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作成日: 2025/2/22 更新日:2025/2/22

公募推薦入試の併願とは?専願との違いや併願可能な大学の実例を紹介

公募推薦入試の併願とは?専願との違いや併願可能な大学の実例を紹介

公募推薦入試で受験しようとした場合、複数の大学の受験を検討する場合がありますが、そもそも併願とはどのようなものなのかという疑問が湧きますよね。

そこで本記事では、公募推薦入試の併願について、次の観点から具体的に詳しく解説していきます。

  • 専願との違い
  • 募集要項から見る併願可能かどうかの確認方法
  • 公募推薦入試で併願する際の注意点と合格率を上げるための戦略
  • 公募推薦入試で併願できる関東と関西の大学の実例

受験生がよく抱く疑問とその回答も掲載していますので、最後まで読み進めて公募推薦入試の入試制度についての理解を深めましょう。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

公募推薦入試の併願とは?

公募推薦入試の併願とは?

公募推薦入試は受験生が高校から推薦を受けて大学に出願する入試制度です。高校からの推薦を受けているため、合格後の入学辞退が認められていないことが多いです。

その一方で、合格後の辞退が認められている公募推薦入試もあります。

合格後の辞退が可能であると、志望校選定やスケジュール戦略を柔軟に設計することが可能になるので、受験生にとっては合格後の辞退が認められている公募推薦入試は魅力的です。

公募推薦入試と他の入試を併願する場合は、併願したい入試の募集要項を詳細に調べ、自分の希望する進路に最も適した選択をすることが求められます。

また、併願可能な大学のリストを作成し、それぞれの試験日程や条件を比較検討することも重要です。これにより、受験スケジュールを最適化し、無理なく受験を進めることができます。

専願と併願の違いとは?

専願と併願の違いとは?

受験戦略を立てる上では、専願と併願の違いを理解することが非常に重要です。専願の場合は、合格したら必ずその大学に入学することが出願の条件になります。

一方、併願の場合は、合格した場合でも入学の辞退ができるため、受験生にとっては選択肢が広がります。ただし、その分、専願が求められる入試よりも難易度が高くなっていることがあります。

このように、専願は特定の大学を第一志望として合格を目指す場合に有効であり、併願は複数の選択肢を持ちたい場合に適しています。そのため、どちらを選ぶかは、進路の希望に応じて判断する必要があります。

募集要項から見る併願可能かどうかの確認方法

募集要項から見る併願可能かどうかの確認方法

大学の募集要項の「出願資格」セクションに「専願とする」「併願を禁ずる」という旨の記載がある場合は、基本的には併願はできません。

また「合格した場合は入学を確約できる者」という旨の記載がある場合は、併願可能な他大学を併願することができますが、その大学に合格した場合は他大学を辞退する必要があります。

以上のような記載がない場合は、基本的には他大学と併願できますが、大学によっては同一大学内の学部・学科の併願に関する細かい規定が明記されていることがあります。

そのため、「出願資格」セクションに限らず隅々まで募集要項を確認することが重要です。

公募推薦入試で併願できる大学の実例

公募推薦入試で併願できる大学の実例

併願可能な大学を知ることは、受験戦略を立てる上で重要です。併願可能な大学は地域によって異なりますが、関東や関西の主要大学も多く含まれています。

例えば、関東では学習院大学、帝京大学、桜美林大学があり、関西では近畿大学、龍谷大学、摂南大学が代表的です。

各大学の入試サイトや募集要項を踏まえ、併願についてどのように捉えればいいのかを解説していますので、志望大学の併願制度について読み込む際の参考にしてください。

公募推薦入試で併願できる関東の大学①学習院大学

公募推薦入試で併願できる関東の大学①学習院大学

学習院大学の令和7(2025)年度公募推薦入試における各学部の募集要項には、次のような文言が記載されています。

対象学部
募集文章内の文言
法学部
学習院大学法学部政治学科を第一志望とし、合格した場合は入学を確約できる者。
経済学部
学習院大学経済学部を第一志望とし、合格した場合は入学を確約できる者。
文学部
本学部の志望学科で学ぶことに強い意欲を持ち、合格した場合は入学することを確約できる者。
理学部
本学で勉学・研究を行う強い意志を持ち、合格した場合に入学することを確約する者。
国際社会科学部

学習院大学国際社会科学部を第一志望とし、合格した場合は入学を確約できる者。

参照元:以下

学習院大学 令和7(2025)年度 法学部 学校推薦型選抜(公募制)学生募集要項

学習院大学 令和7(2025)年度 経済学部 学校推薦型選抜(公募制)学生募集要項

学習院大学 令和7(2025)年度 文学部 学校推薦型選抜(公募制)学生募集要項

学習院大学 令和7(2025)年度 理学部 学校推薦型選抜(公募制)学生募集要項

​学習院大学 令和7(2025)年度 国際社会科学部 学校推薦型選抜(公募制)学生募集要項

いずれの学部においても、合格した場合は入学を確約できるのであれば、他大学の受験はできるということになります。

つまり、学習院大学よりも志望度の低い大学・学部・学科の入試であれば併願しても構わない、ということになります。

ただし、併願先の大学の募集要項に「専願」や「合格を確約できる者」という記載がある場合は、併願先の大学に合格すると併願先の大学に入学する必要があるので注意しましょう。

なお、国際社会科学部については次の文言も記載されているので、併せて注意が必要です。

同一試験日の他の入試制度との併願及び本入試制度内での複数学科の併願はできません。
また、学校推薦型選抜(指定校)、総合型選抜(AO)との併願はできません。

引用元:学習院大学 令和7(2025)年度 国際社会科学部 学校推薦型選抜(公募制)学生募集要項

公募推薦入試で併願できる関東の大学②帝京大学

公募推薦入試で併願できる関東の大学②帝京大学

帝京大学は、関東圏における公募推薦入試で合格後の辞退が可能な大学の一つです。(医学部のみ合格後の辞退が不可となっています。)

参照元:帝京大学 入学試験要項 2025 総合型選抜 学校推薦型選抜 広域多摩地域密着型奨学選抜

そのため、他大学と併願することで、帝京大学を含む複数の大学への入学の可能性を広げることができます。

帝京大学の公募推薦入試では、評定平均だけでなく、面接や課題作文などを通じて総合的な人物評価を行うため、自己アピールの機会が豊富です。

入試日程や出願要件については年度ごとに変わる可能性があるため、最新の情報を確認するようにしましょう。

参照元:帝京大学 受験ガイド2025 総合型選抜 学校推薦型選抜 奨学特待生選抜 編

公募推薦入試で併願できる関東の大学③桜美林大学

公募推薦入試で併願できる関東の大学③桜美林大学

桜美林大学の2025年度公募推薦入試では、専願推薦と併願推薦から選抜方式を選択できます。

専願推薦は、桜美林大学を第1志望とし、合格後は必ず入学することを前提とした入試方式です。一方で、併願推薦は、他大学へ志願することも可能な制度です。

なお、併願で合格した後、所定の手続期間内に手続きがない場合、入学の意志がないものとみなされます。

参照元:桜美林大学 2025年度 学生募集要項

公募推薦入試で併願できる関西の大学①近畿大学

公募推薦入試で併願できる関西の大学①近畿大学

近畿大学は、関西圏で公募推薦入試を通じて併願が可能な大学の一つです。

同大学の公募推薦入試では、学部ごとに異なる試験科目や日程が設定されているため、受験を希望する学部の詳細を事前に確認することが重要です。

併願を考える際には、他大学との試験日程や科目の重複を避けるためのスケジュール管理が不可欠です。

そのため、事前に大学の募集要項をよく読み、必要な手続きを確認した上で、計画的に受験準備を進めることをお勧めします。

参照元:近畿大学 令和7年度 入学試験要項

公募推薦入試で併願できる関西の大学②龍谷大学

公募推薦入試で併願できる関西の大学②龍谷大学

龍谷大学では併願が可能であるため、他大学との併願を考慮しつつ、自分の興味や将来の進路に合った学部を選ぶことが求められます。

様々な入試方式があるため、自分に合った入試方式を選ぶことで合格可能性を高めることができます。

参照元:龍谷大学 2025年度 学生募集要項 公募推薦入試〔2教科型〕

公募推薦入試で併願できる関西の大学③摂南大学

公募推薦入試で併願できる関西の大学③摂南大学

摂南大学の2025年度学生募集要項には、専願や他の大学との併願について記載されていません。そのため、専願ではなく、他大学との併願も禁じられていないということになります。

なお、摂南大学の公募推薦入試には、調査書と適性検査のいずれかの成績を重視する方式があり、1日目と2日目で異なる学部・学科、あるいは、同一学部・学科を受験することも可能です。

これらの方式や出願パターンを考慮することで、合格可能性を高めることができます。

参照元:摂南大学 2025年度入試 学生募集要項

公募推薦入試で併願する際の注意点と合格率を上げるための戦略

公募推薦入試で併願する際の注意点と合格率を上げるための戦略

公募推薦入試で併願を考える際には、次の注意点を押さえておくことが大切です。

  1. 併願可能な大学をしっかりと確認し、それぞれの募集要項を熟読する
  2. 併願する大学の中でも志望順位を明確にし、優先度をつけた受験計画を立てる

併願が可能であっても、試験日が重なっていると受験できません。また、入学金の支払い期限によっては、入学金を重複して支払う必要が出てくるので、合格発表日と併せて確認する必要があります。

なお、複数の大学を併願する場合は、入試スケジュールを踏まえて各大学の対策にどれだけ時間を割くかを決めておくことが大切です。

出願校が増えるほど、1校当たりの対策に割ける時間は少なくなっていくので、より入念な学習計画を立てる必要が出てきます。

公募推薦入試の併願に関するよくある質問とその回答

公募推薦入試の併願に関するよくある質問とその回答

公募推薦入試の併願に関する受験生から頻繁に寄せられる疑問に対して、詳細かつ分かりやすく回答します。

総合型選抜入試と公募推薦入試は併願できるの?

総合型選抜入試と公募推薦入試は併願できるの?

併願可能な公募推薦入試を受ける場合は、総合型選抜と併願できます。

また、合格したら入学しなければならない公募推薦入試を受ける場合でも、合格後に入学を辞退できる大学の総合型選抜入試に出願する場合は、総合型選抜入試と併願できます。

ただし、公募推薦入試で合格した場合は、総合型選抜入試で出願している大学を辞退する必要があります。

なお、同一大学の公募推薦入試と総合型選抜入試の併願については、多くの場合は認められていますが、大学によっては、併願を認める条件や制限が設けられていることもあります。

そのため、希望する大学の最新の入試情報を確認し、計画的に受験戦略を立てることが重要です。

参考記事:総合型選抜の併願に関する特集ページ

公募推薦入試と一般受験は併願できるの?

公募推薦入試と一般受験は併願できるの?

一般受験は公募推薦入試の後に行われるため、公募推薦入試で不合格だった場合は一般受験にも出願できます。

また、専願で公募推薦入試に合格した場合は、入学を辞退できないため、一般受験の併願はできませんが、併願で公募推薦入試に合格した場合は、一般受験にも出願できます。

ただし、公募推薦入試の合格に伴う入学手続きの期限が一般受験の前に設定されている場合は、一般受験の前に入学金などを納める必要が出てくるので、入学手続きについて確認する必要があります。

こうした情報を基に、受験校の選定やスケジュール管理を行い、最適な受験戦略を立てましょう。

公募推薦入試を併願するメリットとデメリットとは?

公募推薦入試を併願するメリットとデメリットとは?

公募推薦入試を併願するメリットとしては、併願により複数の大学を受験できるため、それぞれの試験の形式や出題傾向に慣れることができる点が挙げられます。

また、受験機会を増やすことができるので、合格のチャンスが広がり、第一志望校に不合格だった場合でも、他の大学の合格の可能性を残すことが可能です。

合格の可能性が高まることで、精神的な余裕を持って試験に臨むことができる点もメリットと言えるでしょう。一方で、次のようなデメリットも存在します。

  1. 併願することで受験料が増加するため、経済的な負担が大きくなる
  2. スケジュールが過密になり、十分な対策ができないまま試験に臨むリスクがある
  3. 複数の大学に合格した場合、どの大学に進学するか決める際に迷いが生じ、進路選択が難航する可能性がある

これらのメリットとデメリットをしっかりと把握し、自分の受験戦略に合った選択をすることが重要です。

公募推薦入試の受験校数制限はあるの?

公募推薦入試の受験校数制限はあるの?

併願が可能な場合は、公募推薦入試に特定の受験校数の制限はありません。

ただし、同一大学の学部・学科の併願に関する特定のルールや条件が設けられている場合があるので、受験を希望する大学の募集要項をしっかりと確認することが重要です。

また、受験校数に制限がないからといって多くの大学に出願すると、試験日程が重なる可能性があるため、注意が必要です。計画的に受験校を選び、無理のないスケジュールを組むことが合格への第一歩となります。

公募推薦入試には何校程度出願するのが無難ですか?

公募推薦入試には何校程度出願するのが無難ですか?

公募推薦入試の併願校数は、受験の負担や合格の可能性を考慮すると、3校程度が無難です。3校程度であれば、試験準備の負担を軽減しつつ、合格のチャンスを広げることができます。

なお、自分の学力と志望度を考慮してバランスよく出願先を選ぶことはもちろん、各大学の試験日程が重ならないように事前にしっかりと確認しましょう。

試験日程が重なると、どちらかを諦める必要が出てくる可能性があるため、慎重なスケジュール管理が求められます。

また、受験料や移動費、宿泊費などの経済的な負担も計算に入れ、無理のない計画を立てることが大切です。併願校数を決める際は、以上の内容を踏まえて、どの大学の試験を受けるべきかをよく考えましょう。

私立大学と国公立大学で公募推薦入試の併願に違いはあるの?

私立大学と国公立大学で公募推薦入試の併願に違いはあるの?

国公立大学の公募推薦入試では、基本的に合格後の入学辞退が不可のケースが多いです。

そのため、より志望度が低い大学・学部・学科の入試であり、入学手続きの締切日が本命の国公立大学の公募推薦入試の合格発表日よりも後であれば併願することに意味があることになります。

この条件を満たさない場合でも試験を受けること自体はできることが多いですが、その場合は単なる場馴れのための練習ということになります。

なお、私立大学でも人気の大学を中心に合格後の入学辞退が認められないケースが存在します。

そのため、私立大学を受験する場合は志望する大学の要項をよく確認し、専願か併願かに応じた受験戦略を立てることが重要です。

入学金を払った後も辞退可能なの?

入学金を払った後も辞退可能なの?

併願可能な場合は入学金を支払った後に辞退することは可能ですが、多くの大学では、入学金は一旦支払うと返金されないケースが一般的です。

したがって、辞退を考えている場合は、事前に大学の規定を確認することが重要です。

また、辞退の手続きには期限が設定されていることが多く、その期限を過ぎると、さらに授業料の支払い義務が発生する場合もあります。

これによる無駄な出費を避けるためにも、早めの決断と手続きを心掛けましょう。

公募推薦入試において併願する場合は、他の大学の合格発表を待ってから進学先を決定することが考えられますが、その際も各大学の辞退規定をしっかりと確認し、慎重に判断することが求められます。

そのため、最終的な進学先を決める際には、経済的な負担を軽減するためにも、入学金の支払いや辞退についての情報を十分に集めることが賢明です。

まとめ

まとめ

本ページでは、公募推薦入試の併願について詳しく解説しました。その中でも、公募推薦入試の併願について理解するために重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 専願や併願に関する規定は各大学の募集要項に記載されています。各大学の募集要項をしっかり確認し、各大学の受験と入学辞退の可否を把握することが欠かせません。
  • 公募推薦入試の併願のメリットとして、合格のチャンスが広がることが挙げられますが、同時に受験料やスケジュールの調整が必要となるというデメリットもあります。
  • 併願の数については3校程度が無難であり、受験の負担を考慮しながら最適な受験校数を見定めることが重要です。
  • 入試日程を把握し、他の入試日程と重ならないようにすることが必要です。合格発表日によっては、滑り止めの大学に入学金を支払う必要が出てきます。
  • 併願の場合は入学金を支払った後でも辞退は可能ですが、辞退の規定が各大学で異なるため、注意が必要です。

このページを通じて、あなたが公募推薦入試の併願についてより深く理解し、志望校の合格にお役立ていただければ幸いです。

参考記事:公募推薦を受けるメリットとデメリットの特集ページ

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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