作成日: 2025/5/23 更新日:2025/5/23
環境科学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先を解説

「環境科学とはどんな学問?」
「環境科学を学んだ後の進路は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 環境科学とはどんな学問なのか
- 専攻すると何を学ぶのか
- 学べる大学
- 学んだ後の進路や就職先
- 学ぶのに向いている人の特徴
環境科学とは何を学ぶのか気になっている方、進路選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
環境科学とは

環境科学とは、地球の環境を守るために、自然や人間の活動が環境に与える影響を科学的に研究する学問です。
地球温暖化や水質汚染などの環境問題を解決するために、物理学、化学、生物学などの自然科学を統合し、環境の現状を科学的に理解し、持続可能な未来を目指します。
具体的には、以下のような技術や手法を活用して、環境保護法規の策定や環境に優しい技術の開発を行います。
項目 | 説明 |
|---|---|
環境モニタリング | 大気や水質などの環境の状態を測定・記録し、変化を追跡すること |
環境影響評価 | 開発や事業が自然環境に与える影響を事前に調査・分析すること |
環境管理 | 環境への悪影響を最小限に抑えるための計画や取り組みを実施すること |
環境政策 | 環境を守るために政府や自治体が立てるルールや制度のこと |
また、経済学や社会学などの社会科学とも密接に関連し、経済活動と環境保護のバランスを探る環境経済学や、法的枠組みを研究する環境法学も重要な分野です。
環境科学は、気候変動対策から地域の水質改善、持続可能な開発目標(SDGs)の達成まで、多岐にわたる問題に取り組み、地球規模での環境保護に貢献します。
環境学と環境科学の違いは?

環境学と環境科学は密接に関連していますが、学問の焦点やアプローチに違いがあります。
以下にそれぞれの特徴を表にまとめます。
項目 | 環境学 | 環境科学 |
|---|---|---|
目的 | 人間と自然環境の相互作用を理解し、持続可能な共存を目指す | 環境問題の科学的解析と技術的解決策を提供 |
内容 | 人文科学と社会科学を基盤とする学問分野 | 自然科学、工学、社会科学を含む広範な学問分野 |
アプローチ | 教育的な側面が強い | 研究的・技術的な側面が強い |
つまり、環境学は“文系寄り”、環境科学は“理系寄り”の学問です。
環境学は、教育現場や社会的な活動を通じて、人々が自然環境とどのように関わるべきかを探求することに焦点を置いています。
一方で環境科学は、科学的な調査や技術開発を用いて具体的な環境問題を解決することに重点を置いています。
環境学について詳しく知りたい方は、こちらの記事をぜひご覧ください。
3つのアプローチ

環境科学では何を学ぶのでしょうか。
以下に環境科学への3つのアプローチについてまとめます。
テーマ | 学ぶこと |
|---|---|
自然科学的アプローチ | 物理学、化学、生物学、地質学などの基礎科学を用いて、環境の現状を定量的に分析し、環境変化のメカニズムを解明。大気・水・土壌の汚染過程や生態系の相互作用などを科学的に理解する。 |
工学的アプローチ | 環境保護や修復のための技術開発を学ぶ。再生可能エネルギー、廃棄物処理、水質浄化などの環境技術の設計と実装、環境モニタリングシステムの構築、環境影響評価の方法論を習得する。 |
社会科学的アプローチ | 経済学、社会学、政治学の視点から環境問題を考察。環境政策の立案と評価、環境経済学による費用便益分析、環境法規制の仕組み、持続可能な開発に向けた社会システムの設計を学ぶ。 |
それぞれ見ていきましょう。
自然科学的アプローチ
自然科学を基礎に、環境の構造や機能を理解します。
物理学、化学、生物学、地質学を用いて、大気や水質、エネルギー流などを調査・分析し、環境問題の原因と対策を探ります。
以下、自然科学的アプローチにおける主な学問分野とその研究対象および具体例です。
学問分野 | 研究対象 | 研究対象の一例 |
|---|---|---|
物理学 | 大気の動態、エネルギーの移動 | 地球温暖化のメカニズム解明 |
化学 | 汚染物質の生成と拡散 | 酸性雨の原因物質の分析 |
生物学 | 生態系の相互作用 | 絶滅危惧種の保護 |
地質学 | 地質構造、地表の変化 | 地震や火山活動の影響 |
自然科学的アプローチは、環境の仕組みを理解し、問題の原因を探求します。
工学的アプローチ

技術と科学を融合し、具体的な環境問題解決策を提供します。
廃水処理や空気浄化、再生エネルギーの利用、持続可能な都市計画などが対象です。
以下、工学的アプローチにおける分野とその具体例および目的です。
分野 | 分野の具体例 | 取り組みを通して目指すこと |
|---|---|---|
廃水処理 | 効率的な処理施設の設計・運営 | 河川や海への排水による水質汚染を防ぎ、安全な水環境を保つこと |
空気浄化 | 汚染物質除去フィルターの開発 | 都市部の大気汚染を改善し、住民の健康被害を防ぐこと |
再生エネルギー | 風力発電、太陽光発電 | 化石燃料への依存を減らし、温室効果ガスの排出を抑えること |
持続可能な都市計画 | エコデザイン、グリーンインフラ | 都市の過密化に伴うヒートアイランド現象を緩和し、快適な生活環境を実現すること |
工学的アプローチは、技術を使って環境問題の解決策を作ります。
社会科学的アプローチ
人間社会と環境の関係を分析し、持続可能な政策や行動を提案します。
経済学、社会学、政治学、法学、心理学などの視点から、環境問題に対する多角的な解決策を見つけます。
以下、社会科学的アプローチにおける学問分野とその研究対象および具体例です。
学問分野 | 研究対象 | 研究対象の一例 |
|---|---|---|
経済学 | 経済活動と環境保護のバランス | カーボンプライシング |
社会学 | 環境意識、行動の変化 | コミュニティ活動 |
政治学 | 環境政策の策定と実施 | 国際協力、条約 |
法学 | 環境法規制 | 環境保護ルールの適用 |
心理学 | 環境認識、行動の変容 | 環境配慮行動の促進 |
社会科学的アプローチは、環境問題に対する政策や行動を考えます。
環境科学の専門分野

環境科学へのアプローチは上記の3つに大別されますが、これを踏まえて環境科学を対象別に専門化した分類があります。
具体的には以下の表のとおりです。
項目 | 概要 |
大気環境学 | 大気中の化学物質の挙動や汚染メカニズムを解明する分野 |
水環境学 | 水質汚染物質の化学的性質と水循環における挙動を扱う分野 |
土壌環境学 | 土壌中の有害化学物質の動態と浄化手法を研究する分野 |
生態学 | 化学物質が生態系に及ぼす影響を評価する分野 |
地球温暖化 | 温室効果ガスの発生源と反応経路を化学的に解析する分野 |
気候変動研究 | 化学物質が気候に与える長期的影響を調査する分野 |
廃棄物 | 廃棄物中の有害物質の分解・無害化を化学的に検討する分野 |
リサイクル工学 | 資源回収と再利用における化学的プロセスを最適化する分野 |
環境化学 | 環境中の化学物質の動態・影響を包括的に扱う基盤的分野 |
エネルギー環境学 | 再生可能エネルギーの化学的評価と環境負荷低減を図る分野 |
環境計測 | 化学的手法を用いて環境汚染物質を定量・監視する分野 |
解析技術 | 環境化学物質の高精度な分析手法を開発・応用する分野 |
環境政策 | 化学物質管理に基づいた政策立案と科学的根拠の提供を担う分野 |
法律 | 化学物質の規制や排出基準を法的枠組みで定める分野 |
取得を目指せる資格

環境化学を学ぶことで、多くの資格取得を目指すことができます。
以下に環境化学の学びを生かして取得を目指せる資格をまとめました。
資格名 | 概要 | 管轄機関 | 資格の種類 |
環境計量士 | 環境中の化学物質などを測定・評価する専門家です。 | 環境省 | 国家資格 |
公害防止管理者 | 工場や事業所での公害防止対策を管理する責任者です。 | 一般社団法人産業環境管理協会(試験実施)/環境省(制度所管) | 国家資格 |
危険物取扱者 | 危険物を安全に管理・取り扱う専門資格です。 | 消防庁(総務省) | 国家資格 |
エネルギー管理士 | 事業所のエネルギー使用量を管理・改善する専門家です。 | 資源エネルギー庁(経済産業省) | 国家資格 |
気象予報士 | 天気予報や気象情報を分析・発信する専門家です。 | 気象庁 | 国家資格 |
技術士(環境部門) | 環境技術全般に関する高度な専門知識と実務経験を有する技術者です。 | 文部科学省 | 国家資格 |
ビオトープ管理士 | 自然環境の保全・再生に関する企画・施工・管理を行う専門家です。 | 公益財団法人 日本生態系協会 | 民間資格 |
環境科学を学べる大学の一例

環境科学を専攻できる大学の具体例は以下の通りです。
- 駒澤大学 文学部地理学科地域環境研究専攻
- 麻布大学 生命・環境科学部環境科学科
- 東邦大学 理学部生命圏環境科学科
それぞれ見ていきましょう。
駒澤大学 文学部地理学科地域環境研究専攻
駒澤大学の地域環境研究専攻は、地域の環境を理解することで人と自然、社会の調和を探求する学科です。
デスクワークとフィールドワークを融合させ、多角的に地域の環境について学びます。
卒業後は、環境関連の職種や研究分野で活躍が期待されます。
駒澤大学 文学部地理学科地域環境研究専攻のカリキュラムには以下のような特徴があります。
- 気候や地形、水の循環など、地域の自然と人間の関係を実践的なフィールドワークを通じて学べる。
- 「自然地理学入門」や「気候学」などの基礎から専門科目まで幅広い授業があり、実習科目も充実した環境で学べる。
- フィールドワークを通じて地域の調査・分析手法を学び、現場での観察・考察能力を磨ける。
そのため、地域の環境問題に興味があり、実践的なフィールドワークを通じて現場での学びを深めたい人・環境関連の職業に就きたいと考えている人に向いています。
麻布大学 生命・環境科学部環境科学科

麻布大学の環境科学科は、生物学や化学を基盤に、持続可能な環境を支える技術と専門知識を学び、幅広い環境課題に対応できる人材を育成します。
卒業生は、多様な環境分野で活躍し、持続可能な社会の実現に貢献しています。
麻布大学生命・環境科学部環境科学科のカリキュラムには以下のような特徴があります。
- 気候、水、土壌、動植物、生態系、社会など、環境に関わる多彩な分野を学び、人と動物と環境の共生を実現する知識と技術を習得できる。
- 授業の約3割が実習・演習科目であり、豊富な実習を通じて実践力を養える。
- 多くの環境系資格が取得可能で、高い就職率を誇り、環境分析技術職や環境コンサルティングなど多岐にわたる分野で活躍できる。
そのため、環境問題に強い関心があり、実験やフィールドワークを通じて実践的なスキルを身につけたい人・環境保全や資源管理の分野でキャリアを築きたいと考えている人に向いています。
東邦大学 理学部生命圏環境科学科
東邦大学の生命圏環境科学科は、地球環境と生命の相互作用を学び、持続可能な「生命圏」を構築するための知識と技術を習得する学科です。
基礎理学と応用科学を融合した教育を通じて、環境問題を総合的に解決する力を養います。
東邦大学理学部生命圏環境科学科のカリキュラムには以下のような特徴があります。
- 地球科学、生態学、環境化学などの基礎理学を基盤とし、環境工学や人間科学を統合して学べる。
- 「学びながら実践する、実践しながら学ぶ」、理論と実践のバランスを重視した教育を受けられる。
- 日本語・英語の両方でのコミュニケーション能力を鍛え、高度な調整力や交渉力を養える。
そのため、地球環境と生命の関係に強い興味を持ち、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えている人・フィールドワークを重視した学びを求める人に向いています。
環境科学を学んだ後の進路は?

環境科学を大学で専攻した人は、卒業後にどのような進路を歩んでいるのでしょうか。
2つの大学を例に見ていきましょう。
麻布大学 生命・環境科学部環境科学科の卒業後の進路
麻布大学生命・環境科学部環境科学科の過去5年間の卒業生の進路の内訳は以下の通りです。
業種(進学含む) | 割合 |
|---|---|
環境関連 | 44% |
進学 | 11% |
食品・食品衛生 | 7% |
情報通信 | 4% |
医療福祉・医薬品 | 4% |
専門系技術 | 9% |
卸売・小売 | 3% |
公務員・教育学習支援 | 3% |
農林・畜産 | 3% |
製造 | 3% |
その他 | 9% |
まず麻布大学では、卒業生の約44%が環境関連分野に就職しており、専門性を活かした進路が多いことが特徴です。
進学(11%)や専門系技術職(9%)も一定の割合を占めており、理系の知識を活かした多様な進路が見られます。
東邦大学 理学部生命圏環境科学科の卒業後の進路
東邦大学理学部生命圏環境科学科の2023年度卒業生の就職者における主な業種別の内訳は以下の通りです。
業種 | 割合 |
|---|---|
卸売・小売・商社 | 22.0% |
情報・通信 | 12.2% |
食品 | 4.9% |
エネルギー | 4.9% |
CRO・SMO・検査センター | 4.9% |
化学 | 2.4% |
機械・電気・精密 | 2.4% |
その他製造 | 2.4% |
教育 | 2.4% |
官公庁・公務員 | 2.4% |
その他 | 39.0% |
東邦大学では、最も多いのは「卸売・小売・商社」(22.0%)で、「情報・通信」(12.2%)への就職が多く見られます。
食品やエネルギー分野にも進んでおり、環境科学の学びが幅広い産業で活かされていることが分かります。
環境科学の学びを活かせる就職先・職業・仕事

環境科学が活かせる仕事はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な就職先・職業について解説します。
- IT企業
- メーカー
- 環境コンサルタント
- 建設・土木関連企業
- 官公庁(環境保全のための政策づくりなど)
- エネルギー関連企業(再生可能エネルギー開発)
それぞれ見ていきましょう。
IT企業
IT企業は、環境科学の知識を活かす場として注目されています。
持続可能な技術やエコロジカルなソリューションの開発が進んでおり、環境への配慮が求められる場面が増えています。例えば、クラウドコンピューティングでは、データセンターのエネルギー効率を向上させる技術が必要です。
環境科学の知識を持つエンジニアやデータサイエンティストは、再生可能エネルギーの利用や冷却システムの最適化を提案・実施ができます。
また、ソフトウェア開発でも環境科学の知識が役立ちます。
エネルギー効率の高いプログラム設計や環境に優しいアルゴリズムの開発により、IT製品やサービスの環境負荷を減らせます。
さらに、IoT技術を活用してリアルタイムで環境データを収集・解析するシステムの開発も重要な役割です。
以下に、環境科学の知識が活かされるIT企業での主な活躍分野をまとめました。
IT企業での活躍分野 | 具体例 | 目的 |
|---|---|---|
クラウドコンピューティング | データセンターのエネルギー効率向上、再生可能エネルギーの利用 | 二酸化炭素(CO₂)など温室効果ガスの排出量を減らすこと |
ソフトウェア開発 | エネルギー効率の高いプログラム設計、環境に優しいアルゴリズムの開発 | IT製品の環境負荷低減 |
環境モニタリングシステム | IoT技術を活用したリアルタイム環境データ収集・解析 | 環境保護の迅速な対応 |
サステナビリティ戦略 | 企業のCSR活動やサステナビリティ戦略の策定 | 持続可能なビジネスモデル構築 |
メーカー(化学・素材・エネルギー系)

化学メーカー、素材メーカー、エネルギー関連のメーカーは、環境負荷の削減や再生可能資源の活用など、環境科学の知識を活かしやすい分野です。
環境に配慮した製品の開発や、生産プロセスの見直しが重要なテーマとなっており、環境エンジニアや品質管理担当、製品開発研究者などの職種で多くの人材が活躍しています。
以下に、メーカーの職種の中で、環境科学の知識を活かせる職種、具体的な業務内容、目的をまとめました。
メーカーでの職種 | 具体例 | 目的 |
|---|---|---|
環境エンジニア | エネルギー効率の向上、有害物質の削減、リサイクル可能な素材の選定 | 製品の環境影響最小化 |
品質管理担当 | 環境基準や規制の適合確認、ISO14001の導入・維持管理 | 環境法規制の遵守 |
製品開発研究者 | 再生可能エネルギーを利用した新しい電池技術、環境に優しいプラスチック代替品の開発 | 持続可能な製品開発 |
環境コンサルタント
環境コンサルタントは、企業や政府機関、非営利団体などに対して環境問題に関する助言を提供する専門家です。
主な業務には、環境影響評価(EIA)の実施、環境管理計画の策定、環境法規制の遵守確認、持続可能な資源利用の提案などがあります。
以下に、環境コンサルタントの主な業務内容と具体例、業務の目的をまとめました。
環境コンサルタントの業務 | 具体例 | 業務の目的 |
|---|---|---|
環境影響評価(EIA) | 新しいプロジェクトや開発計画が環境に与える影響の事前予測・評価 | 持続可能な開発の促進 |
環境管理計画の策定 | エネルギー効率向上、廃棄物削減、水資源管理 | 企業や団体の環境負荷最小化 |
環境法規制の遵守確認 | 地域や国の環境法規制への適合チェック | 法規制の遵守、罰則回避、企業イメージの保護 |
持続可能な資源利用の提案 | 再生可能エネルギー導入、生態系保護取り組み | 持続可能な資源利用方法の提案 |
建設・土木関連企業

建設・土木関連企業では、環境科学の知識を活かして、自然環境と調和したインフラ整備が求められます。
具体的には、道路・ダム・トンネルなどの大型公共事業において、工事前の環境影響評価(環境アセスメント)や施工中・後の環境モニタリングに従事します。
生態系への配慮を踏まえた工法選定や、騒音・振動対策の提案も業務に含まれます。
環境保全の視点を持った土木技術者や調査技術者として活躍する場面が多く、建設現場における技術職とともに、コンサルタント会社や設計事務所での環境調査職としての活躍も見込まれます。
職種名 | 業務内容 |
環境アセスメント技術者 | 開発前の環境影響評価(大気、水質、騒音、生態系など)を実施 |
土木設計技術者 | 環境配慮型の構造物設計(法面保護、雨水排水、緑化対策など) |
環境調査員 | 工事前後の土壌・水質・大気の調査と分析を担当 |
環境コンサルタント | 建設プロジェクトにおける環境リスクの評価、対策の提案、行政への届出業務を行う |
施工管理技術者 | 現場における環境対策(粉じん・騒音防止、廃棄物管理など)の実施と管理 |
官公庁(環境保全のための政策づくりなど)
官公庁では、環境保全に関連する政策の立案や実施を担当します。
環境保護や持続可能な開発に関する法令の策定、調査・研究、地域への啓蒙活動が主な業務です。
また、国際的な環境問題に対する対応や、環境保全に向けた規制の強化も行われます。
環境科学の知識を基に、環境施策を科学的に支える役割を担います。
職種名 | 業務内容 |
環境政策担当者 | 環境保護に関する政策、法令、予算案の立案・調整 |
環境調査・研究員 | 環境影響評価や環境調査を実施し、環境データの収集と分析を担当 |
環境監視・管理者 | 環境規制の監視・評価を行い、環境基準に適合するよう各地の状況をチェック |
環境教育・啓蒙担当 | 環境保護活動の普及・啓発を行い、一般市民への教育やキャンペーンを展開 |
環境法務担当者 | 環境に関する法的課題を取り扱い、環境法令の解釈や対応策を検討・指導 |
エネルギー関連企業(再生可能エネルギー開発)

エネルギー関連企業では、太陽光・風力・バイオマスなどの再生可能エネルギーの開発・導入が進められています。
環境科学を学んだ人は、発電設備の設計や環境アセスメント、エネルギー効率の評価、政策提言などに関わります。
持続可能な社会の実現に向け、エネルギーの地産地消や脱炭素化を支援する重要な分野です。
職種名 | 業務内容 |
再生可能エネルギー技術者 | 太陽光・風力などの発電システムの設計・導入・運用 |
環境アセスメント担当 | 発電所建設前に自然環境や住環境への影響を評価し、適切な対応策を提案 |
エネルギーコンサルタント | エネルギー利用の最適化や省エネ提案を通じた企業支援 |
調査・研究開発職 | 新技術の開発やエネルギー資源の評価、将来予測モデルの構築 |
政策・企画担当 | エネルギー政策の立案・推進、政府や自治体との連携 |
よくある質問

環境科学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よく抱く疑問とその回答を記載していきます。
環境科学は理系・文系どっち?
環境科学は、理系と文系の両方の要素を統合した学問です。
理系の科学的手法を用いて具体的な環境問題を解決する一方で、文系の社会科学的アプローチを取り入れて、政策や経済、法律などの分野から環境問題を考察します。
このように、環境科学は文系と理系の境界を越えて多様な知識と技術を活用し、複雑な環境問題への包括的な解決策を提供します。
文系の高校生が環境科学を専攻できる大学・学部に進学できますか?

文系の高校生でも、大学で環境科学を学ぶことは可能です。
例えば長崎大学環境科学部では、社会経済や環境保全、人間と環境の関係について学べるカリキュラムが用意されており、文系科目の素養をもった受験生を求めています。
したがって、文系科目での受験が可能となっています。
また、東京都立大学の都市環境学部・都市政策科学科でも、社会学や政治学、経済学などを通じて都市と環境に関わる政策を学ぶことができます。
入試は文系区分と理系区分に分かれており、文系科目を中心とした受験が可能です。
文系の視点から環境問題にアプローチしたい高校生にとって、これらの学部は有力な選択肢と言えるでしょう。
環境化学と環境科学の違いは?
環境化学と環境科学は、どちらも環境問題に取り組む学問ですが、焦点や方法に違いがあります。
以下にそれぞれの特徴を表にまとめます。
項目 | 環境化学 | 環境科学 |
|---|---|---|
焦点 | 環境中の化学物質の行動と影響 | 環境問題全般に対する広範なアプローチ |
方法 | 化学的分析を主とする | 自然科学、社会科学、工学など複数の分野を統合 |
目的 | 汚染の検出と影響の評価 | 環境の保全と持続可能な管理のための方策の開発 |
環境化学は、環境科学の一部分に位置づけられ、主に化学的な観点から環境問題を分析し、汚染物質の検出やその影響の評価に焦点を当てます。
一方、環境科学はより広範な分野をカバーし、化学だけでなく生物学、地質学、工学、政策学など複数の分野の知識を統合して環境問題に対処します。
これにより、環境科学は多面的な解決策を提供可能です。
環境科学を学ぶのに向いている人の特徴は?

以下の表に、環境科学を学ぶのに向いている人の主要な特徴を5つに絞ってまとめました。
環境科学に向いている人は、複雑な環境問題に対して多角的なアプローチをとることができ、新しい解決策を科学的に探求する強い意欲を持っています。
また、持続可能な未来に向けた情熱を持ち、チームでの協力を重視する姿勢が重要です。
特徴 | 説明 |
|---|---|
多角的な視点を持つ | 複雑な環境問題に対して、科学的、社会的、経済的な観点からアプローチする能力が求められる。 |
問題解決能力がある | 環境問題に対する具体的な解決策を考え、実行に移す能力が重要。 |
持続可能性への情熱がある | 地球の未来に対する深い関心と、それを守り、改善するための情熱が必要。 |
協調性とチームワークがある | 多様なバックグラウンドを持つ専門家と協力して働くことが多いため、協調性とチームでの作業能力が求められる。 |
研究と学習の熱意がある | 新しい科学的知見を積極的に学び、環境科学の進展に貢献する意欲が必要。 |
環境問題や社会課題に興味がある人 | 地球温暖化や資源の枯渇、生物多様性の保全といった具体的な環境問題に関心を持ち、それらの背景にある社会的課題にも目を向けている。 |
まとめ

本記事では、環境科学の定義から、学ぶ内容、環境科学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先、向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、環境科学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 環境科学とは、地球環境とその変動、人間活動との相互作用を研究する学問である
- 環境科学では、自然科学的・工学的・社会科学的な観点からアプローチする
- 環境科学を学べる大学の卒業後の主な就職先としては、環境関連・IT・小売・メーカーなどが挙げられる
- 問題解決能力がある人・地球の未来に対する深い関心と、それを守るための情熱がある人に環境科学はおすすめ
- 環境科学を専攻できる大学でも入学後のカリキュラムが異なるので、あなたの興味やキャリア目標に合わせて大学を選ぶ
当記事が環境科学についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。