奈良女子大学

古都・奈良の地で過去と向き合い未来を考える 温故知新という言葉があるように、未来を知るためには過去を知ることが必要とされます。環境問題の深刻化や世界的な格差の広がりなど多くの問題に直面し、人類の未来がかつてほど鮮明には見通せなくなっている現在、過去を知ることの重要性はいっそう高まっています。歴史学は、その意味で、いま最も求められている学問です。 歴史学コースでは、考古学、日本美術史などを含む古代学、日本史、東洋史、西洋史を学ぶことができます。さまざまな時代・地域に視野を広げ、国際交流、政治、宗教、思想、文化など多様なテーマについて探究します。少人数でのゼミ、そして専門書や外国語文献、古文書・古記録・図像・彫刻・出土遺物といった史料の解読を通じて基礎力を養い、柔軟に考え、感性を磨き、自由なテーマによる卒業論文の作成へと発展させます。

文系・理系の知を融合して地域を多面的に理解する 地理学コースでは、地域の自然・社会・経済、都市の成り立ち、まちづくり、生活文化、ツーリズム、ポピュラーカルチャー、ジェンダー、景観、環境問題、自然災害など、さまざまなテーマ・領域を扱います。6名の教員の指導の下で、自然地理学や人文地理学をはじめ、地誌学や地域研究についての勉強／研究ができます。 ■POINT 01：学際的な視点 空間を軸にして、歴史、経済、社会、文化、自然など、さまざまな視点から対象地域を考察する力を身につけます。 ■POINT 02：徹底した現場主義 百聞は一見に如かず。授業では国内外のさまざまな現場に出かけて、自分の目で見て考えることを重視します。 ■POINT 03：データ分析のスキル養成 住⺠からのインタビュー情報、自治体の統計資料、GISデータ、気象データなど、地域に係わる各種データの扱い方を学びます。

社会と人間のダイナミックな関係をとらえる 社会学コースでは、社会を構成する要素を基本的視点に置きつつ、現代社会で生じている諸現象を読み解くことを目的としています。 ■POINT 01：社会を読み解く 社会を構成する諸要素（制度・文化・関係）を基本的視点に据えつつ、現代社会で生じている諸現象を読み解く力を身につけます。 ■POINT 02：理論と手法の習得 社会現象の解明に必要な考え方・見方（理論）を学ぶとともに、現実で生じている実態を具体的に調べるための方法（アンケート調査、フィールドワーク、聞き取り調査、資料・メディア分析などの研究技法）も習得します。 ■POINT 03：多様なテーマ 具体的には、グローバル化と国際社会、ジェンダーと家族、都市と地域、格差と不平等、組織・ネットワーク・コミュニティ、文化とメディア、異文化接触と多様性などのさまざまなテーマ・領域を扱います。

着実な読みに根ざし、広い視野を養う 日本アジア言語文化学コースでは、日本・中国など東アジア全体の言語文化を広い視野で学んでいきます。地域・時代・ジャンル・流派・作家など、さまざまな切り口から、具体的に「読む」という作業を通してその特質を明らかにしていきます。言語活動という観点から日本そしてアジアの文化を考えることができる素材なら、すべて私たちの研究対象になるのです。 ■POINT 01：テキストの読解 文学作品や文献資料を深く精確に読み解く力を養います。 ■POINT 02：資料を扱う手法の習得 さまざまな言語活動を扱うために必要な知識を身につけ、ことばそのものや、作品、資料の性質を理解し、適切に調査、分析するための手法を学びます。 ■POINT 03：幅広い視野の育成 アジアの言語文化を、時代やジャンルをこえて考察することで、幅広い視野を養います。

外国語能力を伸ばし、国際的視野を育む ヨーロッパ・アメリカ言語文化学コースでは、英米独仏の言語圏における古典から現代カルチャーまでを対象に、多様な視点から言語文化を分析・研究します。英語学・言語学、イギリス文学、アメリカ文学、ドイツ文学、フランス文学の分野があります。人間の認知や社会・文化との関わりから言語の仕組みを探る研究、ジェンダーの視点から言語文化を考察する研究、テクストの解釈により人間文化を深く理解する研究などがあります。 ■POINT 01：奈良で学ぶ外国語・外国文学 古都奈良を拠点にヨーロッパ・アメリカの言語文化を学び、国際的な感覚を養います。 ■POINT 02：テクストの精緻な読解と分析 しっかりとした語学力をもとに、多様なテクストや言語活動を読み解き、分析する力を養います。 ■POINT 03：幅広い視野の形成 欧米の複数の言語文化を学び、幅広い視野を養います。

人間形成と人間存在の根源へ 「教育学・人間学コース」は主に4つの学問分野からなり、人間形成と人間存在に関わる幅広い事象に取り組みます。 ■教育学分野 教育の理念や原理の考察、歴史研究、実証的な調査研究を行います。 ■哲学・倫理学分野 人間そのものを根本的・原理的に究明するとともに、現代社会が直面する諸問題の倫理学的検討を通して、人間存在と社会の倫理的基盤について考察します。 ■音楽教育学分野 音楽教育の哲学や歴史、教育現場における音楽実践、ピアノ教育等の専門教育などを通し、音楽の持つ意味について探究します。 ■身体文化学分野 遊び、スポーツ、諸芸道はもちろん、絵画、彫刻などの視覚芸術、マンガ、映画などのポップカルチャーから音楽、文学、政治に至るまで、多様な場に埋め込まれた「文化としての身体」に着目し、そこに展開される人々の営みを歴史学や社会学などの手法を用いて読み解きます。

心についての研究から、共に生きること・ケアすることの実践へ 心理学コースでは、基礎的な研究から実践・臨床に至るまで広範囲な心理学の諸分野を総合的に学習することができます。 ■POINT 01：幅広い学びからそれぞれの実践を志向する 文学部において人間、文化、社会への課題意識を持ち、企業・官公庁の一般職から教員や公認心理師などの専門職までの志望に応じて、幅広く心理学を学びます。 ■POINT 02：証拠に基づく理論化と個別化で多様性を尊重する 人間が生きることの理論化（一般化）つまり研究と、多様性と個性の尊重、つまり臨床を、実証と実践を通して学びます。 ■POINT 03：自ら考え確かめ、対話し協働する 心理学諸分野の知見を学ぶと共に、自ら問題・課題を発見し、研究を計画・実行し、分析と考察を授業での対話と協働を通して行います。

子どもたちの豊かな未来を想像する幼小教員養成 子ども教育専修プログラムは、幼稚園・小学校教諭を養成するためのプログラムです。いわゆる教職科目だけでなく、1年次には文学部の幅広い科目を履修します。2年次から哲学・倫理学、教育学、音楽教育学、身体文化学、心理学の諸分野の専門的な学修を開始し、3年次でのコース選択（教育学・人間学コースまたは心理学コース）後は、それぞれのコースの演習などを履修し、4年次には専門分野で卒業論文を作成します。 奈良女子大学附属学校園との連携も子ども教育専修プログラムの大きな魅力です。3年次より始まる教育実習を、100年以上の歴史があり、数多ある全国の大学附属の中でも特に有名な附属幼稚園と小学校で行うことで、子どもの豊かな未来を創造する教師としての資質と高度な指導法を身につけることができます。