作成日: 2025/2/13 更新日:2026/8/27
商学部では何を学ぶ?学べる大学や目指せる資格、卒業後の就職先を解説

「商学部って何を勉強するの?」
「商学部はどの大学にある?」
このような疑問を持つ高校生も多いのではないでしょうか。
本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 商学部で学ぶこと
- 商学部で学べる大学と、大学選びのポイント
- 商学部と経済学部・経営学部の違い
- 目指せる資格と、卒業後に生かせる業界・職種
また、商学部に関するよくある質問にも答えています。
総合型選抜などで商学部を目指す人は、最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
商学部で学ぶこと
商学部では、商品やサービスが作られ、売られ、消費者に届くまでの流れと、それを支えるお金の仕組みを学びます。
学ぶ範囲が広いのが商学部の特徴で、主に以下の分野を学びます。
分野 | 学ぶ内容 |
マーケティング | 商品やサービスが売れる仕組み |
会計学 | 企業のお金の記録と報告の方法 |
金融(ファイナンス) | お金の流れと、銀行・証券・保険の仕組み |
流通・商業 | 商品が消費者に届くまでの流れと、取引の仕組み |
経営学 | 企業や組織の運営方法 |
経済学 | 市場や経済全体の仕組み |
多くの大学では、1〜2年次にこれらの基礎を幅広く学び、その後に専門分野を選びます。
それぞれの分野を見ていきましょう。
参考:商学とは何を学ぶ学問?経営学・経済学との違いや、資格・就職先・大学選びを高校生向けに解説
マーケティング
マーケティングは、消費者が求めるものを調べ、商品やサービスが売れる仕組みを作る分野です。
市場調査から、商品開発、価格の決め方、広告、販売方法までを学びます。
主に学ぶ内容は以下のとおりです。
- 消費者が商品を選ぶ理由(消費者行動)
- 市場調査とデータの分析
- 商品、価格、流通、広告の組み合わせ
- SNSやWeb広告を使ったデジタルマーケティング
身近な商品の広告やパッケージが、なぜその形なのかを考えられるようになります。
商学部の中でも、特に人気の高い分野です。
会計学
会計学は、企業のお金の動きを記録し、財務諸表にまとめて報告する方法を学ぶ分野です。
財務諸表を読めるようになると、企業の経営状態を数字で判断できます。
主な科目は以下のとおりです。
科目 | 学ぶ内容 |
簿記 | 日々の取引を記録するルール |
財務会計 | 株主や投資家に向けた財務諸表の作り方 |
管理会計 | 経営者が判断に使うための会計情報の作り方 |
監査論・税務会計 | 財務諸表のチェック方法と、税金の計算 |
会計学で学ぶ内容は、公認会計士試験や税理士試験の科目と重なります。
資格の取得を目指す学生を支援している大学も多くあります。
金融(ファイナンス)
金融は、お金の流れと、それを仲立ちする銀行や証券会社の仕組みを学ぶ分野です。
企業がどのように資金を集め、何に投資するかも考えます。
主に学ぶ内容は以下のとおりです。
- 銀行、証券会社、保険会社の役割
- 株式、債券、外国為替などの金融商品の仕組み
- 金利や景気が金融市場に与える影響
- 企業の資金調達(コーポレートファイナンス)
金融の知識は、金融業界への就職だけでなく、自分の資産管理にも役立ちます。
保険やリスク管理を専門に学べる大学もあります。
流通・商業
流通は、商品が作られてから消費者の手に届くまでの流れを学ぶ分野です。
商学部ならではの分野で、メーカー、卸売業者、小売業者のつながりや、取引の仕組みを分析します。
主なテーマは以下のとおりです。
テーマ | 内容 |
流通論 | 卸売や小売の役割と、商品が届くまでの経路 |
物流 | 商品の保管や輸送の仕組み |
貿易・国際ビジネス | 海外との取引の方法と、国際的な商品の流れ |
ネット通販 | EC(電子商取引)の仕組みと、店舗販売との違い |
コンビニに毎日新しい商品が並ぶ仕組みも、流通の分野で学びます。
商社や小売業に就職したい人に役立つ分野です。
経営学
経営学は、企業や組織を効率よく運営する方法を学ぶ分野です。
商学部では、マーケティングや会計学とあわせて、経営の基礎を学びます。
主に学ぶ内容は以下のとおりです。
- 経営戦略(会社が進む方向の決め方)
- 組織論(組織の仕組みと、人の動かし方)
- 人的資源管理(採用、育成、評価)
- 起業やベンチャー企業の仕組み
経営学を学ぶと、会社全体がどのように動いているかを理解できます。
経営学についてさらに深く学びたい人は、経営学部も選択肢になります。
参考:経営学とは?何を学ぶ学問かや学べる大学、卒業後の就職先を解説
経済学
経済学は、市場の動きや、国全体の経済の仕組みを学ぶ分野です。
商学部では、ビジネスを考えるための土台として経済学の基礎を学びます。
経済学の主な分野は以下のとおりです。
分野 | 学ぶ内容 |
ミクロ経済学 | 個人や企業の行動と、市場で価格が決まる仕組み |
マクロ経済学 | 経済成長、物価、失業など、国全体の経済 |
景気や物価の動きは、企業の売上や戦略に影響します。
経済の流れを理解することで、ビジネスの判断に役立てられます。
参考:経済学とは?何を学ぶ学問か、学べる大学、卒業後の進路を解説
ビジネス実践
商学部では、学んだ知識を実際のビジネスで使う力を身につける授業もあります。
多くの大学では、課題解決型学習(PBL)の形で授業が行われます。
主な学びの例は以下のとおりです。
- 少人数のグループでビジネスプランを作る
- 企業や自治体と連携して、商品開発や地域の課題解決に取り組む
- ビジネスプランコンテストに参加する
- 実務家を招いた講義で、現場の話を聞く
自分で課題を見つけ、解決策を考える力は、就職活動でも評価されます。
実践的な授業の充実度は大学によって異なるため、大学選びのポイントになります。
4年間の学びの流れと、専攻を決める時期
商学部では、1〜2年次に基礎を幅広く学び、2〜3年次に専門分野を選ぶのが一般的です。
一般的な4年間の流れは以下のとおりです。
学年 | 主な学び |
1年次 | 商学入門、簿記、経済学・経営学の基礎 |
2年次 | 専攻やコースの選択、専門科目の講義 |
3年次 | ゼミナールで関心のあるテーマを深く学ぶ |
4年次 | 卒業論文 |
たとえば早稲田大学の商学部では、経営、会計、マーケティング、ファイナンス、保険・リスクマネジメント、ビジネス・エコノミクスの6つから、2年次に中心となる分野を選べます。
入学時点で学びたい分野が決まっていなくても、入学後に選べる点が商学部の魅力です。
商学部で学べる大学
商学部は、全国の多くの私立大学に設置されています。
ここでは、おすすめの大学と、大学選びのポイントを紹介します。
おすすめの大学
商学部を目指す高校生におすすめの大学は、早稲田大学、中央大学、日本大学、関西学院大学、福岡大学です。
各大学の特徴は以下のとおりです。
大学名 | 所在地 | 特徴 |
東京 | 2年次に6つのトラックから専門を選ぶ。60近いゼミがあり、独自の留学プログラムも充実 | |
東京 | 経営、会計、国際マーケティング、金融の4学科。公認会計士試験で全国トップクラスの合格実績がある | |
東京 | 商業、経営、会計の3学科。2年次からコースを選び、ゼミも2年次から始まる | |
兵庫 | 3年次から経営、会計、マーケティング、ファイナンス、ビジネス情報、国際ビジネスの6コースに分かれて学ぶ | |
福岡 | 1年次の前期からゼミナールがあり、4年間少人数で学ぶ。企業見学や地域との共同プロジェクトもある |
大学によって、学科やコースの分け方は異なります。
学びたい分野のコースがあるか、オープンキャンパスや大学の公式サイトで確認しましょう。
大学選びのポイント
商学部のある大学は、学びの内容や支援体制で比べることが大切です。
大学選びで確認したいポイントは以下のとおりです。
ポイント | 確認する内容 |
専攻・コースの種類 | 学びたい分野のコースがあるか。コースを選ぶ時期はいつか |
実践的な授業 | 企業と連携した授業や、インターンシップの機会があるか |
留学の支援 | 交換留学の提携先や、奨学金が充実しているか |
資格取得の支援 | 公認会計士や税理士を目指す学生向けの講座や支援があるか |
就職実績 | 自分が就職したい業界や企業への就職実績があるか |
公認会計士や税理士を目指す場合は、学内の講座や合格実績を必ず確認しましょう。
予備校に通わずに資格の勉強ができる大学もあります。
商学部以外で商学を学ぶには
商学部がない大学でも、ほかの学部の中で商学を学べる場合があります。
主な例は以下のとおりです。
- 経済学部の中の商学科(例:駒澤大学 経済学部 商学科)
- 経営学部の中の、マーケティングや会計のコース
- 商経学部や経営経済学部など、商学と経済学をあわせて学ぶ学部
学部の名前だけでなく、学科やコースの内容まで確認しましょう。
学べる内容が同じでも、大学によって学部の名前は異なります。
商学部と経済学部・経営学部の違い
商学部、経済学部、経営学部は、どれもお金やビジネスに関わる学部です。
ただし、学びの中心が異なります。
主な違いは以下のとおりです。
学部 | 学びの中心 | 主な科目 | 向いている人 |
商学部 | 取引やビジネスの実務 | マーケティング、会計学、流通論、金融論 | 商品が売れる仕組みやビジネスの現場に興味がある人 |
経営学部 | 企業や組織の運営 | 経営戦略、組織論、人的資源管理 | 会社の運営やリーダーシップに興味がある人 |
経済学部 | 社会全体の経済 | ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、統計学 | 社会の仕組みや政策に興味がある人 |
商学部は「取引やビジネスの実務」、経営学部は「一つの企業」、経済学部は「社会全体」に注目する学部です。
商学部はビジネスに関わる分野を幅広く学べるため、まだ進みたい分野が決まっていない人にも向いています。
参考:経済学部とは何を学ぶ学部なのか?具体的に学ぶことや卒業後の進路まで解説
商学部で目指せる資格
商学部で学ぶ内容は、ビジネスに関わる多くの資格の試験範囲と重なります。
主な資格を見ていきましょう。
日商簿記検定
日商簿記検定は、日本商工会議所が実施する、簿記の知識と技能を証明する検定です。
簿記を学ぶと、財務諸表を読む力や、企業の経営状態を分析する力が身につきます。
主な級と特徴は以下のとおりです。
級 | 特徴 |
3級 | 簿記の基本。商学部の1年次の授業内容と重なる |
2級 | 企業の経理担当者に求められるレベル。就職活動でも評価されやすい |
1級 | 税理士試験の受験資格が得られる難関レベル |
2級と3級は、パソコンで受験するネット試験もあり、日程を選びやすくなっています。
大学によっては、簿記の授業と検定の内容が連動しているため、効率よく取得を目指せます。
税理士
税理士は、個人や企業の税金の申告や、税務の相談を行う国家資格です。
税理士になるには、税理士試験の5科目に合格する必要があります。
受験資格の主なポイントは以下のとおりです。
科目 | 受験資格 |
会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論) | 2023年度から受験資格が不要になり、誰でも受験できる |
税法に属する科目 | 大学で法律学や経済学に属する科目を一定以上履修するなどの受験資格が必要 |
商学部では会計学の科目を学ぶため、簿記論や財務諸表論の勉強に生かせます。
在学中から会計学の科目に挑戦する学生もいます。
公認会計士
公認会計士は、企業の財務諸表が正しく作られているかをチェックする「監査」を行う国家資格です。
難関の国家資格として知られています。
令和7年の試験結果は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
受験資格 | 制限なし。年齢や学歴に関係なく受験できる |
出願者数 | 22,056人 |
最終合格者数 | 1,636人 |
最終合格率 | 7.4% |
試験では財務会計論や管理会計論、監査論、企業法など、商学部の学びと重なる科目が多く出題されます。
令和7年の最年少合格者は16歳で、大学在学中に合格を目指す学生も多い資格です。
参照:令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について|公認会計士・監査審査会(PDF)
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営状態を分析し、改善のための助言を行う国家資格です。
経営コンサルタントとして働くための代表的な資格です。
試験の流れは以下のとおりです。
段階 | 内容 |
第1次試験 | 経済学、財務・会計、企業経営理論など7科目の筆記試験 |
第2次試験 | 企業の事例をもとにした筆記試験と、口述試験 |
第1次試験の科目は、商学部で学ぶ経済学、会計学、経営学と多く重なります。
大学生でも受験でき、コンサルティング業界を目指す人に役立つ資格です。
ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP)
FP技能検定は、個人の資産計画を立てるための知識を証明する国家検定です。
金融、保険、年金、税金、不動産など、お金に関わる幅広い知識が問われます。
主な級と特徴は以下のとおりです。
級 | 特徴 |
3級 | お金の基礎知識。誰でも受験できる |
2級 | 金融機関の営業職などで求められるレベル |
1級 | 専門家として活躍するレベル |
金融業界や保険業界を目指す人に役立つ資格です。
自分自身の将来の資産管理にも役立ちます。
商学部で学んだことを生かせる業界・職種
商学部ではビジネスに関わる分野を幅広く学ぶため、卒業後は多くの業界で活躍できます。
ここでは、主な業界と職種を紹介します。
生かせる業界
商学部で学んだ知識は、さまざまな業界で役立ちます。
主な業界と、商学部の学びが生かせる理由は以下のとおりです。
業界 | 商学部の学びが活かせる理由 |
金融(銀行・証券・保険) | 金融商品の仕組みや、企業の財務を分析する力を生かせる |
商社 | 貿易や流通、価格交渉の知識を生かせる |
メーカー | マーケティングや流通の知識を、商品の企画や販売に生かせる |
小売・流通 | 消費者の行動の分析や、物流の知識を生かせる |
サービス | 顧客満足を高める戦略や、新しいサービスの企画に生かせる |
商学部は特定の業界に限らず、どの業界でも役立つ知識を学べます。
インターンシップなどで、自分に合った業界を早めに探しておきましょう。
生かせる職種
商学部で学んだ知識は、職種ごとにも生かし方があります。
主な職種と、生かせる知識は以下のとおりです。
職種 | 活かせる知識 |
営業職 | 顧客のニーズを分析し、最適な商品を提案する力 |
経理・財務職 | 財務諸表の作成と分析、予算管理、資金調達の知識 |
マーケティング職 | 市場調査、商品開発、広告や販売促進の知識 |
公認会計士・税理士 | 会計学や税務の専門知識 |
経理・財務職では、簿記や会計の資格を持っていると専門性が評価されます。
学んだ分野と、目指す職種をつなげて考えると、学生生活の目標が立てやすくなります。
よくある質問
商学部に興味がある人が疑問に思うことをまとめました。
よくある質問とその回答を記載していきます。
商学部に向いている人は?
商学部に向いている人には、以下の特徴があります。
主な特徴を表にまとめました。
特徴 | 説明 |
マーケティングに興味がある | 商品が売れる理由や、広告の工夫を考えるのが好き |
企業のお金の流れを学びたい | 会計学や金融を学び、会計士や税理士を目指したい |
実践的なスキルを身につけたい | ケーススタディやグループワークで、ビジネスの考え方を学びたい |
将来の進路がまだ決まっていない | ビジネスを幅広く学んでから、進みたい分野を決めたい |
最初からすべてを満たす必要はありません。
商学部は入学後に専攻を選べる大学が多いため、幅広く学びながら興味を見つけられます。
商学部は文系ですか?理系ですか?
商学部は、一般的に文系の学部に分類されます。
ただし、学ぶ内容には数字を扱う分野も多く含まれます。
商学部の文系・理系の特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
学部の分類 | 文系学部 |
入試科目 | 国語、英語、地歴公民が中心。数学で受験できる大学も多い |
数字を扱う分野 | 会計学、金融、統計を使ったマーケティング分析など |
会計学や金融では計算が多く、数学が得意な人は強みを発揮できます。
数学が苦手でも、大学の授業で基礎から学べるため、文系の高校生でも十分に学べます。
まとめ
本記事では、商学部で学ぶことや学べる大学、目指せる資格、卒業後の進路について解説しました。
重要なポイントは以下のとおりです。
- 商学部では、商品やサービスが消費者に届くまでの流れと、それを支えるお金の仕組みを学ぶ
- マーケティング、会計学、金融、流通、経営学、経済学など、学ぶ範囲が広い
- 多くの大学では、2〜3年次に専攻やコースを選ぶ
- 日商簿記検定、税理士、公認会計士などの資格の勉強に生かせる
- 卒業後は、金融、商社、メーカー、小売など幅広い業界で活躍できる
本記事が、商学部への理解と進路選びの参考になれば幸いです。
商学部は何を学ぶ学部?学ぶ学問を向いている人や目指せる資格と共に解説
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
