作成日: 2025/3/27 更新日:2025/3/27
畜産学とは何を学ぶ学問?学べる大学や学んだ後の就職先まで徹底解説

「畜産学とはどんなことを学ぶ学問なの?」
「畜産学を学んだ後の就職先は酪農家になるの?」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、そのような方に向けて畜産学とは一体どのような学問であるのかについて分かりやすく解説しています。
この記事で学べること
- 畜産学とはどんな学問なのか
- 畜産学では何を学ぶのか
- 畜産学が学べる大学
- 畜産学を学んだ後の進路や就職先
- 畜産学を学ぶことに向いている人の特徴
畜産学とは何を学ぶのか気になっている方、キャリア選びの参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
畜産学とは?

畜産学とは、農業の一分野として家畜の飼育や管理、繁殖、健康、そしてその生産物の利用方法を研究する学問です。
持続可能な畜産業を目指し、動物の生物学的特性を理解することで、効率的な生産方法や環境への配慮、動物福祉の向上に貢献します。
この学問は、動物の遺伝学、栄養学、飼料科学、畜産管理などを含み、家畜や家禽(かきん)の生産性と健康状態の改善を目指します。
また、畜産学は食料供給の安定に貢献するだけでなく、現代社会における環境問題や動物愛護に対応し、社会的責任を果たす重要な役割を担う学問です。
次の章では畜産学で学ぶ内容・分野についてお伝えします。
畜産学では何を学ぶの?学ぶ内容・研究分野

畜産学では何を学ぶのでしょうか。
以下に畜産学で主に学ぶ内容・研究分野についてまとめます。
- 家畜生産学
- 家畜繁殖学
- 動物栄養学
- 家畜衛生学
- 畜産物利用学
- 環境・動物福祉学
それぞれ見ていきましょう。
家畜生産学
家畜生産学は、家畜の飼育管理法、飼養技術、生産効率向上のための基礎と応用を研究する領域です。
各種家畜の飼料管理から経営運営まで、家畜を育てて生産するための方法を広く学びます。
具体的に学ぶ分野や学ぶことは以下の通りです。
分野 | 学ぶこと |
|---|---|
家畜飼養管理学 | 牛・豚・鶏など家畜の飼育法や、最適な飼養施設の設計、日常の飼養作業の管理方法を学ぶ。 |
飼料学 | 飼料の種類・栄養成分・配合方法や、家畜の栄養要求量に基づく効率的で経済的な飼料設計法を学ぶ。 |
畜産施設工学 | 家畜のストレス軽減や効率的飼育を目指した畜舎設計や施設管理、環境制御システム(温度、湿度、換気)などを学ぶ。 |
畜産経営学 | 畜産業の経営理論、マーケティング戦略、市場動向分析、経営改善手法など、畜産業経営の安定化を図るための知識を習得する。 |
家畜生産学の学びは、飼養技術の高度化により生産性・経済性を向上させます
それにより、持続可能な食料供給に貢献することや効率的な飼養管理による家畜の健康増進、環境負荷の低減を実現することが期待されます。
家畜繁殖学

家畜繁殖学とは、家畜の繁殖に関する理論、技術、遺伝的な改良を含む繁殖効率向上に特化した領域です。
家畜の生殖メカニズムや改良方法を科学的に学びます。
具体的に家畜繁殖学で主に学ぶことは以下の通りです。
分野 | 学ぶこと |
|---|---|
動物生殖生理学 | 家畜の生殖器の構造・機能、性周期、妊娠成立のメカニズム、ホルモンの働きについて詳細に学ぶ。 |
家畜育種学 | 畜の遺伝的改良の原理と方法(選抜・交配・品種改良)、遺伝評価法やゲノム選抜について学ぶ。 |
人工授精学 | 人工授精の理論と実務(精液の採取・評価・保存法、授精法)を学び、繁殖効率を高める技術を習得する。 |
胚移植学 | 受精卵(胚)の採取、移植、凍結保存技術を学び、優れた遺伝子の迅速な拡散や改良促進の手法を習得する。 |
家畜繁殖学の学びは、遺伝的に優れた品種の育成によって生産効率や品質を改善し、畜産業全体の生産性を向上します。
また、人工授精や胚移植などの先端繁殖技術を通じて、家畜資源を効果的に管理・活用されます。
動物栄養学
動物栄養学とは、家畜の栄養素の摂取・代謝・栄養管理技術を研究し、生産性向上や健康維持のための科学的知識を習得する領域です。
具体的には以下のような内容を学ぶことになります。
分野 | 学ぶこと |
|---|---|
家畜栄養学 | 栄養素の種類と機能、家畜の栄養要求量、栄養管理を体系的に学ぶ。 |
飼料栄養評価学 | 飼料の栄養価分析法を学び、栄養価に応じた飼料配合を設計する能力を養う。 |
栄養代謝生理学 | 栄養素の消化・代謝経路を理解し、家畜の健康維持や生産性を高める栄養管理を学ぶ。 |
飼料加工学 | 飼料の加工・調製方法を学び、飼料利用効率を向上させる。 |
動物栄養学の研究成果は、家畜の栄養管理技術を向上させることにつながります。
そして、生産性・肉質・乳質など畜産物の品質を改善させることや栄養バランスの最適化による家畜の健康維持や疾病予防、飼料コスト削減に応用されます。
家畜衛生学

家畜衛生学とは、家畜の健康維持、疾病予防、感染症管理を専門的に研究する分野です。
家畜の疾病予防と健康管理技術を体系的に学習します。
具体的には以下の内容を学ぶことになります。
分野 | 学ぶこと |
|---|---|
家畜病理学 | 疾病の病態や組織変化を理解し、診断技術を身につける。 |
感染症学 | 家畜感染症の原因、感染経路、防疫対策や治療方法を学ぶ。 |
家畜免疫学 | 家畜の免疫メカニズムやワクチンを利用した予防法を学ぶ。 |
家畜衛生管理学 | 農場における衛生管理技術や疾病予防対策の計画を立案・実践する能力を養う。 |
家畜衛生学での学びは、感染症予防と迅速な対応技術の普及により、畜産現場での疾病被害を抑制します。
また、家畜の健康増進を通じて、畜産物の安全性・信頼性向上に貢献します。
畜産物利用学
畜産物利用学とは、家畜から生産される食品(肉、乳、卵)の品質向上、安全管理、効率的な加工流通に関する技術を習得する領域です。
主に以下の内容について学ぶことになります。
分野 | 学ぶこと |
|---|---|
食肉科学 | 食肉の品質評価法(食味・色・脂肪組成)、食肉加工技術、食品安全衛生管理の方法を学ぶ。 |
乳製品科学 | 乳製品の製造方法(チーズ、ヨーグルト、バター等)、品質管理法、乳製品の栄養機能性を学ぶ。 |
卵科学 | 卵の品質評価方法、卵製品の製造加工法、保存流通方法や食品安全管理を学ぶ。 |
畜産食品衛生学 | 食品衛生法規、食中毒防止技術、衛生的な加工施設の管理手法などを詳しく習得する。 |
畜産物利用学では、畜産物(肉、乳、卵)の加工・保存技術を高度化し、付加価値を高め市場競争力を向上させます。
また、食品衛生管理技術の改善を通じて、消費者への安全で高品質な食品提供を実現することを目的とします。
環境・動物福祉学

環境・動物福祉学とは、畜産が環境に与える影響を理解し、動物の福祉向上と環境に配慮した畜産技術を探究する領域です。
この領域で主に学ぶことは以下の通りです。
分野 | 学ぶこと |
|---|---|
動物福祉学 | 家畜の飼育環境と動物のストレス、福祉の考え方や実践方法を学ぶ。 |
環境保全畜産学 | 糞尿処理方法の技術、排泄物の資源循環活用法、環境保護型畜産経営を習得する。 |
畜産廃棄物処理学 | 糞尿の処理技術、堆肥化技術、バイオマス利用の理論と実践を学ぶ。 |
循環型農業論 | 家畜生産と作物生産を連携した持続可能な農業システムの理論、実践方法を学ぶ。 |
環境・動物福祉学は畜産廃棄物の循環利用技術を普及させ、環境負荷の軽減と地域環境保全に貢献します。
また、動物福祉を向上させることで、持続可能かつ社会的に受け入れられる畜産業を確立することになります。
畜産学を学べる学校は?大学の一例

畜産学を学べる大学の具体例は以下の通りです。
- 鹿児島大学共同獣医学部畜産学科
- 北里大学獣医学部動物資源学科
- 帯広畜産大学畜産学部
それぞれ見ていきましょう。
参考:畜産学を学べる大学一覧はこちら
鹿児島大学共同獣医学部畜産学科

鹿児島大学共同獣医学部畜産学科は、先進的な畜産人材の育成を目的に令和6年4月に新設の学科です。
畜産学と獣医学のハイブリッド教育を通じてこれからの時代に求められる畜産技術者の育成を目指します。
鹿児島大学共同獣医学部畜産学科のカリキュラムには以下の特徴があります。
- 畜産学と獣医学のハイブリッド教育を提供
- 畜産の発展した鹿児島で学べるためフィールドワークが充実している
- 1年次から就職を見据えたキャリア形成教育が受けられインターンシップや産業応用研究が行える
環境的・地理的にフィールドワークを通じて畜産学を深めることが可能なカリキュラムとなっているため、実践的な学習を重視したい方におすすめです。
北里大学獣医学部動物資源科学科

北里大学獣医学部動物資源科学科では、動物の生命や誕生の神秘から、動物と人間との関係、食と健康に至るまで、幅広いテーマで研究と教育が行われています。
家畜やペットなど動物の飼育管理技術や福祉、また動物を資源として活かす方法について、実践的な学びを提供することが特徴です。
北里大学獣医学部動物資源科学科のカリキュラムには以下の特徴があります。
- 動物愛護と飼育管理の基本技術に加え、アニマルサイエンスやバイオサイエンスの幅広い知識を学べるカリキュラムを提供
- 動物福祉やアニマルセラピー、動物行動学を通じた人と動物の関係性の研究を推進
- 食品機能や健康に関連する分子レベルでの研究も実施
これらの特徴から、動物資源の有効活用や動物と人の共生に関心がある人に向いています。
帯広畜産大学畜産学部

帯広畜産大学畜産学部では、食の安全と持続可能な暮らしを支えるため、農業から食品生産までの一連の流れを総合的に学ぶカリキュラムを提供しています。
現場で必要な知識や技術を学び、国内外での活躍を視野に入れた人材育成を目指しています。
帯広畜産大学畜産学部のカリキュラムには以下の特徴があります。
- 農場から食卓までの幅広い視点での畜産・農業知識の提供
- アドバンス制教育で基礎から高度な専門知識へと進む学習プログラムを編成
- 国際的な視野を持った専門職業人の育成を目指す国際教育プログラムも設置
このような特徴から、畜産と農業に関連する技術を総合的に学び、国内外で活躍したいと考える人に向いています。
参照元:帯広畜産大学畜産学部の特徴
取得できる資格とは?

畜産学を学ぶことでどのような資格が取得できるのでしょうか。
畜産学を学ぶことで取得できるまたは取得につながる資格には以下のようなものがあります。
資格 | 説明 |
|---|---|
家畜人工授精師 | 家畜(牛、豚など)の人工授精(AI)を行うための国家資格。 精液採取、処理、保存、授精までを専門的に実施することで、家畜の繁殖効率や生産性向上を図る役割を担う。 |
愛玩動物看護師 | 家畜の胚(受精卵)の採取や移植を行い、優良な家畜の遺伝子を効率よく伝えるための国家資格。 主に肉牛・乳牛などの改良促進や生産性向上を目的とする。 |
実験動物技術者 | 医学・畜産学分野などで、動物実験に使用される実験動物(マウス・ラット・ウサギ等)の適切な飼育管理・衛生管理・実験支援を行う専門資格。 動物福祉に配慮した適正な実験実施を支援。 |
食品衛生監視員 | 食品製造・加工施設において衛生管理を担当する資格。 畜産物(乳製品、食肉、卵など)を含む食品の製造過程で衛生基準を遵守させ、食品の安全性を確保する責任者としての役割を担う。 |
食品衛生管理者 | 公衆衛生を守るため、食品製造・販売施設の監視指導、衛生調査を行う公務員資格。 畜産食品の安全性を行政面から監視・指導する役割を担う。 |
食鳥処理衛生管理者 | 鶏、アヒル、七面鳥などの食用に処理する施設(食鳥処理場)において、衛生管理や食品の安全性を確保するための管理業務を担当する国家資格。 食鳥処理法に基づき、消費者に安全で衛生的な食鳥肉を提供するために、処理工程の衛生管理、施設管理などを行う。 |
飼料製造管理者 | 家畜用飼料の製造工場などで飼料製造における安全管理、品質管理を行う資格。 適切な飼料供給を通じて畜産現場の生産性や家畜健康維持に貢献する。 |
これらの資格は取得することで専門職として活躍できることがあります。
キャリアの選択肢が広がりますので、大学を選ぶ際はどのような資格が取得できるのかについても比較することが望ましいです。
畜産学を学んだ後の進路は?就職先・職業・仕事

畜産学の専門知識が活かせる仕事はどのようなものがあるのでしょうか。
畜産学を学んだ方の主な3つの就職先について解説します。
- 食品製造・加工企業
- 農業・畜産関連団体
- 公務員(農林水産省や地方自治体)
それぞれ見ていきましょう。
食品製造・加工企業
食品製造・加工企業とは、原材料を調達し、加工・調理を行って食品を製造・販売する企業のことです。
これらの企業では、畜産学の知識が多岐にわたる業務に活かされます。
畜産学の学びが食品製造の現場で発揮できる職種を以下にまとめます。
職種 | 職種の説明 |
|---|---|
品質管理担当 | 食肉や乳製品の製造プロセスで、原料の選別や製品の品質を管理し、消費者に安全な製品を提供する |
商品開発担当 | 動物の生理学や栄養学の理解を活かし、消費者ニーズに応える新製品の開発や改善を行う |
衛生管理担当 | 製造過程での衛生管理やトレーサビリティの確保を通じ、食品の安全性を確保する |
環境サステナビリティ担当 | 消費者の健康や環境への配慮を重視し、企業の競争力を高める持続可能な生産体制の確立に貢献 |
畜産学の専門知識を持つ人材は、技術的な側面だけでなく、消費者の健康や環境保護といった視点からも食品製造に貢献し、持続可能な企業活動の推進に役立つことが期待されています。
農業・畜産関連団体

農業・畜産関連団体は、畜産業の振興や動物福祉の向上に取り組む団体で、畜産学の知識が直接活かされる職場です。
例えば、農業協同組合(農協)や全国酪農業組合連合などがあります。
畜産業の発展を支える農業・畜産関連団体の中で、畜産学の知識を活かせる職種には以下のようなものがあります。
職種 | 職種の説明 |
|---|---|
技術指導員 | 生産者への飼養管理や畜産技術に関する支援・指導を行い、現場での課題解決をサポートする |
政策アドバイザー | 畜産業に関する政策の提案や消費者への情報提供を通じ、業界の発展と地域の信頼向上を図る |
地域経済活性化担当 | 地産地消や畜産物の輸出促進を支援し、地域産業と経済の活性化に貢献する |
持続可能性推進担当 | 畜産業の持続可能な発展を目指し、環境保護や動物福祉の観点から飼育方法の改善を進める |
農業・畜産関連団体で働くことで、地域の畜産業を直接支えるやりがいのある仕事に携わり、地域社会や経済の未来を支えるプロフェッショナルとして活躍できます。
公務員(農林水産省や地方自治体)
公務員は畜産学を学んだ学生にとって一般的な就職先の一つです。
なぜなら、畜産業を発展させるためには、公的機関の協力が欠かせないからです。
農林水産省や地方自治体で働く公務員は、畜産学で培った知識を活かして地域や国家の農業政策を支える役割を担います。
公的機関での職種の中で、畜産学の知識を活かせる職種を以下の表に示します。
職種 | 職種の説明 |
|---|---|
政策立案・運営担当 | 畜産業の振興や持続可能な農業推進を目指した政策やプロジェクトの企画・運営を行う |
地域技術指導員 | 地域の農家への技術指導や、地域特有の畜産物のブランド化を推進し、地域経済を活性化 |
観光資源開発担当 | 畜産資源を活用した観光の開発を通じて、地域の魅力を高める施策に貢献 |
科学技術連携担当 | 研究機関や大学と連携し、最新の科学技術を取り入れた政策形成を通じ、畜産業の課題解決に取り組む |
公務員として、安定した雇用のもとで公共の利益に貢献でき、国や地域の農業政策に直接関与することで、社会的な影響力を持つ仕事に携わることができます。
畜産学で得た知識を実際の政策に反映させ、理論と実践を結びつける総合的な視点で課題に取り組むことが期待されます。
よくある質問

畜産学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
畜産学を学ぶことに向いている人の特徴は?
畜産学に向いている人は、動物への愛情と農業・地域社会への貢献意欲がある人です。
以下の特徴を持つ人が畜産学に向いているといえます。
特徴 | 説明 |
|---|---|
動物や自然への愛情が強い人 | 動物の育成や環境保全に関心があり、家畜の飼育管理や農業発展に情熱を持てる人が適している |
フィールドワークが得意な人 | 屋外での活動が苦にならず、動物管理や農業の現場作業に積極的に参加できる人に適している |
畜産関係の仕事に興味がある人 | 畜産業に従事したいという思いが強く、実際に畜産に関連する仕事で活躍したいと考えている人に適している |
畜産衛生管理に興味がある人 | 家畜の健康管理や衛生管理に関心があり、畜産業の品質向上や動物福祉に貢献したいと考えている人に適している |
これらの特徴を持つ人は、動物生産や地域農業の分野で活躍する可能性が高いです。
畜産学と獣医学の違いは?

畜産学と獣医学はどちらも動物に関する学問ですが、焦点や目的が異なります。
以下の表でその違いを比較します。
項目 | 畜産学 | 獣医学 |
|---|---|---|
概要 | 家畜の飼育、繁殖、栄養、衛生管理、畜産物の生産・利用方法、環境との調和を科学的・総合的に学び、効率的で安全な畜産業を目指す学問 | 動物(家畜・愛玩動物・野生動物)の健康管理、疾病予防・診断・治療、公衆衛生、動物とヒトとの共通感染症対策など、動物医療を総合的に学ぶ学問 |
目的 | ・効率的で持続可能な畜産業の発展 ・生産性・品質の向上 ・安全で良質な畜産物の安定供給、 ・動物福祉 ・環境負荷軽減 | ・家畜、愛玩動物、野生動物等の健康維持 ・疾病予防・診断・治療、動物から人への感染症予防(公衆衛生) ・動物と人間の健康維持 |
主な研究対象 | 牛、豚、鶏、馬、羊、山羊などの「家畜」、およびそれらの畜産物 | 牛、豚、鶏などの家畜を含む多種の動物全般および動物の病気全般 |
畜産学は家畜のみに対象を絞って生産効率化や品質向上に焦点を当てています。
一方で、獣医学は家畜だけでなくペット等それ以外の動物も対象にして医療(健康・病気予防等)にテーマを絞っています。
畜産学を学べる学部の例は?
畜産学は畜産学部、農学部、獣医学部などで学ぶことができます。
それぞれの学部ごとに、学びの特徴が異なりますので、以下のその違いをまとめます。
項目 | 畜産学部 | 農学部 | 獣医学部 |
|---|---|---|---|
概要 | 畜産に特化し、家畜生産に関する専門的・総合的知識や実践的技術を深く学ぶ | 農業全般(作物・園芸・農業経済等)の中の一領域として、広い視点から家畜生産を学ぶ | 動物医学の観点から家畜の衛生管理や疾病予防、動物福祉を中心に、医学的な側面を重視して家畜を学ぶ |
目的 | 家畜生産効率化、品質向上、畜産経営・管理技術の習得と畜産業の専門的人材育成 | 農業全般への理解を深めつつ、畜産業における総合的知識を習得し、幅広い視点を持った専門家育成 | 家畜を中心とした動物の健康維持・疾病予防に特化した高度な知識と技術を持つ専門家(獣医師など)の育成 |
特色 | ・畜産業に直結する具体的かつ専門的な技術(飼養管理・繁殖・育種・飼料・食品加工技術)を集中的に教育・研究する ・家畜生産技術、繁殖・栄養管理、飼料設計、畜産物の生産・利用など生産現場に直結した実践的専門性が高い | ・畜産に限らず農業全般を視野に入れ、生産技術、経済性、流通、環境保全など多面的・統合的に教育・研究する ・幅広い農業生産における畜産の位置づけや環境との調和、農業経営の視点を広く持てる | ・動物疾病予防、感染症管理、衛生管理、家畜衛生に関する高度な医学的知識・技術を中心に教育・研究する ・家畜の健康や動物医療を中心に、医学的な視点で高度な衛生管理や疾病予防に精通した専門性が高い |
これらの違いを理解し、あなたの興味や将来のキャリアに合わせて、各学部での学びを選ぶことが重要です。
参考記事:獣医学部とはどのような学部?
まとめ

本記事では、畜産学という学問の概要や学ぶこと、畜産学を学べる大学、学んだ後の就職先や畜産学を学ぶことに向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、畜産学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 畜産学とは、農業の一分野として動物の飼育や管理、繁殖、健康、そしてその生産物の利用方法を研究する学問である
- 畜産学で主に学ぶことには、家畜生産学、家畜繁殖学、動物栄養学、家畜衛生学、畜産物利用学、環境・動物福祉学などがある
- 畜産学を学んだ後の主な就職先としては、食品製造・加工企業、農業・畜産関連団体、公務員などが挙げられる
- 動物や自然への愛情が強い人・数学や科学に興味がある人に畜産学はおすすめ
- 畜産学は畜産学部、農学部、獣医学部などで学ぶことができるが特色が異なるため、違いを理解して学部を選択する
当記事が畜産学についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。