作成日: 2025/3/07 更新日:2025/3/07
公募推薦入試で受かりやすい大学とは?関東・関西のおすすめ大学も!

公募推薦入試を利用して大学進学を目指すあなたにとって、受かりやすい大学を見つけることは、合格可能性を高める上で重要です。
しかし、どの大学の公募推薦入試が自分に合っているのか、どのように、受かりやすい大学を選べば良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、公募推薦入試で受かりやすい大学の特徴を解説し、関東・関西のおすすめ大学を紹介します。
この記事でいう「受かりやすい大学」とは、「同じ大学の一般入試と比べて競争が激しくない」「対策がしやすい」「合格可能性が高い」といった意味で解説します。決して学力レベルが低いという意味ではなく、「自分の特徴や強みをアピールしやすい」「一般入試と比べて倍率が落ち着いている」など、より戦略的に合格を目指しやすい大学・学部を紹介していきます。
上智大学や学習院大学といった関東の名門大学から、関西大学や同志社大学といった関西の人気大学、さらに、国公立大学の公募推薦入試の情報まで幅広く網羅しています。
この記事を読むことで、あなたに合った受かりやすい大学を見つけるヒントが得られ、効率的な受験対策が可能になります。
最後まで読んで、公募推薦入試で受かりやすい大学を選べるようにしていきましょう。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
公募推薦入試で受かりやすい大学の特徴と選び方とは?

大学のレベルが高いほど入試難易度は高くなるものです。しかし、大学や学部・学科の出願条件や試験内容をチェックすると、同じレベルの大学の中でも受かりやすいところが絞られていきます。
公募推薦入試で受かりやすい大学を選ぶ際には、次の特徴を基に選択することが重要です。
条件 | 詳細 |
倍率が低い | 大学の募集枠の多さや受験者数を調べ、合格率が高い学校を見つけましょう。倍率が低い大学を選ぶことで、受験の難易度を下げることができます。 |
出願のハードルが低い | 出願条件で評定平均を課していない、または評定基準が低い大学は、出願条件がゆるいため受かりやすい可能性があります。自分の学力に合った大学を選ぶとよいでしょう。 |
試験対策がしやすく受験の負担が少ない | 自分と相性の良い選抜内容(例:面接重視、書類選考のみ)や、二次選抜の負担が少ない大学を選ぶと、効率的に試験対策を立てやすくなります。対策がしやすい大学を選ぶことで、余裕を持った受験が可能です。過去の合格者のデータや出題傾向を把握することで上記3つの条件を満たすか総合的に判断し、自分に最適な大学を選びましょう。 |
公募推薦入試で受かりやすい関東の私立大学

関東地域には多くの私立大学が存在するので、公募推薦入試を通じて関東の私立大学を目指す受験生にとって、選択肢が多く存在します。
その中でも、受験生に人気のある、公募推薦入試で特に受かりやすい大学をいくつかご紹介します。
上智大学 神学部・外国語学部(ポルトガル語学科)・文学部(英文学科/ドイツ文学科)
上智大学の公募推薦入試は全学部・学科で実施されており、学部・学科によって倍率や選考内容が千差万別です。
中でも倍率が低くなっているのは、次の学部・学科です。
学部(学科) | 倍率 |
神学部 | 1.3 |
外国語学部(ポルトガル語学科) | 1.0 |
文学部(英文学科) | 1.0 |
文学部(ドイツ文学科) | 1.1 |
参照元:上智大学 2024年度 入学試験データ 特別入学試験 志願者・合格者数一覧
難関大学のため出願条件はかなりハイレベルですが、出願条件をクリアできれば合格も夢ではありません。
学習院大学 理学部(化学科・数学科)
学習院大学の理学部も公募推薦入試では狙い目です。2024年度の倍率は学部全体で1.9倍であり、中でも化学科は1.7倍、数学科は1.6倍と低めです。
学科 | 倍率 |
物理 | 2.0 |
化 | 1.7 |
数 | 1.6 |
生命 | 2.5 |
出願には評定平均4.0以上(かつ数学科は数学4.1以上)が必要ですが、出願基準を満たしているならば比較的合格しやすいと言えます。
公募推薦入試で受かりやすい大阪・関西の私立大学

大阪・関西の私立大学を受験する多くの受験生にとっても、公募推薦入試は魅力的な選択肢となっています。その中でも、公募推薦入試で受かりやすい大学として特に注目されているおすすめの大学をご紹介します。
関西大学 環境都市工学部
関西大学で公募推薦入試を実施しているのは、商学部、システム理工学部、環境都市工学部、化学生命工学部の4学部です。
2024年度は倍率1.0〜2倍の学科がほとんどであり、中でも環境都市工学部は、都市システム工学科が1.2倍、エネルギー環境・化学工学科が1.0倍と倍率が低くなっています。
学部 | 学科 | 合格者数 | 受験倍率 |
商 | 商 | 15 | 1.9 |
システム理工 | 数 | 3 | 1.7 |
物理・応用物理 | 7 | 1.9 | |
機械工学 | 8 | 2.0 | |
電気電子情報工学 | 6 | 2.2 | |
環境都市工学 | 都市システム工学 | 11 | 1.2 |
エネルギー環境・化学工学 | 5 | 1.0 | |
化学生命工学 | 生命・生物工学 | 5 | 4.2 |
化学・物質工学(専願) | 21 | 1.5 | |
化学・物質工学(併願) | 16 | 1.4 |
参照元
関西大学 入試情報 2024年度 公募制推薦入試(商学部)
(システム理工学部|環境都市工学部|化学生命工学部)
学部・学科ごとに細かい出願基準が設けられており、出願に際して評定平均や資格取得などが求められます。
学部 | 学科 | 評定(以上) | 検定試験(以上) |
商 | 商 | 4.0 | 簿記2級かつ英検2級 |
システム理工 | 数 | 数学4.5かつ国語4.0 | ー |
物理・応用物理 | 英語、数学、理科の通算3.5 | ||
機械工学、電気電子情報工学 | 英語、数学、理科の通算4.0 | ||
環境都市工学 | 都市システム工学 | ||
エネルギー環境・化学工学 | 英語、数学、理科の通算3.5 | ||
化学生命工学 | 生命・生物工学 | ||
化学・物質工学 |
しかし、試験内容は筆記試験(商学部は小論文)と面接のみと対策しやすいので、出願資格を満たせる場合はチャレンジしてみると良いでしょう。
参照元
2025年度 関西大学 学校推薦型選抜 商学部公募制推薦入学試験 入学試験要項
システム理工学部・環境都市工学部・化学生命工学部 公募制推薦入学試験 入学試験要項
同志社大学 文学部(英文学科)
同志社大学では、次の学部で公募推薦入試を実施しています。
- 神
- 文
- 社会
- 文化情報
- 理工
- グローバル地域文化
参照元:同志社大学 2025年度 入学試験要項
中でも、文学部は倍率が低く、英文学科の倍率は1.3倍でした。
参照元:同志社大学 2024年度 推薦選抜入学試験・自己推薦入学試験(公募制)志願者・受験者・合格者数
出願に際して全体の評定平均4.0以上かつ英語が4.1以上、TOEIC600点以上などの出願基準をクリアする必要があります。しかし、試験は標準的なもののため、出願条件を満たせれば、そこまで難易度は高くないでしょう。
公募推薦入試で受かりやすい国公立大学

国公立大学のうち、公募推薦入試で受かりやすい大学としておすすめなのは、お茶の水女子大学の文教育学部(言語文化学科)と高崎経済大学の経済学部です。
お茶の水女子大学 文教育学部(言語文化学科)
お茶の水女子大学では、文教育学部・生活科学部・共創工学部で公募推薦入試を実施しています。
このうち、生活科学部は倍率14.2倍、共創工学部は倍率4.0倍と倍率が高いですが、文教育学部は倍率が3.5倍であり、他学部に比べて倍率が低くなっています。
中でも、言語文化学科の倍率は1.8倍と比較的低めの倍率になっています。
参照元:お茶の水女子大学 令和7年度学校推薦型選抜、帰国生徒・外国学校出身者特別選抜、高大連携特別選抜実施状況
出願には調査書の学習成績概評がAである必要があります。しかし、試験は小論文・面接(口述試験を含む)という一般的なものであり、共通テストも不要です。
そのため、共通テストなしで国立大学に合格したいならおすすめです。
参照元:お茶の水女子大学 令和7年度 学校推薦型選抜、帰国生徒・外国学校出身者特別選抜募集要項
高崎経済大学 経済学部(全国推薦)
高崎経済大学では、公募推薦入試の定員を100名と多めに設定しており、うち50名を全国推薦という区分に割り当てています。出願資格は、卒業見込み・学校長からの推薦・専願のみと緩くなっています。
また、試験は英語・小論文・面接のみであり、共通テストも免除されますが、倍率は2.0倍と低めになっています。
参照元
高崎経済大学 経済学部 2025年度(令和7年度)学校推薦型選抜 学生募集要項
そのため、公立大学の中でも受かりやすい大学と言えるでしょう。
効果的な準備方法

公募推薦入試で合格を目指すためには、合格率を上げるための戦略的な準備が不可欠です。合格に向けた総合的な準備方法として、次の対策を徹底的に行うことが重要です。
対策 | 詳細 |
評定平均を高くする | 公募推薦入試では、学校の成績として評定平均を特に重視されます。 |
英検などを取得する | 大学では英語力が不可欠なので、どの大学でも英検などのスコアは重要な評価ポイントです。 |
探究学習に注力する | 志望する学部・学科に関連する探究学習を深めることで、志望理由が深まります。 |
部活動などの課外活動で優秀な成績を収める | 課外活動の実績があると、人物評価において高評価に繋がります。 |
大学や学部・学科の研究をする | 志望大学の募集要項を詳しく読み、求められる書類や試験内容、選考方法を把握しましょう。 |
自己推薦書や志望理由書の質を高める | アドミッションポリシーを踏まえ、自分の強みや志望動機を書類で具体的に述べることが求められます。 |
面接の対策をする | 過去の質問例を参考にしながら回答を作り込み、自己PRや志望理由、自分の考えをしっかりと明確に伝えられるように練習を積むことが重要です。 |
小論文の対策をする | 論理的な構成と自分の意見をしっかりと主張することが求められます。 |
学力試験の対策をする | 出題傾向を分析し、頻出分野を重点的に学習しましょう。模擬試験を利用して時間配分や問題の解き方を身につけることも効果的です。 |
体調管理 | 規則正しい生活を心がけ、試験日にベストコンディションで臨めるよう準備を整えましょう。 |
このような準備や受験対策を通じて、公募推薦入試での合格を勝ち取りましょう。
注意するべき点

ここでは公募推薦を受ける際に注意しておくべき点を紹介します。参考にしてください。
注意点 | 詳細 | アドバイス |
出願資格をしっかり確認する | 各大学ごとに異なる出願資格があり、評定平均や活動実績、参加する活動などの条件を満たしているか確認する必要がある。 | 条件を満たしていない場合は、今からできること(例:ボランティア活動や成績向上)に取り組む。 |
出願書類の準備に時間をかける | 書類選考が重要なため、履歴書、自己PR、活動報告書、志望理由書などを慎重に作成することが大切。特に自己PRや志望理由書は自分を魅力的に伝えるための重要な書類。 | 自己PRには、具体的な経験や成果、大学で学びたい内容を明確に記載する。何度も見直して、他人にフィードバックをもらう。 |
推薦基準を把握する | 大学ごとに求められる基準(学力、人物像、特定のスキルなど)が異なるので、それに合わせた対策を立てる。 | 大学の求める人物像を理解し、自分の強みをアピールできるように準備する。 |
面接対策を行う | 面接では自己紹介や志望動機、将来の目標などについて質問されることが多いため、事前に練習しておくことが大切。 | 模擬面接を行い、友人や先生にフィードバックをもらいながら自信をつける。具体的なエピソードを交えて話せるように練習する。 |
選考内容の変更に備える | 公募推薦の選考基準や内容は年度や大学によって変更されることがあるため、最新情報を確認し、対策を更新しておくことが重要。 | 大学の入試情報を定期的に確認し、最新の選考基準や試験内容に合わせて準備を調整する。 |
競争倍率に注意 | 公募推薦の倍率は大学や学科によって異なり、人気学科や大学では意外に高くなることも。競争状況を把握し、適切な対策を立てる。 | 競争倍率が高い場合でも焦らず、選考基準に合った強みをアピールする準備をしっかり行う。 |
締切を守る | 公募推薦には厳格な締切が設定されており、早めに準備を進めて締切日を過ぎないように注意。 | 出願書類の準備を余裕を持って進め、締切日の数日前には提出を完了させる。 |
予備校や学校のサポートを活用 | 受験に向けたアドバイスやサポートが受けられることがあり、公募推薦に特化したアドバイスを受けることで効果的な準備が可能。 | 進路指導や入試対策セミナー、個別指導を活用し、受験に向けたアドバイスをもらう。 |
併願の可不可を確認する | 併願の可否は大学や入試制度によって異なるため、志望校の併願に関するルールをしっかり確認することが重要。 | 志望校の併願に関するルールを確認し、スケジュールに支障がないかを確認しておく。 |
スケジュール管理 | 公募推薦試験の準備は計画的に進め、余裕を持って準備を進めることが大切。特に、試験や面接の練習、書類作成に時間をかける。 | 試験日までの期間を逆算して、必要な作業を計画的に進める。忙しくなる前に早めに準備を始める。 |
よくある質問

このセクションでは、受験生が抱える「公募推薦入試で受かりやすい大学に関する一般的な疑問」を解消するために、効果的な入試対策のポイントを解説します。
複数の大学・学部・学科を受けるべきか?
複数の大学や学部、学科を受験すると、合格のチャンスを増やすことができます。特に、競争が激しい大学や学部、学科の公募推薦入試を受ける場合は、不合格の可能性を考慮し、進路選択の幅を広げることが重要です。
ただし、志望先を増やしすぎると、それぞれの準備に集中できず、対策が不十分になりかねません。そのため、各大学の試験日程や選考基準を確認し、無理のないスケジュールを組むことが大切です。
公募推薦入試の併願については、以下の記事にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:公募推薦入試の併願とは?専願との違いや併願可能な大学の実例を紹介
総合型選抜入試で受かりやすい大学とは?

総合型選抜入試(AO入試)で受かりやすい大学選びのポイントは、基本的には公募推薦入試と同じです。その上で、あえてポイントを挙げるとすると、大学の求める人物像と自分の強みや経験が一致するかどうかです。
特に、大学が掲げる教育理念や独自のプログラムに共感できるかどうかが重要です。
なぜなら、大学の学風や教育理念が自身の志向に合っており、自分の特性を最大限に活かせる大学を選ぶと、志望理由が深いものになり、高評価を得やすくなるからです。
総合型選抜入試で受かりやすい大学については、以下の記事にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:総合型選抜入試(旧AO入試)で受かりやすい!倍率が低い大学などを紹介
公募推薦入試の受験対策に役立つ効果的な塾の選び方とは?
公募推薦入試での合格を目指す受験生にとって、適切な塾選びは非常に重要です。受験対策に役立つ塾の選び方として、次の点を参考にすることをお勧めします。
確認ポイント | 詳細 |
塾のカリキュラムが志望校の入試傾向に合っているか | 特に、志望する大学や学部に特化した対策をする塾は、入試問題の傾向や出題形式に精通しており、有効な学習方法を提供してくれます。 |
講師の質 | 経験豊富な講師が揃っている塾は、受験生一人ひとりの弱点を見極め、的確な指導を行うことができます。 |
個別指導の有無 | 個別指導塾は、より細やかな指導が期待でき、質問もしやすい環境が整っています。 |
過去の合格実績 | 実際に通っている生徒の口コミや評判を調べることで、塾の実際の雰囲気や成果を知ることができます。 |
これらのポイントを考慮して、自分に最適な塾を選び、効果的な受験対策を行いましょう。
公募推薦入試で受かりやすい大学に関するまとめ

この記事では、公募推薦入試で受かりやすい大学を選ぶ際のポイントや、受験生が押さえておくべき入試制度の基礎知識について解説してきました。
最後に、公募推薦入試で受かりやすい大学を選ぶ上で特に重要な点を再掲します。
- 募集枠の多さや受験者の数を調べ、倍率が低い大学を見つけましょう。
- 出願条件で評定平均を課していないなど、出願条件がゆるいかも確認しましょう。
- 自分と相性の良い選抜内容であったり、二次選抜でやることが少なかったりすると、試験対策がしやすく受験の負担が少ないです。
これらのポイントを押さえながら、過去の合格者のデータや出題傾向を把握することで、公募推薦入試で受かりやすい大学を選びましょう。
ここまでの内容を踏まえて自分に最適な大学や学部、学科を選び、志望校に合格するための一助となれば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。