえた上で、時間帯や利用時間について話し合い、ルールを共有する形が現実的です。
質問例としては、
- 「今の使い方で困っていることはある?」
- 「どの時間なら勉強と両立できそう?」
といった形が、対立を避けやすくなります。
大学進学以外の進路を認めるべきか
大学進学は一般的な選択肢の一つですが、唯一の正解ではありません。
大学以外の進路を否定すると、受験生は「逃げ場がない」と感じ、かえって行動を止めてしまうことがあります。
進路を考える際は、
- 本人が何に不安を感じているのか
- 大学進学を避けたい理由は何か
- 他の選択肢についてどこまで理解しているか
を整理することが重要です。
大学進学以外の道を一度認めた上で、「それぞれの選択に何が必要か」を冷静に確認することで、受験勉強に向き合うきっかけが生まれることもあります。
親が使いやすい質問としては、
- 「大学以外を選ぶとしたら、どんな準備が必要だと思う?」
- 「その進路を選んだ場合、1年後はどうなっていたい?」
などが挙げられます。
受験生の状況や性格、家庭環境によって、最適な対応は異なります。
大切なのは、「正しい対応」を探すことではなく、「今の状態に合った関わり方」を柔軟に調整していくことです。
この視点を持つことで、親自身の不安も整理しやすくなり、結果として子どもとの対話も前向きになりやすくなります。
塾や予備校には通わせるべき?

塾や予備校に通わせるかどうかは、「勉強していない原因」によって判断する必要があります。
学力不足や学習方法が分からないことが原因であれば、第三者の指導が有効に働く場合があります。
一方で、意欲の低下や不安が主因の場合、環境を変えても根本的な解決にならないこともあります。
判断の目安としては、
- 分からないところを具体的に説明できるか
- 「やり方が分からない」と本人が感じているか
- 外部の大人の方が話を聞きやすそうか
といった点を確認します。
塾は「通わせれば解決する場所」ではなく、「合っている場合に機能する選択肢の一つ」と捉えることが重要です。
メンタルの不調に陥っている可能性がある。専門家に相談したほうがいい?
勉強しない状態が長く続き、加えて次のような変化が見られる場合は、心の不調が関係している可能性があります。
- 極端な無気力や睡眠リズムの乱れ
- 強い自己否定や将来への絶望的な発言
- 登校や日常生活への支障
この場合、「怠け」や「気合の問題」と捉えると、状況が悪化しやすくなります。
学校のスクールカウンセラーや外部の専門家に相談することは、特別な対応ではなく、状態を整理するための選択肢の一つです。
早めに第三者の視点を入れることで、親子ともに負担が軽減されるケースも少なくありません。
合意・約束を守ってくれない。どうしたらいい?

約束が守られない背景には、「内容が本人の現状に合っていない」「守れなかった時の扱いが曖昧」といった要因があることが多くあります。
見直したいポイントは、
- 約束の内容が具体的か(時間・量・期限)
- 本人が納得した上で決めたものか
- 守れなかった時に再調整できる余地があるか
約束を守らせること自体を目的にすると、管理や対立が強まりやすくなります。
重要なのは、「なぜ守れなかったのか」を一緒に振り返り、現実的な内容に調整し直すことです。
夫婦で意見が割れた場合、どうしたらいい?
親同士の対応が分かれると、子どもは混乱しやすくなります。
「厳しく管理すべき」「本人に任せるべき」といった対立は珍しくありませんが、まずは子どもに向ける前に、親同士で方向性をすり合わせることが重要です。
話し合いでは、
- 最終的に何を大切にしたいのか
- 短期的な成果と長期的な成長のどちらを重視するか
- 子どもの現状をどう捉えているか
を整理します。
完全に意見を一致させる必要はありませんが、「子どもに伝えるメッセージ」はできるだけ統一することで、余計な不安や対立を防ぎやすくなります。
まとめ

今回は、受験生の息子・娘が勉強しない理由や正しい親の接し方を詳しく解説しました。
最後に、今回取り上げた内容の中でも特に重要なポイントを一覧にまとめてみました。
- 受験生が勉強しない背景には、苦手意識、諦め、目的不在、納得感の欠如、親子関係など複数の理由があり、行動だけを見て判断すると対応を誤りやすいる
- 有効な関わり方の前提は、命令や管理ではなく、理由を整理し「一緒に考える」姿勢を取ることであり、本人の納得感が行動の継続に直結する
- 理由ごとに接し方を変えることが重要で、具体化・スモールステップ・目的の言語化・冷静な事実共有・進路の再確認などが有効になる
- スマホ全面禁止や脅し、過度な監視といったNG行動は、反発や思考停止を招きやすく、勉強から距離を取らせる結果になりやすい
- 塾・専門家・見守りと介入の判断は一律ではなく、子どもの状態に応じて選択肢として整理し、親同士の方針も共有することが重要
息子・娘が受験生なのに勉強しない場合でも、頭ごなしに叱るのは避けるべきです。
学習に対するモチベーションが低下し、さらに勉強しなくなる可能性があります。
子供に勉強させたい場合は、大学進学の必要性を理解出来るように伝える事が大切です。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。