作成日: 2025/8/21 更新日:2025/8/21
裁判所事務官になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「裁判所事務官のなり方は?」
「裁判所事務官になるのに必要な資格は?」このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 裁判所事務官とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 裁判所事務官になるには何をすべきか
- 取得すべき資格
- 向いている人の特徴
また、裁判所事務官に関するよくある質問にも答えています。
裁判所事務官に興味のある人や、裁判所事務官を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。
全文で1万文字程度の長文になるので、当ページのポイントだけを知りたい方は、年内入試ナビの無料会員にご案内している以下のガイドをお受け取りください。 裁判所事務官のなり方ガイドを受け取る
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
裁判所事務官とは

裁判所事務官とは、裁判所で裁判官をサポートし、裁判がスムーズに進むように事務作業を担当する国家公務員。
彼らの主な仕事内容は、裁判手続きに関する書類の作成や管理、裁判所内での各種事務手続きです。
具体的には、訴訟に関する書類の受理や審査、裁判記録の作成や保管、法廷での記録係としての業務、さらには裁判官をサポートするための調査や資料の収集など、多岐にわたります。
以下に裁判所事務官の仕事内容や給料についてまとめます。
- 裁判所事務官の仕事内容
- 裁判所事務官の給料・給与・年収
- 裁判所事務官のやりがい
- 裁判所事務官に必要な知識、資格、スキル
- 裁判所事務官の働き方
- 裁判所事務官という職業の注意点
それぞれ見ていきましょう。
裁判所事務官の仕事内容
裁判所事務官は、裁判の円滑な運営を支える国家公務員です。裁判の裏方として、法廷内外の事務業務全般に携わり、司法制度の安定運用に貢献しています。
- 裁判の記録や証拠資料の整理
- 判決文や訴状などの書類作成補助
- 訴訟記録や判決文の保管とファイリング
- 書類の受け渡し、提出資料の確認
- 法廷内での補助業務(証拠資料の準備など)
- 裁判所への来庁者対応、電話応対などの窓口業務
- 裁判官・書記官の業務サポート
- 登記や供託などの手続き
事務官は、法律知識と事務処理能力を活かしながら、裁判所という専門機関の運営を支える重要な存在です。
裁判所事務官の給料・給与・年収

裁判所事務官の給料・給与・年収については、その勤務先や経験年数によっても異なります。
国家公務員給与等実態調査によると、裁判所事務官の平均年収は約668万円です。
裁判所事務官の給与は、国家公務員としての待遇を受けるため、安定しています。
続年数に応じて昇給があり、長期的には非常に安定した収入が期待できます。
年金や健康保険などの福利厚生も充実しており、安心して長期的に働ける環境が整備されています。
裁判所事務官のやりがい
裁判所事務官は、裁判の裏側で社会正義の実現を支えるやりがいのある仕事です。ミスの許されない現場で、責任感を持って働ける環境です。
- 裁判の進行を支える社会的意義のある仕事に携われる
- 法律知識を日常業務で活用、習得できる
- 裁判官や書記官との連携を通じてチームワークを実感
- 公正な手続きを支える責任あるポジション
- キャリアの土台となる知識と経験が得られる
静かで堅実ながらも、法律の最前線を支える実感が得られる職業です。
裁判所事務官の働き方

判所事務官は、公務員として正規雇用され、土日祝日に休むという、いわゆる「カレンダー通り」の勤務であることが特徴です。
給与や勤務日が安定しており、就職すれば堅実な働き方ができるでしょう。
一方で、業務量は一般の事務職と比べて多くなる傾向があり、その機密性も管理能力も厳格に問われます。
- 平日日中が基本の安定した勤務(土日祝日に休むという、いわゆる「カレンダー通り」の勤務)
- 裁判スケジュールや案件によっては残業や休日出勤が発生することも
- 書類の確認、記録管理、進行補助など多岐にわたる業務
- 全国各地の裁判所へ、転居を伴う異動(転勤)が発生する可能性がある
正確さと効率性を両立させながら、静かな環境で集中して働けるのが特徴です。
裁判所事務官に必要な知識、資格、スキル
裁判所事務官は、法律知識と事務処理能力をバランスよく活かす職種です。
細やかな配慮と安定した対応力が求められます。
必要な知識・スキル
- 民事訴訟法、刑事訴訟法などの基礎知識
- 正確な文書処理、記録作成能力
- 情報の整理力とITスキル(裁判所の専用システム操作)
- 裁判官や関係者とのやりとりを支えるコミュニケーション力
- 公務員としての倫理観と守秘義務への意識
必要な資格・要件
- 裁判所事務官採用試験(国家公務員一般職)の合格
- 採用後の研修で実務知識を習得
- 法律系の資格保有者は実務で有利に働くこともある
法と社会をつなぐ調整役として、多方面の能力が活かされる職種です。
裁判所事務官という職業の注意点

裁判所事務官は安定した職種である一方、責任と緊張感を伴う職業でもあります。
働く前にその特性を理解しておくことが大切です。
- ミスの許されない業務で精神的緊張を感じやすい
- 裁判内容によっては重い事件に触れることもある
- 個人情報・機密情報の管理に高い意識が必要
- 繁忙期や大規模事件の際は残業・業務量の増加もあり
- 地味な業務が多く、ルーティンワークへの耐性も必要
信頼と正確さを支える裏方としての覚悟が求められる仕事です。
裁判所事務官になる方法

裁判所事務官になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。
具体的に必要なステップを解説します。
裁判所職員採用一般職試験を受験し合格する
裁判所事務官になるには、「裁判所職員採用一般職試験」に合格する必要があります。
一次試験では法律や一般教養、言語能力などの筆記が行われ、二次試験では面接やグループディスカッションを通じて、人物評価が行われます。
対策としては、憲法・民法・刑法などの基本法を重点的に学び、一般教養や時事問題にも幅広く対応できるように準備しましょう。
面接では、裁判所事務官の業務内容や志望動機を明確に伝えることが重要です。
グループディスカッションでは協調性や意見発信力が問われるため、積極的な姿勢が評価されます。
合格するためには、基礎知識と実践的スキルをバランスよく備えることが求められます。
計画的に学習し、自信を持って試験に臨みましょう。
項目 | 内容 | |
試験 | 裁判所事務官採用試験(一般職) | |
受験資格 | 大卒程度区分:21~30歳(大学・短大・高専の卒業見込み含む) | すべて日本国籍が必要 国家公務員法第38条該当者は不可 |
高卒者区分:高校卒業後2年以内または卒業見込み(中卒者も一部可) | ||
社会人区分:20~40歳(高卒者区分に該当しない者) | ||
試験内容 | 【大卒程度】 第1次:基礎能力試験(30題)+専門試験(憲法・民法・選択科目) 第2次:論文試験+個別面接 | |
【高卒者】 第1次:基礎能力試験+作文 第2次:個別面接 | ||
合格率 | 年度・区分により異なるが、平均18~24%程度 例:令和6年度大卒程度区分 → 合格率約23.6%、倍率約4.2倍 | |
裁判所事務官になりたい高校生の進路

裁判所事務官になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な進路について解説します。
- 大学に進学する
- 専門学校に進学する
それぞれ見ていきましょう。
大学に進学する
裁判所事務官を目指すにあたって、大学進学は法律知識の習得だけでなく、論理的思考や社会人基礎力を高めるための有意義なステップです。
特に法学部や政治経済学部などでは、司法制度や行政の仕組みを深く学ぶことができ、裁判所での実務に直結する力を身につけることができます。
学ぶ主な学問分野・内容
- 法律分野(憲法、民法、刑法、行政法、民事訴訟法、刑事訴訟法 など)
- 政治・行政分野(政治学、行政学、公共政策、地方自治制度 など)
- 実践的スキル(論文作成、ケーススタディ、法的文書の読み書き、条文解釈 など)
- 思考力・表現力の養成(ディベート、ディスカッション、プレゼンテーション、文章表現 など)
- 実習・体験活動(法律事務所や裁判所でのインターン、見学、模擬裁判 など)
主な学部・学科の例
- 法学部 法律学科
- 政治経済学部 行政学科/法律・公共政策コース
- 総合政策学部 公共マネジメント専攻
- 社会学部 法律・制度専攻
大学では、日々の授業だけでなく、ゼミや課外活動、インターンシップなどを通じて、裁判所事務官に求められる文書処理能力・論理性・対人対応力を実践的に養うことができます。
また、学生同士の議論を通じて、多様な視点や法的思考を深められる点も大きな魅力です。
専門学校に進学する
裁判所事務官を目指すうえで、専門学校への進学は実務スキルを短期間で身につける有効な選択肢です。
専門学校を選択する際には、大きく2つのケースを検討します。
- 公務員試験対策の専門学校に通い、試験対策に取り組む
- 公務員試験対策に加えて法律を学べる専門学校で、基礎知識や実務スキルも身につける
裁判所事務官の採用試験は、公務員試験の一種であり、一般教養や専門科目の得点が合否に大きく影響します。
そのため、公務員試験対策に特化した専門学校に進学し、筆記試験や面接対策に集中することが有効です。
裁判所事務官は法律に基づいた事務処理を行うため、法律の基礎を理解しておくと実務に活かしやすくなります。
公務員試験対策だけでなく、法律科目やパラリーガル的な実務を学べるカリキュラムがある専門学校を選べば、採用後の業務にもスムーズに対応できます。
おすすめの大学

裁判所事務官になるためにおすすめの大学は以下が挙げられます。
大学 | 特徴 |
国家公務員(裁判所事務官・国税専門官など)や地方公務員への就職実績が豊富 専門科目が公務員試験内容をほぼカバーしており、法学研究所での課外学習も魅力 卒業生の就職先に裁判所事務官を含む国家公務員多数、試験対策支援も学内完結で対応 | |
東海大学 法学部 | 裁判所事務官・法務省などを含む国家公務員、地方公務員への進路実績あり 法律の基礎から応用まで幅広く学べ、全学生対象の公務員講座・法職講座を開講 公務員志望者比率が高く、合格に向けたサポート体制が整っている |
東京都庁・特別区・裁判所事務官など公的機関への就職実績が毎年豊富 法律・政治の両コースで公務員試験対策に力を入れており、合格体験記も多数公開 国家一般職・裁判所事務官一般職などの合格者も継続的に輩出している |
上記に挙げた大学以外にも、年内入試ナビでは裁判所事務官を目指せる大学の例をまとめています。
こちらもぜひ参考にしてください。
参考:裁判所事務官を目指せる大学の例
おすすめの専門学校

裁判所事務官になるためにおすすめの専門学校は以下が挙げられます。
学校名 | 概要 |
全国に校舎を展開し、公務員試験対策に特化した多彩なコースを設置 「裁判所・検察庁・税務署職員コース」など、裁判所事務官向けの専門教育がある 筆記・面接・適性試験に加え、官公庁人事担当者やOBによるガイダンスも実施 | |
総合専門学校として公務員学科を設置 裁判所事務官を含む国家・地方公務員試験に対応し、高い合格実績を持つ 面接・論作文対策や社会人再進学支援も手厚く、公務員就職率・資格取得率ともに高水準 | |
国家・地方公務員試験に対応した多彩なコース構成と高い合格実績 担任制・個別相談・模擬試験・面接指導など総合的サポート体制が整備 裁判所事務官を含む公務員に強く、筆記から人物評価対策まで一貫して指導 |
よくある質問

裁判所事務官に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
裁判所事務官に向いている人の特徴は?
裁判所事務官に向いている人には、以下のような特徴があります。
向いている人の特徴 | 特徴の詳細 |
几帳面で注意深い | 裁判に関わる書類作成や事務処理ではミスが許されず、正確性と丁寧さが求められる |
責任感が強い | 裁判の進行や結果に関わる業務を担うため、高い責任感が必要 |
コミュニケーション力がある | 裁判当事者・証人・同僚とのやり取りが多く、適切な対応ができる人に向いている |
読解力・思考力が高い | 法律文書や手続き内容を正確に理解し、状況に応じて判断できる力が必要 |
向上心がある | 法律や制度は常に変化するため、継続的に学ぶ姿勢が求められる |
公平な視点を持てる | 中立的な立場で業務を行うため、感情に流されず冷静に判断できる人が望ましい |
事務処理能力、パソコンスキルがある | 多くの書類作成やデータ入力に対応できる実務スキルが求められる |
協調性、チームワークがある | 他部署や多くの関係者と連携しながら業務を進める必要がある |
これらの資質を持つ人は、正確かつ冷静に裁判業務を支える裁判所事務官として、信頼される存在になれるでしょう。
裁判所事務官になる難易度は?

裁判所事務官の採用の難易度は、総合職か一般職かによっても異なります。
総合職は政策立案や将来の幹部候補としての資質が求められるため、筆記・論文・面接すべての水準が高く、令和6年の倍率は21.6倍と高めです。
法律科目に加えて、抽象的な課題への対応力や論理的思考力も問われるため、難易度はかなり高い部類に入ります。
一方、一般職は事務処理能力や現場対応力が重視され、試験範囲は広いものの、総合職ほどの高度な抽象力は求められません。
ただし、令和6年度の倍率は4.2倍とされており、誰でも受かる試験ではないため、基礎能力・専門科目・論文・面接といった全体的な対策が必要です。
いずれの区分でも、裁判所という専門性の高い職場で働く以上、法律知識と人物面の両方が重視される点は共通しています。
参照:総合職試験(裁判所事務官、大卒程度区分)実施結果、一般職試験(裁判所事務官、大卒程度区分)実施結果
まとめ

本記事では、裁判所事務官の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、裁判所事務官に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 裁判所事務官とは、司法制度の円滑な運営を支える重要な職種である
- 主な仕事は、裁判に関する書類の作成・訴訟記録や判決文の保管・裁判官のサポートなどが挙げられる
- 裁判所事務官になるには、裁判所職員採用試験に合格する必要がある
- 几帳面で注意深い人・公平な視点を持てる人に裁判所事務官はおすすめ
- 裁判所事務官になりたい高校生は法学系で公務員就職支援の手厚い大学・専門学校に進学するのがおすすめ
本記事が裁判所事務官についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
裁判所事務官になるには?なり方・必要な資格・仕事内
裁判所事務官になる方法や、裁判所事務官になるために最適な進学先をまとめた「裁判所事務官のなり方ガイド」をプレゼント中。無料受け取りは、年内入試ナビの無料会員になるだけ。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
