作成日: 2025/4/30 更新日:2026/6/24
航空整備士になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を高校生のために解説

「航空整備士になるにはどうすればいい?」
「航空整備士になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ高校生も多いのではないでしょうか。
本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 航空整備士になる方法
- 高校生の進路と取得すべき資格
- 仕事内容・給料・やりがい
- 向いている人の特徴
また、航空整備士に関するよくある質問にも答えています。
航空整備士を目指している人は、最後までご覧ください。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
航空整備士になる方法
航空整備士になるには、国家資格を取得し、航空会社や整備会社で働く必要があります。
一般的な流れは以下の3ステップです。
- 大学や専門学校で航空整備を学ぶ
- 国家資格「航空整備士」を取得する
- 航空会社や整備会社に就職する
それぞれ見ていきましょう。
大学や専門学校で航空整備を学ぶ
航空整備士を目指す人の多くは、高校卒業後に大学や専門学校で学びます。
job tagによると、理工系大学、高等専門学校、航空機整備系の専門学校を卒業後、航空会社に採用されるのが一般的です。
進学先ごとの特徴は以下のとおりです。
進学先 | 主に学ぶこと | 特徴 |
専門学校(国土交通大臣指定の養成施設) | 機体・エンジン・電気系統の整備技術、航空法規 | 在学中に資格取得を目指せる |
大学(航空宇宙工学系など) | 航空工学、機械工学、航空法規 | 設計や構造などの理論を幅広く学べる |
高等専門学校 | 機械工学、電気電子工学 | 5年間で工学の基礎を学べる |
job tagの調査では、働いている人に多い学歴として専門学校卒(53.8%)と大卒(42.3%)が上位です。
早く資格を取りたいなら専門学校、理論を深く学びたいなら大学が向いています。
航空学や航空工学で学ぶ内容は、以下の記事で解説しています。
国家資格「航空整備士」を取得する
整備した航空機の確認業務を行うには、国土交通大臣の「航空従事者技能証明」が必要です。
航空整備士の資格は、この技能証明の一つです。
取得までの流れは以下のとおりです。
手順 | 内容 |
受験資格を満たす | 資格ごとに決められた年齢と整備経験が必要 |
学科試験 | 機体、発動機、航空法規などをパソコンで受験(CBT方式) |
実地試験 | 口述と実技で整備の知識・技能を確認 |
技能証明書の交付 | 合格後に申請し、技能証明書を受け取る |
指定養成施設の課程を修了した人は、実地試験の全部または一部が免除されます。
一等航空整備士は4年以上の整備経験が必要なため、就職後に取得するのが一般的です。
航空会社や整備会社に就職する
資格取得と並行して、航空整備士として働く職場を探します。
主な就職先は以下のとおりです。
- 航空会社(ANA、JALなど)の整備部門や系列の整備会社
- LCCや地域航空会社
- 航空機整備を専門とする会社
- 航空機・部品メーカー
- 官公庁(警察・消防のヘリコプター整備、自衛隊など)
採用試験では、整備の知識に加えてチームワークやコミュニケーション力も見られます。
入社後は、ライン整備、エンジン整備、装備品整備などの部署に配属されます。
経験を積むと、一等航空整備士の中から整備の最終確認を行う「確認主任者」を目指せます。
航空整備士になりたい高校生の進路
航空整備士になりたい高校生の主な進路は、大学への進学と専門学校への進学の2つです。
それぞれ見ていきましょう。
大学に進学する
大学に進学する場合は、航空工学や航空整備を学べる学科を選びましょう。
工学部や理工学部に設置されていることが多く、工業大学も選択肢になります。
主に以下の分野を学びます。
- 航空機の構造、設計、製造
- エンジンや電子機器の仕組み
- 航空機の運用・運航
- 航空法
大学によっては、航空整備の専攻で在学中に資格取得を目指せます。
卒業後は航空会社や整備会社に就職し、実務経験を積んで上位資格を目指します。
年内入試ナビでは、航空整備士を目指せる大学の一覧をまとめています。
専門学校に進学する(指定航空従事者養成施設)
専門学校に進学する場合は、国土交通大臣指定の航空従事者養成施設を選ぶのがおすすめです。
指定養成施設とは、航空法施行規則の基準に適合し、国土交通大臣の指定を受けた施設です。
主なメリットは以下のとおりです。
メリット | 内容 |
実地試験の免除 | 課程修了者は、国の実地試験の全部または一部が免除される |
在学中の資格取得 | 二等航空整備士や航空運航整備士などを在学中に目指せる |
整備経験の算入 | 指定の訓練課程を修了すると、整備経験の一部として認められる場合がある |
実践的な実習 | 実際の航空機を使った整備実習がある |
資格取得を最短で目指したい人に向いている進路です。
入学前に、目指す資格と学校の課程が合っているか確認しましょう。
航空整備士の資格の種類
航空整備士の資格は、整備できる機体や業務範囲によって5種類に分かれています。
さらに、飛行機や回転翼航空機(ヘリコプター)など、航空機の種類ごとに技能証明を受けます。
5種類の資格と受験資格
5種類の資格は、それぞれ受験できる年齢と必要な整備経験が決められています。
特徴を表にまとめました。
資格名 | 対象 | 業務範囲 | 受験資格 |
一等航空整備士 | 旅客機などの大型機 | 整備全般 | 20歳以上、整備経験4年以上 |
二等航空整備士 | 小型機や小型ヘリコプター | 整備全般 | 19歳以上、整備経験3年以上 |
一等航空運航整備士 | 旅客機などの大型機 | 日常点検や軽微な修理 | 18歳以上、整備経験2年以上 |
二等航空運航整備士 | 小型機や小型ヘリコプター | 日常点検や軽微な修理 | 18歳以上、整備経験2年以上 |
航空工場整備士 | 部品・装備品 | 工場での整備 | 18歳以上、整備経験2年以上 |
整備経験には、取得したい種類の航空機を6か月以上整備した経験を含む必要があります。
多くの人は、運航整備士や二等航空整備士から取得し、経験を積んで一等航空整備士を目指します。
資格試験の仕組みと最新の変更点
資格試験は、国土交通省が実施する学科試験と実地試験で構成されています。
近年、試験制度にいくつかの変更がありました。
項目 | 内容 |
学科試験の方式 | 2023年11月期からCBT方式。約10日間の試験期間中に、全国の会場から日時と場所を選べる |
科目合格 | 一部の科目だけ合格した場合も、最初の科目合格の通知日から1年間は有効 |
実地試験の受験期限 | 2026年7月の改正で、一定の条件を満たせば学科試験合格の通知日から5年以内に受験できる |
航空運航整備士の業務範囲 | 2025年の省令改正で、確認できる「軽微な修理」の範囲が拡大。2026年4月から学科試験の出題範囲も一部変更 |
試験制度は今後も変わる可能性があります。
受験前には国土交通省の最新情報を確認しましょう。
航空整備士とは?
航空整備士とは、飛行機が安全に飛ぶための点検、修理、保守を行う専門職です。
ここでは、仕事内容や給料、働き方などを解説します。
航空整備士の仕事内容
航空整備士の主な仕事は、航空機の点検と整備です。
機体、エンジン、装備品が正しく機能するよう、決められた手順で作業します。
業務 | 内容 |
ライン整備 | 出発前後に機体、エンジン、タイヤ、計器などを点検する |
ドック整備 | 一定の飛行時間ごとに、格納庫で機体を詳しく点検する |
エンジン整備 | エンジンを取り外し、専用の工場で分解・部品交換を行う |
装備品整備 | 航法装置や自動着陸装置などの電子機器を整備する |
確認主任者と呼ばれる責任者が許可しない限り、飛行機は出発できません。
乗客の命に関わるため、ミスが許されない仕事です。
航空整備士の給料・月収
航空整備士の給料は、勤務先、地域、経験年数、夜勤の有無などで異なります。
厚生労働省のjob tagに掲載されている統計は以下のとおりです。
項目 | 数値 |
平均年収 | 598万円(令和7年賃金構造基本統計調査) |
求人賃金(月額) | 25.4万円(令和7年度ハローワーク求人統計) |
月の労働時間 | 161時間 |
平均年齢 | 42.5歳 |
求人賃金の月額は、ハローワークの求人で提示された金額の平均です。
実際の月収には、夜勤手当や時間外手当、資格手当などが加わります。
なお、これらの統計は航空整備士を含む職業分類全体のデータです。
航空整備士のやりがい
航空整備士の仕事には、多くのやりがいがあります。
主なやりがいは以下のとおりです。
やりがい | 内容 |
安全運航を支える | 点検で不具合を未然に防ぎ、乗客の命を守る |
最先端の技術に触れられる | 新しい機体や技術を学び続け、成長を実感できる |
海外で働くチャンスがある | 国際線の整備では海外の空港に勤務することもある |
多くの人の命を預かる責任が、そのまま仕事の誇りになります。
経験を積むほど活躍の場が広がる職業です。
航空整備士に必要な能力
大前提として、乗客の命に直結する仕事だという責任感が必要です。
その上で、以下の能力が求められます。
- 作業の正確さと注意力
- チームワーク
- 英語力
- 新しい知識を学び続ける力
航空機は小さな部品の集まりで、一つひとつを正確に扱う必要があります。
1機の整備は複数の整備士で行うため、チームでの連携も欠かせません。
整備マニュアルの多くは英語で書かれているため、英語の読解力も必要です。
航空整備士の働き方
航空整備士の主な勤務先は、空港にある整備場や格納庫です。
航空機が飛んでいない時間に作業するため、24時間のシフト制が基本です。
働き方の特徴は以下のとおりです。
- 勤務地は全国の空港。国際線では海外勤務もある
- 夜間整備や土日の出勤がある
- 休みは交替で取る
- 屋外の駐機場での作業も多い
新しい機体に対応するため、入社後も研修で学び続けます。
生活リズムが不規則になりやすい点は理解しておきましょう。
航空整備士の需要と将来性
航空整備士は人手不足が続いています。
job tagでは、LCCの増加や50歳代の整備士の定年が理由として挙げられています。
需要を示すデータは以下のとおりです。
項目 | 内容 |
有効求人倍率 | 4.71倍(令和7年度) |
主な背景 | LCCの増加による機体数の増加、50歳代の整備士の定年 |
有効求人倍率4.71倍は、求職者1人に対して約4.7件の求人があることを示します。
資格を持つ整備士の需要は高い状態です。
航空整備士という職業の注意点
大きなやりがいがある一方、注意点もあります。
主な注意点は以下のとおりです。
- 資格取得に時間と努力が必要
- 体力が必要
- 夜勤やシフト制がある
資格取得には、勉強と実務経験の積み重ねが必要です。
重い部品を運んだり、狭い場所で作業したりするため、体力も求められます。
航空整備士を目指す場合は、上記の点を理解しておきましょう。
おすすめの大学
航空整備士を目指す高校生におすすめの大学は、久留米工業大学、崇城大学、日本文理大学、芝浦工業大学です。
各大学の概要を表にまとめました。
航空整備を専門に学びたい場合は、整備系の専攻やコースがある大学を選びましょう。
おすすめの専門学校
航空整備士を目指す高校生におすすめの専門学校は、東京工学院専門学校、日本航空専門学校、大阪航空専門学校です。
各学校の概要を表にまとめました。
最新の就職実績や取得できる資格は、各学校の公式サイトで確認しましょう。
よくある質問
航空整備士に興味がある人が疑問に思うことをまとめました。
よくある質問とその回答を記載していきます。
飛行機の整備士は難しいですか?
航空整備士の資格は、取得が難しい国家資格です。
国土交通省は合格率を公表していませんが、受験には年齢と整備経験の条件があります。
難しいとされる理由は以下のとおりです。
理由 | 内容 |
受験資格が厳しい | 一等航空整備士は20歳以上、整備経験4年以上が必要 |
試験範囲が広い | 機体、発動機、航空法規など幅広い知識が問われる |
実地試験がある | 学科試験に加えて、口述と実技の試験に合格する必要がある |
指定養成施設で学ぶと、実地試験の全部または一部が免除されます。
学科試験は科目合格制のため、一度で全科目に合格できなくても挑戦を続けられます。
航空整備士になるには何年かかりますか?
航空整備士になるまでの年数は、目指す資格と進路によって異なります。
高校卒業からの目安は以下のとおりです。
目指す資格 | 期間の目安 |
二等航空整備士・航空運航整備士 | 専門学校で2〜4年。在学中の取得を目指す |
一等航空整備士 | 就職後に4年以上の整備経験が必要。高校卒業から6年以上が目安 |
資格を取った後も、一人前になるには経験が必要です。
job tagの調査では、入職後に一人前になるまで「3年超〜5年以下」と答えた人が最も多くなっています。
航空整備士に向いている人の特徴は?
航空整備士に向いている人には、以下の特徴があります。
主な特徴を表にまとめました。
特徴 | 説明 |
責任感が強い | 人命を預かる仕事だと自覚し、ルールを守って作業できる |
正確に作業できる | 小さなミスも見逃さず、一つひとつの作業を丁寧に行える |
学び続けられる | 新しい技術や英語を学ぶことに意欲がある |
チームで動ける | 同僚やパイロットと円滑に連携できる |
機械が好き | 機械いじりや工具を扱う作業が得意 |
体力がある | 不規則な勤務や屋外作業に対応できる |
飛行機が好き | 飛行機や航空機の仕組みに強い興味がある |
すべてを満たす必要はありません。
特に責任感と正確さは、航空整備士に欠かせない資質です。
航空整備士と航空運航整備士の違いは?
航空整備士と航空運航整備士は、行える整備の範囲が異なります。
主な違いは以下のとおりです。
項目 | 航空運行整備士 | 航空整備士 |
主な業務 | ライン整備(日常点検、タイヤやブレーキの交換、軽微な修理) | ライン整備に加え、ドック整備(エンジンや脚の交換、機体構造の修理) |
資格の位置づけ | 航空整備士より下位 | 上位資格 |
一等の受験資格 | 18歳以上、整備経験2年以上 | 20歳以上、整備経験4年以上 |
2025年の省令改正で、航空運航整備士が確認できる「軽微な修理」の範囲は拡大されました。
多くの人は運航整備士から始め、経験を積んで航空整備士を目指します。
航空整備士・飛行機の整備士に英語力は必要?
航空整備士には、業務を行う上で英語力が必要です。
その理由を以下の表にまとめました。
英語が必要な理由 | 詳細 |
整備マニュアルの理解 | 航空機の整備マニュアルの多くは英語で書かれている |
整備記録の作成 | 整備記録を英語で記入する場面がある |
海外とのやりとり | 外国人パイロットへの説明や海外勤務で英語を使う |
採用時に求める英語力の目安は、企業によって異なります。
高校生のうちから英語の読解力を高めておくと、入社後の業務に役立ちます。
まとめ
本記事では、航空整備士になる方法から、資格・仕事内容・給料・向いている人の特徴までを解説しました。
重要なポイントは以下のとおりです。
- 航空整備士になるには、国家資格を取得し、航空会社や整備会社に就職する
- 資格は5種類あり、それぞれ年齢と整備経験の条件がある
- 学科試験は2023年11月期からCBT方式になっている
- 平均年収は598万円、有効求人倍率は4.71倍(job tag)
- 高校生は、航空系の大学か国土交通大臣指定の専門学校への進学がおすすめ
本記事が、航空整備士を目指す第一歩になれば幸いです。
航空整備士になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
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この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
