作成日: 2026/3/11 更新日:2026/3/11
商学とは?定義から経営学との違いなどを解説

「商学とはなに?どんなことを勉強するの?」
「商学と経営学の違いは?」
商学に興味を持った方は、このような疑問を持つと思います。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 商学とは何か
- 商学で学ぶ内容
- 商学を学ぶメリット
- 商学を学ぶ方法
- 商学と経営学の違い
商学について学びたい方、キャリア選択の参考にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
商学とは?

商学とは、ビジネスの運営や経済活動に関する知識や技術を学ぶ学問です。
企業の運営、流通、マーケティング、会計、金融など商品やサービスを生み出し、それを消費者に届ける仕組みを理論的に研究します。
経済全体の流れの中で、個々の企業や産業に焦点を当て、効率的で持続可能なビジネスの在り方を探ります。
商学の基本的な定義
商学とは、経済活動や商業活動を科学的に研究し、解析する学問のひとつです。
商学の重要な点は以下のとおりです
- 商業の動きを科学的に勉強する学問
- 企業の運営、マーケティング、お金の管理、人材の扱い方などビジネスに関する知識を学ぶ
- 経済理論、統計学、法律など、他の学問と組み合わせて多角的に分析
- 利益を上げる戦略、市場のトレンドをつかむ方法、経済の未来を予測することが重要
- 実際のビジネス経験や事例研究を通じて、理論だけでなく現実のビジネスに役立つ知識やスキルを学ぶ
会社がどうやってお金を稼ぎ、成長していくのか、その過程で直面するさまざまな問題をどう解決するか、ということについて学ぶ学問です。
理論だけではなく、実際のビジネスの場面で使える実践的な知識やスキルも学びます。
主要科目

商学では、企業活動や市場の仕組み、商品やサービスがどのように生産・流通・販売されるかといったビジネスの実態を多角的に学びます。
大学によって科目名は多少異なりますが、商学部では主に「マーケティング」「会計・ファイナンス」「流通・物流」「国際ビジネス」「経営戦略」などの分野に分かれて学ぶことが一般的です。
以下の表は、商学で学ぶ代表的な分野についてまとめたものです。
分野 | 概要 |
マーケティング | 消費者のニーズや市場動向を分析し、商品やサービスをどのように企画・販売すればよいかを研究する。 |
会計・ファイナンス | 企業の財務状況を数字で把握し、資金調達や投資判断、経営状態の分析を行う方法を学ぶ。 |
流通・物流 | 商品が生産者から消費者へ届くまでの流れや、効率的な物流システム、流通構造について研究する。 |
国際ビジネス | グローバル市場での企業活動や国際取引、海外進出の戦略などを学ぶ。 |
経営戦略 | 企業が競争の中で成長するための戦略や組織運営の考え方を学ぶ。 |
商学では、これらの分野を通して企業活動の仕組みを理解し、実際のビジネスに応用できる知識を体系的に学んでいきます。
それぞれの分野で学ぶことを詳細に解説します。
マーケティング
商品やサービスを市場に適切に供給し、利益を最大化するための戦略を研究する学問分野です。
マーケティングでは以下のことを学んでいきます。
学ぶこと | 概要 |
市場調査 | 人々が何を欲しがっているか、どんな商品やサービスにお金を使うかを調べること。 市場調査の情報を使って、会社はお客さんのニーズに合ったものを作ったり、売り方を考える。 |
商品開発 | 新しい商品やサービスを考え出し、作り上げる過程を学ぶ。 市場調査で得た人々の意見や希望に基づいて、使いやすくて魅力的なものを作る。 |
価格設定 | 商品やサービスの価格を決めること。 どれくらいの値段なら人々が買ってくれるか、会社が利益を得られるかを考える。 |
広告・宣伝戦略 | 商品やサービスをどうやって人々に知ってもらい、興味を持ってもらうかを考える方法。 テレビ、インターネット、雑誌などさまざまな方法で、魅力的に見せ、人々が買いたくなるように仕向ける。 |
販売チャネルの選定 | 商品やサービスをお客さんに届ける最適な方法を選ぶこと。 直接店舗で売るか、オンラインで販売するか、または他の店を通して売るかなど、販売経路などを選定する。 |
マーケティングの基本的な視点は、顧客のニーズや欲求を理解し、それに合わせた商品やサービスを提供することです。
企業がどのようにして市場で競争するべきか、自社の商品やサービスがどのように消費者に受け入れられるかを理解することができます。
会計・ファイナンス

会計学は、企業の経済活動を金銭的な視点から把握し、その情報を記録・整理・分析することで経営判断に役立てる学問です。
企業がどれだけ利益を上げているのか、資金がどのように動いているのかを客観的に理解するための知識を学びます。
近年は企業活動の国際化が進んでいるため、世界共通の会計ルールである国際会計基準や、資金の流れを把握するキャッシュフローの分析、企業の資金調達や投資判断に関わるファイナンスの知識も重要なテーマとなっています。
会計学では主に次のような分野を学びます。
学ぶこと | 概要 |
財務会計 | 企業の売上や利益、資産状況などを決算書として外部に報告するための会計を学ぶ分野。 貸借対照表や損益計算書の読み方、国際会計基準への対応なども扱う。 |
管理会計 | 企業内部の意思決定に役立てるための会計を学ぶ分野。 コスト管理や利益計画、キャッシュフローの分析などを通して、効率的な経営判断を支える。 |
ファイナンス | 資金調達や投資判断、企業価値の評価などを扱う分野。 企業がどのように資金を集め、どの事業に投資するかといった金融面の意思決定を学ぶ。 |
これらの知識は企業経営の基盤となるものであり、ビジネスを理解するうえで欠かせない分野となっています。
流通・物流
流通・物流は、商品が生産者から消費者へ届くまでの流れや仕組みを研究する分野です。
メーカー、卸売業、小売業などの役割や、商品を効率よく運ぶための物流システムについて理解を深めます。
商学では、流通の仕組みを理論として学ぶだけでなく、サプライチェーンの管理や電子商取引(EC)の拡大など、現代のビジネス環境に対応した実践的な内容も扱います。
流通・物流では主に次のような内容を学びます。
学ぶこと | 概要 |
流通構造 | メーカー、卸売業、小売業などがどのような役割を持ち、商品が消費者に届くまでにどのような流れをたどるのかを学ぶ。 |
サプライチェーン管理 | 原材料の調達から製造、販売までの一連の流れを管理し、効率的に商品を供給する仕組みを学ぶ。 |
物流システム | 倉庫管理、在庫管理、輸送ネットワークなど、商品を効率よく保管・配送するための仕組みを学ぶ。 |
小売ビジネス | スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ネット通販など、小売業の販売戦略や店舗運営の仕組みを学ぶ。 |
電子商取引(EC) | インターネットを利用した販売の仕組みや、EC市場の拡大に伴う物流の変化について学ぶ。 |
流通・物流の意義 | 流通・物流の知識は、商品を効率よく届ける仕組みを理解するだけでなく、企業の販売戦略やビジネスモデルを考えるうえでも重要な分野となっています。 |
流通・物流の知識は、商品を効率よく届ける仕組みを理解するだけでなく、企業の販売戦略やビジネスモデルを考えるうえでも重要な分野となっています。
国際ビジネス

国際ビジネスは、企業が国境を越えて行う経済活動やビジネスの仕組みを研究する分野です。
企業の海外進出や国際取引、グローバル市場での競争戦略などについて理解を深めます。
商学では、国際的な経済環境や制度の違いを踏まえながら、企業がどのように海外市場で事業を展開していくのかを実践的に学びます。
国際ビジネスでは主に次のような内容を学びます。
学ぶこと | 概要 |
国際取引 | 輸出入の仕組みや貿易の流れ、関税や貿易制度など、国境を越えた取引の基本を学ぶ。 |
海外市場分析 | 各国の市場規模、消費者行動、文化的背景などを分析し、海外でのビジネス展開の可能性を探る。 |
多国籍企業の経営 | 複数の国で事業を行う企業の経営戦略や組織運営、現地法人の管理方法などを学ぶ。 |
国際マーケティング | 国や地域ごとの文化や消費傾向の違いを踏まえた商品戦略や販売戦略を学ぶ。 |
国際金融・為替 | 為替レートの変動や国際的な資金の流れが企業活動に与える影響について学ぶ。 |
国際ビジネスの知識は、企業がグローバル市場で事業を展開する仕組みを理解し、海外戦略を考えるうえで重要な分野となっています。
経営戦略
経営学は、企業や組織がどのように運営され、成長していくのかを理解するための学問です。
主に以下のことを学んでいきます。
学ぶこと | 概要 |
企業の組織構造 | 会社の中で誰がどんな役割を持ち、どう仕事を分けるかを決める方法を学ぶ。 |
マネジメントの理論 | チームを上手に指導し、目標を達成するための方法を学ぶ。 |
リーダーシップのスタイル | グループをどのように引っ張り、皆を目標に導く方法を学ぶ。 |
財務管理 | 会社のお金の使い方を計画し、健全に保つ方法を学ぶ。 |
人事管理 | 社員の採用、育成、評価などを上手に行い、チームを強くする方法を学ぶ。 |
経営学はその実践的な性質から、実際のビジネスで活用できる知識を学びます。
また、組織や企業の成功につながる戦略的な思考力も養うことができます。
商学を学ぶメリット

商学を学ぶメリットは数多く存在します。
以下にメリットをまとめました。
- 商学を学ぶ意義が大きい
- 企業経営に必要な知識とスキルを身につけることができる
- 経済活動に関する幅広い知識を習得することができる
- 多くの企業で役立つ人材になれる
- 起業や独立を目指すための基礎を築ける
それぞれ詳しい内容を解説していきます。
商学を学ぶ意義が大きい
商学を学ぶ意義は、以下のような点にあると言われています。
- ビジネスの世界の基本的な考え方やルールがわかる
- 理論だけではなく、実際のビジネスシーンで役立つスキルを学ぶ
- 世界の経済活動全体をどう見るかという大きな視点を得られる
商学を学ぶことは、自身のキャリアを豊かにする方法を学ぶことといえます。
社会全体の経済活動を理解し、その中で自分がどのように振る舞うかを学ぶという意義があるでしょう。
企業経営に必要な知識とスキルを身につけられる

ビジネスには、会計、マーケティング、人事管理、財務管理など多岐にわたる領域が存在します。
これらの要素を効率的に運用し、組織全体を円滑に運営するためには、幅広い知識が求められます。
商学を学ぶことで身につけることができる知識とスキルは、自身のキャリアを築くための強固な基盤となるでしょう。
経済活動に関する幅広い知識を習得することができる
商学を学ぶことで経済の原理と仕組みを理解することにより、ビジネスの現場で的確な判断を下すことができます。
また、経営学、マーケティング、会計学、ファイナンスなど、幅広い分野にわたる知識を習得できます。
その知識は以下のようなビジネスシーンで活用することができます。
- 企業の経営や組織の運営
- 製品・サービスの企画・開発
- 財務状況の分析・評価
商学の授業では、実際のビジネスシーンに即した教育が行われることが多くあります。
そのため、実践的なスキルも身につけることができます。
多くの企業で役立つ人材になれる

知識とスキルが多くの企業で役立つという点も、商学を学ぶメリットです。
特にマーケティング、統計学、経営学などは、実際のビジネスに活用できるシーンが多く訪れる学問です。
企業にはビジネス相手となる顧客が存在し、その顧客を分析するのが上記のような分野だからです。
顧客を正確に分析できれば、その後の商品やサービスを効率的に開発することができます。
起業や独立するための基礎を学べる
起業や独立をするための基礎知識を学べることも、商学を学ぶメリットです。
例えば以下のような知識です。
- ビジネスの基本的な理論から実際の運用の役立つ知見
- 成功した起業家たちの事例の分析、考察
商学は幅広い知識を総合的に学ぶ学問なので、非常に起業や独立を目指す人にぴったりな学問となります。
国際的な視野を身につけることができる

商学を学ぶことで、企業が国境を越えて活動する仕組みや、世界の市場の動きについて理解を深めることができます。
国際ビジネスや国際取引などの分野を学ぶことで、グローバル市場の構造や各国のビジネス環境の違いを把握できるようになります。
その知識は以下のようなビジネスシーンで活用することができます。
- 海外市場への事業展開
- 多国籍企業でのビジネス活動
- 国際取引や海外パートナーとの交渉
企業活動の国際化が進む中で、世界の経済環境を理解する力は重要な能力となっています。
市場の変化に対応できる柔軟な思考力を養える
商学では、企業を取り巻く市場環境や消費者ニーズがどのように変化するのかを分析する方法を学びます。
マーケティングやビジネスデータ分析などを通して、情報を整理しながら状況に応じて判断する力を身につけることができます。
その能力は以下のようなビジネスシーンで活用することができます。
- 市場動向の分析と戦略立案
- 消費者ニーズに合わせた商品開発
- 企業の経営判断や意思決定
市場環境が変化し続ける現代のビジネスにおいて、状況に応じて考え方を調整できる柔軟な思考力は重要な能力となっています。
商学を学ぶための方法

商学を学ぶためには、大きく分けて以下の3つ道があります。
- 大学の商学部、商学科で学ぶ
- 専門学校で学ぶ
- 独学で学ぶ
それぞれ具体的に見ていきましょう。
大学の商学部、商学科で学ぶ
国公立大学のほか、多数の私立大学が商学部や商学科を設けています。
商学部や商学科では、以下のような特徴があります。
- 経済学、会計学、マーケティング、経営学、ファイナンスなど、商学に関連する多様な科目を学ぶことができる
- 実際のビジネスシーンを想定したケーススタディを解析するなど、理論だけでなく実践的な学びも重要視される
それぞれの大学でカリキュラムは異なるため、自分の興味のある分野や目指すキャリアに合わせて大学を選ぶことが重要です。
国際的なビジネスに興味がある場合は、英語による授業を提供している大学や、海外の大学との交換留学プログラムがある大学を選ぶと良いでしょう。
専門学校で学ぶ
商学分野の知識を実践的に身につけたい場合は、専門学校で学ぶという方法もあります。
専門学校では大学のような理論中心の学習だけでなく、ビジネスの現場を想定した実務教育が行われることが特徴です。
例えば、次のような内容を学ぶことができます。
- ビジネス実務や会計、マーケティングなどの専門知識
- 企業活動を想定したケーススタディや実践的な演習
- 企業インターンシップや資格取得を目指す授業
商業系の専門学校としては、ビジネス総合学科や経営ビジネス学科などを設置している学校もあり、会計やマーケティング、ビジネス実務などを体系的に学ぶことができます。
ビジネスの知識を実務に近い形で学びたい人にとって、専門学校は一つの進路となります。
独学で学ぶ
商学の基礎知識は、書籍やオンライン教材を活用して独学で学ぶことも可能です。
インターネットの普及により、オンライン講座やウェブセミナーなどを通して大学の講義に近い内容を学べる環境も増えています。
独学で学ぶ場合は、資格試験を目標にすることで学習の方向性を定めやすくなります。
例えば、商学分野と関連が深い資格として、日商簿記検定がありま
日商簿記検定は、企業の会計や財務の基礎知識を学ぶ資格試験で、多くの企業で評価されている資格の一つです。
簿記を学ぶことで、企業のお金の流れや経営状態を数字で理解する力を身につけることができます。
このように、書籍や資格学習を活用することで、商学の基本的な知識を独学で身につけることも可能です。
大学で商学を学べる学部

商学は、主に商学部や商学科で学ぶことができる分野です。
企業活動や市場の仕組み、マーケティング、会計、流通など、ビジネスに関する知識を体系的に学びます。
大学によっては、経営学部や経済学部などの中で商学に近い分野を学べる場合もあります。
そのため、学部名だけでなくカリキュラムの内容を確認することが大切です。
以下は、商学を学べる代表的な大学の例です。
大学 | 学部 | 概要 |
一橋大学 | 商学部 | 日本の商学教育を代表する学部の一つ。 企業経営、マーケティング、会計、金融などビジネス分野を幅広く学ぶことができる。 |
小樽商科大学 | 商学部 | 商学教育に特化した国立大学。 経営、会計、商業など企業活動に関する知識を体系的に学べる。 |
早稲田大学 | 商学部 | マーケティング、会計、金融、流通など多様な分野を学ぶ。 ビジネス理論と実務の両面を重視した教育が行われている。 |
慶應義塾大学 | 商学部 | 経営、会計、マーケティングなどの分野を横断的に学ぶ。 実務との結びつきが強い教育が特徴。 |
同志社大学 | 商学部 | 企業活動や市場の仕組みを総合的に学ぶ。 マーケティングや流通、会計などの専門分野を深く理解できる。 |
商学は、企業活動や市場の仕組みを理解するうえで重要な学問です。
大学ごとに研究分野やカリキュラムの特徴が異なるため、自分が学びたい分野や将来の進路に合った大学を選ぶことが重要になります。
参考:商学部は何を学ぶ学部?学ぶ学問を向いている人や目指せる資格と共に解説
商学を学ぶためのぴったりな大学は年内入試ナビで見つかる
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商学と経営学の違い

商学と経営学は、どちらもビジネスや企業活動に関わる学問ですが、研究の焦点や扱う内容に違いがあります。
商学は市場や流通、会計など、企業活動を取り巻くビジネス全体を広く扱う学問です。
一方、経営学は会社という組織をどのように運営するかという点に焦点を当てた学問です。
まずは、学問としての違いを見てみましょう。
学問としての違い
項目 | 商学 | 経営学 |
研究の焦点 | ビジネス全般の理論と実践 | 会社という組織をどう運営するかの理論と実践 |
主な内容 | マーケティング、会計、流通、国際ビジネスなど | 経営戦略、組織論、人事管理、リーダーシップなど |
目指すスキル | 市場分析、財務分析、ビジネス環境の理解 | 組織運営、問題解決、意思決定 |
対象の範囲 | 市場や流通を含む広いビジネス活動 | 企業や組織内部の経営管理 |
このように、商学はビジネス全体の仕組みを広く理解する学問であり、経営学は企業という組織をどのように運営するかを中心に研究する学問です。
学習する内容の違い
商学と経営学では、大学で学ぶ具体的な内容にも違いがあります。
商学 | 経営学 |
お金の流れや流通の仕組み | 会社や組織がどのように機能するか |
企業の会計や財務の仕組み | 経営戦略の立て方 |
商品やサービスの販売戦略 | リーダーシップや組織マネジメント |
国際市場でのビジネスの仕組み | 人材育成や人事管理 |
ビジネスに関わる制度やルール | 経営判断や意思決定の方法 |
商学は、商品やサービスが市場でどのように流通し、企業活動がどのように行われるのかを幅広く学ぶ学問です。
それに対して経営学は、人材や組織、戦略といった視点から、企業をどのように運営し成長させるかを研究する学問といえます。
商学と経済学の違い

商学と経済学はどちらも経済活動を扱う学問ですが、研究の対象や視点に違いがあります。
商学は、企業や消費者の行動を個別に分析し、実際のビジネス活動にどのように活用できるかを研究する学問です。
マーケティング、会計、流通、国際ビジネスなど、企業活動に直結する分野を扱う点が特徴です。
一方、経済学は国や社会全体の経済活動を理論的に分析する学問です。
景気の変動、失業率、物価、金融政策など、社会全体の経済の仕組みを数理モデルなどを用いて研究します。
このように、商学は企業や市場の実務に近い視点からビジネスを研究する学問であり、経済学は社会全体の経済構造を理論的に分析する学問という違いがあります。
取得できる資格の例

商学では、会計や企業活動に関する知識を学ぶため、ビジネス系や会計系の資格取得につながることがあります。
代表的な資格は以下のとおりです。
資格 | 概要 |
税理士 | 企業や個人の税務申告、税務相談、税務書類の作成などを行う専門職。 税理士試験は科目合格制で、会計学と税法など複数科目に合格する必要がある。 |
公認会計士 | 企業の財務諸表を監査し、会計情報の信頼性を保証する専門職。 国家試験合格後、監査法人などで実務経験を積んで登録される。 |
中小企業診断士 | 中小企業の経営課題を分析し、経営改善の助言を行うコンサルタント資格。 経営戦略、財務、マーケティングなど幅広い知識が求められる。 |
日商簿記検定 | 企業の会計処理や財務状況を理解するための資格。 3級から1級まであり、企業の経理や会計分野の基礎資格として広く知られている。 |
これらの資格は、商学で学ぶ会計や経営、ビジネスの知識を活かすことができる代表的な資格です。
主な進路・就職先

商学部の卒業生は、ビジネスに関する幅広い知識を活かして多様な業界へ進みます。
代表的な進路をまとめると以下のとおりです。
進路・就職先 | 概要 |
会計事務所・監査法人 | 公認会計士などの専門職として、企業の監査や会計業務に携わる。 |
税理士事務所・税理士法人 | 税務申告や税務相談など、税務分野の専門業務を担当する。 |
メーカー | 商品企画、営業、マーケティングなどの部門でビジネス知識を活かす。 |
金融機関 | 銀行、証券会社、保険会社などで資金運用や企業金融に関わる業務に携わる。 |
その他一般企業 | 商社、IT企業、流通業などで営業、企画、経営管理などの職種に就く。 |
大学院進学 | 会計学や経営学などをより専門的に研究するために大学院へ進学する。 |
このように、商学で身につけた知識は多くの業界で活用できるため、進路の選択肢が広いことが特徴です。
向いている人の特徴

商学は企業活動やビジネスの仕組みを学ぶ学問であるため、次のような特徴を持つ人に向いています。
特徴 | 概要 |
ビジネスや経済に興味がある | 企業がどのように利益を生み出すのか、市場がどのように動くのかといった経済活動に関心を持てる人。 |
数字やデータの分析が得意 | 会計や統計、データ分析など、数字を扱う分野に抵抗がない人。 |
新しいアイデアを考えるのが好き | マーケティングや商品企画などで発想力を活かせる。 |
コミュニケーション能力が高い | 顧客や取引先、社内のメンバーと協力して仕事を進めることができる。 |
これらの特徴を持つ人は、商学を学ぶことでビジネスの現場で役立つ知識やスキルを身につけることができます。
よくある質問

商学を学んでいる人、あるいはこれから商学を学ぼうと考えている人が抱く疑問について、回答とともにまとめました。
商学を学ぶには英語は必要ですか?
商学では、国内市場だけでなく国際市場や世界経済の仕組みについても学びます。
企業活動は国境を越えて行われることが多いため、英語での情報収集やコミュニケーションができると学習や将来の仕事で役立つ場面があります。
大学の授業は日本語で行われることが一般的ですが、大学や学部によっては英語で行われる科目が用意されていたり、留学プログラムへの参加を推奨していたりする場合もあります。
中には留学制度をカリキュラムの一部として設けている学部・コースもあります。
そのため、商学を学ぶうえで英語が必須条件になるとは限りませんが、国際ビジネスやグローバル市場に関わる仕事を目指す場合には、英語力を身につけておくと役立つでしょう。
会計学に興味がありますが、数学が苦手です

会計学に興味があっても、「数学が苦手なので大丈夫だろうか」と不安に感じる人は少なくありません。
結論から言うと、数学が得意でなくても会計学を学ぶことは可能です。
会計学で扱う計算は、複雑な数学というよりも、基本的な四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)が中心です。
企業のお金の流れを記録・整理し、財務状況を理解することが主な目的であるため、高度な数学を使う場面は多くありません。
大学の商学部で学ぶ主な会計分野をまとめると、次のようになります。
分野 | 内容 |
簿記 | 企業の取引を記録し、帳簿や財務諸表を作成する方法を学ぶ |
財務会計 | 企業の決算書を作成し、財務状況を外部に報告する仕組みを学ぶ |
管理会計 | 経営判断のために、コストや利益のデータを分析する方法を学ぶ |
原価計算 | 製品やサービスのコストを計算し、利益管理に活用する方法を学ぶ |
これらの分野では計算は行いますが、重要なのは計算力よりも「お金の流れを理解する力」です。
そのため、数学が苦手な人でも、仕組みを理解しながら学習を進めれば十分に対応することができます。
簿記などの資格への挑戦は必須なのでしょうか?
商学を学ぶと簿記などの資格取得を勧められることがありますが、必ず取得しなければならないわけではありません。
大学の授業では、資格取得を前提としない形で会計やビジネスの基礎を学ぶことが一般的です。
ただし、資格を取得しておくと就職活動や実務で役立つ場合があります。
特に会計や経理の仕事を目指す場合には、簿記資格を持っていると基礎知識の証明になります。
代表的な資格と特徴をまとめると、次のとおりです。
資格 | 特徴 |
日商簿記検定 | 会計の基礎知識を証明できる資格。3級は基礎、2級は企業の経理業務で役立つレベルとされる。 |
税理士 | 税務の専門家として働く国家資格。会計や税法の科目試験に合格する必要がある。 |
公認会計士 | 企業の財務諸表監査を行う専門職。国家試験に合格し、実務経験を経て登録される。 |
中小企業診断士 | 経営コンサルタントとして企業の経営改善を支援する国家資格。 |
資格取得は必須ではありませんが、学んだ知識を形として示す手段の一つです。
将来、会計や経営、金融などの分野で働きたいと考えている場合には、学習の一環として資格取得に挑戦してみるのもよいでしょう。
まとめ

この記事では、商学とは何かという点から始め、具体的な主要科目、学ぶメリット、学ぶにはどうしたらいいのかという点に触れてきました。
その中でも、商学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 商学は、経済や商業の動きを科学的に勉強する学問
- 理論だけでなく現実のビジネスに役立つ知識やスキルを学ぶ
- 学ぶことで経済活動に関する幅広い知識を習得することができ、多くの企業で役立つ人材になれる
- 商学と経営学の違いは商学はビジネスの広い知識を、経営学は会社を上手に運営するための具体的な技術や方法を学ぶという点
- 学ぶ分野が広いので商学を学んだ方はさまざまな職種で活躍できる
本記事で解説した内容は「工学のポイントガイド」でまとめています。
年内入試ナビの会員になるだけで受け取れるので、復習のためにもぜひ登録してご覧ください。
商学とは?定義から経営学との違いなどを解説
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
