作成日: 2025/3/19 更新日:2025/3/19
児童学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先を徹底解説

「児童学って何を学ぶの?」
「児童学を学んで得られる資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 児童学とはどんな学問なのか
- 児童学を専攻すると何を学ぶのか
- 児童学を学べる大学
- 児童学を学んだ後の進路や就職先
- 児童学に向いている人の特徴
児童学とは何を学ぶのか気になっている方、キャリア選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
児童学とは?

児童学とは、子どもの心と体の発達や健康について、さまざまな視点から研究していく学問分野です。
生活環境や文化との関わりなども含まれており、子どもを取り巻く様々な要素が研究対象となります。
児童学の目的は、よりよい育成や支援の方法を探求することで子どもたちの健全な成長を実現することです。
近年は、家族携帯の多様化やインターネット・テクノロジーの普及などにより、子どもの成長環境が大きく変化しています。
児童学は急速な社会変化にも対応し、適切な支援や教育方針を考えるための基礎を提供しています。
児童学の主な研究分野

児童学は主に下記の学問を研究します。
- 児童心理学
- 児童福祉学
- 児童教育学
- 児童文化学
- 児童保健学
- 周辺分野
それぞれの学問について詳しく解説します。
児童心理学
児童心理学とは、子どもの心理的発達や行動、感情のメカニズムを理解するための学問です。
具体的には、どのように子どもに世界を認識させ、自分自身や他者との関係を築いていくのかを探求します。
児童心理学は各発達段階の特徴を明らかにすることで、教育や育児の実践に役立てられています。
また、現在は発達障害や情緒的な問題を抱える子どもたちの支援方法についても、研究が進められています。
児童福祉学

児童福祉学とは、子どもたちの健やかな成長と幸福を支えるための学問です。
具体的な研究内容を下記にまとめました。
- 児童福祉学で学ぶ内容……子どもを取り巻く社会環境や家族環境、子どもが安全で健康に育つための支援
- 具体的な課題やテーマ……虐待、貧困、教育格差、医療・福祉、児童福祉政策
児童教育学
児童教育学とは、子どもが持つ潜在能力を最大限に引き出す方法や環境を研究する学問です。
下記のような幅広いテーマを扱います
- 知的・情緒的・社会的な発達を支える教育方法
- 授業やカリキュラムの設計
- 保護者や教師の役割
- 教育政策
児童教育学は心理学や社会学とも密接に関連しています。
児童期の特性やニーズに基づいた実践的アプローチを通じて、個々の子どもの成長を促すことが大きな目的です。
児童文化学

児童文化学とは、子どもたちが関わる文化を分析し、成長や社会との関係にどのような影響を与えるのかを探求する学問です。
文化を通じて子どもたちの豊かな成長を支援するために知識を提供することです。
代表的な文化として下記が挙げられます。
- 児童文学
- おもちゃ
- 音楽
- アニメ
- ゲーム
また、現代では子どもを取り巻くメディアやテクノロジーの影響を適切に理解し、健全な利用方法を提案するためにも役立ちます。
児童保健学
児童保健学とは、子どもの身体的・精神的・社会的な健康を探求する学問です。
具体的には下記のようなテーマを研究します。
- 子どもの成長発達のモニタリング
- 予防接種プログラムの提案
- 栄養管理
- 健康・保健教育の推進
- 特定の健康問題や障害を持つ子どもへの支援方法
児童保健学は医療、保健、教育の各専門分野と連携し、子どもが健やかに成長できる社会を目指します。
周辺分野

児童学では、子どもの成長と発達に関する多角的な視点を学びます。
具体的には下記のような学問です。
- 心理学
- 社会学
- 教育学
- 福祉学
- 文化学
- 保健学
子どもの心理的発達や社会的な相互作用、教育現場での指導方法、文化的背景が与える影響、健康管理など、研究対象となる範囲は幅広くあります。
大学の学部の例

児童学は、子どもに深く関わる学問です。
そのため教育や人間に関する学びを受けられる学部で学ぶことができます。
下記が児童学を学べる大学の学部の一例です。
- 児童学部
- 教育学部(児童教育専攻)
- 人間科学部(児童学専攻)
- 福祉学部(児童福祉専攻)
大学、短期大学の一例

児童学を学べる大学は、日本各地に数多くあります。
大学と短期大学の例を、関東と関西に分けて表にまとめました。
なお、年内入試ナビでは、児童学を学べる大学の一覧をまとめています。
参考:児童学を学べる大学の一覧はこちら
関東の大学、短期大学
関西の大学、短期大学
取得を目指せる資格

児童学を学ぶと、子どもに関わる仕事につく上で必要な資格の取得を目指すことができます。
以下に、児童学を学ぶことで取得を目指せる資格をまとめました。
保育士
保育士資格とは、子どもの保育や成長支援を行うための国家資格です。
児童福祉法に基づき、保育所や児童福祉施設での専門職として活躍します。
資格を取得するためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 大学、短期大学、専門学校を卒業するか、保育現場での実務経験を2年以上積んだ上で、都道府県で実施される保育士試験に合格する
- 厚生労働省に指定されている指定保育士養成施設を卒業する
幼稚園教諭一種免許状

幼稚園教諭一種免許状とは、幼稚園で教育活動を行うための資格です。
免許を取得するためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 大学で教育学や幼児教育を学び、所定の単位を修得して卒業する
保育士資格を取得している場合は、幼保特例制度を活用することで、下記の条件で幼稚園教諭免許状を取得できます。
- 保育士として3年以上かつ4320時間以上の実務経験があり、所定の8単位を修得する
また、幼稚園教諭二種免許を取得している場合は、実務経験と必要な所定の単位を修得することで、一種免許状に切り替えられます。
小学校教諭免許
小学校教諭免許を取得することで、公立や私立の小学校で教壇に立てるようになります。
- 取得するためには、下記の条件を満たす必要があります。
- 教育実習を含む教職課程を修了する
- 教員資格認定試験に合格する
- 地方自治体の教員採用試験か、私立校独自の教員採用試験に合格する
小学校の先生は、複数の教科を担当する場合がほとんどです。
児童学の学びに加え、各教科を子どもに指導するための勉強も欠かせません。
社会福祉士

社会福祉士とは、何らかの理由で生活が困難な人からの相談を受ける専門家のことです。
相談を受け、実際の支援やアドバイスをしたり、他の医療・福祉へつなげたりします。
社会福祉士が就職するのは、医療、介護、福祉、教育など、幅広い分野の施設や現場となります。
社会福祉士は国家資格であり、試験の受検資格を得るためには以下のような条件を満たす必要があります。
- 福祉系の4年生大学で指定科目を履修して卒業する
- 福祉系の短期大学(3年)で指定科目を履修して卒業し、相談援助業務の実務経験を1年積む
- 福祉系の短期大学(2年)で指定科目を履修して卒業し、相談援助業務の実務経験を2年積む
- 福祉系の4年生大学で基礎科目を履修して卒業し、社会福祉士養成施設(短期)で6ヶ月以上学ぶ
- 福祉系の短期大学(3年)で基礎科目を履修して卒業し、相談援助業務の実務経験を1年積み、社会福祉士養成施設(短期)で6ヶ月以上学ぶ
- 福祉系の短期大学(2年)で基礎科目を履修して卒業し、相談援助業務の実務経験を2年積み、社会福祉士養成施設(短期)で6ヶ月以上学ぶ
- 社会福祉主事養成機関を卒業し、相談援助業務の実務経験を2年積む
- 福祉事務所の査察指導員等の実務経験を4年以上積み、社会福祉士養成施設(短期)で6ヶ月以上学ぶ
- 一般の4年生大学を卒業した上で、社会福祉士養成施設(一般)で1年以上学ぶ
- 一般の短期大学(3年)を卒業した上で、相談援助業務の実務経験を1年積み、社会福祉士養成施設(一般)で1年以上学ぶ
- 一般の短期大学(2年)を卒業した上で、相談援助業務の実務経験を2年積み、社会福祉士養成施設(一般)で1年以上学ぶ
上記のいずれかの条件を満たすと、国家試験の受験資格を得ることができます。
その上で国家試験に合格すると、社会福祉士資格を得ることができます。
図書館司書
図書館司書とは、図書館で資料の収集・管理・提供を通じて情報サービスを行う専門職です。
資格を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 大学や短大で司書課程を履修して所定の単位を修得する
- 司書資格を有する養成機関を卒業する
司書は利用者への情報提供、読書支援、プログラム企画などを担い、地域や学術機関で文化と知識の普及に貢献します。
社会福祉主事任用資格
社会福祉主事任用資格とは、福祉事務所や行政機関などで福祉業務を担当するために必要な任用資格です。
下記のいずれかの条件を満たし、任用されることで、自動的に資格が発効されます。
- 社会福祉関連の大学、短大で所定の科目を修了する
- 社会福祉士など指定の資格を取得している
社会福祉主事は生活困窮者支援や相談業務などを通じて、福祉施策の現場で重要な役割を果たします。
児童指導員任用資格

児童指導員とは、児童福祉施設などで保護者の代わりに生活指導を行う人のことです。
児童発達支援や放課後等デイサービス事業所などに勤め、子どもの心身の発達を支援します。
児童指導員任用資格は、以下の条件を満たし、任用されることで、自動的に資格が発効されます。
- 大学もしくは大学院で、社会学、教育学、心理学など、指定の学部学科を卒業している
- 社会福祉士や精神保健福祉士など指定の資格を取得している
- 高校または中等教育学校を卒業後、2年以上児童福祉事業を経験している
- 児童福祉事業の実務経験が3年以上あり、厚生労働省または都道府県知事から認定を受けている
児童学を学んだ後の主な進路、就職先

児童学を学んだ学生は、子どもに関わる職業に就くケースが多いです。
下記では、児童学を大学で学んだ後の主な就職先について詳しく解説します。
保育園(保育士)
保育園は児童学を学んだ人の多くが就職する進路です。
中でも認可保育園と認可外保育園に大別されます。
- 認可保育園……児童福祉法で定められた設置基準を満たし、国や自治体から認可された園。子どもの入園可否について自治体の選考で決定される
- 認可外保育園……認可保育園以外の保育園。国の基準は満たしていないが、都道府県が定める基準は満たしている。民間企業による運営で、入園可否も園や運営企業が行う
児童学で学んだ幅広い知識は、保育士としての業務に直接活かせるでしょう。
幼稚園(幼稚園教諭)

幼稚園では、主に3歳から就学前の子どもを対象に、文部科学省の教育指針に基づいた教育を行います。
園によっては3歳未満の乳幼児を受け入れている施設もあります。
幼稚園教育要領に沿って、園児たちにより社会的な教育を行うのが幼稚園です。
児童学に加え、教育学や社会学の知識も求められるでしょう。
小学校(小学校教諭)
小学校教師として教鞭を振るう道も、児童学を学んだ人の選択肢のひとつです。
6歳から12歳までの児童を対象に、学習指導や生活指導を行います。
児童学部で学んだ「子どもの発達」や「教育心理学」の知識は、児童の多様な成長過程を理解し、適切な支援を提供する上で大いに役立ちます。
ただし、小学校の先生は国語、算数、理科、社会、体育などの授業を受け持つことになります。
小学校の場合、一人の教諭が複数の教科を担当するため、児童学以外に各教科の専門知識も求められます。
児童福祉施設(施設職員)

児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、保育所など、子どもと保護者を支援する施設の総称のことです。
児童学を学んだ人は、児童福祉施設の中でも以下の施設に就職することが多いようです。
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 保育園
- 児童厚生施設
- 児童養護施設
- 児童家庭支援センター
教育関連企業(教材開発、コンサルタントなど)
民間の教育関連企業に就職する道もあります。
おもちゃや文具のメーカーに就職すれば、教材開発に児童学の学びを活かすことができるでしょう。
あるいは教育コンサルタントとして、教諭や保育士、保護者に向けて研修や講演を行うこともあります。
自治体の児童福祉職員(児童福祉司、児童心理司)

地方自治体の保育課、児童福祉課、子育て支援課などの職員として働く道です。
児童福祉司や児童心理司として勤務する人もいます。
乳幼児検診の案内と実施、児童手当の手続きといった事務作業から、子どもや保護者の相談を受けることまで、業務は多岐にわたります。
個々の家庭が置かれた状況から最適な福祉や支援を考える際に、児童学の学びが役立つでしょう。
よくある質問と回答

児童学に関してよくある質問と回答をご紹介します。
児童学に向いている人の特徴は?
児童学に向いている人の特徴を、以下の表にまとめました。
向いている人の特徴 | 理由 |
子どもへの関心が高い人 | 子どもたちの成長や発達を深く理解することが求められるため |
子どもが好きで関わるのが得意な人 | 子どもと長く接するため |
幅広い年代の方とコミュニケーションが取れる人 | 子どもだけでなく、同僚や保護者とコミュニケーションをとることが多いため |
観察力がある人 | 子どもの些細な行動や言動から、成長や心の機微を察知する必要があるため |
人の成長をサポートすることにやりがいを感じる人 | 子どもの心身の成長を支える仕事に就くことが多いため |
児童学を学ぶことで進む進路は、多くの場合、多様な人と関わることになります。
そのため、他者との関わりを苦にしない人が、児童学に向いていると言えるでしょう。
児童学、保育学、教育学の違いは?

児童学と似た学問に、保育学と教育学があります。
いずれも子どもに関連する学問ですが、その目的やアプローチには明確な違いがあります。
以下に、児童学、保育学、教育学の違いをまとめました。
児童学 | 保育学 | 教育学 |
子どもの心理、福祉、教育、文化、保健など、多角的に子どもを研究する | 保育の実践に重きを置いており、子どもたちの日常生活や成長を支えるための具体的な方法や技術を学ぶ | 教育方法や教育制度の改善を目的とし、教育現場での実践的な問題解決に焦点を当てる |
児童学では子どもの成長過程や社会との関わりを理論的に探求し、広範な知識を得る | 保育所や幼稚園などの現場での実践経験が重視され、子どもたちの個々のニーズに応じたケアを学ぶ | 教育現場でのカリキュラム開発や教授法の研究を通じて、教育の質向上を目指す |
子どもの成長全般を幅広く研究する学問 | 主に乳幼児の保育・教育に特化した学問 | ごく限られた範囲だが大人への教育(成人教育)も研究する学問 |
このように、児童学と保育学は子どもを中心としながらも、そのアプローチや目的が異なるため、それぞれの学問が果たす役割も異なります。
下記の記事は、保育学について解説した記事です。ぜひご覧ください。
児童学の魅力は?
児童学の魅力は、子どもの成長や発達を多角的に理解できる点にあります。
以下に、児童学の魅力をまとめました。
- 子どもの成長や発達を多角的に理解できる
- 子どもの感情や行動を理解し、適切なサポート行うためのスキルを身に付けられる
- 社会的な支援が必要な子ども達へのアプローチを学び、より良い社会の実現に貢献できる
- 子どもに関する分野を総合的に学ぶので、実践的な知識やスキルを習得できる
まとめ

今回は、児童学について詳しく解説しました。
取り上げた内容の中でも、特に重要なポイントを以下でまとめました。
- 児童学とは子どもの成長と発達をさまざまな視点で研究する学問
- 児童学は主に「児童心理学・児童福祉学・児童教育学・児童文化学・児童保健学」が研究対象
- 児童学部では保育資格・幼稚園教諭一種免許状・小学校教諭免許を取得出来る
- 知識・スキル・資格を活かして、卒業後は保育園・幼稚園・小学校に就職する学生が多い
- 児童学は子どもの成長や発達を多角的に理解出来るのが魅力
児童学は子どもに関心がある人はもちろん、幅広い年代の方と関わる機会が多いためコミュニケーションスキルがある人にも向いています。
また、子どもの些細な変化に気付けるような観察力があることも重要です。
児童学部を卒業した後は、保育士や幼稚園・小学校教員などやりがいを感じられる職業に就けます。
ぜひ今回の記事を参考にして、児童学を学べる大学・学部・学科に進学するか検討してみてください。
児童学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先を徹底解説
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
