作成日: 2025/3/05 更新日:2025/3/05
考古学とはどんな学問?学ぶ内容や向いている人の特徴・おすすめの大学も詳しく解説

この記事でわかること
- 考古学とはどんな学問か
- 考古学の目的と意義
- 考古学で学ぶ内容
- 考古学を学ぶことに向いている人の特徴
- 考古学の研究が有名な大学
「考古学に興味があるものの、何を学ぶのか良く知らない」
「考古学を学ぶためには、何学部に進学すれば良いか分からない」
という高校生も多いのではないでしょうか。
考古学を大学で学ぶ人は少ないため、進路に関する情報収集が難しいケースもあります。
本記事では、考古学で学ぶ内容や向いている人の特徴、おすすめの大学について詳しく解説します。
進路選択に役立つ情報が多くあるので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
考古学とはどんな学問?

考古学は、過去の人類の生活や文化を解明する学問で、遺跡や遺物を通じて、歴史の謎を解き明かします。
この学問は、文献資料に依存する歴史学とは異なり、発掘調査によって物理的な証拠を収集し、分析することで、過去の社会や技術の変遷を明らかにします。
考古学の研究対象は多岐にわたり、石器時代の遺跡から近代の建築物までさまざまです。研究者は、土器、石器、金属器、建築遺構、動植物の骨などの遺物を調査し、それらがどのように作られ、使用され、廃棄されたのかを解析します。
さらに、考古学では、放射性炭素年代測定やDNA分析などの先進的な科学技術も活用されています。これにより、より正確な年代や文化の変遷を明確にすることができます。
考古学には、先史考古学、歴史考古学、環境考古学などのさまざまな分野があり、これらの研究は国際的にも行われています。
日本では、縄文・弥生時代や古墳時代に関する研究が盛んで、文化財保護の重要な一環としても大きな役割を果たしています。
考古学の目的と意義

目的
考古学は、過去の人類の活動を物的証拠(遺跡や遺物)を通じて探求し、解明する学問です。その主な目的は以下の通りです。
- 過去の人々の生活を知る
考古学は、文字記録が残っていない時代や文明について、物的な証拠(道具、建物、墓、食べ物の遺物など)を基に、過去の人々がどのように生活していたかを明らかにします。これにより、過去の文化や社会構造、技術の進化などが理解できます。 - 歴史の補完
歴史学は主に文献や記録を基に過去を研究しますが、考古学はそれに加えて物的証拠を使って、記録に残されていない情報や不明な部分を補完します。例えば、古代文明の生活の詳細や、災害・戦争などの出来事について記録が残っていない場合、考古学的発見が重要な手がかりになります。 - 人類の起源や発展を追う
人類がどのように進化し、異なる地域や時代でどのように文明を築いたかを理解するために、考古学は重要な役割を果たします。例えば、石器時代の道具や遺跡を研究することで、人類の初期の生活様式や技術の発展を追跡できます。
意義
考古学には、学問的な価値だけでなく、社会や文化にとって重要な意義もあります。
- 人類の歴史を知る手段
考古学を通じて、私たちは人類がどのように生活し、成長し、社会を作り上げてきたのかを理解できます。これにより、過去の失敗や成功から学び、現代の社会にも活かせる教訓を得ることができます。 - 文化遺産の保護と継承
遺跡や遺物は、過去の文化や社会を伝える貴重な財産です。考古学は、それらを発掘し、保存することで、未来の世代に伝える役割を担っています。文化遺産を守ることは、私たちのアイデンティティを確認し、次世代に伝えるために不可欠です。 - 異なる文化の理解と尊重
考古学は、異なる時代や地域の文化を比較することができ、異文化理解を深める助けになります。例えば、古代エジプトやローマ文明、マヤ文明など、さまざまな文化がどのように発展し、何を大切にしていたのかを学ぶことができます。これにより、現代社会での多文化共生や尊重の重要性を理解する手助けにもなります。 - 現代社会への影響
過去の文明や技術が現代社会にどのように影響を与えているかを考えることは、現代技術や社会問題を考える上でも役立ちます。例えば、古代の農業技術や建築方法が現代の技術にどう影響を与えたかを考えることで、今後の技術革新や持続可能な社会の構築に役立つ視点を得ることができます。
考古学の目的は、過去の人々の生活を明らかにし、歴史を補完し、人類の進化や文化の発展を追うことです。その意義は、人類の歴史を学び、文化遺産を守り、異なる文化への理解を深め、現代社会への影響を考えることで、より良い未来を築く手助けとなる点にあります。考古学は、過去と現代をつなぐ架け橋として、私たちに大切な教訓を与えてくれる学問です。
主な内容・研究分野

主な内容
考古学で学ぶ主な内容は、大きく分けて以下の6つです。
下記では、それぞれの内容について詳しく解説します。
考古学は過去の人類の文化や歴史を物理的な証拠から解明する学問であり、非常に多岐にわたる分野をカバーしています。学ぶ内容は、発掘調査から得られる遺物や遺跡を基に、人類の社会構造、技術、日常生活、信仰、環境との関わりについて深く探求します。ここでは、考古学で学ぶ主な内容をいくつかの視点から紹介します。
遺物と遺跡の調査
考古学の基本は、遺物(器具、道具、装飾品、骨など)や遺跡(住居跡、墓地、集落跡など)の発掘です。これらの物的証拠を通じて、過去の社会や文化を理解することができます。具体的には、以下のような分野があります:
- 土器:古代の人々の食事や生活様式を知る手がかりとなります。
- 石器と金属器:技術の進歩を示し、道具の使い方や製作技術を学びます。
- 建築遺構:住居や寺院、都市計画などを通じて、過去の人々の生活空間を理解します。
- 骨や遺体:人間や動物の骨を調査することで、食生活や健康状態、さらには社会的な構造も明らかにします。
年代測定と技術分析
考古学では、過去の出来事を正確に知るために、さまざまな科学技術を駆使します。例えば、放射性炭素年代測定は、遺物や遺骸の年代を特定するための重要な方法です。また、DNA分析やアイソトープ分析を用いて、当時の人々や動物、植物との関わりや交易などのネットワークを探ることができます。さらに、環境分析により、過去の気候や生態系の変化を学ぶことができます。
文化の変遷と社会構造
考古学は、物理的な証拠を通じて、社会の構造や文化の進化を学ぶ学問でもあります。具体的には:
- 社会的ヒエラルキー:遺跡や墓地から得られる情報を基に、支配者層と一般市民の違いや階級社会を探ります。
- 技術革新:新しい道具や建築技術、金属加工技術など、過去の人々がどのように技術的進歩を成し遂げたのかを分析します。
- 宗教と信仰:祭祀遺物や神殿跡、墓地の発掘を通じて、古代の宗教的な習慣や儀式を解明します。
人類の移動と交流
考古学は、過去の人類の移動や文化的な交流を明らかにする手がかりでもあります。遺物の分布や技術、芸術作品から、古代の人々がどのように他の地域と接触し、どのように文化が交わったのかを学びます。特に、交易ネットワークや人の移動に関する研究は、古代の世界の広がりを理解するために重要です。
環境と人間の関わり
考古学は人間と環境の関係を解明する分野でもあります。古代の人々がどのように自然環境を利用し、また時には環境に影響を与えたのかを学びます。たとえば:
- 農業の起源と発展:農耕の開始や技術革新が人類社会にどのように影響を与えたかを探る研究。
- 気候変動の影響:過去の気候変動が文明に与えた影響を調査し、環境問題への警鐘を鳴らします。
文化財保護
考古学は単なる学術的な研究だけでなく、文化財保護にも重要な役割を果たします。考古学的発見は、遺産として保護されるべきものが多く、これらの遺跡や遺物の保存や復元に携わることも考古学の重要な部分です。特に、戦争や開発によって破壊されることの多い遺産を保護するために、考古学者は積極的に活動しています。
研究分野
考古学は、多様な時代や地域にわたる人類の歴史を探求する学問であり、その研究分野は非常に広範囲にわたります。考古学者は、発掘調査や科学的分析を通じて、過去の人々の生活、社会構造、文化的側面を明らかにし、さらに環境との関わりや社会的変遷を理解することを目指します。以下では、考古学の主要な研究分野を紹介します。
先史考古学(Prehistoric Archaeology)
先史考古学は、文字のない時代の人類を研究する分野です。この分野では、最も古い石器時代の遺物や化石を調査し、初期の人類の生活や文化の進化を解明します。特に、旧石器時代、中石器時代、新石器時代といった時代に焦点をあて、道具の発展や狩猟・採集の方法、農業の始まりなどが調査の対象となります。
- 研究対象: 石器、骨、化石、住居跡、洞窟壁画
- 主な課題: 人類の起源、社会の組織、初期の技術や文化
歴史考古学(Historical Archaeology)
歴史考古学は、文字が存在していた時代の人類を対象にする分野です。考古学者は歴史的文献と遺物を組み合わせて、特定の歴史的出来事や社会構造を探求します。この分野では、古代文明から中世、近世の遺跡や遺物が調査対象となり、文献では見えない側面を解明します。
- 研究対象: 都市遺跡、歴史的建物、交易品、金属製品
- 主な課題: 文献と考古学的証拠の整合性、植民地時代の遺物、古代・中世の都市生活
環境考古学(Environmental Archaeology)
環境考古学は、過去の環境と人類の関係を研究する分野です。この分野では、気候変動、環境の変遷、そして人間の活動がどのように環境に影響を与えたか、また逆にどのように環境が人類の生活に影響を与えたかを調査します。植物の遺骸や動物の骨を分析し、過去の生態系を復元する手法が用いられます。
- 研究対象: 植物遺物、動物の骨、土壌、氷床コア
- 主な課題: 古代の気候、農業の発展、動植物の利用法
文化資源考古学(Cultural Resource Management, CRM)
文化資源考古学は、発掘された遺跡や文化遺産を保存・管理する分野です。特に現代社会において開発や都市化が進む中で、遺跡が破壊されないように管理することが求められます。この分野では、発掘調査を通じて、保存すべき遺跡や遺物を特定し、文化財保護のための計画を立てます。
- 研究対象: 開発現場の遺跡、都市計画、歴史的建物
- 主な課題: 文化財の保存、発掘調査の計画、環境への配慮
考古学的生物学(Bioarchaeology)
考古学的生物学は、人類の遺骸や動物の骨を通じて、過去の健康状態、食生活、さらには病気や栄養状態を分析する分野です。遺骸からは、人口動態や死亡原因、また疾病の伝播の様子を知る手がかりが得られます。この研究は、人類の進化や社会構造を解明するうえで重要な役割を果たします。
- 研究対象: 人骨、動物骨、歯、遺伝子情報
- 主な課題: 健康状態、栄養学、古代の病気
地理考古学(Geoarchaeology)
地理考古学は、地理学的な手法を用いて過去の人類の活動を理解する分野です。遺跡の地形や土壌の分析を通じて、古代の人々がどのように土地を利用し、住んでいたのかを探ります。また、地質学的手法を用いて、遺跡の埋没層や地層を年代測定することも重要な役割を果たします。
- 研究対象: 土壌、岩石、遺跡の地層
- 主な課題: 地形の変化、自然災害、土地利用の変遷
工業考古学(Industrial Archaeology)
工業考古学は、産業革命以降の近代の工業社会に焦点を当て、工業遺産を研究する分野です。工場跡や産業遺物、技術の進化などを調査し、近代産業の発展とそれが社会に与えた影響を探ります。この分野では、機械や設備の設計、製造過程を明らかにすることが重要です。
- 研究対象: 工場跡、製造機械、工業用具
- 主な課題: 産業の発展、労働環境、近代技術の影響
海洋考古学(Maritime Archaeology)
海洋考古学は、海中に沈んだ船や港、そして海上交易に関連する遺物を研究する分野です。古代の航海技術や交易ルートを解明し、船舶の残骸を通じて過去の貿易や航海の歴史を知ることができます。
- 研究対象: 沈没船、港跡、海上貿易品
- 主な課題: 航海技術、海上交易、沈没船の復元
考古学に向いている人の特徴

考古学に向いている人の特徴として、以下の4つが挙げられます。
- フィールドワークに興味がある
- 歴史に興味がある
- 探究心が強く地道にコツコツと頑張るのが得意
- チームワークを大切にできる
- 英語をはじめとした外国語を学ぶ意欲がある
下記では、それぞれの特徴について詳しく解説します。
特徴 | 詳細 |
フィールドワークに興味がある | 考古学は実地調査や発掘が中心の学問であり、現地でのフィールドワークが重要な役割を果たす。現場での調査や遺物の発見を通じて、歴史の背景を探る魅力がある。 |
歴史に興味がある | 考古学は過去の生活や文化を解明する学問であり、物的証拠から歴史の背景や因果関係を深く考える力が求められる。過去を知ることで現代社会の成り立ちを理解する手がかりにもなる。 |
探究心が強く地道にコツコツと頑張るのが得意 | 考古学は長期間の地道な作業が求められ、発掘調査や遺物の分析は忍耐力が必要。少しの進展にも喜びを感じられ、新しい発見に繋がる楽しさを感じることができる。 |
チームワークを大切にできる | 考古学は一人で行う研究ではなく、複数の専門家や地元の人々と協力して行う。円滑なコミュニケーションと役割分担が重要で、協力して成果を上げる姿勢が求められる。 |
英語をはじめとした外国語を学ぶ意欲がある | 最新の研究論文は英語で発表されることが多く、英語の能力が重要。研究地域によっては現地の言語を学ぶ必要があり、異文化理解を持ちながら積極的にコミュニケーションを取ることが求められる。 |
学べる学部

学部名 | 学科・専攻例 | 説明 |
文学部 | 歴史学科、考古学専攻、文化遺産学科 | 文学部は、考古学や歴史学、文化財に関する専門的な知識を学べる学部です。考古学専攻では、遺跡の発掘や遺物の分析、過去の社会の研究に特化します。また、文化財学科では、文化遺産の保存や修復方法なども学べます。 |
人文学部 | 歴史学科、考古学専攻、文化財保存学科 | 人文学部は、歴史や文化に関する広範な分野を扱う学部で、考古学や文化財保存学科が設置されていることが多いです。考古学専攻では、発掘調査や考古資料の分析を通じて、過去の文明や社会について学びます。 |
芸術学部 | 美術学科(文化財保存・修復に関連した学科)、歴史学科 | 芸術学部は、美術やデザイン、文化財の保存・修復に特化した学部で、考古学的な視点から美術品や遺物の保存・修復技術を学べます。また、歴史学科では美術史をはじめとする芸術関連の歴史的背景も学べます。 |
考古学を学ぶ学部は、主に文学部や人文学部に多く見られます。これらの学部では、考古学に加えて、歴史学や文化財保存、さらには関連する技術的な分野が一緒に学べる場合もあります。また、芸術学部でも、文化財の保存・修復に関連した学問を学ぶことができることがあります。
学部ごとの特色や学べる範囲は大学によって異なるため、興味のある分野に合わせて具体的な学科や専攻を確認することが大切です。
考古学の研究が有名な大学

考古学は文学部で学べるのが一般的であり、"考古学部"を設けている大学はほとんど存在しません。
下記では、考古学の研究が有名な大学をご紹介します。
- 明治大学文学部考古学専攻
- 國學院大學文学部史学科考古学専攻
- 早稲田大学文学部考古学コース
- 奈良大学文学部文化財学科
大学名 | 学部・学科 | 特徴 |
明治大学 | 文学部考古学専攻 | 設立:1950年、日本の私立大学で最初の考古学専攻。 研究対象:旧石器時代から古墳時代まで幅広くカバー。 実績:岩宿遺跡の調査など、日本考古学の発展に貢献。 卒業生:全国の文化財専門職員や博物館学芸員として活躍。 (公式サイト) |
國學院大學 | 文学部史学科考古学コース | コース構成:日本史学、外国史学、考古学、地域文化と景観の4コースを設置。 実践教育:2年次に約10日間の発掘実習を実施し、毎年報告書を刊行。 資格取得:「考古調査士2級」の資格取得が可能。 文化財調査:考古学や歴史地理学を活用し、フィールドワークを重視。 (公式サイト) |
早稲田大学 | 文学部考古学コース | 特色:考古学・古代史研究の伝統があり、国内外の遺跡調査を実施。 研究領域:日本・東アジアを中心に幅広くカバー。 海外調査:エジプトや中央アジアなど世界各地の発掘調査も実施。 設備:3Dデジタル考古学研究など、最新技術を活用。(公式サイト) |
奈良大学 | 文学部文化財学科 | 学びの特徴:「文化財学」として考古学・歴史学・美術史を総合的に学ぶ。 実習・演習:学内外で発掘実習、博物館・文化財保存の実習を実施。 文化財行政:考古遺跡・歴史遺産の保存・活用を研究。 卒業後の進路:博物館学芸員、文化財専門職、公務員など幅広い。 (公式サイト) |
考古学を専攻した人の卒業後の進路

大学で考古学を学んだ後は、大学院に進んで研究者や大学院教員を目指す人が多い傾向があります。
また、修得した資料の収集・保管・展示能力を生かし、学芸員になる人もいます。
進路の例 | 説明 | |
文化財関連 | 博物館学芸員 文化財保存修復専門家 文化財調査員 文化財研究員 | 考古学専攻者は、博物館や文化施設で遺物の展示・管理を行う学芸員や、文化財の保存修復を担当する専門家として活躍します。また、発掘調査を行う調査員や、文化財の保護に関する研究を行う研究員としても重要な役割を果たします。 |
教育・学術 | 大学や専門学校の教員 研究機関の研究員 博物館の教育部門職員 | 考古学の知識を深めるため、教育機関で教員として働いたり、研究機関で考古学の研究を行うことができます。博物館の教育部門では、展示やワークショップを通じて一般に学びを提供する職務もあります。 |
公務員 | 文化財保護行政職員(国家・地方自治体) 発掘調査に関わる公務員 | 文化財保護に関わる行政職員として、国家や地方自治体で文化財を管理・保護する仕事を担います。また、遺跡発掘調査を指導・監督する公務員の職もあります。文化財の取り扱いや発掘調査は公共の利益に直結するため、公務員としての安定したキャリアパスが期待されます。 |
建設・土木 | 発掘調査を行う企業の調査員 土木建設関連の文化財担当 | 発掘調査を専門に行う企業や、土木・建設業界の文化財担当者として働くこともあります。特に建設現場での文化財調査や発掘作業は法律で義務付けられているため、調査員としてのニーズは高いです。 |
観光業 | 観光ガイド(歴史的・考古的遺跡に特化) 文化財を活用した観光開発職 | 観光業界では、歴史的な遺跡や考古学的な発見を活かしたガイド業務や観光開発を行う職が多くあります。考古学の知識を持つ観光ガイドは、特に歴史的価値の高い場所を案内する際に重宝されます。 |
メディア・出版 | 歴史や考古学をテーマにした執筆や編集職 ドキュメンタリー制作関連 | 考古学の専門知識を活かして、歴史や考古学に関する記事や書籍を執筆したり、編集作業を行う職があります。また、考古学や歴史をテーマにしたドキュメンタリー制作に関わることもあります。 |
企業・民間 | 企業の文化財管理担当者 文化施設や遺跡関連の企業職員 | 企業では文化財管理を担当する部門があり、企業の所有する文化財や遺跡の管理を行う専門職があります。また、遺跡発掘や文化施設の運営に関わる企業職員としても働くことができます。 |
国際機関 | UNESCOや国際的な文化財機関の職員 外国での考古学調査に関わる職 | 国際機関では、UNESCOなどの文化財保護機関で働くことができます。また、海外で考古学調査を行うための職に就くこともあり、国際的な視野で文化財保護に貢献できます。 |
考古学の学びを活かして取得できる資格

ここでは、考古学の学びを活かして取得できる資格を紹介します。参考にしてください。
資格名 | 概要 | 活かし方 |
文化財保護管理士(文化財管理士) | 文化財の保護や保存に関する専門知識を証明する資格。 | 文化財の保存や発掘調査、保存方法のアドバイスを行う職業で活用。 |
遺跡発掘調査士 | 遺跡発掘調査に携わるための専門資格。 | 発掘現場で調査・分析を行う仕事に従事する際に必要。 |
博物館学芸員 | 博物館で展示物の管理や解説を行うための資格。 | 遺物や資料を整理・保存し、展示を行う職業に従事。 |
社会教育主事 | 地域社会での教育活動を担当する資格。 | 地域の遺跡や文化財を教育プログラムとして活用する活動に役立つ。 |
遺物保存技術者 | 考古学的な遺物を保存するための技術を習得する資格。 | 遺物の保存や修復の専門技術を必要とする職業で活用。 |
考古学技術者 | 発掘作業や調査の技術的な知識を身につける資格。 | 発掘調査や考古学的調査の現場での作業を支える職業に従事。 |
日本考古学会認定資格 | 日本考古学会などが認定する、考古学に関する専門知識や技術を証明する資格。 | 研究機関や博物館、発掘調査現場などで専門的な役割を担う。 |
観光関連資格(観光ガイドなど) | 観光業界で役立つ資格。遺跡や歴史的なスポットを案内する仕事に役立つ。 | 地域遺跡や博物館でガイドを行う際に活用。 |
地理学・環境学関連資格 | 環境考古学の分野で必要な地理学や環境学の知識を深める資格。 | 環境考古学の研究や発掘調査において活用。 |
語学資格(英語、ラテン語、アラビア語など) | 古代文字を解読したり、国際的な研究に役立つ語学スキル。 | 古代語や現代語のスキルを活かして国際的な研究や発掘調査で活躍。 |
よくある質問

下記では、考古学を学びたい学生がよく抱く疑問とその回答をご紹介します。
疑問は早めに解消し、進路選択に生かしましょう。
考古学を学ぶ際に最適な大学の選び方は?
考古学を学ぶ際に、最適な大学を選ぶためには以下のポイントを考慮しましょう。
- 自分が興味のある分野に秀でているか
- 自宅から通える範囲か
- カリキュラムや教授に魅力を感じるか
考古学には先史時代、古代文明、埋蔵文化財保護など多くの専門分野があり、大学ごとに研究の重点が異なります。
そのため、自分が興味のある分野に秀でているかどうかは、非常に重要なポイントです。
また、大学のシラバスを確認し、実習や調査の機会が充実しているか、指導する教授が自分の興味のある分野で活躍しているかを調べることで、より良い学習環境を選べるようになります。
考古学と歴史学・文化財学の違いは?

考古学、歴史学、文化財学は密接に関連していますが、それぞれ異なるアプローチを持っています。
考古学は、発掘調査を通じて出土品や遺跡などの物的証拠を基に過去を探る学問です。
一方、歴史学は、文献や記録を中心に過去の出来事や社会の変遷を研究します。
歴史学では、考古学の発見を補完的に活用することもあります。
文化財学は、文化遺産の保存・修復・管理に重点を置いた学問で、考古学や歴史学の知識を基に、遺跡や出土品の適切な保存方法を研究します。
これらの学問は互いに補い合う関係にあり、総合的に過去の文化や社会を理解するのに役立ちます。
参考記事:歴史学についての特集記事はこちら
学問 | アプローチ | 主な研究対象 | 役割・目的 |
考古学 | 発掘調査を通じて物的証拠(出土品、遺跡など)を基に過去を探る学問。 | 遺跡、出土品(土器、石器、骨など) | 過去の人々の生活や文化を物的証拠を通じて解明する。 |
歴史学 | 文献や記録を基に過去の出来事や社会の変遷を研究。 | 歴史的記録、文献、証言 | 文書を通じて過去の出来事や社会の流れを解明する。 |
文化財学 | 文化遺産の保存・修復・管理に重点を置く学問。 | 文化遺産(遺跡、出土品、建築物、芸術作品など) | 遺跡や出土品の保存方法や適切な管理方法を研究し、保護する。 |
考古学は文系?理系?
考古学は一般的には文系に分類されますが、理系的な要素も多く含まれています。
考古学の基本は歴史や文化の研究であり、文献調査や遺跡の考察といった文系的な手法が重要です。
しかし、発掘調査では地質学や測量技術を用いた作業が必要であり、出土品の年代測定には放射性炭素年代測定(C14法)やX線分析といった理系の技術が使われます。
さらに、考古学の研究では、統計学を活用したデータ分析や、GIS(地理情報システム)を利用した地形解析なども行われます。
そのため、考古学は文理の枠を超えた学際的な学問と言えます。
まとめ

今回は、考古学で学ぶ内容や向いている人の特徴、おすすめの大学について詳しく解説しました。
これまで取り上げた内容の中でも、特に重要なポイントを以下にまとめました。
- 考古学とは、過去の人類の生活や文化を、遺跡や遺物を通じて解明する学問
- 考古学では概論に加えて、発掘調査法や遺物分析学なども学ぶ必要がある
- 考古学は歴史に興味があるだけでなく、探究心の強さや忍耐力なども求められる
- 考古学は文学部や歴史学で学べるケースが多いが、大学によって分野は異なる
- 考古学を大学で専攻した人は、研究者・大学教員・学芸員になるケースが多い
考古学は過去を明らかにしたうえで研究結果をもとに未来を展望・予測し、社会に貢献する役割を担っています。
非常に学びがいのある学問なので、ぜひ進路を決める時の選択肢として考えてみてください。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。