幼稚園の先生になるには？なり方・必要な資格・仕事内容を解説

幼稚園の先生とは？

幼稚園の先生は、3歳〜5歳の子どもたちを対象に、遊び、学び、生活習慣の指導をする職業です。

主な役割は、子どもたちに対して教育的な活動を計画し、実施することです。

以下に幼稚園の先生の仕事内容や給料についてまとめます。

• 幼稚園の先生の仕事内容
• 幼稚園の先生の給料・給与
• 幼稚園の先生のやりがい
• 幼稚園の先生に必要な能力
• 幼稚園の先生の働き方
• 幼稚園の先生という職業の注意点
  

それぞれ見ていきましょう。

幼稚園の先生の仕事内容

幼稚園の先生は、園児たちの成長を支える大切な役割を担っています。

1日の流れが以下の通りとなっており、その中でさまざまな業務を行っています。

• 登園
• 教室でのあいさつ
• 園庭や教室での遊び
• 給食
• 午後の活動
• 降園
  

教育活動の計画と実施

主な仕事内容として、教育活動の計画と実施が挙げられます。

園児一人ひとりの年齢や個性に応じた教育プログラムを作成し、歌や遊び、工作などを通じて知識や社会性を育む指導を行います。

生活指導

基本的な生活習慣や集団行動のルールを教える生活指導も重要な業務の一つです。

園児が自立心を持って行動できるよう、着替えや食事、トイレなどの日常生活のサポートも行います。

健康管理と安全確保

健康管理と安全確保も幼稚園の先生の重要な仕事です。

毎日の健康観察や体調の確認を行い、園児が安全に過ごせる環境を整えます。

また、緊急時の対応も求められるため、迅速かつ適切な判断力が必要です。

保護者とのコミュニケーション

保護者とのコミュニケーションも欠かせません。

園児の成長や日々の生活について情報を共有し、信頼関係を築くことが求められます。

連絡帳の記入や個別面談を通じて、家庭と幼稚園が連携を取り合いながら園児をサポートします。

行事の準備、開催

季節ごとの行事の準備と開催も、幼稚園の先生の仕事です。

具体的には以下のような行事があります。

• 運動会
• 発表会
• 入園式
• 卒園式
  

園によってはお泊まり会などもあります。

これらの行事のプログラム作成、子どもたちの練習指導、保護者への周知、当日の飾り付けなどの準備を行います。

幼稚園の先生の給料・給与

幼稚園の先生の年収や給与は、勤続年数や勤務先の規模、地域によって異なります。

平均年収の目安としては、約408万円です。

ハローワーク求人統計データによると月額の給料は21.7万円です。

参照：幼稚園教員｜jobtag

令和4年賃金構造基本統計調査によると、所定内給与額は月26.7万円、年間賞与（ボーナス）は、80.8万円です。

※企業規模計（10人以上）の事業所で働く幼稚園教員，保育教諭の給与月額男女計

幼稚園の先生の給与は、地域や勤務先によって異なり、公立では安定、私立では園ごとの差があります。

初任給は18万～20万円程度で、経験を積むと昇給やボーナス（年間2～4か月分）が期待されます。

福利厚生や勤務条件も園によって異なるため、就職時には給与や待遇などを資料やサイトで確認し、自分に合った職場を選ぶことが重要です。

幼稚園の先生のやりがい

幼稚園の先生として働くことには多くのやりがいがあります。

子どもの成長を見守ることができる

まず、子どもたちの成長を間近で見守ることができる点が挙げられます。

幼稚園は、子どもたちが初めて家庭外で長い時間を過ごす場所であり、社会性やコミュニケーション能力を育む重要な時期です。

子どもたちが新しいことを学び、できることが増えていく姿を目にするたびに、大きな達成感を味わうことができます。

教えたことが実を結ぶ瞬間を見られる

また、教えたことが実を結ぶ瞬間に立ち会えるのも大きな魅力です。

例えば、文字を覚えたり、友達と協力して遊べるようになったりする姿を見ると、自分の指導が子どもたちの成長に直結していると感じられます。

これにより、教育者としての責任感と充実感を強く実感することができます。

子どもたちの笑顔に触れることができる

子どもたちの純粋な反応や無邪気な笑顔に触れることは、日々の心の癒しとなります。

園児からの「ありがとう」や「大好き」という言葉は、何にも代えがたい喜びを与えてくれます。

子どもたちの成長を見て喜ぶ姿を目にすることで、自分の仕事が社会に貢献していると実感することができます。

このように、幼稚園の先生は、子どもたちの未来を支え、小さな喜びを積み重ねることができる魅力的な仕事です。

幼稚園の先生に必要な能力

幼稚園の先生は、日常的に子どもに触れる仕事です。

そのため子どもが好きであることは大前提です。

その上で、以下のようなスキルや適性が求められます。

• 明るく元気なコミュニケーション力
• 音楽や絵、工作などの表現力
• 保護者や同僚との協調性
  

子どもたちと接する時は、自身がどんな状態だったとしても明るく元気な仕草が必要です。

子どもたちの想像力を引き出すためには、自身がピアノを弾いたり絵を描いたりするなどの表現力も求められます。

また、子どもを育てるためには、同僚や子どもの保護者と連携して職務にあたる必要があります。

幼稚園の先生の働き方

幼稚園の先生の勤務先は、公立幼稚園と私立幼稚園がメインです。

近年は「幼保連携型認定こども園」も増えてきました。

いずれにしても、比較的安定した働き方ができる職場です。

• 公立幼稚園：自治体が運営。安定した勤務体系
• 私立幼稚園：法人が運営。園独自の教育方針もある

勤務時間は平日が中心です。

行事前は準備のため、休日出勤が発生することがあります。

幼稚園の先生という職業の注意点

大きなやりがいのある幼稚園の先生ですが、注意点もあります。

• ​書類仕事や行事準備で残業が発生しやすい
• 保護者との関わりに気を使うこともある
• 体力と精神力が必要

幼稚園は、入学式、遠足、運動会、発表会、園によってはお泊まり会、卒園式と、年間を通して行事があります。

それらを手配するための書類作成や行事準備で、残業が発生しやすい職業です。

また、教育方針や子ども同士の関係で、保護者との慎重な関わりが必要な場面も訪れます。

これらの業務をこなすためには、体力と精神力が求められます。

幼稚園の先生を目指す人は、上記の点を注意する必要があります。

幼稚園教諭免許の種類

幼稚園の先生になるためには、幼稚園教諭免許状の取得が必須です。

幼稚園教諭免許状は、必要な学歴や学修内容によって以下の3種類に分類されます。

それぞれの特徴を表で整理しながら説明します。

一種免許状と二種免許状では仕事内容に大きな違いはありませんが、給与や昇進において一種免許状の方が有利な場合があります。

一方で、二種免許状は短期間で取得可能で、早く現場での経験を積みたい方に適しています。

また、2022年7月に教員免許更新制度が廃止され、一度取得すれば更新が不要となったため、すべての免許状が「一生モノの資格」となりました。

幼稚園の先生になるための方法

幼稚園の先生になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。

具体的な方法について解説します。

• 幼稚園教諭免許状を取得する
• 幼稚園の採用試験に合格し就職する

それぞれ見ていきましょう。

幼稚園教諭免許状を取得する

幼稚園教諭免許状は国家資格であり、幼児教育を行うための基礎的な知識と技能を証明するものです。

幼稚園教諭免許状を取得するためには、大学で教職課程を履修し、4年次には実際の現場での教育実習を受けることが必要です。

教職課程を修了したのち、幼稚園教員資格認定試験を受験して合格すると、幼稚園教諭免許状を取得することができます。

また、短期大学での教職課程でも、幼稚園教諭免許状を取得することができます。

大まかなプロセスは、4年制大学と同様です。

ただし短大の場合、取得できる免許は二種免許に限られます。

幼稚園の採用試験に合格し就職する

幼稚園強免許状を取得した後は、幼稚園の採用試験を受験し合格することが必要です。

幼稚園には公立と私立があり、それぞれ採用の仕組みが異なります。

公立幼稚園の教諭は、地方自治体が雇用する地方公務員であり、試験も自治体が実施します。

私立幼稚園の教諭は、運営法人が雇用する会社員であり、試験も法人ごとに独自に行われます。

いずれも、公立・私立ともに採用試験の内容は共通する部分が多く、一般的に筆記試験、面接、実技試験が実施されます。

以下に、それぞれの試験に向けた対策をまとめました。

​幼稚園の先生になりたい高校生の進路・ルート

幼稚園の先生になるためには、「幼稚園教諭一種免許状」または「幼稚園教諭二種免許状」を取得する必要があります。

幼稚園教諭一種免許状は、4年制大学を卒業することで取得できます。

幼稚園教諭二種免許状は、短期大学や専門学校でも取得が可能です。

以下に、大学の種別ごとの進学ルートを詳しく解説します。

4年制大学に進学し一種免許を取得する

幼稚園教諭を目指す場合、4年制大学に進学すると、一般的に「幼稚園教諭一種免許状」を取得できます。

多くの大学では教育学部に所属し、幼児教育に関する以下のような専門知識を学びます。

大学のカリキュラムには、4年次に教育実習が含まれており、実際の幼稚園での指導経験を積む機会が提供されます。

これにより、理論だけでなく実践力を身につけることができます。

一部の大学では、幼稚園教諭一種免許状と保育士資格を同時に取得できるカリキュラムを提供しています。

このようなプログラムを履修することで、幼児教育だけでなく乳児保育のスキルも習得でき、就職の幅が広がるというメリットがあります。

年内入試ナビでは、教育学科を設置している大学をまとめています。

参考：教育学科のある大学の一覧はこちら

また、教育学部で学ぶことも詳しく解説しています。

こちらもあわせて参考にしてください。

参考：教育学部では何を学ぶ？向いている人や入学後に狙える資格や就職先と共に解説​

短期大学や専門学校に進学し二種免許を取得する

短期大学や専門学校に進学すると、幼稚園教諭二種免許状を取得できます。

短大や専門学校で二種免許を取得するメリットとデメリットは以下の通りです。

短期大学や専門学校では、「教育学科」や「子ども学科」などのコースに進み、幼児教育に必要な知識や技術を学びます。

おすすめの大学

​幼稚園教諭免許状を取得するためにおすすめの大学は、聖徳大学、東京家政大学、および鎌倉女子大学です。​

これらの大学では、幼児教育に関する専門的なカリキュラムや実践的な教育を提供し、幼稚園教諭として必要な知識と技能を身につけることができます。

以下に、各大学の概要をまとめました。​

また年内入試ナビでは、幼稚園の先生を目指せる大学をまとめています。

こちらもぜひ参考にしてください。

参考：幼稚園の先生を目指せる大学の一覧はこちら​

おすすめの短期大学、専門学校

幼稚園教諭を目指す人におすすめの短期大学、専門学校は、佐野日本大学短期大学、駒沢女子短期大学、埼玉純真短期大学です。

これらの学校では、幼児教育の専門知識や実践的なスキルを学びながら、幼稚園教諭免許状の取得を目指せます。

以下に、各学校の概要を表にまとめました。

よくある質問

幼稚園の先生に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。

よくある質問とその回答を記載していきます。

幼稚園の先生に向いている人の特徴は？

幼稚園の先生に向いている人には、以下のような特徴があります。

これらの特徴を持つ人は、幼稚園の先生として子どもたちの成長を支え、楽しみながらやりがいを感じる仕事ができるでしょう。

幼稚園教諭と保育士の違いは？

幼稚園教諭と保育士には、以下のような違いがあります。

近年では、保育園でも教育的要素を取り入れるなど、両者の役割の違いが徐々に小さくなってきています。

また、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ幼保連携型認定こども園も増えています。

ピアノが弾けなくても大丈夫？

幼稚園の先生は、ピアノを引く能力を求められます。

遊びや授業の中で、子どもたちに歌わせるためにピアノで演奏するからです。

幼稚園教諭試験の課題にピアノがある場合もあります。

一方で、大学や専門学校に入学した後に練習すれば、問題なく習得することができます。

男性でも幼稚園の先生になれる？

もちろん可能です。

幼稚園教諭に性別の制限はありません。

近年では男性の幼稚園教諭も増えており、みな活躍しています。

まとめ

本記事では、幼稚園の先生の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。

解説した中でも、幼稚園の先生に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

• 幼稚園の先生とは、幼児の成長と発達をサポートする専門職である
• 主な仕事は、教育活動の計画と実施である
• 幼稚園教諭の免許には、一種・二種・専修の3つがある
• 子どもが好きな人・コミュニケーション能力が高い人に幼稚園の先生はおすすめ
• 給与や昇進を重視するなら4年制大学、早く幼稚園の先生になりたいなら専門学校か短期大学に進学がおすすめ

本記事が幼稚園の先生の全体像を理解するための参考になれば幸いです。

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