作成日: 2024/12/16 更新日:2024/12/16
宇宙科学とは何を学ぶ?学ぶ内容や就職の進路などを解説

「宇宙科学って何?」
「宇宙科学を学ぶとどのような進路があるの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では、宇宙に興味があり、宇宙科学という学問分野に興味を持ったけど、いまいちわからないという方に向けて、宇宙科学について解説しています。
この記事で学べることは以下の通りです。
- 宇宙科学とは何か
- 宇宙科学で学べる内容
- 宇宙科学が学ぶことができる学部学科
- 宇宙科学が学べる大学の一例
- 宇宙科学で学ぶことで取得しやすい資格
- 学んだ後の進路や就職先
- 宇宙科学を学ぶのに向いている人の特徴
記事の最後には、宇宙科学に関するよくある疑問への回答も行なっています。
宇宙科学とは何を学ぶのか気になっている方、進路選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
宇宙科学とは?簡単に解説

宇宙科学とは、宇宙の構造、起源、進化を研究する学問分野です。
例えば、星や銀河の観測を行ったり、宇宙空間や惑星の構造や進化の研究をしたり、地球外生命の可能性を探ったりします。
これらの研究には望遠鏡や探査機などの技術やコンピュータシミュレーションなどが用いられます。
宇宙科学は人類が宇宙への理解を深め、技術革新や新しい資源の利用可能性を探る上での重要な役割を果たしています。
宇宙科学とは何を学ぶ学問?学ぶ内容・分野一覧

宇宙科学では何を学ぶのでしょうか。
以下に宇宙科学で学ぶ代表的な分野についてまとめます。
分野 | 学ぶ内容 |
天文学 | 宇宙の天体(星、惑星、銀河など)を観測し、その構造や進化を研究。 光学・電波望遠鏡などを用いて宇宙の謎に迫る。 宇宙の起源や進化、暗黒物質・暗黒エネルギーなどの未知の現象も探求する。 |
宇宙物理学 | 物理学の理論を用いて宇宙の現象を解明。 ブラックホール、中性子星、宇宙線など、極端な環境での物理現象を研究。 また、宇宙の誕生や進化、素粒子物理学との関連も探る。 |
惑星科学 | 太陽系や系外惑星の形成、進化、構造を研究。 惑星の内部構造、大気、地質活動、磁場などを分析し、生命の存在可能性や地球型惑星の特徴を探る。 比較惑星学的アプローチも重要。 |
宇宙生物学 | 宇宙環境が生命に与える影響や地球外生命の可能性を研究。 極限環境微生物の研究、生命の起源理論、系外惑星の生命探査なども行う。 宇宙飛行士の健康管理にも応用。 |
宇宙工学 | ロケット、人工衛星、宇宙ステーションなどの設計・開発・運用技術を学ぶ。 宇宙環境での材料科学、推進工学、通信技術、ロボット工学なども含む。 宇宙開発の基盤となる分野。 |
宇宙気象学 | 太陽活動が地球周辺の宇宙環境に与える影響を研究。 太陽風、磁気嵐、オーロラなどの現象を予測・分析し、人工衛星や通信システムへの影響を評価。 宇宙天気予報も行う。 |
これらの分野で学びを通じ、宇宙に関する深い理解を得ることができます。
それぞれをさらに詳しく見ていきましょう。
天文学

天文学は宇宙や宇宙に存在する天体の起源や進化、また、宇宙で起こる現象などを理解する学問です。
宇宙の起源を探ることは我々の起源を探ることでもあり、最古の学問の一つと言われています。
以下に、天文学の主要な研究分野を紹介します。
分野 | 内容 |
銀河化学進化 | 銀河内での元素生成とその循環過程を研究。 星の寿命が尽きると、超新星爆発などを通じて元素が放出され、新たな星や惑星の形成につながる。 |
太陽系化学 | 太陽系内の惑星、衛星、彗星、隕石の化学組成を調査。 これにより、それぞれの形成条件や歴史を明らかにし、太陽系の進化を理解する。 |
宇宙塵と分子雲 | 宇宙空間に存在する塵や分子雲の化学的性質と役割を研究。 これらは星や惑星の形成に必要な物質を提供する。 |
宇宙における有機分子 | 宇宙での有機分子の生成過程とその存在可能性を探る。 有機分子は生命の基本的な構成要素であり、生命の起源を理解するための鍵となる。 |
これらの研究で、宇宙の始まりや生命の謎を解き明かす手がかりを得ます。
宇宙物理学
宇宙物理学は、宇宙の起源を理解するための学問分野です。
具体的には、宇宙に存在する天体や宇宙で発生する現象を、物理学の法則や理論を用いて研究します。
以下に、宇宙物理学の主要な研究分野を紹介します。
分野 | 内容 |
宇宙の元素合成 | ビッグバンと星内部での元素生成過程を研究。 ビッグバンによって生成された水素とヘリウムが、星の内部での核融合反応によってより重い元素に変換されます。 この過程は、宇宙の化学的進化を理解するために重要です。 |
宇宙線とその影響 | 宇宙線が物質に与える影響とその化学反応を解析。 宇宙線は、宇宙から地球に降り注ぐ高エネルギーの粒子であり、地球上の物質に影響を与えます。 宇宙線が地球や他の天体の物質に衝突すると、化学反応が引き起こされ、新たな化合物が生成されることがあります。 |
宇宙の進化 | 宇宙の膨張、銀河の形成、ダークマターとダークエネルギーの役割を探ります。 宇宙の膨張は、ビッグバン理論に基づき、宇宙が時間とともにどのように変化しているかを示します。 ダークマターとダークエネルギーは、宇宙の質量とエネルギーの大部分を占めており、宇宙の構造と進化に深い影響を与えます。 |
星間物質の化学 | 星と星の間の空間に存在する物質の化学組成と反応を調査。 星間物質は、ガスやちり、分子雲などから成り、これらの物質が星や惑星の形成に重要な役割を果たします。 星間物質の研究は、星形成のメカニズムを理解するために欠かせません。 |
ブラックホールと中性子星 | ブラックホールと中性子星が周囲の物質に与える影響とその物理学的性質を研究。 ブラックホールと中性子星は、非常に強い重力を持つ天体であり、周囲の物質に大きな影響を与えます。 これらの天体が近くの物質を引き寄せることで、強い放射やエネルギーの放出が観測されます。 |
これらの研究を通じて、宇宙がどのように始まり、進化したのかを理解し、我々が住む世界の理解を深めます。
惑星科学

惑星科学は、地球を含む惑星やその衛星の構造、起源、進化を研究する分野です。
惑星科学は、惑星の形成やその環境、化学組成を理解するために重要な役割を果たします。
以下に、惑星科学における主要な研究分野を紹介します。
分野 | 内容 |
惑星の形成 | 惑星がどのようにして形成されるかを研究します。 星周りの原始惑星系円盤の中で塵が集まり、天体へと成長します。 この過程は数百万年にわたり、惑星のコアやマントル、地殻が形成されます。 惑星の形成メカニズムを理解することは、太陽系や他の惑星系の進化を理解する上で重要です。 |
惑星の内部構造 | 惑星内部の層構造や物理特性を解析します。 地殻、マントル、コアの層構造は、地震波や磁場データ、重力場の測定を通じて明らかにされます。 例えば、地球のコアは鉄とニッケルから成り、マントルはシリコンや酸素などの元素で構成されています。 内部構造の研究は、惑星の形成史や熱進化を理解する上で重要です。 |
惑星の表面地質 | 惑星の地形、鉱物、地質構造を調査します。 例えば、火星の表面には峡谷や火山、氷河の痕跡が見られます。 これらの地質構造を調査することで、惑星の地質活動や歴史、さらには水の存在などを明らかにすることができます。 表面地質の研究は、惑星の進化や環境変動を理解するために重要です。 |
惑星の大気 | 惑星の大気組成、気候、天候を研究します。 地球の大気は主に窒素と酸素で構成されていますが、他の惑星の大気は異なる組成を持ちます。 例えば、金星の大気は二酸化炭素が主成分であり、高温高圧の環境を形成しています。 大気の研究は、惑星の気候変動や気象現象、さらには生命の可能性を探る上で重要です。 |
衛星と環の科学 | 惑星の衛星や環の化学組成と動態を研究します。 例えば、土星の環は氷と塵の粒子で構成され、これらの粒子の動きや起源を研究します。 また、木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドゥスは、地下に液体の海を持つ可能性があり、生命の存在の可能性を探る上で注目されています。 衛星と環の科学は、惑星系全体の理解を深めるために重要です。 |
惑星科学は、惑星やその衛星の構造、起源、進化を理解するための重要な分野です。
この分野を学ぶことで、惑星系の進化と環境の多様性について深い理解を得ることができます。
宇宙生物学
宇宙生物学は、地球外生命の可能性などを研究する学問分野です。
そのために地球の生命の起源や進化、分布についても研究します。
以下に、宇宙生物学における主要な研究分野を紹介します。
分野 | 内容 |
地球外生命の探索 | 他の惑星や衛星での生命存在の可能性を探ります。 火星や木星の衛星エウロパ、土星の衛星エンケラドゥスなど、液体の水が存在する可能性がある天体への探査ミッションでは、生命の痕跡を探すためにサンプル収集や分析が行われています。 |
生命の起源 | 生命がどのようにして始まったかを研究します。 地球上の生命は、約40億年前に化学反応によって有機分子が形成され、それが集まって初期の生命体となったと考えられています。 この過程を理解するために、原始地球の環境を再現した実験や宇宙空間での化学反応を研究します。 |
極限環境生物学 | 過酷な環境下で生存する生物(極限環境微生物)の研究を行います。 高温、高圧、強酸性、強放射線などの極限環境でも生存する生物の研究は、生命の適応能力を理解する上で重要です。 これらの研究は、地球外生命の可能性を探る際にも役立ちます。 |
宇宙環境の影響 | 宇宙空間が生物に与える影響を調査します。 無重力、宇宙放射線、真空などの環境が、生物の健康や遺伝子に与える影響を研究します。 宇宙飛行士や微生物を対象とした実験を通じて、長期宇宙探査での健康管理にも役立てられます。 |
宇宙探査と生命 | 探査機を用いて生命の痕跡を探ります。 火星探査機や木星・土星の衛星探査機は、生命が存在する可能性のある場所を探し、その化学的な痕跡を分析します。 これにより、地球外生命の存在可能性について新たな知見が得られます。 |
これらの研究を通じて、地球外生命の可能性や生命の起源についての理解を深めていきます。
宇宙工学

宇宙工学とは、宇宙空間の探査や利用を目的とした機器や技術の開発を行う学問分野です。
具体的には、人工衛星やロケット、宇宙ステーションなどの設計・製造・運用するための知識や技術を身につけます。
宇宙工学の主要な研究分野について紹介します。
分野 | 内容 |
システム工学 | 惑星探査機や人工衛星などの宇宙機の航行、誘導、制御や、ロケットなどの飛翔体システムの研究を行います。 これにより、各プロジェクトに基づく、システムの要件を策定したり、設計したりします。 また、各部品や技術の統合などの役割も担います。 |
材料工学 | 宇宙空間の環境に耐えられる材料や電子部品、構造材の開発について研究を行います。 宇宙空間は、地球とは異なる過酷な環境です。 例えば、真空、無重力、高エネルギー放射線などが挙げられます。 このような環境下で耐えられる特別な特性を持つ材料の研究を行います。 |
推進工学 | 燃料燃焼による推進や電気推進、核推進などの推進技術や、ジェットエンジンなどの研究を行います。 この研究を通じて、ロケットの打ち上げや再突入、人工衛星の機動制御などを効率的かつ安全に運用することを目指します。 |
構造工学 | ロケットや人工衛星などの飛翔体や宇宙ステーションなどの構造物の強度や軽量化を研究します。 これらの宇宙関連構造物が、地球とは異なる過酷な宇宙空間や打ち上げ時の負荷に耐え、機能することを目指します。 |
流体力学 | 航空機や宇宙機が受ける渦や衝撃波などの空力特性や、エンジンの燃焼などの推進システムについて研究を行います。 流体力学は、ロケットの推進から宇宙基地の維持システムまで、多岐にわたって活用されます。 また、流体力学は空気や水を取り巻く力学を扱う学問であるため、宇宙科学のみならず、機械工学や船舶工学など、幅広い学問分野で活用されます。 |
宇宙工学は、宇宙科学の軸となる、宇宙探査に欠かせないものであり、人類の宇宙開発を支える学問です。
宇宙気象学
宇宙気象学とは、地球や宇宙空間に影響を与える太陽活動について研究する学問分野です。
以下に宇宙気象学における主要な研究分野について紹介します。
分野 | 内容 |
太陽風 | 地球の磁場に影響を与える太陽風について研究します。 太陽風とは、太陽から噴き出すプラズマのガスであり、これが地球磁場と相互作用を及ぼすことで、地球の磁場が大きく減少する磁気嵐が起こります。 |
太陽フレア | 人工衛星を破壊しうる太陽フレアについて研究します。 太陽表面では、フレアと呼ばれる爆発が起こっており、太陽放射線やX線、高エネルギー放射線などが発生します。 これらは、人工衛星などに影響を与え、機能停止や電波障害などを引き起こします。 |
オーロラ | 太陽風が地球の磁気圏を見出した際に発生する放電である、オーロラについて研究します。 オーロラとは、地球に突入する電子と地球大気との衝突で発生する大気の発光現象です。 大きなオーロラが発生した際には、その上空を飛翔している人工衛星が異常状態になります。 |
放射線帯粒子 | 非常に高いエネルギーを持つ粒子である放射線帯粒子について研究します。 これは、オーロラになれなかったプラズマが、さまざまなエネルギーを受けたものであり、人工衛星だけでなく、宇宙飛行士へも悪影響を与えます。 |
これらの宇宙での現象は宇宙天気と呼ばれます。
宇宙天気は、人工衛星や宇宙ステーションに影響を与えるだけでなく、飛行機やGPSなどにも影響を与えるため、実生活にも影響のある現象です。
宇宙科学を学べる学部学科は?

宇宙科学について学ぶことができる学部学科の例は以下の通りです。
- 理学部天文学科
- 理学部地球惑星学科
- 理学部物理学科
- 工学部航空宇宙工学科
このように、宇宙科学を総合的に学ぶことができる学部学科はなく、天文学や宇宙工学など、宇宙科学の特定の分野について学ぶことができる学部学科となっています。
自分が、宇宙科学の中でも、どのような分野に興味関心があるのかによって、学部学科選びが変わってきます。
参考記事:理学部とはどんな学部?
参考記事:工学部とはどんな学部?
学べる学校は?大学の一例

宇宙科学を学べる大学の具体例は以下の通りです。
- 東京科学大学 理学院 地球惑星科学系
- 早稲田大学 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科
- 京都産業大学 理学部宇 宙物理・気象学科
それぞれ見ていきましょう。
東京科学大学 理学院 地球惑星科学系
東京科学大学理学院の地球惑星科学系は、主に惑星科学分野について学べます。
そのため、地球の起源や進化について、科学的に探究する学科となっています。
東京科学大学地球惑星科学系のカリキュラム・ポリシーは以下の通りです。
本系では,「ディプロマ・ポリシー(修得する能力)」を身につけるために,次のような内容の学修を行う。
A)講義・演習から構成される授業を通して,地球惑星科学を学ぶための基礎的学力を向上させる学修
B)野外巡検・観測・室内実験を通して,地球・惑星・宇宙の諸現象を体感する学修
C)理論・数値シミュレーションを通して,地球・惑星・宇宙の諸現象を再現する学修
D)最先端の成果を含む専門科目を通して,地球・惑星・宇宙の諸現象を理解する学修
E)主体的な取り組みを通して,英語によるコミュニケーション力を向上させる学修
引用元:東京科学大学地球惑星科学系の教育ポリシー
東京科学大学は、2024年10月1日に、東京工業大学と東京医科歯科大学が統合してできた大学です。
最難関大学の一つであり、その学習環境や研究環境も日本トップレベルです。
早稲田大学 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科

早稲田大学基幹理工学部の機械科学・航空宇宙学科は、機械工学の基本となる4力学(材料工学、流体力学、熱力学、機械力学)を基盤とし、航空宇宙工学分野について学ぶことができる学科です。
早稲田大学の機械科学・航空宇宙学科のカリキュラム・ポリシーは以下の通りです。
機械科学・航空宇宙工学を学ぶ上で必須となる知識を修得する基礎科目から、専門知識を応用してシステム化する能力を修得する発展科目までを幅広く設置する。材料力学、流体力学、熱力学、機械力学を始めとする基礎力学科目と、実験、実習、設計・製図に代表される実学科目を共に必修科目として履修することで、工学上の諸問題を解決するための基礎知識や解析能力、思考力を涵養する。また、機械科学および航空宇宙工学の広範囲に及ぶ選択科目を多数配置し、幅広い工学知識の習得を目指す。さらに、最終学年では各専門分野での最先端研究に携わる卒業論文研究に着手することにより、学習した基礎知識を応用して諸問題を多面的かつ論理的に考える能力、課題を発見して問題解決を図る能力、プレゼンテーション・コミュニケーション能力を育成する。
引用元:早稲田大学基幹理工学部機械科学・航空宇宙学科のカリキュラムポリシー
早稲田大学には、戦前から戦時中にかけて航空機科があったことから、航空宇宙工学分野の深い歴史があります。
そのため、企業や研究機関との連携も強く、インターンシップや共同研究を通じて実務経験を積むこともできます。
京都産業大学 理学部 宇宙物理・気象学科
京都産業大学理学部の宇宙物理・気象学科は物理学を基礎とし、惑星大気や宇宙空間における物理現象について学べる学科です。
そのため、宇宙物理学や宇宙気象学に興味のある方におすすめです。
京都産業大学宇宙物理・気象学科の教育内容は以下の通りです。
専門教育科目は、基礎となる数学・物理学を修得した上で、宇宙物理学・気象学の導入科目、宇宙物理学・気象学の専門科目、そして専門分野毎に異なった課題に取り組む特別研究(卒業研究)へとつながります。これは、幅広い知識を身につけながら、緩やかに専門分野を絞り込み、より専門性が高く実践的な科目へと、徐々に学びを深化させていくための教育課程となっています。宇宙物理・気象学科では、特に専門分野の講義科目や実践的な科目の多彩さに特徴があり、最新のデータや研究機関との連携による、専門性の高い学びの指導を行います。
共通教育科目では、京都産業大学のカリキュラム・ポリシーで定めたとおり、「人間科学教育科目」、「言語教育科目」、「体育教育科目」、「キャリア形成支援教育科目」に区分して授業を開講し、ディプロマ・ポリシーにある目標に近づくために必要となる幅広い教養を身につけることを目的とする指導を行います。
引用元:京都産業大学宇宙物理・気象学科の教育内容
京都産業大学の宇宙物理・気象学科は、私立大学最大の望遠鏡を用いた観測実習や、NASAやJAXAのミッションに参加することができるなど、実践的かつハイレベルな研究ができることも特徴です。
宇宙科学を学ぶことで取得しやすい資格とは

宇宙科学での学びが取得につながるような資格にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、宇宙科学での学びが取得につながるような資格を紹介します。
資格名 | 概要 | 取得のメリット |
技術士(航空・宇宙部門) | 大気圏や宇宙空間を飛行する科学技術に関する高度な応用能力を持つ技術者として認定される国家資格 | 高度な専門性の証明、コンサルタント業務の独立開業が可能 |
気象予報士 | 気象に関する専門知識を持ち、気象または地象の予想を的確に行うことができる能力を持つ者として認定される国家資格 | 気象予報士になるためには必須、気象関連の仕事に就く際に有利 |
航空無線従事者(航空無線通信士・航空特殊無線技士) | 航空関係の無線設備の操作や保守を行う者として認定される国家資格 | 航空管制や航空機・航空局に施設する無線設備の国内通信の操作のために必要 |
これらの資格は、宇宙科学での学びが試験科目の一部になっているなど、宇宙科学の各分野で学ぶことで取得しやすくなっています。
卒業後の進路は?進学・就職先・職業

宇宙科学を学べる大学を卒業した人の進路は2つです。
- 大学院に進学
- 就職
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大学院に進学
宇宙科学を学ぶことができる、理学分野、工学分野の大学院進学率は高いです。
実際に、文部科学省の調査によると、令和5年度の大学院進学率を見ると、全体が11.0%であるのに対し、理学分野は41.8%、工学分野は36.4%となっています。
参照元:分野別大学院進学率の推移
大学院に進学することのメリットは2つあります。
- 研究をさらに深められる
- 専門職に就くことができる
それぞれ解説します。
研究をさらに深められる
大学院に進学することで、学部時代の研究をさらに深めることができます。
それにより、さらなる専門知識の習得や、自身の好きなテーマの研究を深めることができます。
専門職に就くことができる
大学院で、さらに専門的な知識を身につけることで、研究者などの専門職に就くことができるようになります。
研究者などの専門職は、学部卒ではなることができず、大学院卒業が必須である場合がほとんどです。
就職
宇宙科学分野を学んだ方は、幅広い業界で受け入れられ、その就職先業界や企業も多岐にわたります。
これは、宇宙科学の各分野を学ぶための基礎である、工学的知識や理論数値解析などの論理的思考力などが、幅広い業界で評価されるためです。
また、民間の企業だけでなく、研究機関への就職が見られることも、宇宙科学分野の特徴です。
以下の表は、早稲田大学機械科学・航空宇宙学科の2020年度の主な就職先になります。
分野 | 企業名 |
機械 | ・IHI ・いすゞ自動車 ・川崎重工業 ・小松製作所 ・スズキ ・SUBARU ・住友重機械工業 ・デンソー ・トヨタ自動車 ・日産自動車 ・日立製作所 ・ブリヂストン ・本田技研工業 ・マツダ ・三菱重工業 |
電気・精密機器 | ・キーエンス ・キヤノン ・京セラ ・シャープ ・セイコーエプソン ・ソニー ・東芝 ・富士通 ・パナソニック ・三菱電機 ・リコー |
鉄鋼・金属 | ・JFEスチール ・大同特殊鋼 ・東京製鐵 ・日本製鉄 ・三菱マテリアル |
化学・素材 | ・旭化成 ・東レ ・三菱ガス化学 ・三菱ケミカル |
情報・通信・サービス業 | ・アクセンチュア ・NTTデータ ・デロイトトーマツコンサルティング ・野村総合研究所 |
運輸 | ・東海旅客鉄道 ・東日本旅客鉄道 ・全日本空輸 ・日本航空 |
電気・ガス・水道・エネルギー | ・関西電力 ・JXTGエネルギー ・中部電力 ・東京ガス ・北陸電力 |
金融・保険 | ・ソシエテ・ジェネラル証券 ・ドイツ証券 ・東京海上日動あんしん生命保険 ・みずほフィナンシャルグループ |
国立研究所 | ・AIST(産業技術総合研究所) ・NAOJ(国立天文台) ・JAXA(宇宙航空研究開発機構) ・NIMS(物質・材料研究機構) |
参照元:早稲田大学機械科学・航空宇宙学科卒業後の進路(2020年度)
このように、宇宙科学を学んだ方は、卒業後、宇宙分野に限らず、幅広い業界で活躍しています。
宇宙科学を学ぶのに向いている人の特徴

宇宙科学を学ぶのに向いている人には、以下の特徴があります。
特徴 | 説明 |
宇宙への強い興味と好奇心がある | 宇宙そのものやその成り立ち、現象に対する強い興味と好奇心を持っている。 |
科学的な思考力と分析力を持っている | 観測データの解析や理論の構築に必要な科学的な思考力とデータを正確に分析する能力がある。 |
数学と物理の基礎知識がある | 宇宙科学は高度な数学と物理の知識を必要とするため、これらの基礎科目が得意である。 |
忍耐力と探究心を持っている | 長い時間をかけて研究を続ける忍耐力と、粘り強く探究心を持って研究に取り組める。 |
チームワークとコミュニケーション能力がある | 大規模なチームでの研究が多いため、チームワークを大切にし、他の研究者と効果的にコミュニケーションを取る能力がある。 |
技術への興味と適応力がある | 観測機器やシミュレーションソフトウェアなどの技術を使いこなす能力が求められる。新しい技術に興味を持ち、それを学び、適応することができる。 |
創造力と問題解決能力がある | 未知の問題や新しい課題に対して、創造的に考え、解決策を見つける能力が重要である。 |
これらの特徴を持つ人は、宇宙科学の研究においてその才能や好奇心を最大限に発揮することができるでしょう。
よくある質問と回答

宇宙科学に興味がある人がよく抱く疑問とその回答を記載していきます。
宇宙科学の研究成果はどのように応用されますか?
宇宙科学の研究成果は、技術革新や新素材の開発、宇宙探査の進展に応用されます。
例えば、人工衛星による通信技術や気象予測の精度向上、GPSシステムの発展などがあります。
また、宇宙で得られた知識は、地球環境の理解や災害予測にも役立つだけでなく、医療分野では、無重力環境での人体研究が健康維持や治療法の開発に寄与しています。
このように、宇宙科学の研究成果は、さまざまな形で私たちの生活を豊かにします。
宇宙科学を学ぶにはどのような勉強をする必要がありますか?

宇宙科学を学ぶには、数学や理科の基礎科学について勉強する必要があります。
さらに、英語力を身につけておくことも重要です。
以下に、各教科の重要性についてまとめます。
教科 | 重要性 |
数学 | 数値解析や理論モデル構築の基礎となります。 宇宙科学のすべての分野において必要となる知識です。 |
物理 | 宇宙における物理法則を理解する上で必要となります。 例えば、重力や電磁気などが挙げられ、宇宙物理学や宇宙工学、宇宙気象学分野では特に重要です。 |
化学 | 宇宙物質の性質や反応を理解するために必要です。 天文学や宇宙物理学分野では特に重要となります。 |
生物 | 生命の起源や地球外生命の可能性を理解するために必要であるため、宇宙生物学分野では重要です。 |
地学 | 地球の組成や惑星の理解に必要です。 天文学や惑星科学分野では特に重要となります。 |
英語 | 宇宙科学はアメリカで最も進んでいるため、英語で書かれた論文を読むために必要となります。 また、英語で発信する力も身につけ、学会で成果を発表できるようになることも重要です。 |
理科の各教科(物理・化学・生物・地学)は宇宙科学の中でも、どの分野に興味があるのかに合わせて、学ぶものを選択する必要があります。
自身の興味関心に合わせて、数理科目の学習に励みましょう。
宇宙科学は文系でも学べますか?
宇宙科学は文系の学生でも学ぶことはできます。
しかし、宇宙科学を学ぶための勉強でもあげました通り、数理科目の理解が必須となる学問分野です。
そのため、文系学生が宇宙科学を学ぶためには、数理科目の学力を高める必要があります。
文系の学生でも宇宙科学を学ぶことはできるため、興味がある方は、数理科目の学力向上に努めましょう。
まとめ

本記事では、宇宙科学とは何か、学ぶ内容や卒業後の進路などについて解説しました。
最後に解説した中でも、宇宙科学に関する重要なポイントをおさらいします。
- 宇宙科学は宇宙の構造、起源、進化を研究する学問分野である
- 主な研究分野には天文学、宇宙物理学、惑星科学、宇宙生物学、宇宙工学、宇宙気象学がある
- 宇宙科学の中でも興味のある分野に合わせて学科を選ぶ必要がある
- 卒業後の進路は、大学院進学や機械、電気、鉄鋼、運輸、情報、通信に関わる業界など多岐にわたる
当記事を通して、宇宙科学についての全体像を理解していただければ幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。