作成日: 2025/8/01 更新日:2025/8/01
経済学とはどんな学問?主に学ぶことや学んだ後の進路等を解説!

「経済学とは一体なにを学ぶの?」
「大学で経済学を学んだ後はどこに就職できるの?」
「経済学でどんなことを学べるのか知りたい」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
経済学とは簡単に言うと、生活を少しでも豊かにするために限られた資源をどのように活用・分配すればいいのかを追究する学問です。経済学と聞くと、ニュースで耳にする「景気」「インフレ」といったワードが浮かぶかもしれませんが、実はそれ以上に、日常生活やビジネスの場面、国際社会にまで影響を及ぼす学問と言えます。
本記事では、経済学について以下の点を中心に解説していきます。
- 経済学とは何か
- 経済学のさまざまな専門分野
- 経済学部卒業後のキャリア
また、経済学に関してよくある質問にも回答しています。
総合型選抜などで経済学部を目指す方にとって、本記事が経済学を理解する一助となれば幸いです。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
- 1 経済学とは何を学ぶ学問?
- 2 経済学の主な学問分野を大公開
- 2-1 ミクロ経済学
- 2-2 マクロ経済学
- 2-3 行動経済学
- 2-4 計量経済学
- 2-5 経済史
- 2-6 財政学
- 2-7 公共経済学
- 2-8 観光経済学
- 2-9 環境経済学
- 2-10 国際経済学
- 2-11 金融論
- 2-12 労働経済学
- 3 経済学を学ぶメリット
- 3-1 経済・社会的な課題を分析し、解決する能力が身につく
- 3-2 日本国内だけでなく、国際的に活躍できるスキルが養える
- 3-3 公認会計士などの資格試験にチェレンジしやすくなり、将来の選択肢が広がる
- 3-4 膨大な情報を冷静に精査し、自分自身で判断する力がつく
- 4 経済学の学びが役立つ身近な例
- 5 経済学の学びが活かせるおすすめの就職先
- 5-1 金融業界(銀行、証券会社、保険会社など)
- 5-2 コンサルティング業界(経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー)
- 5-3 IT業界(情報通信)
- 5-4 メーカー・小売業・商社
- 5-5 公務員(国家公務員、地方自治体の公務員)
- 5-6 公認会計士・税理士
- 5-7 経理・財務担当
- 5-8 マーケティング担当・商品企画職
- 5-9 データアナリスト
- 5-10 経済学の知識は幅広い業界で活きる
- 6 大学の経済学部や経済学に関するよくある質問
- 7 今回の内容のまとめ
経済学とは何を学ぶ学問?

経済学とは、限られたお金をどのように活用・分配すれば人々がより幸福に生きられる社会を実現できるのかを研究する学問です。
私たちの日常の行動や選択が経済にどう影響するのか、どんなルールで社会を運営すればよいのか、経済学はこうしたテーマについて分析します。
買い物や貯蓄といった身近な選択から、景気や貿易といった国家レベルの問題まで、経済学の視点が生きています。
大学の経済学部で学ぶ経済学の特徴
大学の経済学部では経済の仕組みや法則を学び、社会やビジネスを深く理解するための基礎を習得します。
具体的には、経済学の基本的な理論やモデルを通じて「個人」「企業」「国家」などのさまざまな主体がどのように意思決定を行っているのかを学ぶことができます。
例えば、市場の原理や需要・供給の法則を学ぶことで、ビジネスや日常生活で頻繁に登場する経済用語や理論も理解しやすくなります。
また、経済学はデータに基づいた実証分析にも重点を置いており、統計や計量経済学を通じて理論と現実を結びつける能力も養います。
大学で経済学を学ぶことで身につくこうしたスキルは、具体的な経済政策やビジネス戦略を考える際に非常に役立つものとなり、社会で広く応用可能な知識とスキルを得られるでしょう。
経済学部と経営学部、商学部の違いは?
経済学部、経営学部、商学部はどれもビジネスや社会問題に関連する学問ではあるものの、それぞれ異なる視点からビジネスや社会の様々な課題を探求するため、違いがよくわからないという方も多いでしょう。
ここでは、経済学部、経営学部、商学部の特徴についてそれぞれ紹介します。
経済学部
経済学部では、社会全体の資源配分や経済成長、物価変動など、社会経済の大きな仕組みを学びます。
具体的には、国全体や世界の経済を扱うマクロ経済学と、個人や企業の行動を分析するミクロ経済学などを学びます。
こうした学問を通して、市場のメカニズムや政策立案への理解を深めることができます。
そのため、経済学は「社会全体」や「市場」が中心です。
経営学部
経営学部は、企業の経営戦略や組織運営についての知識を深める学部です。
企業がどのように効率よく運営されるか、どうすれば利益を最大化できるかを学びます。
具体的には、マーケティング、人事管理、財務管理など、企業の業務に直結する知識やマネジメントスキルを学びます。
経営学は「企業」や「組織」が中心で、ビジネスやマネジメントに関心がある人に向いています。
商学部
商学部は、ビジネスの実践的な側面を学ぶことを目的とした学部です。
経済学や数学の基礎知識を活かし、経営学、マーケティング、会計学、ファイナンスなどの科目を通じて、企業運営や市場の動向を理解する力を養います。
特に、現代社会におけるビジネス環境の変化に対応するためのスキルを習得することが重要とされており、理論だけでなく、実際のビジネスシーンでの応用力が求められます。
商学部の卒業生は、商社、金融機関、コンサルティングファーム、製造業、IT企業といった多岐にわたる業界での活躍が期待されます。
結局どの学部を選ぶのが良いのか?
経済学部、経営学部、商学部のどの学部を選ぶべきか迷ったら、自分のキャリア目標や興味に応じて選ぶのが良いでしょう。
政策立案や経済分析に興味があるなら経済学部、企業経営やビジネス戦略に関心があるなら経営学部、より幅広い分野でビジネスを実践的に行いたいなら商学部というふうに、自分が将来何をしたいのか、どのような立ち位置でビジネスに携わりたいかを明確にしておくと、自分に合った学部が選びやすくなるかもしれません。
経済学の主な学問分野を大公開

経済学には豊富な専門分野が存在します。
主な経済学の分野について、その内容や具体的なテーマなどを紹介します。
ミクロ経済学
ミクロ経済学は「個人」や「企業」の行動に焦点を当て、消費者や企業がどのように選択を行い、価格がどのように決定されるかを分析する分野です。
たとえば、商品の価格が上がると消費者がどのくらい購入を控えるのか、企業がどのように利益を最大化するための生産・価格設定を行うのか、といったテーマを扱います。
この分野では、「個々の家計や企業の行動を研究し、需要と供給のバランスや市場の価格形成などの仕組み」を理解するための枠組みを学びます。
経済学の基本的な土台を学べる分野であり、経済の流れを理解するうえでの基礎となります。
マクロ経済学

マクロ経済学は、国全体や地域全体の経済を対象にした分野で、経済成長、失業率、インフレーション(物価上昇)などの指標を通して、景気の変動や経済の動きを分析します。
「マクロ」という言葉は「大きいもの」を意味し、社会全体の経済活動に注目して全体的な動向や問題を把握することを目指します。
具体的には、GDP(国内総生産)やインフレーション率などのデータを使って景気が好調か不況かを判断し、景気対策の有効性を考えます。
一例としては、政府が経済成長を促進するために実施する財政政策や金融政策の影響を研究し、より効果的な施策立案に役立つ知見を提供します。
行動経済学
行動経済学は、人々がどのようにして経済的な選択を行うのか、特にその選択がなぜ必ずしも「合理的」ではないのかを解明する分野です。
私たちはときに「つい浪費してしまう」「セール品を買いすぎる」といった行動を取りますが、こうした「感情」や「心理」がどう経済活動に影響するのかを分析します。
行動経済学では、伝統的な経済学が前提とする「人は常に合理的に行動する」という考え方を見直し、心理学の視点を取り入れて人々の意思決定をより現実的に理解しようとします。
たとえば、割引シールが貼られると不要なものでも購入したくなる心理や、「今すぐの利益」を優先しがちな傾向などを説明し、こうした行動が経済全体にどう影響を及ぼすかを研究します。
計量経済学

計量経済学は、経済に関するデータを統計や数学的手法で分析し、理論を数値で裏付ける学問です。
実際のデータをもとに、経済理論がどの程度現実を説明しているかを確かめ、政策の効果や将来の経済動向を予測します。
例えば、消費者の購買行動や企業の生産量、失業率とインフレの関係など、具体的なデータに基づいて分析を行います。
こうした統計分析を通じて、消費や生産活動のパターン、経済政策の結果などを理解し、経済全体に関する有益な知見を提供するのが計量経済学です。
経済史
経済史は、過去の経済活動や社会の流れを歴史的視点から分析する分野です。
どのようにして現在の経済システムが構築されてきたのかを、時代ごとの出来事や制度、経済思想の変遷を通して理解します。
経済史では、産業革命や大恐慌といった歴史上の経済的なターニングポイントや各国の政策や社会の反応がどのように経済の発展に影響したかを学びます。
過去の成功と失敗の要因を知ることで現代の経済問題への理解が深まり、将来の経済予測や政策立案の手がかりにもなるでしょう。
経済史は、理論的な数値分析よりも質的な視点から過去の事例を紐解くことに重点を置く分野です。
財政学

財政学は、政府の収入(主に税金)と支出のバランスや、その影響を研究する学問です。
税金の集め方やその使い道を考えることで、効率的で公平な財政政策のあり方を探ります。私たちの生活に身近な社会保障制度、教育、医療、インフラ整備といった公共サービスがどのように支えられ、運営されているかも学びます。
例えば、高齢化社会が進む中で社会保障の負担をどう分配すべきか、あるいは環境対策としてどのように税を活用するかなどが財政学の研究対象です。
この分野では、政府の役割を理解し、経済全体にプラスの影響を与える財政政策の効果を検証するスキルを身につけられます。
公共経済学
公共経済学は、政府がどのように公共財(例:道路、公園、図書館など)やサービスを提供し、社会全体の利益を最大化するかを研究する分野です。
市場では個人や企業の利益が中心となりますが、公共経済学は社会全体にとっての利益を考慮した政策を重視します。
公共財は誰もが利用できる一方、通常の市場では適切に供給されないことが多いです。そのため、政府の介入が重要です。
この分野では、税金の役割や政府支出の効果、さらには貧困対策や環境保護など、社会的な課題にも目を向け、どのようにして公平で効率的な資源配分を実現するかを考えます。
観光経済学
観光経済学は、観光産業が地域や国の経済に与える影響を分析し、その発展を促進するための学問です。
観光は、宿泊、飲食、交通、そして娯楽など多くの産業と結びついており、経済における重要な要素を担っています。
この分野では、観光客の消費行動や観光地の持続可能な開発、地域経済への貢献などを研究し、観光資源の最適利用や環境保護とのバランスを考慮し、持続可能な観光計画を策定することにも焦点を当てています。
例えば、観光客の流入による現地経済の活性化や、雇用創出効果がどのように地域社会に影響を与えるかを考察します。
また、観光経済学は観光地の魅力を維持しながら経済成長を図ることが求められており、観光が経済に及ぼす影響を評価し、各国の観光政策の策定にも貢献します。
観光経済学の学びは、観光業界でのキャリアに直結するだけでなく、地域振興や国際関係における経済的側面を理解する上でも有用です。
環境経済学

環境経済学は、経済成長と環境保護のバランスを追求する学問です。
経済活動が環境に及ぼす影響を理解し、持続可能な社会の構築を目指してどのような政策や仕組みが必要かを経済の観点から考えます。
この分野では、温暖化ガスの排出制限や環境税など、環境負荷を軽減するための政策がどのように経済活動に影響するかを分析します。
また、環境の価値を経済的に評価し、社会全体の利益につながる最適な環境政策を策定することを目指します。
例えば、自然資源を過度に消費しない方法や、リサイクルの推進といった資源の効率的利用も研究の一環です。
さらに、企業が環境負荷を減らすために行う「エコ技術」の開発やエコ商品販売といった取り組みも重要なテーマで、企業の社会的責任(CSR)とも密接に関わります。
環境経済学を学ぶことで経済活動と環境保護の両立を考える視点が養われ、持続可能な未来に貢献できる知識とスキルが身につきます。
国際経済学
国際経済学は、国家間の経済活動や貿易、金融に焦点を当てた学問分野です。
世界の市場での取引、各国間の貿易や投資、為替レートの動向といったテーマを国際的な視点で分析し、経済関係の成り立ちや影響を明らかにします。
この分野では、為替レートや金利、関税などがどのように国の経済に影響を与えるか、どのように各国が連携して成長や安定を目指しているのかを理解するために、マクロ経済学やミクロ経済学の理論も活用されます。
また、貿易や投資が経済成長にどう影響するか、またグローバルな経済変動がどのように国民生活に影響を及ぼすのかを考察します。
国際経済学を学ぶことで、経済のグローバル化が進む現代社会に必要な知識が得られます。
特に、海外市場を相手にしたビジネス、国際金融の分野、そして国際経済政策の分野で活用できるスキルが養われ、広い視野から経済問題を考える力が身につきます。
金融論

金融はお金の流れやその運用に焦点を当てた分野で、銀行や証券市場、投資などを中心に研究します。
具体的には、貯蓄や融資、資金の調達と運用の仕組み、リスク管理など、お金が経済全体でどのように循環し、成長を支えているかを分析します。
この分野では、個人や企業、政府が資産をどう管理し、運用しているのか、また株式市場や金融市場でどのように資金が集められ、流れていくのかを学びます。
金融を理解することで、投資や貯蓄の基本的な考え方を身につけることができ、個人の資産管理から企業の資金調達、さらには経済全体の成長に至るまで幅広く役立つスキルが得られます。
金融学を学ぶことでお金に関する知識が深まり、個人の生活設計や企業経営における資金戦略を考える際の基礎力を養うことができます。
労働経済学
労働経済学は、労働市場における人々の働き方や賃金、雇用の変動について研究する分野です。
ここでは、賃金がどのように決まるのか、失業率や労働力の供給がどのように変化するのかを分析し、企業と労働者、政府の間でどのような政策が必要とされるかを考えます。
具体的には、少子高齢化に伴う労働力不足の問題、最低賃金の設定がどのように雇用に影響を与えるのか、働き方改革が労働市場にもたらす影響などを学びます。
また、労働時間の短縮やリモートワークの普及、女性の社会進出など、時代に応じて変わる働き方の課題も研究の対象です。
労働経済学を学ぶことで、社会の変化に合わせた雇用政策や働き方に関する知識が身に付き、より良い働き方を考える視点が養われます。
経済学を学ぶメリット

経済学を学ぶことで、社会や経済の仕組みを理解し、日常生活やキャリア選択にも役立つ知識とスキルを得られます。
以下に、経済学を学ぶメリットについて詳しく説明します。
経済・社会的な課題を分析し、解決する能力が身につく
経済学は、貧困や失業、環境問題など現代社会が抱える課題を解決するための手法や理論を提供します。
経済理論や統計分析を用いることで、問題を客観的に捉え、現実的な解決策を見出す力が身につきます。
また、国際経済学などの学びを通じ、国際的な視点で問題を考えることができるようになります。
こうした能力は、あらゆる分野で求められるスキルです。
日本国内だけでなく、国際的に活躍できるスキルが養える

経済学を学ぶと経済の動向を予測し、統計データを活用する力がつくため、国内外を問わず、幅広いフィールドで活躍できるスキルが備わります。
経済学を深く学んだ人材は国際機関や多国籍企業、政府機関など、様々な場面で重宝されます。
経済学を学ぶことで、世界に通用する視野や知識をもってグローバルに活躍するための基礎力を身につけることができます。
公認会計士などの資格試験にチェレンジしやすくなり、将来の選択肢が広がる
経済学を学ぶことで、公認会計士や税理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格試験に挑戦しやすくなるというメリットがあります。
これらの資格は財務分析や経済動向の理解が求められるため、経済学を通して身に着けた知識が非常に役立ちます。
特に、公認会計士試験では経済理論や金融市場の知識が出題されることが多く、大学で経済学を幅広く学んでいれば有利になる可能性が高いです。
また、経済や財務に関する資格を取得することで将来のキャリアの選択肢が大きく広がります。
企業の財務状況を分析して経営改善策を提案したり、税務に関するアドバイスを行ったりすることで、企業の成長に貢献することも可能です。
したがって、経済学を学ぶことによって得られる知識は資格試験の準備だけでなく、より実践的なスキルとしても活用できるため、将来のキャリアの幅を広げる強力な武器となります。
膨大な情報を冷静に精査し、自分自身で判断する力がつく

経済学を学ぶことの大きなメリットのひとつは、日々様々なニュースやデータが飛び交う情報過多の時代のなかで情報を精査し、自分なりの見解を持つ力が養えるという点です。
例えば、統計データを用いた市場分析や経済理論を基にした政策評価などを行うことで、情報を多角的に考察する力が身につきます。
これにより、現実の経済状況や政策、企業の動向に対しても自らの意見を持ち、冷静に判断を下すことが可能になります。
さらに、情報の真偽を見極めて自らの立場を明確にすることができる力は、個人のキャリア形成のみならず、ニュースの理解や政策の評価など多様な場面で役立ちます。
経済学の学びが役立つ身近な例
経済学は、日常生活のさまざまな場面で役立つ学問です。
例えば、個人の家計管理において経済学の知識は幅広く活用できます。
家計簿をつけて収入と支出をバランスよく管理することで無駄遣いを防ぎ、貯蓄を増やすことができます。
これには、需要と供給の原理や価格弾力性などの知識が役立ち、限られた収入をどのように効果的に配分するかを考える際には、予算制約や効用最大化といった概念も応用できます。
また、経済学は仕事選びやキャリア形成にも影響を与えます。
労働市場の動向を分析することで、将来性のある職業や業界を選ぶことができ、安定した収入を得るための戦略を立てることもできます。
さらに、投資活動においても経済学の知識は欠かせません。株式市場や不動産市場の動向を理解し、リスクを最小限に抑えながら資産を増やすための判断材料も提供してくれます。
つまり、ニュースで報道される経済政策や金融政策の意図を理解することで、将来の経済状況を予測し、個人的な投資や貯蓄の判断をより確実なものにすることができます。
経済学の原理を活用することで、日常の選択をより理論的かつ効率的に行うことができるのです。
経済学の学びが活かせるおすすめの就職先

経済学を大学で学ぶと、さまざまな業界や職種でその知識を活かすことができます。以下に、特におすすめの職業と就職先を紹介します。
金融業界(銀行、証券会社、保険会社など)
金融業界は、経済学で培った分析力や数理的思考力を活かせる場です。
銀行や証券会社、保険会社といった金融機関では経済の動向を予測し、金融商品の開発やリスク管理を行う必要があります。
経済学の基礎理論や応用手法を理解していれば経済の変化に応じた戦略を立案することが可能です。
経済指標や金融政策、為替など、マクロ経済学の知識をもとに資産運用の提案やリスク管理を行うだけでなく、計量経済学のスキルを活かしてデータ分析や統計モデルを用いた市場予測ができれば、業界内で非常に重宝されるでしょう。
コンサルティング業界(経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー)

コンサルティング業界は、経済学の知識が役立つ代表的な職場のひとつです。経営コンサルタントやファイナンシャルプランナーは、企業や個人の課題を分析し、最適な解決策を提案するプロフェッショナルです。
経済学を学ぶことで得られる経済動向の理解や市場分析のスキルはクライアントの状況を的確に把握し、戦略的なアドバイスを提供するための基盤となるでしょう。
また、企業の市場戦略や財務分析、業界の動向予測などクライアントのニーズに応じた具体的なサポートを行うためには、経済に関する幅広い知識が必要となります。
IT業界(情報通信)
IT業界は技術革新が急速に進む領域であり、市場動向の分析や戦略立案が重要な役割を果たします。
経済学を学ぶことでIT業界で求められる市場分析や需要予測、コスト管理に関するスキルを磨くことができ、ミクロ経済学や統計学の知識はITプロジェクトの計画や実行において非常に有用です。
また、IT業界では新しいサービスや製品が次々に登場するため、経済学の視点で競争環境や消費者行動を理解することが、ビジネス戦略の策定において大きなアドバンテージとなります。
メーカー・小売業・商社
経済学は、メーカーや小売業、商社といった業界でも活かすことができます。
これらの業界では、商品やサービスの生産から供給、販売までの一連の流れを理解し、効率的に運営することが求められます。
経済学を学んでおけば市場の需要を正確に分析し、適切な生産量や価格設定を行うことが可能となります。
また、経済学で培った経済指標の理解や統計分析の技術は消費者の購買行動を予測する際にも活用でき、販売戦略などにも役立てることができるでしょう。
公務員(国家公務員、地方自治体の公務員)
国家公務員や地方自治体の公務員は、地域社会や国全体の経済政策の立案、財政管理、公共サービスの提供など多岐にわたる業務を担当します。
経済学を学ぶことで政策の立案に必要な分析力や経済全体を見渡す視野を養うことができ、予算策定や資源配分の際により合理的な判断が可能となります。
また、公共事業の効果分析や社会保障制度の設計においても、経済学的な視点を取り入れることでより効果的な政策立案ができるようになるでしょう。
さらに、公務員の安定した雇用環境と良好な福利厚生も大きな魅力と言えます。
公認会計士・税理士
公認会計士や税理士は経済学の知識を最大限に活用できる職業のひとつで、企業や個人の財務状況を把握し、税務申告や財務諸表の作成、経営戦略の提案などを行います。
マクロ経済学やミクロ経済学の知識は経済全体の動きや個別の市場の動向を把握するのに役立ち、統計学やデータ分析のスキルは財務データの分析やリスク管理においても重要です。
公認会計士や税理士として働くには専門的な資格が必要ですが、経済学部で得た知識は公認会計士や税理士として成功するための基盤となります。
経理・財務担当
経理・財務担当は企業の財務状況を管理し、健全な経営を支える重要な役割を担っています。
経済学を学ぶことで財務分析や資金管理、予算編成などのスキルを身につけ、企業の財務面での意思決定をサポートする能力が養われます。
具体的には、経済学で学んだマクロ経済の動向や金融市場の知識を活用し、企業の資金調達方法や投資戦略を立案することもできます。
また、財務諸表の分析を通じて企業の経営状態を正確に把握し、収益性やキャッシュフローの改善策を提案する力も必要不可欠で、経済学の理論を活かして経済環境の変化を敏感に捉え、リスク管理を行いながら財務計画を策定・実行することが重要です。
マーケティング担当・商品企画職

経済学の知識を活かせる職種としては、マーケティング担当や商品企画職も挙げられます。
これらの職種は市場の動向を分析し、消費者のニーズを把握することで効果的なプロモーション戦略や新商品の開発に寄与します。そのため、経済学で培ったデータ分析力や市場理解力は、マーケティング戦略の立案や商品の差別化において強力な武器となります。
マーケティング担当者は消費者行動や購買パターンを分析し、経済指標や市場のトレンドをもとに戦略を立てることが求められます。商品企画職は新商品のアイデアを具体化し、競合商品との差別化を図るための戦略を策定する必要があるため、経済学で学ぶ需給分析や価格設定理論が重要な役割を果たします。
データアナリスト
データアナリストは、経済学で培った分析能力や統計知識を活かせる職種のひとつです。
収集したデータを統計的手法やデータマイニング技術を用いて分析し、トレンドやパターンを見つけ出すことで企業の意思決定をサポートして業績向上に寄与します。
また、データアナリストの仕事は多岐にわたっており、金融業界ではリスク管理や投資分析におけるデータ活用が重視され、IT業界では顧客行動分析や製品の最適化にデータ分析が活用されます。小売業では消費者の購買行動を分析し、販売戦略の策定に役立てることもできるでしょう。
経済学の知識は幅広い業界で活きる

経済学を学ぶことで得られる論理的思考力やデータ分析力、社会の仕組みを読み解く力はビジネスや社会全般で役立つスキルです。
経済学は市場の動向や消費者行動を理解するための基盤を提供し、それによって企業は適切な戦略を立てやすくなり、競争力を高めることができます。
また、経済学はデータ解析や数理モデルを用いて複雑な問題を解決する能力を養うこともできるため、ビッグデータの時代において経済学を基にした分析手法が意思決定の質を向上させるための強力なツールにもなるでしょう。
このように、経済学の知識は幅広い業界で活用できるため進路の選択肢も豊富で、どの業界でも求められる人材として評価されやすいのが経済学部出身者の強みと言えます。
大学の経済学部や経済学に関するよくある質問

大学の経済学部や経済学に関するよくある質問に回答します。
高校の「政治・経済」が苦手なのですが、経済学部に進んで大丈夫?

「政治・経済」が苦手でも、経済学部での学びに問題はありません。
大学の経済学部で、経済学を基礎から体系的に学ぶことができます。
経済学は、政治や経済の用語や制度の知識にとどまらず日常の生活や社会問題を理解し、解決するための「論理的思考力」や「データ分析力」を重視する学問です。
高校での得意不得意が大きな影響を与えるわけではなく、大学では初歩的な理論や数式から、段階的に理解を深めていけるようにカリキュラムが組まれています。
また、経済学の分野は幅広いです。
環境問題を扱う環境経済学や開発途上国の成長を分析する開発経済学などを自分の関心に合わせて学べるため、興味を持ちやすいのも特徴です。
苦手意識があっても、興味や関心に基づいて取り組むことで徐々に理解が深まり、経済学の魅力を実感できるでしょう。
高校で数学が苦手なのですが、経済学部に進学したり、経済学を専攻したりしても大丈夫?
経済学には数学を使う場面が多くありますが、経済学部では数学が苦手な学生も理解できるよう、基礎から段階的に学べるようにカリキュラムが組まれています。
たとえばデータ分析や統計、グラフを使った数値の読み解きなどがありますが、これらの内容は入学後に基礎から指導されるため、事前に高度な数学の知識を必要とするわけではありません。
また、多くの大学では数学が苦手な学生のためのサポートが充実しており、チューター制度や補習授業なども行われています。自分のペースで理解を深めていけば大丈夫です。
今回の内容のまとめ

今回は経済学について特集してきました。ここまで取り上げた内容の中で特に重要なポイントをまとめてみましたので、ご覧下さい。
- 経済学は、社会全体の資源の使い方や仕組みを研究する学問
- ミクロ経済学、マクロ経済学、行動経済学など、さまざまな分野がある
- 大学で経済学を学ぶことで社会の仕組みやビジネスに役立つ知識が得られる
- 卒業後の進路は金融業界、メーカー、政府機関など幅広い
経済学部への進学を考えている方は、ぜひこの記事を参考にして興味のある分野や進路を見つけ、経済学の世界に一歩踏み出してください。
経済学とはどんな学問?主に学ぶことや学んだ後の進路等を解説!
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
