作成日: 2025/8/01 更新日:2026/7/22
経済学とは?何を学ぶ学問か、学べる大学、卒業後の進路を解説

「経済学とは、何を学ぶ学問なの?」
「経済学はどの大学で学べる?」
このような疑問を持つ高校生も多いのではないでしょうか。
本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 経済学で学ぶこと
- 経済学を学べる大学
- 経済学部と経営学部・商学部の違い
- 経済学を生かせる就職先
また、経済学に関するよくある質問にも答えています。
総合型選抜などで経済学部を目指す人は、最後までご覧ください。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
経済学で学ぶこと
経済学とは、限られた資源をどのように使い、分け合えば、人々の暮らしが豊かになるかを研究する学問です。
ここでいう資源には、お金だけでなく、時間、労働力、土地、エネルギーなども含まれます。
大学の経済学部では、主に以下の3つの力を身につけます。
- 経済の仕組みを説明する理論(ミクロ経済学・マクロ経済学)
- データで理論を確かめる実証分析(統計学・計量経済学)
- 税金、金融、貿易、環境など、個別のテーマを分析する応用力
それぞれの分野を見ていきましょう。
参考:大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 経済学分野|日本学術会議(PDF)
ミクロ経済学
ミクロ経済学は、個人や企業の行動を分析する分野です。
消費者が何を買うか、企業がいくらで何個作るかといった選択と、市場で価格が決まる仕組みを学びます。
主なテーマは以下のとおりです。
- 需要と供給で価格が決まる仕組み
- 消費者が満足を最大にする買い方
- 企業が利益を最大にする生産量と価格
- 独占や寡占が市場に与える影響
たとえば、ある商品の値段が上がると、買う人がどのくらい減るかを考えます。
経済学のすべての分野の土台になるため、多くの大学で1年次から学びます。
マクロ経済学
マクロ経済学は、国全体の経済を分析する分野です。
GDP(国内総生産)、物価、失業率などの指標を使い、景気が良いか悪いかを判断します。
主なテーマは以下のとおりです。
テーマ | 内容 |
経済成長 | 国の経済が長期的に大きくなる仕組み |
景気変動 | 好景気と不景気が繰り返される理由 |
インフレ・デフレ | 物価が上がる、下がる仕組みと暮らしへの影響 |
経済政策 | 政府の財政政策と日本銀行の金融政策の効果 |
ニュースでよく聞く「景気対策」や「利上げ」の意味が理解できるようになります。
ミクロ経済学と並ぶ、経済学の2本柱です。
計量経済学・統計学
計量経済学は、経済のデータを統計の手法で分析し、理論が現実に当てはまるかを確かめる分野です。
理論だけでなく、データで裏付けることを重視する現代の経済学に欠かせません。
主に学ぶ内容は以下のとおりです。
- 平均、分散、相関などの統計学の基礎
- データから関係を推定する回帰分析
- 政策の効果を測る方法
- パソコンを使ったデータ分析の実習
たとえば、最低賃金を上げると雇用が減るのかを、実際のデータで検証します。
データを扱う力は、就職後もさまざまな業界で役立ちます。
行動経済学
行動経済学は、人が必ずしも合理的に行動しない理由を、心理学の視点を取り入れて分析する分野です。
従来の経済学は「人は常に合理的に行動する」ことを前提にしてきました。
行動経済学が扱う身近な例は以下のとおりです。
行動 | 行動経済学の説明 |
セールでつい買いすぎる | 「割引」という表示に判断が引っ張られる |
夏休みの宿題を後回しにする | 将来の利益より、目の前の楽しみを優先しやすい |
迷ったら標準のプランを選ぶ | 最初に設定された選択肢を選びやすい |
行動経済学の考え方は、企業のマーケティングや国の政策づくりにも使われています。
身近な行動から経済を考えられるため、経済学の入門としても人気の分野です。
財政学・公共経済学
財政学と公共経済学は、政府の役割を経済の視点から分析する分野です。
税金をどのように集め、何に使えば、社会全体が豊かになるかを考えます。
主なテーマは以下のとおりです。
- 税金の種類と、公平な負担のあり方
- 年金、医療、介護などの社会保障
- 道路や公園など、市場では供給されにくい公共財
- 国の借金(国債)と財政の健全性
少子高齢化が進む日本では、社会保障の財源をどうするかが大きな課題です。
公務員や政策に関わる仕事を目指す人に、特に役立つ分野です。
金融論
金融論は、お金の流れと、それを仲立ちする銀行や証券市場の仕組みを学ぶ分野です。
個人の貯蓄が、企業の投資や国の経済成長にどうつながるかを分析します。
主なテーマは以下のとおりです。
テーマ | 内容 |
銀行の役割 | 預金を集め、企業や個人に貸し出す仕組み |
株式・債券市場 | 企業が資金を集め、投資家が運用する仕組み |
中央銀行 | 日本銀行が金利を通じて景気や物価を調整する仕組み |
リスク管理 | 投資の損失を抑える考え方 |
金融の知識は、銀行や証券会社への就職だけでなく、自分の資産管理にも役立ちます。
2022年度からは高校の家庭科でも金融教育が始まり、身近なテーマになりつつあります。
国際経済学
国際経済学は、国と国の間の貿易、投資、為替を分析する分野です。
グローバル化が進んだ現代では、海外の出来事が日本の経済にすぐに影響します。
主なテーマは以下のとおりです。
- 国どうしが貿易をすると、互いに得をする理由
- 円高・円安が企業や暮らしに与える影響
- 関税や自由貿易協定の効果
- 発展途上国の経済成長
たとえば、円安になると輸入品の値段が上がり、家計に影響します。
商社や海外と取引する企業で働きたい人に向いている分野です。
労働経済学
労働経済学は、働き方や賃金、雇用を分析する分野です。
賃金がどのように決まるのか、失業がなぜ起きるのかを考えます。
主なテーマは以下のとおりです。
- 少子高齢化による人手不足
- 最低賃金の引き上げが雇用に与える影響
- 男女の賃金格差や、女性の社会進出
- リモートワークや副業など、新しい働き方
これから社会に出る高校生にとって、自分の働き方に直結するテーマが多い分野です。
企業の人事部門や、雇用政策に関わる仕事で役立ちます。
環境経済学・観光経済学
環境経済学と観光経済学は、経済学の考え方を特定の社会課題に当てはめる応用分野です。
それぞれの主なテーマは以下のとおりです。
分野 | 主なテーマ |
環境経済学 | 経済成長と環境保護の両立。温室効果ガスの排出規制や環境税の効果 |
観光経済学 | 観光が地域経済に与える影響。観光客の増加と住民の暮らしのバランス |
環境経済学では、きれいな空気や自然といった、値段がつかないものの価値をどう測るかも研究します。
観光経済学は、訪日外国人の増加とともに注目が高まっている分野です。
経済史
経済史は、過去の経済の動きを歴史の視点から分析する分野です。
現在の経済の仕組みが、どのような出来事を経て作られてきたかを学びます。
主なテーマは以下のとおりです。
- 産業革命と工業化
- 1929年の世界恐慌と、その後の経済政策
- 日本の高度経済成長とバブル経済
- 経済学の考え方(経済思想)の移り変わり
過去の成功と失敗から、現代の経済問題を考えるヒントが得られます。
数式よりも文章や資料を読み解くことが中心で、歴史が好きな人に向いています。
4年間の学びの流れ
経済学部では、基礎から応用へと段階的に学びを進めます。
一般的な4年間の流れは以下のとおりです。
学年 | 主な学び |
1年次 | ミクロ・マクロ経済学の入門、統計学、経済数学の基礎 |
2年次 | 中級のミクロ・マクロ経済学、専門分野の講義 |
3年次 | ゼミナールで関心のあるテーマを深く学ぶ |
4年次 | 卒業論文の執筆 |
多くの大学では、3年次からゼミナール(少人数の演習)に所属します。
自分の興味に合った分野を、1〜2年次のうちに見つけておくことが大切です。
経済学を学べる大学
経済学は、全国の多くの大学の経済学部で学べます。
ここでは、総合型選抜や学校推薦型選抜を目指す高校生におすすめの大学を紹介します。
大学名 | 所在地 | 特徴 |
東京 | 経済学科や産業経営学科などを設置。規模が大きく、幅広い分野を学べる | |
愛知 | 公立大学。入学後に学びながら所属学科を決められる | |
神奈川 | 少人数のゼミナールとコース制の専門教育が中心。英語と情報の教育を重視している | |
滋賀 | 経済学を幅広く学ぶ専攻と、国際的な視点で学ぶ専攻がある |
大学によって、力を入れている分野や学科の構成は異なります。
オープンキャンパスや大学の公式サイトで、学べる分野やゼミナールの内容を比べましょう。
参考:経済学を学べる大学の一覧はこちら
経済学部と経営学部、商学部の違い
経済学部、経営学部、商学部は、どれもお金や社会に関わる学部です。
ただし、分析の対象と視点が異なります。
主な違いは以下のとおりです。
学部 | 分析の対象 | 主な科目 | 向いている人 |
経済学部 | 社会全体、市場 | ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、統計学 | 社会の仕組みや政策に興味がある人 |
経営学部 | 企業、組織 | 経営戦略、組織論、人的資源管理、マーケティング | 会社の運営やリーダーシップに興味がある人 |
商学部 | 取引、ビジネスの実務 | 会計学、マーケティング、流通論、金融論 | 商品が売れる仕組みやビジネスの現場に興味がある人 |
経済学部は「社会全体」、経営学部は「一つの企業」、商学部は「取引やビジネスの実務」に注目する学部です。
将来どのような立場で社会に関わりたいかを考えると、選びやすくなります。
参考:経営学とは何を学ぶ?経営学部で学ぶことやメリットもご紹介
参考:商学部は何を学ぶ学部?学ぶ学問を向いている人や目指せる資格と共に解説
経済学とは
経済学は、社会の仕組みを理解するための学問です。
ここでは、経済学を学ぶメリットや、身近な場面での役立ち方を解説します。
経済学を学ぶメリット
経済学を学ぶと、社会の出来事を筋道を立てて考える力が身につきます。
主なメリットは以下のとおりです。
メリット | 内容 |
社会の課題を分析できる | 貧困、失業、環境問題などを、理論とデータで考えられる |
データを扱う力がつく | 統計や計量経済学で、数字から結論を導く力が身につく |
ニュースを自分で判断できる | 経済政策や景気の報道を、根拠をもって理解できる |
資格の勉強に生かせる | 公認会計士試験の論文式試験では、経済学が選択科目の一つになっている |
経済学で身につく力は、特定の業界に限らず、どの仕事でも役立ちます。
進路をまだ決めきれていない人にとっても、選択肢を広げやすい学問です。
経済学の学びが役立つ身近な例
経済学の考え方は、日常のさまざまな場面で役立ちます。
主な例は以下のとおりです。
場面 | 経済学の考え方 |
お小遣いの使い道を決める | 限られたお金で満足を最大にする(ミクロ経済学) |
ニュースの「円安」を理解する | 為替が物価や暮らしに与える影響(国際経済学) |
アルバイトの時給を考える | 賃金が決まる仕組み(労働経済学) |
将来のための貯金や投資を考える | リスクとリターンの考え方(金融論) |
経済学は、ニュースの中だけの話ではありません。
毎日の選択を、より納得して行うための道具にもなります。
経済学を生かせる就職先
経済学部の卒業生は、幅広い業界で活躍しています。
主な就職先と、経済学が生かせる理由は以下のとおりです。
就職先 | 経済学を活かせる分野 |
金融業界(銀行、証券、保険) | 景気や金利の動きを分析し、資産運用やリスク管理に生かせる |
公務員(国家・地方) | 財政学や公共経済学の知識を、政策づくりや予算管理に生かせる |
コンサルティング業界 | 市場や業界の分析力を、企業の課題解決に生かせる |
メーカー・商社・小売業 | 需要の分析や価格の考え方を、生産や販売の計画に生かせる |
IT業界 | データ分析の力を、サービスの改善や需要予測に生かせる |
公認会計士・税理士 | 経済や財務の知識を、会計監査や税務に生かせる |
企業の経理・財務部門 | 金融の知識を、資金調達や予算管理に生かせる |
マーケティング・商品企画 | 消費者の行動の分析を、商品開発や販売戦略に生かせる |
データアナリスト | 統計や計量経済学のスキルを、データからの意思決定に生かせる |
経済学は特定の職業に直結する学問ではない分、進路の選択肢が広いのが特徴です。
近年は、データを分析できる人材として、IT業界やデータアナリストを目指す人も増えています。
よくある質問
経済学に興味がある人が疑問に思うことをまとめました。
よくある質問とその回答を記載していきます。
経済とは簡単に言うと何ですか?
経済とは、モノやサービスを作り、分け合い、使う活動と、その仕組みのことです。
「経済」という言葉は、「世の中を治め、人々を救う」という意味の「経世済民(けいせいさいみん)」が語源とされています。
経済の活動は、大きく以下の3つに分けられます。
活動 | 例 |
生産 | 農家が野菜を育てる、工場で車を作る |
流通 | トラックで商品を運ぶ、お店に並べる |
消費 | お店で野菜を買う、車を買って使う |
私たちが毎日買い物をしたり、アルバイトで働いたりすることも、経済の一部です。
経済学は、こうした活動がどのような仕組みで動いているのかを研究する学問です。
高校の「政治・経済」が苦手でも、経済学部に進んで大丈夫?
高校の「政治・経済」が苦手でも、経済学部で学ぶことは十分にできます。
大学では、経済学を入門から段階的に学べるようにカリキュラムが組まれています。
苦手でも大丈夫な理由は以下のとおりです。
- 大学の経済学は、用語の暗記より論理的な考え方を重視する
- 1年次の入門科目で、基礎から学び直せる
- 環境、労働、観光など、自分の興味に合った分野を選べる
高校の科目の得意・不得意が、大学での学びを決めるわけではありません。
興味のあるテーマから学び始めると、理解が深まりやすくなります。
数学が苦手でも、経済学部に進学して大丈夫?
数学が苦手でも、経済学部に進学することはできます。
ただし、経済学ではグラフや数式、統計を使う場面が多くあります。
数学が苦手な人のための主な対策は以下のとおりです。
対策 | 内容 |
入学前に基礎を固める | 数学Ⅰ・Aと数学Ⅱ・Bの関数や微分の基礎を復習しておく |
大学の基礎科目を活用する | 経済数学や統計学の入門科目で、基礎から学べる |
学習支援を利用する | チューター制度や補習授業を設けている大学も多い |
数式の少ない分野を選ぶ | 経済史や、制度・政策を扱う分野は数式が比較的少ない |
入学前に高校の数学を少し復習しておくだけで、大学の授業の理解がしやすくなります。
苦手意識があっても、段階的に学べば十分についていけます。
まとめ
本記事では、経済学で学ぶことや学べる大学、卒業後の進路について解説しました。
重要なポイントは以下のとおりです。
- 経済学は、限られた資源の使い方と分け方を研究する学問である
- ミクロ経済学、マクロ経済学、統計学・計量経済学が学びの土台になる
- 財政学、金融論、行動経済学など、専門分野は幅広い
- 経済学部は社会全体、経営学部は企業、商学部はビジネスの実務に注目する
- 卒業後は、金融、公務員、IT、メーカーなど幅広い業界で活躍できる
本記事が、経済学への理解と進路選びの参考になれば幸いです。
経済学とはどんな学問?主に学ぶことや学んだ後の進路等を解説!
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。