作成日: 2025/2/28 更新日:2025/2/28
被服学・服飾学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先を徹底解説

この記事で学べること
- 被服学・服飾学とはどんな学問なのかが分かる
- 専攻すると何を学ぶのかが明確になる
- 学べる大学
- 学んだ後の進路や就職先
- 向いている人の特徴
被服学・服飾学とは何を学ぶのか気になっている方、キャリア選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
- 1 被服学・服飾学とは
- 2 内容・専攻分野
- 2-1 デザイン・創造性に関する学び
- 2-2 文化・社会的背景に関する学び
- 2-3 ビジネス・経済に関する学び
- 2-4 技術・製造に関する学び
- 2-5 環境・サステナビリティに関する学び
- 2-6 人体・健康に関する学び
- 2-7 心理学・社会的影響に関する学び
- 3 被服学・服飾学を学べる学部
- 4 学べる学校は?大学・学部・学科の一例
- 4-1 京都工芸繊維大学
- 4-2 日本女子大学家政学部被服学科
- 4-3 国際ファッション専門職大学国際ファッション学部ファッションクリエイション学科
- 4-4 文化学園大学服装学部ファッションクリエイション学科
- 5 被服学の勉強が活かせる職業・仕事内容
- 6 被服学・服飾学の知識を活かして取得できる資格
- 7 学ぶのに向いている人の特徴
- 8 被服学・服飾学に関連するよくある質問
- 9 まとめ
被服学・服飾学とは

被服学・服飾学とは、衣服のデザインから製造、消費、リサイクルまでを総合的に学ぶ学問です。
ファッションデザインだけでなく、テキスタイル(布、生地)の科学や衣服の機能性、さらには環境への影響なども重要なテーマとされています。被服学・服飾学における重要なテーマの一例をまとめましたのでご覧ください。
テーマ | テーマの内容 |
---|---|
美しさと機能性 | 衣服が美しさと機能を兼ね備えるための知識や技術を学ぶ |
ファッションの歴史とトレンド予測 | 過去のファッションや技術の歴史を理解し、現代や未来のトレンドを予測する力を養う |
持続可能なファッション | エコ素材の開発やリサイクル技術に関する知識を深める |
社会的・文化的役割 | 衣服が個人のアイデンティティや社会的地位を表現する重要な要素であることを学ぶ |
このように、被服学・服飾学では衣服に関する多様な視点から学び、社会や環境との関わりについても深く考察していきます。
次の章では被服学・服飾学で学ぶ内容・分野についてお伝えします。
内容・専攻分野

被服学・服飾学では何を学ぶのでしょうか。以下に被服学・服飾学で学ぶ内容・研究分野についてまとめます。
デザイン・創造性に関する学び
服飾学の中心となるのが、デザインや創造性を学ぶ分野です。これでは、実際に「どういった服を作るか」を考えるための基本的な知識を学びます。
- ファッションデザイン: 服をどうデザインするか、どんな形や色を選ぶかを学びます。
- 素材・繊維学: 服を作るための素材(例えば、綿やウール)やその特性(伸縮性、通気性)を理解します。
これらは、ファッション業界における「創造力」や「アイディア」を具体化するための土台となります。
文化・社会的背景に関する学び

服飾学では、服やファッションがどのように社会や文化とつながっているのかも学びます。服には単なる「装い」の役割だけでなく、文化的・社会的なメッセージが込められています。
- 服飾文化論: 服がどのように歴史や社会の中で変化してきたのかを学びます。例えば、過去の時代の流行や文化的背景に基づく服装について知ります。
- ファッションと社会学: 服が社会や人々に与える影響を学びます。たとえば、服がステータスやアイデンティティの象徴となることがあります。
- 性別とファッション: 性別によって異なる服の選び方や服装規範を学び、性別に関する服装の歴史や文化的な違いについて理解します。
これらの知識は、服が社会でどのように受け入れられ、変化していくのかを深く理解する助けになります。
ビジネス・経済に関する学び
ファッション業界は大きなビジネスとして運営されているため、ビジネスの視点を学ぶことも重要です。デザインだけでなく、商品を売り出し、企業運営を支える知識が求められます。
- ファッションビジネス: ファッションブランドや製品の販売戦略を学びます。例えば、ターゲット市場をどう定めるか、商品企画や価格設定、販売方法について学びます。
- 消費者行動: 消費者がどのように服を選ぶか、購買の心理を理解します。これはマーケティング戦略に役立ちます。
ビジネスの観点から学ぶことで、ファッション業界で成功するために必要なマーケティングや販売戦略を身につけます。
技術・製造に関する学び

ファッション業界では、製品をどのように製造するかも重要な要素です。製造技術や品質管理について学ぶ分野です。
- 衣服の製造技術: 服を作るための縫製技術や品質管理、材料の選び方について学びます。
- テキスタイル工学: 繊維の種類や構造、布を織ったり編んだりする技術を学びます。
- ファッションテクノロジー: 最新の技術(例えば、3Dデザインソフトやウェアラブルデバイス)を使った服のデザインや製造について学びます。
これらの技術や知識は、服を作る際の品質を保つために必要な基盤を提供します。
環境・サステナビリティに関する学び
現在、ファッション業界は環境への影響を減らすことが重要視されています。エコデザインやサステナビリティについて学ぶことが、持続可能な業界作りに貢献します。
- サステナビリティとエコデザイン: 環境に配慮した素材選びやデザイン方法、リサイクル可能な衣服の作り方を学びます。
- 衣服リサイクル: 使用後の衣服をリサイクルする方法やアップサイクル(再利用して新たな価値を作る)の手法について学びます。
ファッション業界の環境への配慮は、消費者にも求められる要素であり、企業やデザイナーにとって大切なスキルです。
人体・健康に関する学び

服装が人体に与える影響や健康との関係も重要です。着心地や健康に配慮した服づくりを学びます。
- 衣服と人体: 体に優しい素材や快適な着心地を提供する服の作り方を学びます。着心地や動きやすさが重要です。
- ウェアラブル技術: スマートウェアや健康管理機能を搭載した服のデザイン、技術の最新トレンドを学びます。
これにより、体に優しい服や健康に配慮した服作りができるようになります。
心理学・社会的影響に関する学び
服装が個人や社会に与える心理的な影響について学びます。自分らしさを表現したり、他者に与える印象を考えたりするための知識です。
- ファッション心理学: 服装が人の自己認識や他者との関係にどのように影響を与えるのかを学びます。たとえば、「服装が自己表現になる」という考え方です。
- 職業別ファッション: 仕事や職業に適した服装(ユニフォーム)をデザインするための知識を学びます。
服がどのように社会的役割を果たすのか、また人々の心理にどう影響するかを理解することができます。
被服学・服飾学で学ぶ内容を理解したところで、次の章では学べる学部についてお伝えします。
被服学・服飾学を学べる学部

この章では被服学・服飾学を学ぶことができる学部について紹介します。学部選びの参考にしてください。
家政学部に関する記事はこちら:家政学部とは?何を学ぶのかや卒業後の進路まで徹底解説
学部・学科名 | 主な学びの内容 |
家政学部 | 生活支援学部とも関連し、家庭生活、健康、福祉などを支える学問を学びます。服飾学の分野では、衣類デザインや素材、消費者行動、ファッションの社会的影響に関する研究を行い、生活全般における支援技術を学ぶことができます。 |
生活支援学部 | 服飾学を含む生活支援に関連する学問(家庭生活、健康、福祉等)を学ぶ。衣類デザイン、素材、消費者行動、ファッションの社会的影響を研究。 |
ファッション学部 | ファッションデザイン、マーケティング、ビジネス、素材学などに特化し、ファッション業界で必要な専門知識を学ぶ。 |
芸術学部(デザイン学科) | ファッションデザインの基礎から応用技術、衣服制作、インテリアデザインやプロダクトデザインの分野に渡る。 |
商学部(ファッションビジネス学科) | ファッション業界の経済的側面、マーケティング、ブランド戦略、流通、店舗経営に関する学問。 |
服飾学・ファッション学専攻(大学院) | ファッション業界の研究、トレンド分析、サステナブルファッション、社会文化との関連を深める。業界の未来に向けた理論的な知識も学べる。 |
ファッションデザイン学科(専門学校) | 実務的な技術(デザイン、パターンメイキング、縫製技術、ビジネス、マーチャンダイジング)を学ぶ。業界で即戦力として活躍するための実践的なスキルが身につく。 |
学べる学校は?大学・学部・学科の一例

被服学・服飾学を学べる大学・学部・学科の一例は以下の通りです。
- 京都工芸繊維大学
- 日本女子大学家政学部被服学科
- 国際ファッション専門職大学国際ファッション学部ファッションクリエイション学科
- 文化学園大学服装学部ファッションクリエイション学科
それぞれ見ていきましょう。
京都工芸繊維大学
京都工芸繊維大学では、技術とデザインが融合した教育を提供しています。特に、繊維学部では、先端技術を駆使した繊維関連の学問や、環境への配慮を持った新しい素材の開発に注力しており、ファッションと工学の両面から学びを深めることができます。また、デザイン科学域では、ファッションやプロダクトデザインの分野で、創造性と技術力を備えた専門家を育成します。学際的なアプローチを通じて、学生は実践的かつ革新的な思考を身につけ、幅広い業界で活躍できる能力を養います。
- 繊維学部とデザイン科学域が連携し、ファッションやデザインの分野における技術と創造性を融合させた教育を行う
- 新しい素材や技術の開発に注力し、持続可能なファッションや繊維産業の未来を支える研究が行われている
- 学生は実験、プロジェクトベースの学びを通じて、業界のニーズに応じた実践的なスキルを身につけることができる
参照:京都工芸繊維大学
日本女子大学家政学部被服学科

日本女子大学家政学部被服学科では、衣服に関する科学的・文化的な理解を深め、快適で持続可能な生活を実現するための服作りを学びます。材料やデザイン、流通など幅広い視点から被服を総合的に探求し、衣服を通じて社会に貢献できる人材を目指せます。ファッション業界をはじめ、繊維や教育、研究分野でも活躍できるような知識と技術を身につけます。
日本女子大学家政学部被服学科には以下の特徴があります。
- 幅広い分野のカリキュラム(材料、造形、文化など)を提供し多角的な学びを推進
- ファッションサイエンス、ファッションデザイン、ファッションアートの3コースを設置し専門性を深める環境を整備
- 資格取得を支援し衣料管理士や繊維製品品質管理士などの取得をサポート
そのため、衣服のデザインや製造に興味があり、機能性や文化的視点を踏まえた、持続可能な被服の開発や活用を目指す人に向いています。
国際ファッション専門職大学国際ファッション学部ファッションクリエイション学科
国際ファッション専門職大学国際ファッション学部ファッションクリエイション学科では、国際的なファッションビジネスで活躍できるクリエイターを目指せます。デザインだけでなく、企画やマーケティングなどビジネス面も学び、グローバルな視点からファッション業界に貢献できる能力を養います。また、企業との連携や実習を通じて、実際の現場で必要とされるスキルを磨きます。
国際ファッション専門職大学国際ファッション学部ファッションクリエイション学科には以下の特徴があります。
- グローバル視点でのファッションビジネス教育を推進
- 企業と連携した実践的なプロジェクトとインターンシップを実施
- デジタル技術を活用した新しいクリエイションの学びを提供
そのため、ファッションとビジネス、そして国際社会での活躍を目指す人に向いています。
参照:国際ファッション専門職大学国際ファッション学部ファッションクリエイション学科
文化学園大学服装学部ファッションクリエイション学科

文化学園大学服装学部ファッションクリエイション学科では、デザインや縫製、パターンメーキングといった服作りの基礎から、専門的な技術までを総合的に学びます。学生は多彩な分野で活躍するため、アパレルフィールドやプロデュースフィールドなどから選択し、将来のキャリアに向けたスキルを身につけます。また、卒業制作ではファッションショーで自身の作品を発表し、学びの成果を実際に形にします。
文化学園大学服装学部ファッションクリエイション学科には以下の特徴があります。
- 3つの専門フィールド(アパレル、プロデュース、アドバンスト)を設置し多様な学びを提供
- ファッションショーを通じた実践的な学びを推進
- 資格取得を目指すカリキュラムを編成し衣料管理士やパターンメーキング技術などの取得を支援
そのため、ファッション業界でデザインや制作、ビジネスに関わりたい人に向いています。
被服学の勉強が活かせる職業・仕事内容

被服学・服飾学の知識を活かせる仕事はどのようなものがあるのでしょうか。代表的な職業について解説します。
職業 | 仕事内容 |
デザイナー | 衣服やファッション製品のデザインを担当。流行を反映させ、ブランドに合わせたデザインを提案。 |
パタンナー | デザインをもとに衣服の型紙(パターン)を作成。衣服の形を決定する。 |
生産管理 | 生産プロセスを管理し、品質や納期を確保。スケジュール調整やコスト管理を行う。 |
マーケティング担当 | 市場調査や顧客ニーズ分析を行い、製品の販売促進戦略を立案。広告、SNS、イベントを使ってプロモーション。 |
素材開発者 | 新しい素材や繊維を開発し、アパレルや産業資材に適した製品を提供。環境配慮素材の研究も行う。 |
品質管理担当 | 繊維や衣服の品質基準を設定し、製品がその基準を満たしているかを検査。品質向上策の提案も行う。 |
製造技術者 | 繊維や衣服の製造技術を活かして製造過程を最適化。新技術や効率的な方法を導入。 |
商品企画 | 市場や顧客ニーズに応じた商品を企画・開発。商品のコンセプト立案から販売までのプロセスを管理。 |
バイヤー | 商品を仕入れ、市場の需要やトレンドを予測。販売価格や仕入れ価格の交渉も行う。 |
EC担当 | インターネットを通じた販売活動を担当。オンラインショップの運営、商品ページ作成、物流管理を行う。 |
販売促進担当 | 商品やブランドを広めるためのプロモーション活動を担当。キャンペーンやイベントの企画・実施。 |
MD(マーチャンダイザー) | 商品の仕入れから販売戦略、在庫管理までを担当。売れ筋商品を見極め、店舗の販売効率を向上。 |
店舗運営担当 | 実店舗の運営を担当し、売上向上を目指して店舗レイアウトや接客品質を管理。 |
パーソナルスタイリスト | 顧客に対してファッションやコーディネートの提案を行い、個別のスタイルを作り上げる。 |
企業向けコンサルタント | 企業に対してファッションやブランド戦略のコンサルティング。市場分析や競争戦略の支援。 |
ファッション教育職 | ファッションや服飾に関する知識を後進に伝える役割。学校や専門学校で教員として活躍。 |
研究職 | ファッション業界や服飾学に関する研究を行い、新しい技術や知見を発展させ、革新に貢献。 |
リサイクル担当 | 衣料品のリサイクルや再利用を進め、持続可能な社会を目指す取り組み。環境への配慮が重要。 |
エコデザイン担当 | 環境に優しいデザインを提案・実施。サステナビリティを考慮した素材選定や製品開発を行う。 |
ファッションライター | ファッションに関する記事やコラムを執筆し、業界の最新情報やトレンドを伝える。 |
編集者 | ファッション関連のメディアで記事の編集や取材を行い、コンテンツ制作を進める。 |
出版企画担当 | ファッションに関する書籍や雑誌の制作を担当し、出版物の企画立案や制作進行を行う。 |
ファッション雑誌編集長 | ファッション雑誌の編集長として誌面の方向性や内容を決定し、編集業務を統括。 |
書籍編集者 | ファッションに関する書籍や出版物を編集し、内容の企画から校正・制作までを担当。 |
被服学・服飾学の知識を活かして取得できる資格

服飾学や被服学を学ぶことで取得を目指せる資格には、以下があります。これらの資格はファッション業界や関連分野でのキャリアアップに役立ちます。
資格名 | 資格の説明 |
---|---|
衣料品の品質管理や消費者保護に関する専門知識を持つ資格 衣料品の管理全般に精通する | |
心理的サポートやカウンセリングスキルを持つ人材を育成する資格 ファッション分野でも、顧客対応に応用できる | |
色彩の基礎知識と応用技術を学び、ファッションやインテリアにおける色彩デザインを行う能力を評価する資格 色の効果や配色のルールを理解し、実務に活かせる | |
ファッション業界におけるビジネスの知識やスキルを評価する検定 マーケティングや販売戦略に強みを持つことができる | |
衣服のパターン作成や縫製技術を評価する資格 デザインを具体的な形にする能力を証明する | |
ファッション販売のプロフェッショナルとしてのスキルを評価 店舗運営や接客の技術を学ぶ | |
フォーマルウェアに関する知識を持ち、適切なコーディネートや提案を行うためのスキルを証明する資格 結婚式や葬儀などの場でのフォーマルな服装の知識を持ち、正しい着こなしやマナーを理解する | |
繊維製品の品質管理に関する専門知識を持ち、製品の品質を確保するためのスキルを評価する資格 繊維や布地の検査や分析を行い、品質基準を満たす製品の製造をサポートする |
参照:文化学園大学服装学部ファッションクリエイション学科 資格
これらの資格を取得することで、専門的な知識と技術を証明し、ファッション業界でのキャリアの選択肢を広げることができます。
学ぶのに向いている人の特徴

服飾学や被服学は、次の特徴を持つ人に向いています。
特徴 | 向いている理由 |
---|---|
創造力が豊かな人 | デザインや色彩に対する感性が鋭く、オリジナリティのあるアイデアを形にする力が求められるため |
ファッションに関心がある人 | 最新のファッションやトレンドを学び、ファッション業界でのキャリアを築く機会があるため |
細かい作業が得意な人 | パターン作成や縫製など、細かい手作業や繊細な技術を習得し、精密な作業を行う機会が多いため |
科学的思考ができる人 | テキスタイルの特性や製品の品質管理に関する知識を活用し、実験や分析を通じて新しい技術や素材の開発に携わる機会があるため |
環境意識が高い人 | サステナビリティや環境問題に関心があり、持続可能なファッションの研究や開発に関わる機会があるため |
服飾学・被服学の知識と技術を体系的に学びたい人 | 衣服のデザイン、素材、製作技術、流通などを体系的に学び、服飾・被服に関する専門知識を習得できるため |
機能性衣服やテキスタイル開発に興味がある人 | スポーツウェアや医療用衣服など、機能性を重視した衣服の開発や新しい繊維素材の研究に取り組む機会があるため |
ファッションビジネスやマーケティングを学びたい人 | ファッションブランドの企画・販売戦略や市場分析を学び、ビジネス視点でファッション業界に関わるスキルを習得できるため |
上記の特徴を複数満たす人は、服飾学や被服学の学びを通じて自分の才能や興味をさらに深めることができ、業界での活躍が期待できます。
被服学・服飾学に関連するよくある質問

被服学・服飾学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。よくある質問とその回答を記載します。
服飾学と被服学の違いは?
服飾学と被服学はどちらも衣服に関わる学問ですが、取り扱う分野や視点に違いがあります。
分野 | 視点 |
---|---|
服飾学 | 衣服のデザインや美学、文化的側面に重点を置いた学問 ファッションの歴史やトレンド、スタイルの研究を行い、クリエイティブなデザインやファッション業界の動向を学ぶことが中心 |
被服学 | 衣服の機能性や製造過程、素材に関する科学的・技術的側面を学ぶ学問 テキスタイルの特性や繊維の加工、製品の品質管理など、実用性や持続可能性にも重点を置く |
簡単に言えば、服飾学はデザインやファッションの美しさに焦点を当て、被服学は衣服の機能性や製造技術にフォーカスする学問です。
被服学・服飾学を専攻するのであればどの学部・どの学科がよいの?

被服学・服飾学を学ぶには、主に家政学部や芸術学部の学科を選択するのが一般的です。例えば、家政学部の被服学科では、被服の素材、デザイン、構成、ビジネスまで幅広く学ぶことができ、衣料管理士や繊維製品品質管理士などの資格取得も可能です。服飾造形学科では、実践的な服飾製作技術を学び、アパレル企業での量産技術などにも対応したカリキュラムが整っています。
また、服装学部にはファッションクリエイション学科やファッション社会学科があり、デザインや服飾造形、ファッションビジネス、消費者行動などを学ぶことができます。芸術学部のファッションデザイン学科や生活科学部の被服学専攻でも、デザインや衣服の機能性に重点を置いた学びが可能です。
進学先を選ぶ際は、カリキュラムの特色、研究分野の充実度、資格取得の可否、卒業後の進路などを考慮し、自分の興味やキャリアプランに合った学部・学科を選択することが重要です。
被服学や服飾学は文系と理系のどっちの学問?
被服学や服飾学は、文系と理系の要素を併せ持つ学問です。学ぶ内容や専門分野によって、どちらの側面が強いかが変わります。
家政学部の被服学科では、被服材料学や繊維製品品質管理など、化学・物理の知識を活かした理系寄りの学びが求められます。一方、服飾造形学科では、デザインや縫製技術に重点を置き、芸術やクリエイティブなスキルを磨くため、文系的要素が強くなります。
また、ファッション社会学科のように消費者行動やマーケティングを学ぶ分野は文系寄りですが、CADや立体裁断を活用するファッションクリエイション系は技術的な理系要素を含みます。自分の興味や適性に応じて、学ぶ分野を選択するとよいでしょう。
まとめ

本記事では、被服学・服飾学の定義から、学ぶ内容、被服学・服飾学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先、向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、被服学・服飾学に関する重要なポイントを最後に記載します。
- 被服学・服飾学とは、衣服のデザインから製造、消費、リサイクルまでを総合的に学ぶ学問である
- 学ぶ分野としては、プロダクトデザイン分野・テキスタイル化学分野・消費科学分野などが含まれる
- 被服学・服飾学を学べる大学の卒業後の主な就職先としてはアパレルメーカー・テキスタイルメーカーなどが挙げられる
- 想像力が豊かな人・ファッションに関心がある人に被服学・服飾学はおすすめ
- 被服学・服飾学を専攻できる大学でも入学後のカリキュラムが異なるので、あなたの興味やキャリア目標に合わせて大学を選ぶ
- 被服学・服飾学を専攻したいのであれば、家政学部の被服学科や服飾造形学科、服装学部や芸術学部のファッションデザイン学科がおすすめ
本記事が、被服学・服飾学の全体像を掴むうえで役立てば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。