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作成日: 2025/1/23 更新日:2025/1/23

経済学部とは何を学ぶ学部なのか?具体的に学ぶことや卒業後の進路まで解説

経済学部とは何を学ぶ学部なのか?具体的に学ぶことや卒業後の進路まで解説
  • 「経済学部ってどんなことを学ぶの?」
  • 「経済学部で学ぶ内容や卒業後の進路が気になる」

こんな疑問を持つ高校生の皆さんも多いのではないでしょうか?

経済学部は、私たちの生活や社会に密接に関わる「経済」というテーマを幅広く学ぶ学部です。
企業活動や公共政策、国際経済まで多岐にわたる分野をカバーしており、理論だけでなく実践的なスキルも養えます。

この記事では、経済学部の学びや学科の特徴、卒業後の進路まで詳しく解説していきます。
総合型選抜などで経済学部を目指している方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください!

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

目次

経済学部での学び

経済学部で学ぶ目的は社会の経済活動を深く理解すること


1:目的

経済学部で学ぶ目的は、私たちが生活する社会の経済活動を深く理解し、より良い社会を築くための知識とスキルを身につけることにあります。
具体的には以下のような目標があります。

社会全体の仕組みを理解する

  • 経済の基本原則を学ぶ: 消費、投資、貿易、政府の役割など、社会で日々行われる経済活動の仕組みを解明します。
  • 現実の課題に向き合う: 貧困、失業、環境問題など、現代社会が直面する経済的課題を分析します。

②資源の効率的な活用を探る

  • 限られた資源をどう分配するか: 資源(お金、時間、労働力など)の効率的な使い方を学びます。
  • 経済政策の基礎を学ぶ: 政府や企業がどのように資源を配分しているのかを理解します。

③論理的思考力を養う

  • データを基に考える: 統計やデータ分析を通じて、仮説を立て、証明する力を身につけます。
  • 問題解決能力を磨く: 現実の問題に対して、論理的に解決策を導き出す力を養います。

④実社会で活かせるスキルを得る

  • 企業や公共政策に貢献する: 学んだ知識を活かして、ビジネスや行政の場で役立つスキルを身につけます。
  • グローバルな視点を持つ: 国際経済や貿易の知識を通じて、グローバル社会での活躍を目指します。

⑤将来のキャリア形成に役立てる

  • 幅広い分野での活躍: 金融業界、公務員、IT業界、コンサルティングなど、さまざまな分野で求められる人材を目指します。
  • 社会の一員として貢献: 自分の知識を活かし、より良い社会をつくるための役割を果たします。

経済学部で学ぶ目的は、理論と実践をバランスよく学びながら、社会に貢献できるスキルを身につけることです。これにより、卒業後には社会の中で活躍する幅広い可能性が広がります。

2:アプローチ

経済学部では「理論面」と「実践面」の両方を学びます

経済学部では、「理論面」と「実践面」の両方を取り入れた学びを通じて、経済現象の理解と応用力の向上を目指します。

それぞれのアプローチを以下に詳しく解説します。

理論面のアプローチ

理論面では、経済学の基本的な概念や法則を深く理解し、それらを分析や予測に活用できるようにすることが目的です。

①モデルを用いた分析

経済学では「モデル」という数学的な枠組みを使い、現実世界の経済現象を抽象化して考えます。
例:需要と供給のモデル、ゲーム理論による意思決定分析。

モデルを使って現象を単純化することで、基本的なメカニズムを明らかにします。

②仮説の検証

理論的に導き出された仮説を、データを使って検証します。

例:「価格が下がると需要が増える」という仮説を実際の消費者データで確認。

経済学では、現実のデータに基づいて理論の妥当性を検証することが重視されます。

③数理的手法の活用

数学や統計学を用いて、経済現象を定量的に分析します。
計量経済学や統計分析を通じて、経済データを処理し、予測を行う力を養います。

実践面のアプローチ

実践面では、学んだ理論を現実世界の課題に適用し、問題解決能力を育てることが目的です。

①ケーススタディ

現実の経済問題やビジネスケースを取り上げ、理論を応用して解決策を模索します。

例:特定の国でのインフレーション対策を考える、企業の価格戦略を分析する。

②フィールドワーク

特定の場所に直接赴き、現場でデータを収集・分析します。

例:地域活性化プロジェクト、観光業の経済効果調査。

③プレゼンテーションとディスカッション

チームで課題に取り組み、成果を発表する形式が採用されます。理論的な裏付けやデータを基に説得力のある議論を展開します。

④インターンシップ

公共機関や民間企業での実務経験を積む機会が提供されることも多いです。

理論面と実践面の連携

経済学部では、理論を学ぶだけでなく、それを実際の課題に適用する「理論と実践の連携」が重視されます。

例えば、講義で学んだゲーム理論を企業間競争のケーススタディで適用するといったかたちです。

3:学び方

経済学部では、理論的な学問の基礎を深く理解しつつ、実社会での応用力を養うことを目指します。
そのため、「理論面」と「実践面」で異なるアプローチを取った学び方が行われます。

理論面の学び方

理論面では、経済の仕組みを数式やモデルで理解し、幅広い経済現象を分析できるようになることを目的としています。理論面での経済学部の主な学び方は以下の通りです。

①講義

経済学の基礎理論を学ぶ授業が中心です。

例:ミクロ経済学(需要と供給の理論)、マクロ経済学(景気変動や失業の理論)、行動経済学(人間の意思決定を解明)。

 文献や教科書の読解

世界的に有名な経済学者の理論や、最新の研究成果を学びます。
そこでは、基礎的な理論から応用分野まで、段階的に理解を深めることが求められます。

③演習授業

理論を実際に使って問題を解くことで、応用力を身につけます。

実践面の学び方

実践面では、理論を現実の経済問題に適用し、実社会で活用するスキルを養います。

①ゼミナール(ゼミ)

少人数でのディスカッション形式の授業です。
特定のテーマについて議論し、プレゼンテーションを行います。
学生間での意見交換や、指導教授からのフィードバックを通じて理解を深めます。

②グループワーク
チームで課題に取り組み、他者との協力を通じて社会人としてのスキルも磨きます。
データの分析

統計データや市場情報を用いて、実際の経済課題を分析します。

例:地域経済の活性化や消費者行動の分析。

4:主な対象とテーマ

経済学部で扱う主な対象とテーマ

経済学部での学びでは、個人や企業、政府、国際社会など多様な主体を対象とし、それらの行動や相互作用を深く掘り下げます。

対象ごとに学びのテーマは異なり、理論面と実践面の両方に焦点を当てています。以下に具体的な対象とテーマを整理しました。

①個人の経済行動
  • 対象:消費者、労働者、投資家など、経済活動を行う個人。
  • 主なテーマ:消費者行動、労働市場、投資行動
  • 消費者行動:消費者が限られた予算内で、どの商品やサービスを購入するかを選択する仕組み。
  • 労働市場:労働者がどの仕事を選ぶのか、賃金がどのように決まるのか。
  • 投資行動:個人がどのように資産を運用し、リスクとリターンを評価するか。
②企業の経済行動
  • 対象:生産者、企業、経営者。
  • 主なテーマ:生産とコスト、価格戦略、イノベーションと研究開発
  • 生産とコスト:企業が効率的に商品を生産し、利益を最大化する方法
  • 価格戦略:商品やサービスの価格設定に関する理論と実際の手法
  • イノベーションと研究開発:新製品や新技術の開発が市場に与える影響
③市場と経済システム
  • 対象:市場全体、特定の産業や分野
  • 主なテーマ:市場構造、国際貿易、金融市場
  • 市場構造:独占市場、競争市場、寡占市場など、異なる市場構造の特。
  • 国際貿易:輸出入や関税、自由貿易協定の影響。
  • <金融市場:金利、株式市場、為替レートの動向とその要因
④政府と公共政策
  • 対象:国家、地方自治体、公共機関。
  • 主なテーマ:財政政策と税制、社会保障、規制と競争政策
  • 財政政策と税制:政府の支出や税収が経済に与える影響。
  • 社会保障:年金制度や医療費助成など、福祉政策の経済的効果。
  • 規制と競争政策:独占やカルテルを防ぐための法律や規制。
⑤国際経済とグローバル化
  • 対象:国家間の経済関係、国際機関、グローバル市場。
  • 主なテーマ:グローバル化、国際金融、開発経済
  • グローバル化:国境を越えた経済活動が各国に与える影響。
  • 国際金融:外貨の取引、国際的な投資、為替市場の動き。
  • 開発経済:途上国の経済成長や開発援助の効果。
⑥環境と経済
  • 対象:自然資源、環境政策、持続可能な開発。
  • 主なテーマ:環境保護と経済成長、環境政策
  • 環境保護と経済成長:経済活動が環境に与える影響とその対策。
  •  環境政策:炭素税や排出量取引制度の設計と効果。
⑦社会と経済
  •       対象:人々の生活、文化、社会問題。
  •       主なテーマ:不平等と格差、行動経済学
  •       不平等と格差:所得分配や格差是正政策。
  •       行動経済学:人々の非合理的な選択が経済に与える影響。

経済学部で扱う対象とテーマは幅広く、多様な視点から経済現象を解明します。個人や企業の行動分析から、政府の政策、さらには国際問題や環境課題まで、多角的な学びが得られる学問分野です。

5:経済学部で学ぶ学問の例

経済学部では、理論的な基礎から社会の具体的な課題解決まで、さまざまな学問を学びます。以下に代表的な分野とその特徴を挙げます。

学問名
学問の概要
ミクロ経済学
個人や企業の行動を分析し、それが市場にどのように影響を与えるかを研究します。
マクロ経済学
国家や地域全体の経済を扱い、経済成長や失業率、インフレなどを分析します。
行動経済学
経済活動における人間の心理や行動を探求します。
国際経済学
国家間の経済活動を分析し、貿易や投資、通貨の流れを研究します。
公共経済学
政府の経済的役割や公共財の提供を研究します。
環境経済学
経済成長と環境保護の両立を目指し、持続可能な社会の構築を探る分野です。
労働経済学
労働市場における雇用、賃金、働き方を分析します。

学部内の代表的な学科紹介

主な学科の特徴と学べる内容

経済学部には、経済の基本的な理論を学ぶものから、データや国際的な視点を重視したものまで、さまざまな学科があります。

それぞれの特徴と学べる内容を紹介します。

1:経済学科

経済学部の中核となる学科です。

ミクロ経済学やマクロ経済学を中心に、経済の基礎理論を学びます。理論的な学びを通じて、社会や市場の仕組みを深く理解することを目的としています。

主に学べる内容
  • ミクロ経済学:消費者行動、企業行動の分析
  • マクロ経済学:景気変動、経済成長の理論
  • 経済政策論:政府の経済介入の効果や課題
  • 公共経済学:税制や社会保障制度の分析

2:国際経済学科

国際経済学科

グローバルな視点で経済を学ぶ学科です。

具体的には、国際貿易や国際金融など、国と国の経済関係を重視した内容を学びます。英語での授業を設けている大学も多いです。

主に学べる内容
  • 貿易論:比較優位や自由貿易の理論
  • 国際金融論:為替市場、国際資本の流れ
  • 開発経済学:発展途上国の経済成長と課題
  • グローバルビジネス:国際的な企業活動の分析

3:経済情報学科

経済学と情報学を融合した学科です。
データサイエンスやAIなどの技術を活用して、経済現象の分析や予測を行うスキルを学びます。

主に学べる内容
  •  統計学:経済データの分析方法
  •  計量経済学:データに基づく経済理論の実証
  •  ビッグデータ分析:市場の動向や消費者行動の予測
  •   情報技術:プログラミングやシステム開発

4:現代ビジネス学科

現代ビジネス学科

経済学とビジネス実務を融合した学科で、企業活動や市場動向を実践的に学ぶことを重視しています。

経済理論を応用して、ビジネス戦略や経営手法を学ぶ内容が中心です。

主に学べる内容
  • 経営戦略論:企業の成長戦略の設計
  • 消費者行動と市場分析
  • 起業論:新規ビジネスの立ち上げ方
  • ビジネスファイナンス:企業の資金調達と運用

大学の経済学部で学ぶメリット

経済学部で学ぶメリット

経済学部で学ぶことには、多くの実用的なメリットがあります。

以下に代表的なものを挙げ、それぞれ詳しく解説します。

1:社会の仕組みを理解できる

経済学部では、個人や企業の意思決定から国全体の経済政策まで、社会を動かす仕組みを学びます。

例えば、日常生活に密接に関わる税金や物価、景気などの仕組みを深く理解できるようになります。
また、ニュースで報じられる経済問題(インフレーション、失業、国際貿易など)の背景を理論的に読み解く力が身につきます。

2:幅広いキャリアの選択肢

卒業生は多岐にわたる業界で活躍

経済学部を卒業した学生は、多岐にわたる業界で活躍できます。

金融業界や公務員だけでなく、IT企業、商社、メーカー、さらには国際機関やNPOなど、経済学で得た知識はさまざまな分野で応用可能です。

3:論理的思考力が磨かれる

経済学では、「なぜこうなるのか?」を理論的に解き明かすスキルを重視します。
そのため、問題の原因を分析し、それに基づいた解決策を考える力が養われます。このスキルは、ビジネスや政策立案、さらには日常生活でも役立ちます。

4:その他のメリット

データリテラシーの向上、国際的な視野が広がる、現実社会との関連が強い


  • データリテラシーが向上: 統計学や計量経済学を学ぶことで、ビッグデータ時代に必要なスキルが身につく。
  • 国際的な視野が広がる: グローバルな経済問題や国際貿易を学ぶことで、海外での活躍も視野に入れられる。
  • 現実社会との関連が強い: 経済学の学びは、日常生活やビジネスシーンですぐに役立つ。

大学の経済学部で取得が目指せる資格

経済学部での学びを活かして取得できる資格

経済学部で学ぶと、専門知識を活かした以下の資格を取得を目指せます。

これらの資格は、将来のキャリア形成や就職活動で役立つため、学生時代に取得を目指す人が多いです。

1:日商簿記検定

簿記は企業の経営状況や財務状態を正確に把握するためのスキルです。
経済学部では、会計学や財務分析を学ぶ機会があるため、日商簿記検定に挑戦しやすい環境が整っています。

活かせる場面
  • 経理職や財務部門への就職
  • 起業やフリーランスとしての活動
  • 資格を持つことで就職活動時のアピールポイントになる
取得難易度
  • 3級は基礎的な内容で初学者向け
  • 2級以上になると企業の実務に近い内容を扱う

2:FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定

FP技能検定

FP技能検定では、資産運用、税金、保険、年金など、生活に密接に関わる金融知識を学びます。

経済学部で学ぶ金融や経済理論が役立つ資格です。

活かせる場面
  • 金融業界(銀行、保険会社、証券会社など)への就職活動
  • 個人資産の管理やアドバイス業務
  • 家庭や個人の資産運用にも役立つ
取得難易度
  • 3級は初心者でも合格しやすい
  • 2級以上ではより高度な知識が求められる

3:銀行業務検定

銀行で働くために必要な知識を測る資格です。経済学部で学ぶ金融理論やマクロ・ミクロ経済学が試験対策に直結します。

活かせる場面
  • 銀行への就職活動
  • 営業や資産運用のプロフェッショナルとしてのスキル向上
取得難易度
  • 初級は比較的取り組みやすい
  • 上級は実務的な知識が求められるため難易度が上がる

4:統計検定

統計検定

統計に関する基礎的な知識から高度な分析スキルまでを問う資格試験です。

経済学部で学ぶ計量経済学や統計学が活かせます。

活かせる場面
  • データ分析を行う職場(マーケティング、コンサルティング、IT企業など)
  • 研究などアカデミックな分野での活動
取得難易度
  • 2級や準1級は実務でも役立つレベル
  • 上級になると高度な統計理論が求められる

5:中学校・高校教諭一種免許状(公民)

大学で所定の教育課程を履修することで、中学校や高校の公民科の教員免許を取得することが可能です。

活かせる場面
  • 中学校・高校の教員として社会科を教える
  • 教育現場で経済や社会の知識を活かす
取得条件
  • 大学で教職課程を履修し、必要な単位を取得する
  • 教育実習への参加が必要

これらの資格は経済学部で学ぶ内容と直結しており、実際のビジネスや生活に役立つものばかりです。
学生時代に取得しておくと就職活動やキャリア形成において大きな武器となるため、興味のある資格には積極的に挑戦してみましょう。

大学の経済学部で学んだことを活かせる就職先・職業

経済学部で培った知識やスキルが活かせる主な就職先や職業

経済学部で培った知識やスキルは、多くの業界で重宝されます。

以下に主な就職先や職業と、それぞれの分野で活かせるポイントを詳しく解説します。

1:金融業界(銀行、証券、保険)

金融業界は、経済学部卒業生にとって最も一般的な進路の一つです。
経済の動向や金融政策を理解する力が求められるため、学んだ知識を直接活かせます。

活かせる知識・スキル

  • 金融市場の動向を分析する力
  • マクロ・ミクロ経済学の理解
  •  数字やデータを扱う能力

職務内容の例

  • 銀行で融資や資産運用を担当
  • 証券会社で株式や債券取引の提案
  • 保険会社でリスク管理や商品設計

2:IT業界

IT業界

データが重視される現代では経済学の数字を扱うスキルを活かして活躍の場が広がっています。

活かせる知識・スキル

  • 統計学やデータ分析のスキル
  • 消費者行動や市場動向を理解する力
  •  行動経済学や計量経済学の応用

職務内容の例

  • データアナリストとして、消費者行動を分析
  • マーケティング担当として広告効果を最適化
  • ITエンジニアとして、経済データを活用したアプリケーションを開発

3:商社

経済学で学ぶ国際経済学や貿易理論を活用し、商社でグローバルな取引を支える役割を担います。

活かせる知識・スキル

  • 貿易や国際経済の知識
  • 経済動向を踏まえた市場分析力
  • グローバルな視点での交渉力

職務内容の例

  • 貿易業務における輸出入管理
  • 商品やサービスの海外展開を担当
  • 市場調査や新規ビジネスの立案

4:公務員

公務員

公務員は安定したキャリアパスとして人気があります。

経済学部で得た知識をもとに、社会貢献につながる仕事に取り組むことが可能です。

活かせる知識・スキル

  • 経済政策の基礎知識
  • 地域経済や財政に関する理解
  • 論理的思考と分析力

職務内容の例

  • 地方自治体での地域振興や予算管理
  • 中央省庁での経済政策立案
  • 国税庁や財務省での税制改革の企画

5:コンサルティング業界

経済学部出身者は、論理的思考やデータ解析スキルを活かして、クライアントの課題解決に取り組みます。

活かせる知識・スキル

  • 経営戦略を立案するための分析力
  • 市場や競合の動向を予測するスキル
  • データに基づいた意思決定力

職務内容の例

  • 経営課題の解決や新規事業の立案
  • 市場調査やデータ分析を通じた提案
  • 企業の財務状況の改善や最適化

6:税理士

税理士

税理士資格を取得すれば、経済学の知識を活かしてクライアントの経済活動を支えるプロとして活躍できます。

活かせる知識・スキル

  • 税法や財務会計の知識
  • 経済や財政に関する幅広い理解
  • 企業の財務状況を管理する力

職務内容の例

  • 個人や法人の税務申告の代理業務
  • 企業の財務戦略や税制対策のサポート
  • 税務監査や会計業務のコンサルティング

7:公認会計士

公認会計士は、経済学で学んだ分析力や数字を扱うスキルを活用できる専門職です。

活かせる知識・スキル

  • 財務会計や監査の専門知識
  • 経済理論を基にした企業分析力
  • 高度な論理的思考力

職務内容の例

  • 企業の会計監査や財務諸表の確認
  • 内部統制の改善提案やリスク管理
  • 企業買収や再編における財務アドバイス

経営学部や商学部との違い

経済学部と経営学部・商学部との違い

経済学部、経営学部、商学部は、どれもビジネスや社会の仕組みを学ぶ学部ですが、それぞれが扱うテーマや目的には違いがあります。

以下で、具体的な違いを解説します。

1:経済学部と経営学部の違い

次に経済学部と経営学部の違いについて解説します。

経済学部の特徴

経済学部は、社会全体の仕組みや資源配分の問題を解明する学問に焦点を当てています。

例えば、「なぜインフレーションが起きるのか」「失業率を低下させるにはどうすればいいのか」といったテーマを扱い、国家経済や市場の仕組みを分析します。

また、経済学部では、理論を中心に学び、ミクロ経済学やマクロ経済学といった基本的な経済モデルを学ぶほか、統計データを用いた分析を行います。そのため、経済学部の学びは、政策立案や社会全体の問題解決に役立つ知識を学ぶ事にもなります。

経営学部の特徴

一方で経営学部では、企業や組織を効率的に運営するための実践的な学問を学びます。

「どうすれば企業が利益を最大化できるか」「リーダーシップを発揮するための方法は何か」といったテーマや具体的な経営戦略やマーケティング、人事管理などを学びます。

ケーススタディを通じて現場に即したスキルを養うという特徴もあり、ビジネスの実務に直結した内容が多い点が経済学部との大きな違いです。

たとえば、経済学部では「市場がどのようにして価格を決めるか」という理論を学びますが、経営学部では「自社製品をどうやって市場で売り込むか」という実務的な戦略を考えることに重点が置かれます。

2:経済学部と商学部の違い

商学部との違い

経済学部と商学部は、扱うテーマにおいて似ている部分もありますが、そのアプローチには明確な違いがあります。

経済学部は、国家や地域社会の経済全体を分析し、理論を深く学ぶことで広い視野を持った問題解決力を養うことを目的としています。

一方、商学部は、商業や流通、販売戦略など、ビジネスの現場で役立つ実務的な知識を学ぶことに特化しています。

具体的には、経済学部が「国際貿易がどのようにして成り立つのか」「経済成長の仕組みは何か」という理論的な課題を扱うのに対し、商学部では「輸出入業務の具体的な手順」や「効果的な販売促進方法」といった、現場での応用を重視します。


また、商学部では簿記や会計、マーケティングといった具体的なビジネススキルの習得がカリキュラムに組み込まれており、企業での即戦力を養成することを目的としています。

3:それぞれの学部に向いている人の特徴

経済学部は、社会全体や市場の仕組みを理論的に学びたい人に向いています。

一方で経営学部は、企業や組織運営に興味があり、実践的なスキルを習得したい人におすすめです。

また、商学部は、商業活動や流通など具体的なビジネスに直結した知識を学びたい人に適しています。

それぞれの学部が目指すゴールや学びのアプローチが異なるため、自分の興味やキャリアの方向性に合った選択をすることが大切です。 

経済学部に関してよくある質問

経済学部に関するよくある質問

ここでは、経済学部に関して高校生のみなさんからよくある質問について回答します。

具体的には、以下の質問に回答します。

  • 経済学部はどんな人に向いている学部なの?
  • 高校数学が全く分からない人でも授業についていけるの?
  • 経済学部のゼミではどんなことを学ぶの?
  • 経済学とはなにか、改めて教えて下さい。

経済学部はどんな人に向いている学部なの?

経済学部は、次のような特性や興味を持つ人に向いている学部です。

1:社会や経済の仕組みに興味がある人

経済学は、日常生活から国際問題に至るまで、あらゆる経済現象を学問的に解明する学問です。
たとえば、「なぜ景気が良くなったり悪くなったりするのか」「なぜ物価が上がるのか」といった疑問を持ち、社会の仕組みに関心がある人に適しています。

2:論理的に物事を考えるのが好きな人

経済学は、理論に基づいて問題を分析し、解決策を導き出す学問です。
そのため、「原因と結果を明確に考えるのが好き」「データを分析して答えを導くのが得意」という人には非常に向いています。

3:データ分析や統計に興味がある人

経済学では、現実の経済現象を理解するためにデータを扱うことが多いです。
統計や数学を用いて実証的に経済現象を解き明かすため、データ分析や数字を扱うことが得意、または興味がある人に向いています。

4:ビジネスや金融に興味がある人

経済学部で学ぶ内容は、金融やビジネスの世界でも応用できます。
銀行や証券会社などの金融業界に興味がある人や、将来起業したいと考えている人にとって、経済学部での学びは大いに役立ちます。

5:社会問題に関心がある人

経済学は、貧困や失業、環境問題といった社会的な課題の解決にも貢献できる学問です。そのため、「社会をより良くする仕組みを考えたい」という意欲がある人にはぴったりです。

6:幅広い視野を持ちたい人

経済学は、他の学問や分野との関連が深く、政治や歴史、社会学、環境学など幅広いテーマを学べます。さまざまな分野に興味を持ち、多角的な視点で物事を学びたい人に向いています。

高校数学が全く分からない人でも授業についていけるの?

高校数学が苦手でも経済学部で学ぶことは可能

結論から言うと、高校数学が苦手な人でも経済学部での学びについていくことは可能です。

ただし、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

経済学で数学はどのくらい必要?

経済学では、統計や微分・積分など、数学の基礎知識を活用する場面が多くあります。
たとえば、需要と供給の関係を数式で表したり、データ分析を行ったりする際に数学が役立ちます。


しかし、経済学部の授業では、経済に必要な数学を基礎から学べるようにカリキュラムが組まれていることが一般的です。

数学が苦手でも対応できる理由

次に現時点では数学が苦手でも経済学部の授業についていくことが不可能ではない理由をご紹介します。

   大学で基礎から学べる

経済学部では、数学が苦手な学生をサポートするため、経済数学や統計学の入門講義が用意されています。
高校で習った内容を復習しながら進むため、基礎からしっかり学べます。

   数学を使わない授業もある

経済学部のすべての授業で数学を使うわけではありません。
経済理論の講義や経済史など、文系的なアプローチで学べる科目も多くあります。

数学が苦手でも工夫すれば克服できる

加えて数学が苦手であっても工夫すれば苦手意識を克服できます。

特にこれからご紹介する3つのポイントは心がける価値があります。

   基礎を復習する

高校数学の簡単な部分(関数や図形など)を復習するだけでも、授業の理解がしやすくなります。
YouTubeの解説動画や参考書を活用して、少しずつ学ぶのがおすすめです。

   わからない部分をそのままにしない

授業でわからない部分があったら、早めに質問することが重要です。

教員やTA(ティーチングアシスタント)が丁寧に教えてくれます。

   データ分析に興味を持つ

数学が苦手でも、データ分析や統計の面白さに触れると自然と学ぶ意欲が湧くことがあります。

数学よりも大切なこと

経済学部では、数学ができるかどうかよりも、「社会の仕組みに興味がある」「論理的に物事を考えたい」という姿勢が重要です。
数学が苦手でも、意欲を持って学び続ければ十分に授業についていけるでしょう。

経済学部のゼミではどんなことをするの?

経済学部のゼミ(ゼミナール)は、学生一人ひとりが主体的に学ぶ場です。

ゼミは少人数で行われるため、教授と学生が密接に交流しながら経済学に関する深い学びを進めることができます。ここでは、ゼミでの具体的な学びについて解説します。

ゼミの目的と特徴

ゼミの主な目的は、経済学の理論や概念をより深く理解すると同時に、それを現実社会に応用する力を養うことです。

また、自ら調査し分析する能力や、自分の考えを論理的に表現し、他者と意見を交わすスキルを身につけることも重視されています。単なる講義とは異なり、学生が主体となって学び、議論する場であることが特徴です。

ゼミの活動内容

次にゼミの主な活動内容の一例をまとめましたので、ご覧ください。

活動内容
詳細
文献の読解とディスカッション
教授が指定する専門的な論文や書籍を読み、その内容をゼミ生全員で議論します。
例えば、経済政策の効果や新しい経済理論の解釈について意見を交わします。
データ分析と発表
実際の経済データを収集・分析し、その結果をプレゼンテーションします。
例えば、「失業率の変動要因を探る」「貿易収支がGDPに与える影響を分析する」といったテーマが設定されることがあります。
グループワーク
複数人でチームを組み、特定の課題に取り組むこともあります。
メンバーと協力して資料を作成し、問題を解決するプロセスを学びます。
卒業研究の準備
ゼミの最終段階では、各自が選んだテーマについて卒業論文を執筆します。これまでの学びを生かし、自分で設定した課題に答える形で研究を進めます。

ゼミでの学びから得られるもの

ゼミでの学びは、単なる知識の習得にとどまりません。

文献やデータに基づく「根拠ある考察」を行い、それを他者に伝える力が身につきます。また、議論やプレゼンを通じて、コミュニケーション能力やリーダーシップも磨かれます。

ゼミ選びのポイント

ゼミは大学生活において非常に重要な役割を果たすため、自分の興味や将来の進路に合ったものを選ぶことが大切です。


教授の専門分野やゼミのテーマを事前に調べ、自分がどの分野に興味を持ち、どのようなスキルを身につけたいかを明確にしておきましょう。

経済学とはなにか、改めて教えてください

経済学は限られた資源から最大限の満足を得る方法を研究する学問

経済学とは、「限られた資源をどのように効率的に分配し、最大限の満足を得られる社会を作るか」を研究する学問です。

様々な経済活動を分析し、仕組みを解明するための学問

私たちの日常生活から国際社会まで、あらゆるレベルで発生する経済活動を分析し、その仕組みを解明することを目的としています。

たとえば、個人が「どの商品を買うべきか」「どうやって収入を使うか」といった選択をする際、その背後にある心理や行動を分析するのがミクロ経済学です。

一方で、国全体の景気や失業率、インフレーション(物価の上昇)など、社会全体の動きを捉えるのがマクロ経済学です。

現実社会における課題解決にも役立つ学問である

経済学は理論的な考察だけでなく、現実社会における課題解決にも役立ちます。

たとえば、「なぜ貧困が生まれるのか」「環境保護と経済成長をどう両立させるのか」「国際貿易が経済にどんな影響を与えるのか」などの問いに答えるため、具体的なデータを収集し、分析を行います。

また、経済学は単に「お金」だけを扱うわけではありません。

私たちが日々行う選択や、社会全体が持つ問題に焦点を当て、それを改善する方法を探るのが経済学の本質です。そのため、政治や法律、心理学、社会学とも密接に関連しています。

たとえば、最近注目されている行動経済学は、人間が必ずしも合理的な選択をしない理由を心理学的視点から解明します。他にも国際経済学は、グローバル化の中で各国の経済がどのように影響し合うのかを探ります。

理論と現実を結び付ける学問でもある

総じて経済学は、理論と現実を結びつけ、より良い社会を築くための指針となる学問です。

「なぜ?」という問いに対してデータやモデルを用いて答えを導き出すことができるため、経済学を学ぶことで、私たちが生活する社会の仕組みを深く理解する力が身につきます。

そして、それは個人の生活だけでなく、ビジネスや政策立案、国際協力の場面でも大いに役立つのです。

今回の内容のまとめ

今回の内容のまとめ

この記事では、経済学部について解説してきました。最後に今回取り上げた内容の要点をまとめます。

  • 経済学部でぶことは、経済の仕組みや社会全体の資源配分、消費・生産、政策の背景などがある。
  • 主な分野としては、ミクロ経済学、マクロ経済学、行動経済学、国際経済学、統計などがある。
  • 経済学部は理論的な研究が中心であり、経営学部は企業運営、商学部は取引や流通を中心に学ぶ。
  • 経済学部にいている人は、社会や経済の仕組みに興味があり、論理的に考えるのが好き、データ分析や問題解決が得意な人。
  • 経済学では数学を使うが、基礎から学べる環境が整っており、高校数学が苦手な人でもついていける。

経済学部は、社会の仕組みや経済の動きを深く理解し、その知識を活かして未来を創造するための学問です。

幅広い進路と学びの可能性があるため、あなたの興味や目標に合った挑戦がきっと見つかるはずです。

この記事を参考に、経済学部での学びがあなたの未来を広げる一歩になることを願っています。ぜひ、経済学部への進学を検討してみてください。

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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