年内入試ナビ

作成日: 2024/12/20 更新日:2024/12/20

歴史学とは何を学ぶ学問なのか?主な学習分野や就職先を徹底解説

歴史学とは何を学ぶ学問なのか?主な学習分野や就職先を徹底解説

人文学系の学部の中には、歴史学を学べるコースや学類があります。

そこで本記事では、歴史学とは何かを理解できるように、主な領域や分野の学ぶ内容について徹底的に詳しく解説していきます。

また、歴史学が学べる大学や、卒業後の進路や就職先のほか、受験生がよく抱く疑問とその回答も掲載しています。

ぜひ最後まで読み進めて歴史学についての理解を深め、進路選択に活かしてください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

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年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

歴史学とは何を学ぶ学問なのか?学問の本質と目的

歴史学とは何を学ぶ学問なのか?学問の本質と目的

歴史学とは、過去の人間の活動や出来事を研究し、それを記録し、解釈する学問です。過去の出来事やその背景、影響を理解し、人間社会の発展と変化の過程を明らかにします。

歴史学の目的は、過去の出来事や人々の行動、思想、文化などを研究し、その意味や影響を解明することです。具体的には、以下のような目的があります。

目的
概要
知識の探求
過去の出来事や文化を調査し、人類の歴史についての理解を深める。
教訓の抽出
過去の失敗や成功から学び、現代や未来の課題解決に役立てる。
アイデンティティ形成
自国や地域の歴史を知ることで、個人や集団のアイデンティティを強化する。
文化の保存
過去の文化遺産を保存し、次世代に伝える。
批判的思考の促進
歴史的資料を分析し、批判的に考える能力を養う。
社会の理解
現代社会の構造や価値観を理解するために、歴史的背景を学ぶ。

このように、人間社会の動きや変化の法則を解明し、現在の世界がどのように形成されてきたのかを明らかにします。

歴史学で学ぶ主な領域・分野

歴史学で学ぶ主な領域・分野

歴史学で学ぶ主な内容やテーマは次のとおりです。

  • 領域①日本史
  • 領域②東洋史
  • 領域③西洋史
  • 分野①国別史
  • 分野②政治史
  • 分野③社会史
  • 分野④経済史
  • 分野⑤文化史
  • 分野⑥外交史
  • 分野⑦軍事史

それぞれ詳しく見ていきましょう。

領域①日本史

​日本史は、古代から現代までの日本の歴史を理解するための重要な分野です。日本の歴史は次のように続いています。

  • 旧石器時代
  • 縄文時代
  • 弥生時代
  • 大和時代
  • 奈良時代
  • 平安時代
  • 鎌倉時代
  • 室町時代
  • 戦国時代
  • 江戸時代
  • 明治時代
  • 大正時代
  • 昭和時代
  • 現代

それぞれの時代には、政治、経済、文化、社会など様々な側面での変化がありました。特に、次の点などは、日本の歴史において重要な転換点となっています。

  • 平安時代の貴族文化
  • 鎌倉時代の武士の台頭
  • 戦国時代の戦乱
  • 江戸時代の平和と繁栄
  • 明治維新による近代化

日本史を学ぶことで、過去の出来事が現在にどのように影響を与えているかを理解し、日本の文化や社会の形成過程を知ることができます。

領域②東洋史

​東洋史は、アジア大陸を舞台に繰り広げられた多様で豊かな歴史を探求する学問です。中国、インド、中東をはじめとする地域の歴史は、政治、経済、文化の発展において世界に多大な影響を与えてきました。

その一例は次のとおりです。

地域
概要
中国
古代の王朝から現代に至るまで、技術革新や思想の発展を通じて周辺諸国に大きな影響を及ぼしました。
インド
仏教やヒンドゥー教の発展が社会構造や文化に深く根付いています。
中東
イスラム文明の中心地として、科学技術や哲学の発展拠点となりました。

これらの地域間の交流はシルクロードを通じて行われ、貿易や文化の伝播において重要な役割を果たしました。このように、東洋史は世界史全体を理解する上で欠かせない学びです。

領域③西洋史

​西洋史は、ヨーロッパを中心にした歴史を探求する学問であり、古代ギリシャ・ローマから中世、ルネサンス、近代・現代に至るまで、政治、経済、文化、宗教、科学技術の発展を多面的に考察します。

特に、民主主義の発展や産業革命、近代国家の形成などは今日の世界に大きな影響を与えました。そのため、西洋史を学ぶことは、現代社会の背景を理解し、未来を見据えるための知識を深める手助けとなります。

西洋史における重要な出来事としては、次の事柄が挙げられます。

  • ギリシャの民主制
  • ローマ帝国の拡大と崩壊
  • 中世の封建制度
  • ルネサンス期の文化再生
  • 宗教改革
  • フランス革命
  • 二度の世界大戦

これらの歴史的事象は、今日の政治的・社会的構造の基盤を形成しており、その影響は世界中に及んでいます。

そのため、西洋史の学びは、過去の出来事を理解するだけでなく、それを現代にどう活かすかを考えることに繋がります。

分野①国別史

日本史や東洋史、西洋史とは異なり、国別史では各国ごとの特徴や重要な出来事、文化的背景を深掘りします

例えば、イギリスの産業革命やフランス革命、中国の文化大革命など、世界の国々で起きた特筆すべき出来事について詳しく学びます。

国別史を通して、歴史がどのように国の成り立ちや社会に影響を与えてきたかを知ることができます。

そのため、各国の歴史的背景を理解することで、現代社会における国際的な関係性や文化交流の重要性が理解できるようになります。

分野②政治史

政治史で学ぶこと

政治史とは、国家や政府がどのように発展し、どのように変化してきたかを研究する分野であり、歴史学の中でも大切なテーマの1つです。主に学ぶ内容を以下にまとめました。

学ぶ内容
詳細
政治制度の変遷
各時代や地域における政治制度の成立、発展、変化の過程を学ぶ。
政治思想
主要な政治思想家とその思想の影響を学び、政治理念の歴史的変遷を理解する。
国家の形成と崩壊
国家の成立、成長、衰退、崩壊の原因と過程を分析する。
重要な政治事件
革命、クーデター、条約、選挙などの政治的出来事とその影響を学ぶ。
政治指導者
重要な指導者の生涯と業績、政治的影響力を学ぶ。

これらを学ぶことにより、過去の政治的な出来事や思想が現代にどのように影響を与えているかを理解し、政治の歴史的背景を深く知ることができます。

分野③社会史

社会史は、人々の生活様式、社会構造、文化、経済活動など、日常生活や社会の変化に焦点を当てて歴史を探究する分野です。

政治史や軍事史とは異なり、社会史は一般市民の生活や社会全体の変遷に関する理解を深めることを目指します。学ぶ内容の例は以下のとおりです。

学ぶ内容
詳細
社会構造
各時代の階級、階層、社会集団の形成と変化を学ぶ。
生活様式
日常生活、衣食住、娯楽、教育などの歴史的変遷を学ぶ。
家族構成
家族の役割、構造、家族関係の歴史的変化を理解する。
経済活動
農業、商業、工業などの経済活動の発展とその社会への影響を学ぶ。
社会運動
労働運動、女性運動、民権運動などの社会運動の歴史と成果を分析する。
これらを学ぶことで、各時代における一般市民の生活や社会の変化を深く理解し、現代社会の成り立ちや背景を歴史的視点から把握することができます。

分野④経済史

経済史で学ぶこと

経済史を学ぶことで、過去の経済的成功や失敗から現代の経済状況や制度の背景を理解することができます。

さらに、経済の発展が社会や政治にどのように影響を与えたかを把握し、将来の経済政策や発展の方向性を見極めるための洞察を得ることができます。経済史で学ぶ内容の一例は以下のとおりです。

学ぶ内容
詳細
産業革命
産業革命の過程、技術革新、その社会的・経済的影響を学ぶ。
貿易の発展
古代から近代までの貿易路、貿易品、国際貿易の進化を理解する。
経済政策
各時代の政府の経済政策、その影響と成果を分析する。
金融システムの進化
銀行、通貨、信用制度の発展とその影響を学ぶ。
経済的危機と対応
経済危機の原因、進行、対応策、結果を学び、教訓を得る。

これらを学ぶことで、過去の経済活動とその影響を深く理解し、現代の経済問題への対応策を歴史的な視点から考察することが可能となります。

経済史を学ぶことで、経済の発展が社会や政治に与える影響を把握し、将来の経済政策や発展の方向性を見極めるための大切な知識を得られるのです。

分野⑤文化史

文化史は、過去の社会における文化的活動や思想、芸術、宗教などの変遷を探究する分野です。次のような広範な文化的現象を学びます。

学ぶ内容
詳細
文学の発展
古代から現代に至るまでの文学作品とその社会的・文化的背景を学ぶ。
芸術と建築
絵画、彫刻、建築の歴史的変遷とその時代背景、影響を理解する。
宗教と信仰体系
各時代の宗教、信仰体系の発展と社会に与えた影響を探究する。
音楽の歴史
音楽の発展、主要な作曲家とその作品、音楽が社会に与えた影響を学ぶ。
哲学と思想
哲学的思考の変遷、主要な思想家とその影響を理解する。

文化史を学ぶことで、異なる時代や地域の文化的活動や思想の変遷を深く理解し、現代の文化的価値観や社会構造の背景を把握することができます。

歴史全体の流れをより包括的に理解する視点は、現代の文化や社会の発展に役立てることができます。

分野⑥外交史

外交史では、国境を超えた文化交流、貿易、戦争、技術革新など、地球規模での歴史的な出来事や動向に焦点を当て、世界各地の歴史的出来事、文化、社会、経済、政治の相互関係を探究します。

国際関係の変遷やグローバルな視点で見た近代史の重要な出来事についても掘り下げるので、異なる文化や国々がどのように影響し合い、現代の世界を形作ってきたのかを学ぶことができます。

このように、外交史を学ぶことで、異なる地域や文化の歴史的発展と相互作用を理解し、特定の国や地域に限定されない、広範囲にわたる歴史の流れを理解するための重要な視点が得られます。

そのため、外交史を学ぶことで、歴史の大きな流れやパターンを把握し、現代の国際社会のグローバルな課題や動向の背景への理解を深め、未来への展望を開く洞察を得るための重要な知識が得られます。

分野⑦軍事史

軍事史

軍事史は、戦争や軍事行動、戦争の影響について探究する分野です。戦争の原因、進行、結果だけではなく、軍事技術の進化や戦略の発展も学びます。軍事史で学ぶ内容の一例は以下の通りです。

学ぶ内容
詳細
戦争の原因と結果
主要な戦争の原因、進行、結果を分析し、その歴史的影響を学ぶ。
軍事技術の進化
武器、装備、戦術の発展とその影響を理解する。
戦略と戦術
主要な戦略、戦術の歴史的変遷とその成果を学ぶ。
軍事組織と指導者
重要な軍事組織、指導者の役割とその影響を探究する。
戦争と社会への影響
戦争が社会、経済、政治に与えた影響を分析する。

軍事史を学ぶことで、戦争がどのように発生し、進行し、終結したかを理解し、その結果が社会全体にどのような影響を与えたかを把握することができます。

戦争が社会、政治、経済に与えた影響を理解することで、過去の戦争から得られた教訓を現代の紛争解決や平和構築に活かすことができるのです。

歴史学を学べる大学を紹介

歴史学を学べる大学

歴史学は、文学部のある多くの大学で学ぶことができます。その中でも、これからご紹介する大学は、歴史学の分野で優れた教育と研究の機会を提供しており、多くの優れた歴史学者を輩出しています。

北海道大学 文学部 人文科学科 歴史学・人類学コース

北海道大学

北海道大学文学部人文科学科の​​歴史学・人類学コースでは、次の5つの分野を学べます。

  1. 日本史学

  2. 東洋史学

  3. 西洋史学

  4. 考古学

  5. 文化人類学

日本史、東洋史、西洋史の各分野を深く学ぶことができ、考古学や文化人類学も含めて多角的に学べるのが特徴です。

参照:北海道大学 文学部 人文科学科 歴史学・人類学コース

また、豊富な研究資料と支援体制が整っており、学生は質の高い研究活動を行うことができます。

参照:北海道大学 文学部 学びの環境

早稲田大学 文学部

早稲田大学の文学部では、1年次の基礎教育を経て、2年次から18コースに分かれて専門性を磨いていきます。歴史学を学べるコースは次の4つです。

  1. 日本史コース

  2. アジア史コース

  3. 西洋史コース

  4. 中東・イスラーム研究コース

参照:早稲田大学 文学部 コースの紹介

選択したコース以外にも、文学部と文化構想学部の様々な授業を受けられるので、様々なテーマを立体的に探究することができます。

参照:早稲田大学 文学部 カリキュラム

筑波大学 人文・文化学群 人文学類

筑波大学

筑波大学の人文・文化学群 人文学類には、哲学、史学、考古学・民俗学、言語学の4つの主専攻があり、史学主専攻では、日本史、東洋史、西洋史、歴史地理学が学べます。

1、2年次には、哲学、考古学・民俗学、言語学の入門的な科目も履修するので、学際的な学びが得られます。

3年次からは、日本史、東洋史、西洋史、歴史地理学のいずれかの内容を深く学び、フィールドワークを通じて実践的な研究も行えます。

参照:筑波大学 人文・文化学群 学類紹介 人文学類

國學院大學 文学部 史学科

國學院大學の文学部 史学科には、次の4つのコースがあります。

  1. 日本史学コース

  2. 外国史学コース

  3. 考古学コース

  4. 地域文化と景観コース

2年次からは、公務員や一般企業への就職を目指すか、大学院への進学や教職・学芸員などの専門職を目指すかによってカリキュラムが分かれます。そのため、キャリアプランに合ったカリキュラムを選ぶことができます。

参照:國學院大學 文学部 史学科について

東京外国語大学 国際社会学部

東京外国語大学

東京外国語大学の国際社会学部では、興味のある世界の地域を選び、各地の歴史や社会を学んだり、現地で使われている言語の修得を目指したりします。

留学制度が整っているので、豊富な現場経験をもとに、国際社会の実践知も兼ねそなえた専門家になることを目指せるのが特徴的です。

参照:東京外国語大学 国際社会学部

立命館大学 文学部

立命館大学の文学部は8つの学域に分かれており、各学域に専攻があります。そのうち、歴史学を学べるのは、次の学域・専攻です。

  • 日本史研究学域 日本史学専攻

  • 東アジア研究学域 東洋史学専攻

  • 国際文化学域 ヨーロッパ・イスラーム史専攻

入学時に学域を選択し、2回生進級時に所属学域内の専攻を選択するようになります。

参照:立命館大学 文学部 ⽂学部の学びの特長

卒業後の仕事は?進路・就職先・職業

歴史学を学んだ後の主な進路

歴史学を専攻した後の進路と就職先には、さまざまな選択肢があります。ここからは、主な進路や就職先の一例をご紹介します。

教育機関

教育機関での職業

歴史学の知識を活かすための1つの進路として、教育機関での仕事が挙げられます。具体的には以下のような職業があります。

職業
役割
高校教師、中学校教師
歴史や社会科の教員として、生徒に歴史教育を行う。
大学講師、教授
大学で歴史学の講義を担当し、研究を続ける。

教育の現場で歴史に関する知識や歴史の魅力を次世代に伝える役割を担うことができるので、意義深い仕事であると言えます。

研究機関

研究機関には、以下のような職業があります。

職業
役割と活動内容
研究員
歴史学の研究機関で研究に従事し、論文や書籍を執筆する。
博物館学芸員
博物館で歴史的資料の収集、保存、展示を担当し、展示企画や教育活動を行う。

研究機関で働くためには、博士号の取得や専門的なスキルが求められることが多いです。そのため、研究者としての道を選ぶ場合は、長期にわたって大学で研究を続ける覚悟が必要です。

公務員

歴史学の知識を活かせる公務員の職業としては、以下のようなものがあります。

職業
役割と活動内容
地方自治体の文化財担当
地方自治体で文化財の保護や保存、管理を行う。
文部科学省や文化庁の職員
文化政策や教育行政に携わる。

公務員は、行政サービスの一環として文化財の保護や文化政策に携わるので、社会に貢献しているというやりがいを得やすい魅力的な職業であると言えます。

出版・メディア

出版・メディア業界での職業

出版・メディア業界には以下の職業があります。

職業
役割と活動内容
編集者、ライター
歴史に関する書籍や記事の執筆、編集を行う。
ジャーナリスト
歴史的な背景を持つニュースや特集記事の取材・執筆を担当する。

多くの出版社では、歴史関連の書籍や教育資料の編集者として、専門的な知識を持つ人材を求めています。また、メディア業界では、報道記者やテレビ番組の制作スタッフとして、歴史学の知識を活かすことができます。

特に報道記者としては、国内外の政治や社会に影響を与える歴史的な出来事を分析し、その背景や意義を正確に伝えるために、歴史学の知識が求められます。

観光業

観光業には以下のような職業があります。

職業
役割と活動内容
観光ガイド
歴史的な観光地のガイドとして、訪問者に歴史的背景や文化を説明する。
旅行会社の企画担当
歴史に関連するツアーやイベントの企画を行う。

観光ガイドや観光プランナーとして、その地域の歴史や文化について観光客に情報を提供し、より深い理解と体験が得られる旅にすることができます。

特に国内外の歴史的な場所や文化遺産を訪れる観光客をサポートする役割は、歴史学の知識を活かす絶好の機会となります。

その他のキャリアパス・大学院へ進む

歴史学専攻者の多様なキャリアパスと大学院進学

このように、歴史学の知識を生かしたキャリアパスは多岐にわたり、あなたの興味や適性に応じてさまざまな職業を選ぶことができます。

また、歴史学を専攻することで得られる批判的思考力やリサーチ能力は、これ以外の多くの分野でも応用可能です。なお、より専門的な知識を深めるために大学院へ進学することも1つの選択肢です。

大学院では、特定の時代や地域、テーマなどについて専門的に研究することができるので、研究を通じて新たな視点や知識を得ることができます。

よくある質問

歴史学に関してよくある質問

ここからは、歴史学についてよくある質問への回答をご紹介していきます。

歴史学と考古学の違いは何?

歴史学と考古学の違いは何?

歴史学と考古学は、人類の過去を研究する学問ですが、研究のアプローチ方法や研究対象に違いがあります。

歴史学
考古学
・主に文献や記録を基に、過去の出来事や社会の変化、文化の発展を解明しようとします。

・特に文字で記録された資料を重視し、それらを分析して歴史の流れや背景を探究します。
・物質的な遺物や遺跡を調査対象とし、これらの物証から過去の人類の活動を復元します。

・遺跡の発掘や、出土品の分析を通じて、文字記録が存在しない時代や地域の歴史を明らかにする役割を担っています。

このように、歴史学が「書かれた過去」に焦点を当てるのに対し、考古学は「形に残る過去」を解明する学問といえます。そのため、どちらも学ぶことで、歴史を総合的に理解できます。

高校で歴史が苦手だったけど、歴史学を学べる?

​高校時代に歴史が苦手だったとしても、歴史学を学べます。なぜなら、高校での学習は年号や出来事の暗記が中心ですが、大学では歴史を分析し、解釈する力が求められるからです。

歴史学は単なる暗記科目ではなく、過去の出来事を深く理解し、現代社会に生かす方法を探る学問です。そのため、興味のあるテーマを選び、独自の視点で研究を進めることができます。

歴史学はどんな人に向いている?

歴史学が向いている人の特徴

次のような人は歴史学に向いています。

特徴
向いている理由
過去の事象に対する興味や好奇心が旺盛な人
歴史学は、過去の出来事や文化、社会の変遷を学ぶ学問だから。
細かいことに注意を払える几帳面な人、忍耐強くデータを解析する能力がある人
大量の資料やデータを分析することが多いから。
柔軟な思考や異なる意見を尊重する心を持つ人
歴史の解釈は1つではなく、多様な視点を取り入れることが重要だから。

これらの特性を持つ場合は、歴史学の学習を検討してみてください。

歴史学を学ぶことで身につくスキルは?

​歴史学を学ぶことで身につくスキルは多岐にわたります。

身につくスキル
身につく理由
情報収集能力
膨大な資料を整理し、必要な情報を抽出しながら過去の出来事を調査・分析するから。
論理的思考力
歴史的背景や因果関係を理解する過程で、複雑な問題を整理し、解決策を見出す力が身につくから。
柔軟なコミュニケーション能力
歴史を通じて異なる文化や価値観を学ぶことで、視野が広がり、異文化理解や多様性を尊重する姿勢が育まれるから。

このように、歴史学を学ぶと、現代を生き抜くための実践的なスキルも身につくのです。

まとめ:歴史学に関する総括

歴史学に関する総括

本記事では、歴史学の定義や学ぶ内容、歴史学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先を解説しました。解説した中でも、重要なポイントを最後に記載します。

  • 歴史学とは、過去の人間の活動や出来事を研究し、それを記録し、解釈する学問である
  • 歴史学は、文学部のある多くの大学で学ぶことができる
  • 歴史学を学べる大学の卒業後の職業としては、教育機関や研究機関などが挙げられる
  • 大学によってそれぞれ特徴があるので、あなたの興味やキャリアの目標に合わせて大学を選ぶ

当記事を通して、歴史学についての全体像を理解していただければ幸いです。

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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