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作成日: 2025/2/15 更新日:2025/2/15

経営工学とは何を学ぶ学問?主に学ぶことや学んだ後の就職先を解説解説

経営工学とは何を学ぶ学問?主に学ぶことや学んだ後の就職先を解説解説

「経営工学って何を学ぶの?」

「経営工学って経営学なの?工学なの?」

このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

この記事では、経営工学とは何かについて分かりやすく解説しています。

この記事で学べること

  • 経営工学とは何かを理解できる
  • 経営工学の学ぶ内容を理解できる
  • 経営工学を学べる大学の一例
  • 経営工学を学んだ後の進路や就職先
  • 経営工学を学ぶことに向いている人の特徴

経営工学とはどんな学問なのか、どんなことを学ぶのかが気になっている方、進路選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

経営工学とはどのような学問か

経営工学とは

経営工学とは、経営に関する問題を科学的に解析し、工学的なアプローチで最適な解を導き出すための学問です。

経営には5Mと呼ばれる、Man(人)、Machine(機械)、Material(モノ)、Money(金)、Method(技術)の5つの重要な要素があり、これらを効率的に活用し、新しい価値を生み出します。

これら5つの要素の活用にあたりさまざまな経営上の問題が起こるため、それを科学技術を応用し工学的アプローチで解決してくことが経営工学の目的です。

例えば、組織やシステムの効率化と最適化を追求し、生産性の向上、コスト削減、品質改善などを図ります。

その手法は広範囲にわたり、現代のビジネス運営において非常に重要な役割を果たしています。

次の章では実際に経営工学で何を学ぶのか見ていきましょう。

経営工学では何を学ぶ?

経営工学で学ぶこと

経営工学では何を学ぶのでしょうか。

経営工学で学ぶ内容主な内容は以下の通りです。

  • 生産工学
  • 経営システム工学
  • 数理・情報システム工学
  • 人間システム工学
  • 信頼性工学
  • 機械・制御工学
  • 金融工学

それぞれ見ていきましょう。

生産工学

生産工学は、生産システムを最適化するための理論や技術を学びます。つまり、より効率的にモノを生産したり、品質を管理したりする理論や技術の習得を目指します。

具体的には、以下のような内容を学びます。

学ぶこと
説明
生産計画
生産活動のスケジューリングや資源の最適配分を行い、生産効率を最大化する方法を学ぶ。
在庫管理
在庫の適正な水準を維持し、コストを抑えつつ需要に対応できるようにするための理論と技術を学ぶ。
品質管理
製品やサービスの品質を確保し、顧客満足度を高めるための方法や技術を学ぶ。
工場レイアウト設計
工場内の設備配置を最適化し、作業効率を向上させるための設計方法と分析技術を学ぶ。
作業測定と改善
作業の効率を測定し、無駄を削減するための手法や改善策を学ぶ。
生産技術
生産プロセスを改善し、生産性を向上させるための最新の技術や方法を学ぶ。
コスト管理
生産コストを分析し、コスト削減のための戦略と手法を学ぶ。
リーン生産方式
無駄を排除し、生産プロセスの効率化を図るリーン生産の原理と実践方法を学ぶ。
自動化技術
生産ラインの自動化を通じて効率を向上させるためのロボティクスやAI技術の導入と活用方法を学ぶ。
生産システムの設計
生産システム全体の設計と運用を通じて、効率的で柔軟な生産体制を構築するための理論と実践を学ぶ。

生産工学の知識を持つことで、企業は製品を効率良く、高品質に生産するための戦略を立てることができます。

この知識は、製造業だけでなく、サービス業におけるサービス提供のプロセス改善など、さまざまな業種で活用されます。

生産工学を学ぶことで、物事をシステムとして捉え、その最適化を図る思考力や問題解決能力を養うことができます。

経営システム工学

経営システム工学

経営システム工学は、企業の経営活動におけるさまざまなシステムの最適化を図る学問です。

例えば、物流システム、情報通信システム、金融システム、生産システムなど経営にはさまざまなシステムがあります。

これらを数学的手法や情報技術を駆使して、効率化・最適化を目指すために以下のような内容を学びます。

学ぶこと
説明
モデリングとシミュレーション
経営システムの動作をモデル化し、シミュレーションを通じて最適な運用方法を検討する技術を学ぶ。
オペレーションズリサーチ
数学的手法を用いて経営問題を分析し、最適な意思決定を行うための方法を学ぶ。
システム設計
効率的で柔軟な経営システムを設計し、運用するための原理と技術を学ぶ。
サプライチェーン管理
サプライチェーン全体の最適化を図り、コスト削減と効率化を実現する方法を学ぶ。
生産システム
生産活動を効率的に運営するためのシステム設計と運用方法を学ぶ。
情報システム
経営情報を効果的に管理・活用するための情報システムの設計と運用方法を学ぶ。
プロジェクト管理
プロジェクトの計画、実行、監視を行い、目標達成を効率的に進めるための手法を学ぶ。
品質管理
製品やサービスの品質を確保し、顧客満足度を高めるための管理手法を学ぶ。
リスク管理
経営におけるリスクを評価し、適切に対処するための方法を学ぶ。

システムには人間の行動や意思決定も絡むため、認知科学や心理学の知識なども学びながら経営と技術の両面から企業活動を最適化するアプローチを学びます。

この学問を通じて、技術と経営の両面から企業活動を理解し、効率的に経営を行う知識とスキルを身につけることができます。

経営システム工学の知識は、製造業、情報通信業、金融業など多岐にわたる業界で活用され、企業価値の向上に貢献します。

数理・情報システム工学

数理・情報システム工学は、数学や情報科学を利用して経営問題を解決する手法を学ぶ分野です。

情報セキュリティや金融システムだけでなく、経営情報システムの設計・運用やデータ解析、AIの活用などの多様な問題を数理モデルやコンピュータシミュレーションなどで解決していくことを目指します。

具体的には以下の内容を学びます。

学ぶこと
説明
数理最適化
数学的手法を用いて経営問題の最適解を導き出す方法を学ぶ。
データ解析
大量のデータを分析し、意思決定に役立てるための統計手法や解析技術を学ぶ。
アルゴリズムと計算論
効率的なアルゴリズム設計と計算方法を学び、問題解決能力を向上させる。
機械学習とAI
経営データを活用して予測や最適化を行うための機械学習と人工知能技術を学ぶ。
システムモデリング
経営システムのモデルを構築し、その動作をシミュレーションする技術を学ぶ。
情報システムの設計と管理
経営情報システムを設計し、効果的に管理・運用する方法を学ぶ。
データベース管理
大規模なデータベースの設計、管理、最適化を学び、情報の効果的な活用方法を習得する。
ネットワークと通信
情報ネットワークの構築と管理技術を学び、安全で効率的な通信システムを設計する。
オペレーションズリサーチ
数理モデルを用いて経営問題を分析し、最適な意思決定を支援する方法を学ぶ。
プロジェクト管理
プロジェクトの計画、実行、監視を行い、目標達成を効率的に進めるための手法を学ぶ。

これらの知識は、意思決定の支援や業務効率化、ビジネスモデルの改革に活用できます。

数理・情報システム工学を学ぶことで、理論的な視点と実践的な視点を兼ね備えた経営のプロフェッショナルを目指せます。

この学問は、数学的思考や論理的思考を鍛え、経営のみならずさまざまな分野で活躍するための基礎となります。

人間システム工学

人間システム工学

人間システム工学は、人間を中心としヒトが働きやすい環境の構築や使いやすい機械の開発などヒトの生産性を向上させる技術を学びます。

人間の行動や認知、体の構造を科学的に理解することで、ヒトの得意不得意などを基に最適なシステムを設計・運用する学問です。

具体的には、以下のようなことを当てます。

学ぶこと
説明
人間工学
人間の能力や限界を考慮し、使いやすい製品や作業環境を設計する方法を学ぶ。
ヒューマンファクターズ
人間とシステムのインターフェースを最適化し、安全性と効率を向上させる技術を学ぶ。
ユーザビリティ
製品やシステムの使いやすさを評価し、改善するための方法を学ぶ。
認知工学
人間の認知プロセスを理解し、それに基づいたシステム設計を行う技術を学ぶ。
作業分析
作業の内容や手順を詳細に分析し、効率化や改善策を検討する方法を学ぶ。
安全工学
システムや作業環境の安全性を確保するための方法と技術を学ぶ。
組織行動学
組織内での人間の行動を理解し、効果的な組織運営とリーダーシップの手法を学ぶ。
インターフェースデザイン
人間が使いやすいシステムやデバイスのインターフェースを設計する方法を学ぶ。
職場の健康と福祉
職場環境が従業員の健康と福祉に与える影響を研究し、改善策を提案する方法を学ぶ。
人間中心設計
ユーザーのニーズに基づいて製品やシステムを設計し、利用者満足度を高める手法を学ぶ。

このように人間とシステムの相互作用を評価・改善するための手法を学び、人間の能力や限界、行動パターンをシステム設計に反映させることが目指します。

これらの学びは製品開発やサービス提供における顧客満足度向上、作業効率の最適化、労働者の健康・安全確保などにつながり、組織全体のパフォーマンスを最大化します。

信頼性工学

信頼性工学では、モノや機械の信頼性を高めるための知識や技術を学びます。

モノや機械の信頼性は、ヒトの命にも関わるため経営上極めて重要な要素です。

その信頼性を高めるために、主に以下のような内容について学びます。

学ぶこと
説明
構造信頼性工学
特に、機械・機器・装置などを対象とした信頼性を高めるための技術と知識を学ぶ。
リスク評価
リスクの定量化方法や解析するための手法(FMEAやFTA)などについて学ぶ。
ワイブル解析
ワイブル分布と呼ばれるモノや機械が壊れる確率分布に基づいて信頼性の解析を行う。
信頼性データの統計的解析
信頼性試験や信頼性データの特徴などを学び、信頼性データの整理や解析手法について学ぶ。
システム信頼性
信頼性を向上させるための設計や一部が故障してもより上位の機能に影響が内容な設計手法を学ぶ。
アベイラビリティ
信頼度を測る尺度であるアベイラビリティについて学び、保全性を高める設計や解析手法を学ぶ。
安全工学
故障や事故の発生原因を科学的に分析し、それらの発生を抑える手法を学ぶ。

このように、信頼性工学は経営上の課題を解決することともにヒトの命や安全を守る手法を学びます。

科学技術の発展により様々な機械を活用し、経営を行っている現代にとって、信頼性の向上は極めて重要な意味を持ちます。

機械・制御工学

機械・制御工学

機械工学・制御工学では、生産設備の設計・運用方法や自動化・ロボティクスによる生産性の向上のための知識と技術を学びます。

具体的には、以下のことについて学びます。

学ぶこと
説明
生産設備・機械設計
工場の生産設備や機械の設計・運用について学ぶ。
材料工学
機械や製品の材料の特性を理解し、適切な選定を行う。
加工技術
切削加工、鋳造、成形、3Dプリンティングなどの製造技術を学ぶ。
熱力学
エネルギー管理や冷却システムなど、工場の設備効率を向上させるための理論を学ぶ。
フィードバック制御
PID制御を学び、ロボットや生産設備の自動化に活かす。
システムモデリング
数学的にシステムの動作をモデル化し、最適な制御手法を考える。
自動化・ロボティクス
工場の生産ラインや物流システムの自動化を支える技術を学ぶ。
AI・機械学習
IoT、AIを活用した生産設備の実現に必要な技術を学ぶ。

これらの学びを通して、より効率的な生産システムの構築や組織の最適化を目指します。

特に、生産ラインの最適化や自動化、AIの活用などは今後益々求められる分野になるでしょう。

金融工学

金融工学とは、金融に関する問題を工学的アプローチで解決することを目指す学問分野です。

経営におけるカネの流れについて、数理モデルやコンピュータシミュレーションなどを通じて分析します。

具体的には以下のような内容について学びます。

学ぶこと
説明
数理ファイナンス
金融商品の価格やリスクを数理モデルで分析する。
確率・統計・データサイエンス
データ分析を用いた金融市場の予測やリスク評価を行う。
デリバティブとリスク管理
リスク管理やヘッジのために使われる金融商品について学ぶ。
アルゴリズム取引と金融システム
プログラムを活用して高速で金融取引を行う技術を学ぶ。
ポートフォリオ理論
数理解析をにより、最適な投資ポートフォリオについて学ぶ

このように金融工学では、数学・統計・プログラミングを駆使して金融市場のリスク管理や投資戦略を最適化することを学びます。

特に、数理モデル・データ分析・アルゴリズム取引が重要な要素となり、実社会では投資銀行・ヘッジファンド・保険・中央銀行などで応用されています。

経営工学で学ぶ内容を理解したところで、次の章では経営工学が学べる大学の例をご紹介します。

経営工学を学べる大学の一例

経営工学を学べる大学

経営工学を学べる大学の具体例は以下の通りです。

  • 筑波大学 理工学群社会工学類
  • 東京理科大学 創域理工学部経営システム工学科
  • 日本大学 生産工学部マネジメント工学科

それぞれ見ていきましょう。

筑波大学 理工学群社会工学類

筑波大学理工学群社会工学類

筑波大学の社会工学類では、社会の複雑な問題を解決するための多角的なアプローチを学びます。

社会経済システム、経営工学、都市計画の3つの専攻分野から主専攻を選択し、社会問題を数理的アプローチで解決する手法を学びます。

経営工学専攻では、企業や組織のマネジメントを科学的に分析し、効率化や最適化を目指します。

筑波大学理工学群社会工学類の特徴は以下の通りです。

  • 3つの専攻と9つのエリアに分かれており、経営だけでなく社会や地域の課題解決のための手法も学べる
  • 調査分析ツール、プレゼンテーション、ディスカッションのスキルを学び、実践的な問題解決能力を養える
  • 学際性を重視しており、主専攻以外のエリアについても学ぶ必要がある

このように、社会現象や経済の仕組みに興味がある、数学や経済学、統計学などの幅広い分野に関心がある人におすすめです。

参照元:筑波大学社会工学類の特徴

東京理科大学 創域理工学部経営システム工学科

東京理科大学創域理工学部経営システム工学科

東京理科大学の経営システム工学科は、企業経営の合理化を科学的かつ工学的なアプローチで企業活動を効率化・最適化するための手法を学びます。

情報技術、社会システム、国際環境に対応した研究を行い、迅速かつ柔軟な経営を実現するためのスキルを身に付けることができます。

最新の技術を活用し、経営の合理化を目指すための知識と実践的なスキルを学べます。

東京理科大学創域理工学部経営システム工学科の特徴は以下の通りです。

  • 5つの学問領域から横断的に学ぶことができ、幅広い対象領域(情報技術、社会システム、国際環境)を学べる
  • コンピュータを用いた迅速で合理的な経営手法の学習ができる
  • レポート作成やプレゼンテーションを通じて実践力を養うことができる

東京理科大学 創域理工学部 経営システム工学科は、企業経営やビジネスの効率化に強い興味があり、科学的・工学的な手法で経営問題を解決したい人におすすめです。

参照元:東京理科大学経営システム工学科とは

日本大学 生産工学部マネジメント工学科

日本大学生産工学部マネジメント工学科

日本大学生産工学部のマネジメント工学科は、経営資源を有効に活用するための理論と技法を学び、企業経営などの分野で役立てることを目的としています。

この学科では、工学の基礎知識と経営管理の理論・技法を融合させた教育を提供しています。

日本大学生産工学部マネジメント工学科の特徴は以下の通りです。

  • 日本初のフードビジネス業界に特化したフードマネジメントコースがある
  • 企業との共同研究が多い
  • 経営者育成プログラムがある

日本大学マネジメント工学科は、経営資源の効率的な活用に興味があり、実践的なスキルを身に付けたい人にとって理想的な環境です。

参照:日本大学マネジメント工学科とは

大学選びのポイント

大学選びのポイント

では、経営工学を学べる大学を選ぶ上でのポイントについて解説します。

重要なポイントは以下の通りです。

ポイント
詳細
データサイエンスやAIとの関連が強いかどうか
・「データサイエンス」「AI」「機械学習」などの授業があるか?
・研究室で、AIやデータ分析に関連するテーマを扱っているか?
・企業と連携したデータ活用プロジェクトがあるか?
実践的なカリキュラムかどうか
・学生が企業と連携したプロジェクトに参加できるか
・インターンシップの受け入れ先企業が充実しているか
・企業との共同研究や産学連携が活発に行われているか
学費
4年間でかかる総額の学費はいくらか
立地
学校やインターシップ受け入れ先企業は通いやすいか

特に、AIやデータサイエンスは将来性の高い分野ですので、学べるかどうかは重要です。

これらのポイントを確認し、あなたにとって最適な大学選びを行ってください。

経営工学を学ぶことで取得できる資格は?

取得できる資格

経営工学を学んで取得を目指せる資格は以下のようなものがあります。

資格名
説明
衛生工学衛生管理者
労働環境の衛生管理を担当し、労働者の健康維持・増進を図る専門家。
作業環境の測定や改善指導を行う。
労働衛生コンサルタント
職場の労働衛生に関するコンサルティングを行い、健康リスクの評価や改善策の提案をする専門家の資格。
労働安全コンサルタント
労働環境の安全性を評価し、労働災害防止のための対策を提案・指導する専門家の資格。
安全管理の改善を支援する。
技術士(経営工学部門)
製造現場などで生産マネジメント領域に携わり生産効率の向上を担う技術士としての資格。
基本情報技術者
ITに関する基礎的な知識と技術を有することを証明する資格。
中小企業診断士
中小企業の経営課題に対する診断・助言を行う専門家。
経営戦略、財務、マーケティングなどの知識を有する。
高等学校・中学校教諭(数学)1種免許状
高校・中学校で数学を教えることができる資格。
司書
図書館の資料の発注や分類、貸出業務に携わる資格。
社会教育主事
都道府県及び市町村の教育委員会の事務局で社会教育を行う者に対する専門的技術的な助言・指導に当たる役割を担うための資格。
学芸員
博物館資料の収集、保管。
展示及び調査研究などに関する事業を行うための資格。
データサイエンス数学ストラテジスト
数学検定協会が実施しているデータサイエンスにおける数学を扱う技能を認定する資格。

これらの資格には取得することで直接仕事に活かすことができるものが多いですので、積極的に取得を目指してみましょう。

では、次の章では経営工学を学んだ後の進路について紹介します。

経営工学を学んだ後の仕事は?主な進路・就職先を紹介

経営工学を学んだ後の仕事

経営工学を学んだ人は、どのような進路を歩んでいるのでしょうか。

主な就職先・進路で挙げられるのは以下の通りです。

  • 情報通信業
  • 製造業
  • コンサルティング業
  • 金融業
  • 物流・運輸業
  • 大学院進学や研究機関

それぞれ見ていきましょう。

情報通信業

情報通信業

IT、ネットワーク、ソフトウェア開発などの情報通信業界も就職先として挙げられます。

経営工学の知識は、システムの設計や運用、最適化などのテクノロジーとビジネスが融合する領域で活かすことができます。

情報通信業の具体的な職種としては、以下のようなものがあります。

職種
仕事内容
システムエンジニア
情報システムの設計、開発、保守運用を行う。
具体的には、要件定義、設計書作成、プログラミング、テスト、導入、運用などを担当する。
プロジェクトマネージャー
情報システム開発プロジェクトの企画、立案、実行、管理を行う。
具体的には、目標設定、スケジュール管理、チーム管理、リスク管理、コスト管理などを担当する。
ITコンサルタント
企業のIT化に関するコンサルティングを行う。
具体的には、課題分析、システム提案、導入支援、運用支援などを担当する。

情報通信業界は急速に進化し続けており、新たな技術やサービスが次々と生まれています。このような環境では、経営工学で学んだ最適化や効率化の知識が大いに役立ちます。

製造業

経営工学を学んだ卒業生が進む道の一つとして、製造業があります。製造業の中には自動車製造や電子機器製造など様々な領域が存在します。

その上で、経営工学の学びは製造業における様々な職種で活かすことができます。

具体的な職種と仕事内容は以下の通りです。

職種
仕事内容
生産管理職
工場における生産計画の立案、実行、管理、改善を行う。
具体的には、生産スケジュール作成、資材調達、ライン管理、品質管理、コスト管理などを担当する。
品質管理職
製品の品質管理体制の構築、維持、改善を行う。
具体的には、品質目標の設定、検査方法の策定、不良品分析、是正処置、品質データの分析などを担当する。
企画職
新製品の企画、開発、導入を行う。
具体的には、市場調査、コンセプト立案、設計、試作、テスト、量産化などを担当する。
営業職
顧客に対して製品やサービスを販売する。
具体的には、顧客ニーズの把握、提案、受注、納品、アフターフォローなどを担当する。
研究開発職
新技術や新製品の研究開発を行う。
具体的には、文献調査、実験、データ分析、論文発表などを担当する。

製造業での仕事は、単にモノを作るだけでなく、市場の変化に対応する柔軟性や新技術の導入なども求められます。

経営工学を学んだ学生にとっては、その幅広い知識とスキルを活かす絶好のフィールドと言えるでしょう。

新しい技術をどのように活用すべきか、どのように業務プロセスを改善すべきかといった問題に対して、経営工学の知識を用いて解決策を導き出すことが求められるのです。

コンサルティング業

コンサルティング

コンサルティング業界は、企業が抱える様々な課題に対して、最適な解決策を提供する役割を果たします。

経営工学の知識を活かすことで、企業の課題を科学的な視点から分析し、効率的な解決策を導き出すことが可能となります。

コンサルティング業界には以下のような職種があります。

職種
仕事内容
アナリスト
顧客の経営課題解決に必要なデータ収集、分析、リサーチなど、プロジェクトの基本的な作業を担当。
コンサルタント
プロジェクトの一部または全部をリードし、クライアントと直接やり取りを行う。
マネージャー
大規模なプロジェクトや複数のプロジェクトを統括し、新規ビジネスの開拓も担う。

コンサルタントは、企業の問題解決に取り組み、企業の成長や競争力強化に貢献することが期待されます。

就職先としてのコンサルティング業界は、高い専門性とスキルが求められる一方で、個人の成長機会も豊富です。

経営工学を専攻した学生にとって、知識を最大限に活かせるフィールドと言えるでしょう。

コンサルティング業に興味を持った方は、以下のページで経営コンサルタントについて詳しく解説していますのでご覧ください。

参考:経営コンサルタントとは

金融業

金融業は経営工学を専攻した学生にとって、その複雑なシステム分析や最適化の技術を活かすことが可能な分野の一つです。

金融業とは銀行や証券会社、保険会社などがあります。

金融業の職種には以下のようなものがあります。

職種
仕事内容
リテール
金融商品の営業を行う。
具体的には窓口や銀行などの支店で、個人や中小企業などの資産運用や住宅ローンの相談を受ける業務を担う。
ホールセール
金融商品の営業を行う。
具体的には大企業や自治体などの法人の事業推進、資金調達や運用、M&Aの仲介などの業務を行う。
保険外交員
保険契約の勧誘や契約後のサポートを行う。
具体的には保険会社や代理店で保険の勧誘や保険料の支払い相談や契約内容の手続きなどの加入者の対応を担当する。
プライベートバンカー
経営者に金融サービスの提案を行う。
具体的には、銀行などで事業・資産承継や相続を支援するための包括的な金融サービスを提案・支援します。
アクチュアリー
保険料率や支払い保険金額の算定など、数理業務を行う専門職。
アクチュアリー資格試験合格する必要がある。
ファンドマネージャー
資産運用を行う専門職。
具体的には、投資信託会社などの運用会社で勤務し顧客から預かった資産を運用し利益を上げる。

このように金融商品の設計や価格設定、リスク管理など幅広い業務において経営工学の理論や手法を活かすことができます。

物流・運輸業

物流・運輸業

物流・運輸業界でも経営工学の学びを活かすことができます。

例えば、配送網の最適化や運輸にかかるコストの最適化などです。

物流・運輸業界で経営工学の学びを活かせる職種には以下のようなものがあります。

職種
仕事内容
営業職
企業の物流課題の解決策となる自社サービスを提案する
例えば、輸送手段の提供や在庫保管のサービスなどを提案する。
管理・企画職
荷物の保管や入出庫といった物流業務における管理を担う。
例えば、荷物の仕分けや品質チェック、検品・梱包、さらには配送スケジュールの立案などを行う。
システム開発
物流システムの開発を行う。
具体的にはシステムの要件定義や基本設計、保守・運用を行う。

このように、経営工学で学んだ知識は陸運や海運などの物流・運輸業界でも活かされています。

大学院進学や研究機関

経営工学を専攻した学生が進む道として、大学院への進学や研究機関への就職も一つの選択肢です。

経営工学の知識をさらに深め、専門的な研究に打ち込むことが可能となります。

進路
​詳細
研究機関での就職
・経営工学の理論を活かし、新たな理論やモデルの開発に携わることができる
・実際のビジネスの現場で起こる問題を解決するための研究に取り組むこともある
・製造業の生産ラインの効率化や、情報通信業のシステム設計、金融業のリスク管理など、様々なテーマで研究を行うことが可能
大学院進学
・経営工学の枠を超えて、産業工学や情報工学など、他の分野との融合も見られる
・より高度な知識と技術を身につけることができ、研究者としてのキャリアを築くことも可能​

大学院進学や研究機関への道は、経営工学を学ぶ醍醐味を十分に味わい、さらにあなたを成長させるための一つの道と言えるでしょう。

進路先について解説したところで、次の章では経営工学に関するよくある質問に回答していきます。

よくある質問

よくある質問

経営工学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。

よく抱く疑問とその回答を記載していきます。

経営工学を学ぶことに向いている人は?

経営工学を学ぶことに向いている人の特徴は以下の通りです。

特徴
説明
効率化や生産性の改善に興味がある人
生産管理や業務プロセスの最適化が経営工学の大きなテーマであるため。
論理的思考力がある人
課題解決を目的とする経営工学では、物事を論理的に整理し、課題を分解する能力が重要であるため。
データ分析や数学が好きな人
経営工学では、統計学・最適化・シミュレーションなど、数学を使ってデータ分析を行うため。
幅広い分野を学びたい人
経営工学は、プログラミングやコンピュータなどの理系分野を学ぶだけでなく、経営学や社会学など文系分野についても学ぶことができるため。
チームプレーが好きな人
経営上の課題解決においては、生産管理・プロジェクト管理など人との協力が不可欠でであるため。

上記に当てはまる人は、経営工学学ぶことを検討してみてください。

経営工学と経営学との違いは?

経営工学と経営学との違い

経営工学は主に技術的・分析的アプローチを用いてシステムやプロセスの効率化・最適化を目指します。

一方で、経営学は組織全体の経営戦略、マーケティング、ファイナンスなど広範なビジネス領域をカバーし、戦略的な意思決定やリーダーシップに焦点を当てます。

違いをまとめた比較表は以下となります。

項目
経営工学
経営学
定義
経営活動を工学的手法で分析し、最適化を図る学問
組織や企業の運営管理、戦略立案、マーケティングなどを研究する学問
研究対象
生産管理、品質管理、システム設計、オペレーションズリサーチなど
経営戦略、組織行動、財務管理、マーケティング、人事管理など
方法論
数理モデル、シミュレーション、データ解析、最適化手法
ケーススタディ、統計分析、実地調査、理論構築
目的
経営システムの効率化と最適化を通じて生産性と品質を向上させる
企業や組織の持続的な成長と競争力強化を目指す

経営工学と経営学は、共に企業や組織の成功に欠かせない重要な学問ですが、そのアプローチや視点には明確な違いがあります。

経営学については以下のページでより詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

参考:経営学とは

経営工学と情報工学との違いは? 

経営工学は、物理的なシステムやプロセスの効率化と最適化を目指し、生産管理や運用管理に焦点を当てています。

一方で、情報工学は情報の処理や管理、ソフトウェアの開発、データの分析など、計算技術の理論と応用に重きを置きます。

違いを以下にまとめましたのでご覧ください。

項目
経営工学
情報工学
定義
経営活動を工学的手法で分析し、最適化を図る学問
情報の処理、保存、伝達に関する技術と理論を研究す
研究対象
生産管理、品質管理、システム設計、オペレーションズリサーチなど
ソフトウェア開発、データベース、ネットワーク、アルゴリズム、AIなど
方法論
数理モデル、シミュレーション、データ解析、最適化手法
プログラミング、数理モデル、シミュレーション、データ解析、アルゴリズム開発
目的
経営システムの効率化と最適化を通じて生産性と品質を向上させる
効率的で信頼性の高い情報システムを構築し、情報処理技術を発展させる

経営工学と情報工学は、共に工学的手法を用いるものの、その目的と応用分野において大きく異なります。

経営工学を学ぶのに英語は必要?

経営工学に英語は必要か

経営工学を学ぶために英語は必要となります。なぜなら、経営学やAI、データ解析などの最新の研究結果は英語で発表されることが多いからです。

特に、AIやプログラミング分野は日本は遅れていると言わざるをえません。

このように、経営工学を学ぶ際に、最新の情報や研究結果を理解するためには英語力は重要となります。

まとめ

この記事のまとめ

本記事では、経営工学の定義から、学ぶ内容、経営工学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先、向いている人の特徴まで詳しく解説しました。

解説した中でも、経営工学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 経営工学とは、経営に関する問題を科学的に解析し、最適な解を導き出すための学問である
  • 経営工学では、生産工学や数理・情報システム工学、信頼性工学や金融工学などについて学ぶ
  • 経営工学を学んだ後の進路としては、製造業・金融業・コンサルティング業などがある
  • 経営工学を学ぶことで、中小企業診断士や技術士、教員免許などの資格取得につながる
  • 経営工学は、論理的思考力がありチームや企業の課題解決を行いたい人におすすめの学問である

当記事を通して、経営工学についての全体像を理解する参考になれば幸いです。

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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