年内入試ナビ

作成日: 2025/8/04 更新日:2025/10/02

通訳になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

通訳になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「通訳のなり方は?」

「通訳になるのに必要な資格は?」

このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。

  • 通訳とはどんな職業なのか
  • 仕事内容・やりがい・給料
  • 通訳になるには何をすべきか
  • 取得すべき資格
  • 向いている人の特徴

また、通訳に関するよくある質問にも答えています。

通訳に興味のある人や、通訳を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。


通訳とは

通訳とは

通訳とは、異なる言語を話す人同士のコミュニケーションを助ける職業で、会議や国際イベントなどで活躍します。

英語だけでなく、中国語、韓国語、スペイン語など、さまざまな言語で活躍する人がいます。

話された内容を瞬時に理解し、正確に別の言語に訳す高度なスキルが必要です。

通訳には、話と同時に訳す「同時通訳」と、話の後に訳す「逐次通訳」の2種類があります。

以下に通訳の仕事内容や給料についてまとめます。

  • 通訳の仕事内容
  • 通訳の給料・給与・年収
  • 通訳のやりがい
  • 通訳の働き方
  • 通訳に必要な資格、知識、スキル
  • 通訳という職業の注意点

それぞれ見ていきましょう。

通訳の仕事内容

通訳とは、異なる言語を話す人同士のコミュニケーションを円滑にするために、発言内容をその場で正確かつ迅速に訳す仕事です。

言葉を単純に置き換えるだけではなく、背景にある文化や文脈を踏まえ、双方にとって自然で伝わりやすい表現に変換する高度なスキルが求められます。

  • 異なる言語を話す人同士の会話をリアルタイムで翻訳
  • ビジネス会議や商談の場での会話の通訳
  • スポーツ・芸能・イベントでの通訳(インタビューなど)
  • 話し手の発言内容を即座に理解し、適切な表現で通訳
  • 専門用語や業界用語の事前調査・準備
  • 通訳の前後に行われる打ち合わせや準備への参加
  • 文化や表現の違いを考慮して、誤解のないように調整
  • 会議の議事録作成や資料翻訳の実施
  • 外国人観光客への観光案内、サポート
  • 医療や法律の現場での専門通訳
  • オンライン会議やリモート通訳の対応

通訳の給料・給与・年収

給料・給与・年収

通訳の給料・給与・年収については、その勤務先や経験年数によって大きく異なります。

厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」によると、通訳者の平均年収は約591万円です。

スキル・言語・勤務地(都心か地方か)などによって大きく差が出ます。

また、実際に通訳者になるには、特に学歴や資格は必要とされないため実績と能力によって仕事を得ることができます。

一般的に大学卒業程度の学力は最低限必要とされ、大学、通訳学校、大学院などの通訳養成コースを修了した者が多いこともわかります。

参照:通訳者|jobtag

通訳のやりがい

通訳のやりがいは、言葉の壁を越えて人と人をつなぐ重要な役割を担える点にあります。

異なる文化や価値観を持つ人々の間で、正確かつ円滑なコミュニケーションを実現することで、大きな達成感や貢献感を得られます。

また、国際会議やビジネス交渉、医療現場など、日々異なる現場での対応が求められるため、常に新しい知識やスキルを吸収できるのも魅力の一つです。

高度な語学力と集中力を活かしてプロフェッショナルとして活躍できることは、通訳者ならではのやりがいといえます。

自分の通訳を通じて、プロジェクトが成功したり、信頼関係が築かれる場面に立ち会えることも多く、社会に必要とされているという実感を得やすいです。

通訳の働き方

働き方

通訳の働き方は、フリーランスとして個別に契約を結ぶ形や、企業や国際機関に所属して常勤で働く形があります。

フリーランスの場合、自分のスケジュールに合わせて仕事を選べる自由がありますが、安定した収入を得るためには多くの実績と信頼が必要です。

一方、常勤の通訳者は安定した給与と福利厚生が得られる反面、勤務先の業務に縛られることもあります。

以下では、働き方について表にまとめました。

働き方
雇用形態
仕事内容の特徴
メリット
デメリット
企業内通訳
正社員・契約社員

社内会議、海外拠点とのやりとり、資料翻訳など

安定収入・福利厚生あり
専門知識が身につく
拘束時間が長め
同じ業界に特化しやすい
フリーランス通訳
業務委託
会議、イベント、商談などで案件ごとに通訳
働き方の自由度が高い
高単価案件もある
収入が不安定
案件獲得や営業が必要
通訳エージェント経由
派遣社員
派遣先での通訳、電話通訳、短期案件など
案件紹介が受けられる
初心者でも始めやすい
案件を選べないこともある
報酬が中抜きされやすい
オンライン通訳
業務委託
ビデオ通話や電話を通じた通訳業務
在宅可能
副業としても取り組みやすい
対面より報酬が低め
通信環境に左右される
官公庁・国際機関通訳
契約社員・委託
国際会議や外交の場での高精度な通訳
社会的信頼が高く、報酬も高水準
高度なスキルが求められる
競争率が非常に高い

通訳の働き方には、企業内通訳やフリーランス、通訳エージェント経由、オンライン通訳、官公庁・国際機関などさまざまな形があります。

また、翻訳と兼業して働く人が多いことも特徴です。

働き方によって仕事内容や求められるスキル、収入の安定性、自由度に違いがあり、自分のライフスタイルや経験に応じて選ぶことが重要です。

通訳に必要な資格、知識、スキル

通訳として働くために必須の国家資格は存在しません。

そのため、語学力と実務スキルがあれば未資格でも活動は可能です。

しかし、実際の現場では高い専門性と即戦力が求められるため、資格の有無にかかわらず知識・スキルのレベルが重視される職種です。

通訳に求められる主な知識・スキル

スキル
詳細
高い語学力(特にリスニングとスピーキング)
ビジネスレベル以上の英語・日本語運用能力が必須
即時処理能力と記憶力
発言内容を瞬時に理解・記憶し、正確に訳出する力が求められる
広範な一般常識と教養
様々な場面に対応するため、政治・経済・文化などへの理解が必要
専門分野の知識(医療、法律、IT、金融など)
専門用語や業界背景を把握していないと、正確な通訳が難しくなる
高度なコミュニケーション能力
双方の立場を尊重し、円滑なやり取りを促す橋渡しの役割が求められる
精神的なタフさと集中力
長時間の業務や緊張感のある現場でも安定したパフォーマンスが必要

就職・案件獲得に有利になる資格・検定

資格は必須ではありませんが、以下のような通訳関連の資格を保有していると、スキルの証明となり、就職やフリーランスとしての案件獲得で有利になります。

まずは、世界共通言語である英語に関する資格です。

資格
説明
通訳案内士(国家資格)
外国人観光客を案内するための資格
語学力+日本文化の知識が求められる。
TOEIC(900点以上が目安)
英語力を客観的に示す指標として有効
英検1級
高度な英語力を証明できる資格で、通訳者志望者にも評価されやすい
JTA公認翻訳専門職資格試験(通訳技能認定)
実務で活かせるスキルの証明となる民間資格
民間スクールの通訳コース修了証
通訳学校や専門スクールの履修歴も、実力アピールの材料になる

また英語以外にも、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語など、外国語に関する資格が数多くあります。

また、医療通訳や法定通訳など、特定の分野に特化した通訳資格もあります。

資格・検定名
内容
対応言語の例
中国語検定(中検)
実務に強い中国語の能力を測定。準1級・1級は専門的内容も含む
中国語
ハングル能力検定
韓国語の語彙・文法・読解・聞き取り能力を評価
韓国語
フランス語能力試験(仏検)
日本国内で広く行われているフランス語検定
フランス語
ドイツ語技能検定
文部科学省後援のドイツ語検定試験
ドイツ語
スペイン語技能検定
スペイン語の聞き取り・文法・読解などを評価
スペイン語
​ポルトガル語検定(CAPLE)
リスボン大学認定。ヨーロッパ基準(CEFR)に準拠した国際的資格
ポルトガル語
ブラジルポルトガル語能力検定(CELPE-Bras)
ブラジル教育省が認定する唯一の公的ポルトガル語能力試験
ポルトガル語(ブラジル)
医療通訳技能認定試験
医療分野での通訳力を問う国家認定の民間資格
多言語(中国語・韓国語・スペイン語など)
法廷通訳人名簿登録(裁判所)
裁判所が行う通訳人名簿への登録制度。試験なし、実務経験重視
多言語(中国語・ベトナム語など)

通訳は「語学ができる」だけでは務まりません。

専門知識・思考力・表現力・対応力など、総合的なスキルが問われる職業です。

資格の取得はその一歩として、自分の強みを証明する手段として活用するのが効果的です。

通訳という職業の注意点

注意点

通訳という職業の注意点として、常に高い集中力を求められる点が挙げられます。

特に同時通訳では、瞬時に内容を把握し、正確に伝えるスキルが求められます。

また、不規則な勤務時間や緊急対応が必要な場合も多いため、柔軟なスケジュール管理能力が不可欠です。

これらの点を理解した上で、自分に合った働き方を見つけることが、通訳としての成功につながります。

通訳になる方法

なる方法

通訳になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。

ここでは、通訳のなり方の具体的なステップについて紹介します。

  1. 語学力を高める(英語など)
  2. 通訳に関する専門的な学習をする
  3. 実務経験を積む
  4. 専門分野を持つ(医療、法律、ITなど)
  5. フリーランスまたは企業内通訳として働く

それぞれ見ていきましょう。

1.語学力を高める

通訳として働くためには、高度な語学力が不可欠です。

一般的には英語が主な対象とされがちですが、中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語など、英語以外の言語にも高い需要があります。

地域や業種によっては、これらの言語を使える通訳のほうが求められる場面も多くあります。

語学力を高めるには以下のような取り組みが有効です。

  • 定期的な音声・映像教材によるリスニング訓練
  • シャドーイングや通訳練習による発話能力の強化
  • ネイティブとの会話(言語交換やオンラインレッスンの活用)
  • ニュース・行政文書・専門資料など実務的な文脈での読解力強化

また、CEFR基準の言語検定(仏検・中検・CELPE-Brasなど)を活用して、自身の語学レベルを客観的に把握することも有効です。

特定言語の通訳者は数が限られる分、一定以上のスキルがあれば仕事に結びつきやすくなるという利点もあります。

2.通訳に関する専門的な学習をする

専門的な学習をする

語学力だけでなく、通訳特有のスキルを身につける必要があります。

逐次通訳や同時通訳の手法、ノートテイキング、短期記憶の活用法などを学ぶため、通訳専門のスクールや大学・大学院での学習が一般的です。

訓練を重ねることで、瞬時に正確な訳を出す力が養われます。

3.実務経験を積む

初めは小規模な案件や通訳アシスタントとして現場に入り、実践を通じてスキルを磨きます。

通訳エージェントに登録して単発の仕事を受ける方法もあります。

場数をこなすことで、現場での対応力やクライアントとのやり取りにも慣れ、自信と実績がついてきます。

4.専門分野を持つ(医療、法律、ITなど)

専門分野を持つ

医療、法律、IT、ビジネスなど、特定の分野に強みを持つことで高単価の仕事を受けやすくなります。

専門用語や業界の背景知識を深く理解しておくことで、通訳の質も高まり、依頼者からの信頼につながります。

自身の興味や得意分野を活かすとよいでしょう。

5.フリーランスまたは企業内通訳として働く

通訳として経験を積んだ後は、企業内通訳、フリーランス、通訳エージェント経由など、自分のスタイルに合った働き方を選べます。

フリーランスなら自由度が高く高収入も狙えますが、案件獲得や営業も必要です。

給与の安定を求めるなら企業勤務が向いています。

通訳になりたい高校生の進路

高校生の進路

通訳になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。

代表的な進路について解説します。

  • 外国語系大学(4年制)に進学する
  • 通訳・翻訳系の専門学校(2年制)進学する
  • 通信・夜間課程+社会人経験を積む

それぞれ見ていきましょう。

外国語系大学に進学する

通訳演習を含む学科がある大学に進学し、体系的に語学と通訳技法を学ぶルートです。

学士取得と同時に、交換留学や海外インターンで実践機会を得られるのが強みです。

通訳をつとめたい言語を専門的に学ぶことができる学科に進学しましょう。

学べる学問分野・内容

  • 英語学、英米文学、言語学、異文化理解
  • 通訳・翻訳論、国際コミュニケーション
  • 通訳演習(逐次・同時通訳)、プレゼンテーション実習
  • 第二外国語(中国語・韓国語など)も学習可能

代表的な学部・学科

  • 外国語学部(英米語学科、国際コミュニケーション学科 など)
  • 国際関係学部
  • 文学部(言語文化系)

メリット

  • 学士取得により公的な就職にも強い
  • 交換留学や海外インターンなどの機会が豊富
  • 総合的な教養や論理的思考力も身につく

通訳・翻訳系の専門学校に進学する

専門学校に進学する

高校卒業後すぐに実務寄りカリキュラムで集中的に学ぶ選択肢です。

ビジネス英語、逐次/同時通訳、業界用語演習、現場実習が多く、就職サポートもあり安心です。

大学と同じく、通訳をつとめたい言語を専門的に学ぶことができる学科に進学しましょう。

学べる学問分野・内容

  • ビジネス英語・時事英語
  • 通訳技法(逐次・同時)
  • 医療・法律・観光などの専門通訳
  • 実習・インターンシップ、模擬会議

メリット

  • 実務中心のカリキュラムで即戦力を養成
  • 通訳者や現役翻訳者による直接指導
  • 就職サポートが手厚く、企業との連携授業も多い
  • 短期間(1〜2年)で集中的に学べる

通信・夜間過程+社会人経験を積む

経済的理由や地方在住でも、オンライン通訳講座・夜間大学で学びつつアルバイトや通訳補助で実践を重ねる方法です。

学歴より実務量を重視するエージェント案件獲得を目指すことができます。

学べる学問分野・内容

  • オンライン通訳講座(ビジネス通訳・観光通訳など)
  • 夜間大学・社会人講座での語学と実務訓練
  • 業務通訳アルバイト・ボランティアでの実践

メリット

  • 働きながら学べるため、収入と学習を両立できる
  • 現場経験を積みながらポートフォリオを構築できる
  • エージェント案件では「学歴より実績」が重視される傾向があり、早期に案件獲得も可能

おすすめの大学

おすすめの大学

通訳を目指す人におすすめの大学は、以下の大学が挙げられます。

大学名
所在地
学部
特徴
東京都
外国語学部など
通訳・翻訳の実践科目が豊富
国際会議通訳の実習もあり
東京都
言語文化学部・国際社会学部
多言語に対応
高度な語学運用力と専門知識を養成
大阪府
英語キャリア学部・外国語学部
通訳・翻訳プログラムが充実
提携の通訳訓練校もあり
千葉県
外国語学部
通訳専攻コースがあり、実践型授業や海外研修も実施

上記に挙げた以外にも、年内入試ナビでは通訳尾目指せる大学の一例をまとめています。

こちらもぜひ参考にしてください。

参考:通訳を目指せる大学の一例はこちら

おすすめの短期大学・専門学校

おすすめの短期大学・専門学校

大学以外に、通訳になるためにおすすめの学校は以下の短期大学・専門学校が挙げられます。

学校名
所在地
学部・学科
特徴・ポイント
東京都中野区
国際コミュニケーション学科
英語を中心に国際ビジネスや異文化理解を学ぶカリキュラム。英語通訳・翻訳に関連する演習や実務的な語学力の養成に強み。
大阪府枚方市
英米語学科
外国語大学の短大部門。実践的な英語力、異文化対応力、英語プレゼンテーション・通訳練習など、通訳基礎の育成に注力。
京都府京都市
キャリア英語科
通訳・翻訳、国際交流、ビジネス英語に関する実践型授業が充実。外国語大学との連携で高度な語学指導が受けられる。
東京都千代田区
インターナショナルコミュニケーション科 スペイン語コース
スペイン語技能検定対応のカリキュラムを提供。通訳・翻訳実習や業界実践型教育が特色。
東京都千代田区
韓国語学科、中国語学科、二言語キャリア学科(韓国語+英語など) 
少人数制で韓国語や中国語にも対応し、通訳・翻訳実践および語学運用能力を鍛える教育体制。

短期大学で「通訳」に特化したカリキュラムは少なめで、英語科・国際コミュニケーション科などを選び、編入や専門学校進学と組み合わせるのが現実的です。

専門学校は実践重視で、現場に即したスキルを短期間で学べます。

短大は基礎英語+教養中心で、さらに進学や編入して通訳を目指す方に向いています。

よくある質問

faq

通訳に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。

よくある質問とその回答を記載していきます。

通訳に向いている人は?

以下では、通訳に向いている人の特徴をまとめました。

特徴
説明
高い語学力と瞬時の理解力がある
話された内容を即座に理解し、適切な訳に変換するため、母語と外国語の両方に強い言語センスが必要
冷静さと集中力がある
緊張感のある現場でも落ち着いて対処できる精神力が大切
特に同時通訳では集中力の持続が重要
コミュニケーション能力が高い
ただ言葉を訳すだけでなく、話し手の意図や感情もくみ取って相手に正確に伝える力が求められる
情報処理能力・記憶力がある
一度に大量の情報を処理し、短期記憶に保持しながら話す能力が必要
ノートテイキングも有効なスキル
柔軟性と好奇心がある
通訳の現場は多種多様 新しい業界知識や専門用語にも興味を持ち、柔軟に学び続けられる人が向いている
礼儀正しい
通訳は「人と人をつなぐ」役割 守秘義務を守り、信頼される姿勢がプロとして重視視される

これらの特性をバランスよく持ち合わせている人が、通訳者として向いていて活躍しやすいといえます。

通訳士と通訳者の違いは?

通訳士と通訳者

明確な違いはありません。

「通訳士」は正式な国家資格ではなく、通訳者を丁寧に表現した呼び方にすぎません。

「通訳案内士(全国通訳案内士)」という国家資格がありますが、これは主に外国人観光客向けのガイド+通訳に関わるものであり、ビジネス通訳や会議通訳の「通訳者」とは別です。

通訳と翻訳の違いは?

以下では、通訳と翻訳の違いについて表にまとめました。

項目
通訳
翻訳
対象
話し言葉(会話・スピーチ)
書き言葉(文章・資料)
方法
リアルタイムでその場で訳す
時間をかけて文書を訳す
スキル
瞬時の理解力・記憶力・表現力
調査力・構成力・文体の再現力
活躍の場
会議、商談、インタビューなど
書籍、契約書、Web記事など

この表で分かるように、通訳は「耳と口」で行い、翻訳は「目と手」で行う仕事です。

求められる能力や現場が異なるため、別の専門職とされています。

年内入試ナビでは、「翻訳家」について詳しく解説した記事を執筆しています。

こちらもぜひ参考にしてください。

参考:翻訳家になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

通訳の将来性は?

通訳の仕事は、AI翻訳や自動音声通訳の発展によって変化の時代を迎えています。

機械翻訳は精度を大きく向上させており、旅行やビジネスの簡易会話では実用的なレベルに到達しています。

しかし、人間の通訳者が担う領域は依然として存在し、その「独自性」をどう発揮できるかが将来性を左右します。

AI翻訳と通訳の違い

  • AI翻訳:大量のテキスト処理や定型的な会話に強い
  • 通訳:文脈や相手の意図、文化的背景を読み取りながら表現を調整できる

通訳の独自性を発揮できる分野

  • 外交・国際会議:言葉だけでなく、政治的ニュアンスや発言の裏を正確に伝える必要がある
  • 医療・法律分野:専門知識を踏まえた正確な用語選択とリスク回避が求められる
  • ビジネス交渉:相手の感情や立場に配慮し、信頼関係を損なわない表現を選ぶ力
  • 文化・芸術関連:演説、舞台、映画など、雰囲気や感情を伝える表現力が必要

通訳の将来性は「AIに置き換えられない付加価値をどう出すか」にかかっています。

単なる言葉の変換ではなく、文脈理解や専門知識、文化的背景を踏まえた通訳を磨くことで、今後も独自の需要が期待できます。

まとめ

まとめ

本記事では、通訳の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。

解説した中でも、通訳に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 通訳とは、異なる言語を話す人々の間で円滑なコミュニケーションを実現する専門職
  • 主な仕事は、国際会議やビジネス商談、観光案内、医療現場などで話された内容を正確に別の言語へ伝えることなどが挙げられる
  • 通訳になるには、高い語学力に加え、逐次通訳や同時通訳などの専門技術を学び、実務経験を積むことが必要
  • 語学が得意な人・人と関わることが好きな人に通訳はおすすめ
  • 通訳になりたい高校生は、外国語学部や通訳養成課程のある大学・専門学校に進学するのがおすすめ

本記事が通訳の全体像を理解する参考になれば幸いです。

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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