作成日: 2025/8/21 更新日:2025/8/21
刑務官になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「刑務官のなり方は?」
「刑務官になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 刑務官とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 刑務官になるには何をすべきか
- 取得すべき資格
- 向いている人の特徴
また、刑務官に関するよくある質問にも答えています。
刑務官に興味のある人や、刑務官を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
刑務官とは

刑務官とは、刑務所や拘置所、少年院といった矯正施設で働き、受刑者の管理・監督を行う公務員です。
彼らの主な役割は、受刑者が更生し、社会に復帰できるように支援することと、施設内の安全と秩序を保つことです。
具体的な仕事内容は、受刑者の日常生活の監督や健康管理、教育プログラムの実施、さらには受刑者の心のケアまで多岐にわたります。
刑務官は受刑者と直接関わる機会が多く、コミュニケーション能力や忍耐力が求められます。
以下に刑務官の仕事内容や給料についてまとめます。
- 刑務官の仕事内容
- 刑務官の給料・給与・年収
- 刑務官のやりがい
- 刑務官に必要な知識、資格、スキル
- 刑務官の働き方刑務官という職業の注意点
それぞれ見ていきましょう。
刑務官の仕事内容
刑務官は、刑務所や拘置所などの矯正施設で、受刑者の安全管理と更生支援を行う国家公務員です。
社会の安全を守る重要な役割を担い、厳しさとやりがいのある職務です。
- 受刑者の監視、巡回、規則の遵守状況の確認
- 生活指導や行動の観察、記録
- 面談やカウンセリングを通じた更生支援
- 職業訓練、教育プログラムの管理や補助
- 刑務所内イベントや行事の企画運
- 営突発的なトラブルへの初動対応と報告
- 作業や学習の指導
- トラブルや事件の防止(警備)
- 医療・教育・法務関連スタッフとの連携
刑務官は、安全を守るだけでなく、受刑者の社会復帰を支える支援者としての側面も持ちます。
刑務官の給料・給与・年収

国家公務員給与等実態調査によると、刑務官の平均給料は月額40万円程度・平均年収は約630万円です。
刑務官の給与は、国家公務員としての給与体系に基づいています。、年齢が上がるにつれて年収も増加します。
公務員としての安定した収入と、退職金、年金制度などの福利厚生が整っているため、長期的なキャリアを考える上で魅力的な職業です。
刑務官のやりがい
刑務官のやりがいは、受刑者の更生と社会復帰を見届けることにあります。
矯正の現場で人の変化に関わることで、大きな充実感を得られる職業です。
- 更生を果たした受刑者の姿に立ち会える達成感
- 社会の安全を守るという使命感
- コミュニケーション力や対応力が磨かれる実感
- 人間関係に基づいた信頼構築の経験
- 他職種では味わえない独自の現場感と責任感
「人を変える」「社会に貢献する」実感が持てる、意義深い職業です。
刑務官の働き方

刑務官の勤務形態は特殊で、24時間体制のシフト勤務が基本となります。
常に受刑者と向き合うため、緊張感を持った業務遂行が求められます。
- シフト制(昼勤・夜勤あり)による交替勤務
- 勤務先は全国の刑務所・拘置所など(転勤の可能性あり)
- 日々の監視・巡回・生活指導が中心
- 業務収容者と接する時間が多く、対人対応が重要
- 緊急時の対応力と冷静な判断が求められる現場
勤務の特殊性はありますが、社会の秩序を守るという大きな使命のある働き方です。
刑務官に必要な知識、資格、スキル
刑務官として働くには、法律知識に加えて、判断力・体力・対人スキルなど幅広い能力が求められます。
必要な知識・スキル
- 刑法や刑事訴訟法、矯正行政に関する基礎知識
- 緊急事態への冷静な初動対応力
- 円滑な対人関係を築くコミュニケーション力
- 健康的な身体と体力、持続的な体調管理
- ストレスが大きい環境での仕事に耐える精神力
- 状況を見極める観察力と記録力
- 柔道、剣道の経験があると就職に有利
必要な資格・要件
- 刑務官採用試験の合格(国家公務員一般職)
- 採用後の研修で矯正業務の基本を習得
- 特別な資格は不要だが、継続的な自己研鑽が望ましい
公務員としての規律と、対人対応の柔軟性を兼ね備えることが重要です。
刑務官という職業の注意点

刑務官はやりがいがある一方で、精神的・身体的な負担も大きい仕事です。
長期的に働くためには、職務への理解と準備が必要です。
- ストレスが多く、メンタルケアが必要
- 不規則勤務により生活リズムが乱れやすい
- 時には受刑者とのトラブルを力で抑えることもあるなど、体力的にハードな仕事
- プライベートの調整が難しいケースもある
- 収容者との関係において、公正さ・中立性が常に求められる
- 体力・集中力を保つための自己管理が必須
「人と関わる」難しさと、「人を支える」やりがいが隣り合わせの職業です。
刑務官になる方法

刑務官になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。
具体的に必要な資格やステップについて解説します。
刑務官採用試験を受験し合格する
刑務官になるためには、法務省が実施する「刑務官採用試験」に合格する必要があります。
採用試験は年齢や学歴に応じて区分が分かれており、自分に合った受験区分を選ぶことが重要です。
試験の概要は以下のとおりです。
項目 | 内容 | |
試験 | 刑務官採用試験 | |
受験資格 | 17〜29歳(社会人枠は30〜39歳) ※日本国籍・高校卒業程度の学力が必要 | |
受験区分 | 刑務A | 大卒程度の学力を有する者が対象 |
刑務A(武道) | 大卒程度で、柔道・剣道の一定段位を持つ者 | |
刑務B | 高卒程度の学力を有する者が対象 | |
刑務B(武道) | 高卒程度で、柔道・剣道の一定段位を持つ者 | |
刑務A(社会人) | 大卒程度で、一定の社会人経験を有する者 | |
刑務B(社会人) | 高卒程度で、一定の社会人経験を有する者 | |
主な試験内容 | 第1次:筆記(基礎能力)・作文・武道実技(希望者) 第2次:面接・体力・身体検査 | |
身体的要件 | 男性:身長160cm未満、体重47kg未満、視力0.6未満 女性:身長150cm未満など | |
合格後の流れ | 翌年4月から研修 → 各刑務所・拘置所へ配属 | |
採用試験に合格すると、刑務官教習所に入所し、約3か月間の初等科研修を受けます。
ここで法令知識、護身術、武道、職務に必要な心構えを学び、その後各刑務所・拘置所に配属されます。
刑務官になりたい高校生の進路

刑務官になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な進路について解説します。
- 大学に進学する
- 専門学校に進学する
それぞれ見ていきましょう。
大学に進学する
刑務官としてのキャリアを築く上で、大学進学は非常に有効な選択肢の一つです。
大学では、法律や心理、社会に関する幅広い知識を体系的に学べるだけでなく、論理的思考力や問題解決能力、対人スキルなど、刑務官として必要な基礎力を総合的に養うことができます。
学ぶ主な学問分野・内容
- 法学分野(憲法、刑法、刑事訴訟法、矯正法、刑事政策 など)
- 心理学分野(犯罪心理学、発達心理学、ストレスマネジメント、カウンセリング技法 など)
- 社会学・福祉分野(社会学、福祉行政、非行と再犯防止、地域社会と矯正 など)
- 実践・体験学習(施設見学、模擬面接、現場課題のケーススタディ、グループディスカッション など)
- 人間力・社会性の養成(コミュニケーション力、リーダーシップ、自己管理、チームワーク など)
主な学部・学科の例
- 法学部 法律学科
- 心理学部 犯罪心理学科/臨床心理学科
- 社会学部 社会福祉学科
- 教育学部 教育心理学科
大学では、刑務官として求められる法律や心理学、福祉に関する基礎知識を学ぶことができます。
これらの学問は、受刑者の更生支援や施設内の秩序維持といった刑務官の業務に直結しており、実務に役立つ土台となります。
また、部活動やサークル活動、ボランティアなどを通じて、協調性やリーダーシップといった「人間力」も養うことができ、刑務官として必要な総合的な力を実践的に育む場ともなります。
このように大学生活は、刑務官になるために必要な知識と人間力の両方をバランスよく身につけられる貴重な期間といえます。
専門学校に進学する
専門学校に進学することも、刑務官を目指す上での実用的な選択肢です。
専門学校では、より実践的で具体的なスキルを短期間で集中的に学ぶことができるため、早期に職場で活かせる能力を身につけることが可能です。
例えば、法務や警察関連のコースでは、刑務官試験に直接関連する内容を学ぶことができ、試験対策としても非常に有効です。
また、専門学校はカリキュラムが実務に直結しているため、現場で役立つノウハウや技術を身につけることができます。
さらに、インターンシップや実習を通じて、現場での実務経験を積む機会も多く、就職活動においてアピールポイントとなります。
専門学校での学びは、短期間でのスキルアップを目指す人や、実践的な経験を重視する人にとって魅力的な選択肢です。
おすすめの大学

刑務官になるためにおすすめの大学は以下が挙げられます。
大学 | 特徴 |
日本文化大学 | 法学部のみを設置する単科大学で、法律の基礎から応用までを4年間で体系的に学べるカリキュラム 模擬法廷や茶道など、法実務と日本文化を融合した人格教育 少人数制ゼミ・キャリア支援・公務員試験対策講座も充実 |
札幌大学 | 8つの専攻から選べる地域共創学群 法学を主専攻・副専攻として副専攻を柔軟に履修可能なカリキュラム 法的思考力に加え、地域課題の発見・解決力を養う実践的な学び 公務員志望者向け支援も厚い |
流通経済大学 | 憲法・民法・行政法などを学びながら、無料で段階的に受けられる公務員試験対策が豊富 「スタートアップ講座」から「直前講座」まで段階的に対策できる特別クラスを設置 刑務官・警察官など公安系公務員の合格実績が高い |
上記に挙げた大学以外にも、年内入試ナビでは刑務官を目指せる大学の例をまとめています。
こちらもぜひ参考にしてください。
参考:刑務官を目指せる大学の例はこちら
おすすめの専門学校

刑務官になるためにおすすめの専門学校は以下が挙げられます。
学校名 | 概要 |
刑務官・警察官・消防官など公安系公務員の合格実績が多数ある全国展開の専門学校 専任講師による筆記・面接・論作文・体力試験対策を徹底指導 オリジナル教材や模擬試験に加え、官公庁・OBによる説明会など進路支援も充実 | |
1クラス20名以下の少人数制で、学生に合わせた個別指導を実施 公務員科(1年制)、公務員法律科(2年制)がある 裁判傍聴や警察署見学など体験型学習を通じて、モラルや社会的視点も身につく 希望者は大学併修で学士取得も可能 刑務官など地方公務員の合格者も多数 | |
国家・地方公務員試験に対応した多彩なコース構成と高い合格実績 担任制・個別相談・模擬試験・面接指導など総合的サポート体制が整備 刑務官を含む公安系公務員に強く、筆記から人物評価対策まで一貫して指導 |
よくある質問

刑務官に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
刑務官に向いている人の特徴は?
刑務官に向いている人には、以下のような特徴があります。
向いている人の特徴 | 特徴の詳細 |
正義感・責任感が強い | 社会の安全や秩序を守り、受刑者の更生を支援するという使命感が不可欠 |
精神的な安定・タフさがある | 挑発的な態度や困難な状況にも冷静に対応できる強いメンタルが求められる |
体力・健康に自信がある | 夜勤や交替勤務があるため、体力があり健康を維持できる人が向いている |
規律を守れる・協調性がある | 厳格な規則と上下関係の中で、チームで連携して行動できる力が必要 |
倫理観・人間性を備えている | 厳しさだけでなく人権意識や優しさを持ち、受刑者に接する姿勢が求められる |
根気強く忍耐力がある | 更生支援には時間がかかるため、すぐに諦めず粘り強く対応できる人が適している |
思いやりがあり、人を支えたい気持ちがある | 困っている人に寄り添い、適切に配慮できる人に向いている |
これらの要素を持つ人は、刑務官として受刑者の更生を支え、社会の安全に貢献する重要な役割を果たせるでしょう。
女性も刑務官を目指せるの?

刑務官は女性でも問題なく目指せる国家公務員職です。
ポイント | 詳細 |
採用実績 | 昭和48年から女性の採用が始まり、現在も女性刑務官の採用数は増加傾向にある |
試験区分 | 「刑務B」区分で受験可能 試験内容は男性と同等で、体力試験の基準のみ一部異なる |
配属先 | 主に女子刑務所への配属だが、男子刑務所に配属されるケースもある |
活躍の場 | 女性受刑者の増加に伴い、活躍の場が広がっている 女性刑務官の役割がますます重要になっている |
制度も充実 | 長く働ける育児支援や出産後の復職制度も整っており、女性もキャリアを築きやすい環境がある |
女性刑務官は、きめ細やかな対応力や共感力を活かして、受刑者の更生支援に大きく貢献しています。
刑務官と警察官の違いは?
刑務官と警察官はどちらも治安維持に関わる仕事ですが、役割・活動場所・対象などに明確な違いがあります。
項目 | 刑務官 | 警察官 |
主な役割 | 刑事施設内で受刑者の管理・指導・更生支援を行う | 社会全体の治安維持、犯罪捜査、交通取締などを行う |
活動場所 | 刑務所・拘置所など刑事施設内 | 街中、交番、現場など広範囲 |
対象 | 受刑者・被収容者 | 一般市民・被疑者・犯罪者 |
採用区分 | 国家公務員(法務省矯正局) | 国家または地方公務員(警察庁・都道府県警) |
求められる能力 | 規律・忍耐・更生支援・人間性・体力 | 判断力・行動力・法律知識・状況対応力・体力 |
刑務官は刑事施設内での受刑者支援が中心、警察官は社会全体の安全維持が中心という点で、業務の性質や働き方が大きく異なります。
警察官について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
刑務官になる難易度や求人倍率は?

刑務官採用試験は、申込者の約3.3人に1人、受験者の約2.5人に1人が合格しており、全体的にはしっかり対策すれば十分合格を狙える試験です。
ただし、試験区分や地域によって倍率には大きな差があります。
例えば、男子区分の沖縄では倍率が38倍、女子区分の関東甲信越静や九州も比較的高く、女子の武道枠では近畿が特に高倍率です。
一方で、社会人区分は倍率が低めで、男女ともに1.9倍と比較的狙いやすい傾向にあります。
このように、自分がどの地域・区分で受験するかによって合格のしやすさが変わるため、志望先は倍率も踏まえて戦略的に選ぶことが重要です。
まとめ

本記事では、刑務官の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、刑務官に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 刑務官とは、刑務所や拘置所といった矯正施設で働き、受刑者の管理・監督を行う公務員である
- 主な仕事は、受刑者の監視・生活指導や行動の観察・更生支援などが挙げられる
- 刑務官になるには刑務官採用試験に合格する必要がある
- 正義感・責任感が強い人・体力・健康に自信がある人に刑務官はおすすめ
- 刑務官になりたい高校生は法学系を学べる大学・刑務官合格実績の豊富な専門学校に進学するのがおすすめ
本記事が刑務官についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
刑務官になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
