作成日: 2025/4/24 更新日:2025/4/24
航空学では何を学ぶ?学ぶことや就職先を徹底解説

「航空学とはどんな学問?」
「航空学を学んだ後の進路は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 航空学とはどんな学問なのか
- 専攻すると何を学ぶのか
- 航空学を学べる大学
- 学んだ後の進路や就職先
- 航空学に向いている人の特徴
航空学とは何を学ぶのか気になっている方、進学・キャリア選びの参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
航空学とは

航空学とは、航空機の設計・製造から運用・管理、安全性に至るまで、航空に関わる幅広い分野を学ぶ学問です。
飛行原理の理解を基礎に、航空機設計、空港運営、航空安全、航空法規などを網羅しており、科学技術の進歩と共に効率性や安全性向上を目指します。
この分野では理論と実践が密接に結びついており、学生は講義だけでなくシミュレーションや実践トレーニングを通じて、航空業界で必要なスキルを身に付けます。
また、国際的な航空規制や業界動向を理解することで、広い視野とスキルを養い、航空路線の企画や管理に活かせます。
さらに、航空学は環境問題への対応にも重要な役割を果たします。
二酸化炭素排出削減や燃料効率向上といった課題に取り組むため、新技術の開発やその適用が求められる分野です。
航空学の分野・専攻・研究内容

航空学では何を学ぶのでしょうか。
以下に航空学で学ぶ内容・研究分野についてまとめます。
- 航空運用と管理
- 航空安全とセキュリティ
- 航空法規と規制
- その他の学習分野
それぞれ見ていきましょう。
航空運用と管理
航空運用と管理は、安全で効率的な航空機運行に必要な知識と技術を学ぶ分野です。
以下の表では、この分野で学ぶ具体的な内容を整理しています。
学習項目 | 学習する内容 |
|---|---|
運航スケジュール | 整備状況や天候、乗客動向を考慮し、航空機の稼働率を高める計画を策定 |
航空交通管制 | 飛行経路や高度、離着陸順序を管理し、航空機の衝突を防ぎ、安全を確保 |
燃料効率の最適化 | 効率的な飛行ルート選定や機体軽量化により、運航コストを削減 |
収益管理 | 座席販売戦略や価格設定を行い、航空会社の利益を最大化 |
地上支援業務 | 搭乗手続き、荷物の取り扱い、航空機の整備など、空港での運航を支える業務 |
これらの分野を体系的に学ぶことで、航空業界で専門的なキャリアを築く基礎知識とスキルを習得できます。
航空安全とセキュリティ

航空安全とセキュリティは、航空機を安全に運航し、不正行為から保護するための分野です。
以下の表で、それぞれの具体的な学習内容をまとめています。
学習項目 | 学習する内容 |
|---|---|
設計・整備 | 航空機の安全性を高めるための設計と適切なメンテナンス |
危機管理 | 運航中のトラブルへの対応手法を習得 |
事故調査 | 事故原因を解析し再発防止策を導き出す技術と知識を学習 |
人的・組織要因 | 安全性向上のためにチームや組織の行動を分析・改善 |
不正行為対策 | テロやハイジャックから航空機や空港を守るための対策 |
監視技術 | 最新の監視カメラやセンサーを利用した空港のセキュリティ強化 |
サイバーセキュリティ | 航空機や航空会社のシステムを守るためのデジタルセキュリティ対策 |
セキュリティチェック | 乗客と荷物の厳格な検査を行い危険物の持ち込みを防止 |
この分野を深く学ぶことで、安全で信頼性の高い航空運航を支え、不正行為から航空業界を守るためのスキルを習得できます。
航空法規と規制
航空法規と規制は、航空機の設計や運航を安全に行うために定められた法律や規制を学ぶ分野です。
以下の表では、具体的な内容を整理しています。
学習項目 | 学習する内容 |
|---|---|
国際基準と規制 | 国際民間航空機関(ICAO)が定める運航や安全基準 |
航空運航の法律 | パイロットの資格要件 航空機登録 整備基準 |
空港運営の規則 | 空港施設の管理や航空交通管制に関する法律 |
新しい規制 | ドローン規制や環境保護に基づく法規制の変化 |
これらの法律や規制を理解することで、航空業界でのプロジェクト企画や政策立案にも役立つ基盤的な知識を得られます。
航空法規の学習は、航空関連の専門職への第一歩です。
その他の学習分野

航空学の学習範囲は幅広くあり、上記がメインではあるものの、それだけではありません。
その他にも下記のような分野を学びます。
- 航空工学……航空学の一種。飛行機の設計や製造、性能の向上に関する技術を研究する。
- 航空経済、航空政策……航空会社の経営や空港運営、国際航空政策などに関する知識を習得。
こうした分野を学ぶことで、航空に関する知識を総合的に身につけることができます。
航空学を学べる学部・学科の例

「航空学を学びたい!」と思っても、大学ではどの学部・学科に進めばいいのか、迷ってしまいますよね。
実は航空学は、理系・文系どちらの学びからもアプローチできる学問です。
ここでは、航空学を学べる代表的な学部・学科を紹介します。
①理工学部・工学部(航空工学・機械工学系)
飛行機の構造やエンジンの仕組み、空気の流れなど、航空機そのものの開発・設計・安全性について学びます。
② 理工系の情報系・システム系学部(管理工学・情報工学)
航空機の運航システム、空港の効率的な運営、航空管制の情報管理などを学べます。
航空輸送の安全性や効率性をシステムやITの視点から支える役割です。
③ 文理融合型の航空マネジメント系学部・学群
航空会社や空港の運営、サービス、経営戦略、接客マナー、英語力などを実践的に学べる学部です。
空港や航空会社で働くことを具体的にイメージして学べるのが特長です。
航空学を学べる大学・学部・学科の一例

航空学を学べる大学・学部・学科の一例は以下の通りです。
- 東京大学 工学部航空宇宙工学科
- 名古屋大学 工学部航空宇宙工学科
- 桜美林大学 航空・マネジメント学群
それぞれチェックしていきましょう。
東京大学 工学部航空宇宙工学科
東京大学 工学部 航空宇宙工学科では、航空機・宇宙機の設計や運用に関する幅広い知識を学べます。
下記のようなカリキュラムが用意されています。
- 流体力学
- 構造力学
- 推進工学
- 制御・ナビゲーション
- 宇宙システム
JAXAや企業と連携した研究も活発で、実験・シミュレーションを通じた実践的な学習が特徴です。
大学院進学率が高く、航空宇宙分野の最先端技術開発や学術研究を志す学生が多いのも特色の一つです。
参考:東京大学 工学部航空宇宙工学科
名古屋大学 工学部航空宇宙工学科

名古屋大学 工学部 航空宇宙工学科では、航空機・宇宙機の設計や運用に関する基礎から応用まで幅広く学べます。
下記のようなカリキュラムが用意されています。
- 流体力学
- 構造力学
- 推進工学
- 制御・システム工学
- 宇宙工学
ボーイングや三菱重工など航空宇宙関連企業との連携が強く、実践的な教育が特徴です。
JAXAや企業との共同研究も活発で、卒業生は航空・宇宙産業や研究機関へ幅広く進出しています。
桜美林大学 航空・マネジメント学群
桜美林大学航空・マネジメント学群は、航空管制、航空機管理、空港マネジメント、パイロットの4分野を軸にした学びを提供します。
航空産業に特化した専門教育を行い、海外訓練や研修を通じて実践的なスキルを磨くことが可能です。
また、高い英語力を養成し、航空のスペシャリストとして国際的に活躍できる人材を育てる環境を整えています。
桜美林大学航空・マネジメント学群の特徴は以下の通りです。
- 航空管制や空港運営など4分野を軸にした学びを提供
- 海外訓練や研修による国際的な視野の醸成
- 卓越した英語力と高度な専門性を重視
航空産業での多様なキャリアを目指し、国際的に活躍したい人に向いています。
航空・船舶工学を学べる大学
航空学と近しい学問に、航空工学や船舶工学があります。
年内入試ナビでは、航空・船舶工学を学べる大学をまとめています。
こちらもぜひ参考にしてください。
参考:航空・船舶工学を学べる大学の一覧
取得できる資格

航空学を学ぶことで、取得を目指せる資格が複数あります。
下記の表に一例をまとめました。
取得を目指せる資格 | 詳細 |
航空整備士 | 航空機の安全運航を支える専門職。機体・エンジン・電子機器などの点検・整備・修理を担当します。国土交通省の資格が必要で、1等・2等航空整備士などの区分がある。 |
航空無線通信士 | 航空機の無線通信を担当する国家資格で、航空機と管制塔間の交信や航空通信システムの運用を行う。国土交通省が管轄し、電波法に基づく知識や英語の能力が求められる。 |
総合無線通信士 | 航空無線通信士は航空通信に特化しているのに対し、総合無線通信士は無線通信の最上位資格で、航空・船舶・放送局などあらゆる無線通信業務に従事可能。国際通信も扱うことができる。 |
卒業後の進路は?

大学で航空学を学んだ先輩たちは、卒業後にどのような進路を歩んでいるのでしょうか。
桜美林大学を例に見ていきましょう。
桜美林大学航空・マネジメント学群の卒業生の進路・進学情報
桜美林大学の卒業生の就職先の業種とその割合は以下の通りです。
就職した業種 | 就職者の割合 |
|---|---|
輸送 | 62.3% |
商社 | 11.3% |
公務 | 9.4% |
サービス | 5.7% |
情報通信 | 5.7% |
建設・不動産業 | 3.8% |
広告・旅行・ホテル | 1.9% |
桜美林大学航空・マネジメント学群の卒業生は、輸送・商社・公務などの業種で活躍していることが分かります。
航空学の勉強が活かせる就職先・職業・仕事

航空学の専門知識が活かせる仕事はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な就職先について解説します。
- 航空会社
- 航空機製造企業
- 宇宙関連機関
それぞれ見ていきましょう。
航空会社
航空学を学んだ人が幅広い役割で活躍できる航空会社では、運航管理や整備、さらには経営戦略まで多岐にわたるキャリアが用意されています。
以下に職種・主な業務内容・求められるスキルを整理しました。
職種 | 主な業務内容 | 活かせるスキル |
|---|---|---|
パイロット | 航空機の安全かつ効率的な運航 | 航空法規、飛行理論、操作技術 |
運航管理者 | フライトスケジュールの策定、運航の安全性確認 | 航空運用知識、問題解決能力、安全規制の理解 |
整備士 | 航空機の点検・修理・メンテナンス | 機械工学、材料科学、航空機システムの知識 |
マーケティング担当 | 顧客ニーズに基づくサービス企画、ブランド戦略の策定 | 消費者心理の理解、航空市場知識、分析能力 |
客室乗務員 | 機内での安全管理と接客サービス | 航空機の安全管理と緊急対応に関する知識 |
グランドスタッフ | 空港での搭乗手続きや案内業務、運航サポート | 航空機の運航管理や安全対策の知識 |
航空会社は、空の旅を支える多様な職種があり、それぞれに専門知識が求められます。
航空学を通じて得た理論や実践力は、業務の質を高め、航空業界の発展に寄与します。
グローバルな業務が多いため、語学力や異文化理解もキャリアの大きな助けとなるでしょう。
航空機製造企業

航空学で培った理論や技術は、航空機製造企業での設計・製造プロセスで直接活かされます。
以下に職種・主な業務内容・求められるスキルを整理しました。
職種 | 主な業務内容 | 活かせるスキル |
|---|---|---|
航空機設計エンジニア | 航空機の設計、性能評価、材料選定 | 空力学、構造力学、材料科学 |
生産管理者 | 製造プロセスの効率化、品質管理、安全基準の遵守 | プロジェクト管理、規制遵守、品質管理能力 |
技術営業担当 | 航空機の技術的特徴の説明、顧客ニーズに応じた提案 | 航空学知識、交渉スキル、プレゼンテーション能力 |
航空機製造企業では、技術職以外にもプロジェクト管理や営業職が用意されており、多彩なキャリアパスが期待できます。
航空学を活かして新しい技術の開発や国際的なプロジェクトに参加する機会が多いのも魅力です。
宇宙関連機関
航空学で得た知識は、宇宙関連のプロジェクトや開発でも重要な役割を果たします。
以下に職種・主な業務内容・求められるスキルを整理しました。
職種 | 主な業務内容 | 活かせるスキル |
|---|---|---|
宇宙機開発エンジニア | 宇宙機の設計・製造・試験 | 航空宇宙工学、システム設計、流体力学 |
ミッション管理者 | 宇宙開発プロジェクトの計画立案と管理 | プロジェクト管理能力、航空安全知識、国際規制の理解 |
データ解析担当 | 宇宙ミッションデータの解析、システム運用 | データ解析スキル、プログラミング、シミュレーション技術 |
宇宙関連機関でのキャリアは、革新的な技術開発や国際的な協力が求められる場面が多く、航空学の専門性を活かした挑戦的な環境です。
航空業界の知識を基盤としながら、宇宙という新たなフロンティアに貢献できます。
よくある質問

航空学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
航空学を学ぶのに向いている人の特徴は?
航空学を学ぶのに向いている人には、以下のような特徴があげられます。
向いている人の特徴 | 向いている理由 |
|---|---|
航空や宇宙、航空機技術に興味がある人 | 航空学は航空機の設計や運用に関わるため、興味があることが学習・研究の継続に重要 |
物理や数学の基礎科学に強い人 | 航空学は理論と実践の両面が求められ、物理や数学の理解が必要 |
細部に注意を払う慎重さがある人 | 航空業界では安全が最優先されるため、細部への注意が不可欠 |
問題解決能力が高い人 | 新しい技術が開発される分野であり、未知の課題を解決する能力が求められる |
コミュニケーション能力が高い人 | チームでの作業が多く、情報を円滑に共有することが成果に影響する |
これらの特徴を持つことで、航空学をより深く学び、将来的に航空業界での成功につながる可能性が高まるでしょう。
航空学と航空工学の違いは?

航空学と航空工学の違いについて、以下に比較表を示します。
異なっている点 | 航空学 | 航空工学 |
|---|---|---|
焦点 | 航空機の運航、航空管制、航空ビジネスなど航空全般に関連する分野を学ぶ | 航空機の設計、製造、メンテナンスなど技術的な側面に焦点を当てる |
学問の目的 | 航空業界全体を理解し、運航や管理、サービス提供に必要な知識を身につける | 航空機やその関連技術を構築し、安全性や効率性を追求する |
両分野は重複部分も多いですが、航空学は運航やビジネスに、航空工学は技術に特化している点が主な違いです。
航空学系の学部に合格するのは難しい?
航空学系の学部への合格は、大学により難易度が大きく異なる点に注意が必要ですが、一般的にはやや難しいと言えます。
学力試験に加え、身体検査も課される場合があります。
特にパイロット養成コースでは、視力や色覚、聴力など厳しい基準があり、これをクリアしなければ合格はできません。
事前に自身の条件を確認し、必要なら矯正手術を検討する必要があります。
まとめ

本記事では、航空学の定義から、学ぶ内容、航空学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先、向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、航空学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 航空学とは、航空機の設計・製造から運用・管理、安全性まで、航空に関わる幅広い分野を学ぶ学問である
- 学ぶ分野としては、航空運用と管理・航空安全とセキュリティ・航空法規と規制などが含まれる
- 航空学を学べる大学の卒業後の主な就職先としては、航空会社・航空機製造企業・宇宙関連機関などが挙げられる
- ホスピタリティがある人・協調性がある人に航空学はおすすめ
- 航空学を専攻できる大学でも入学後のカリキュラムが異なるので、あなたの興味やキャリア目標に合わせて大学を選ぶ
本記事が航空学についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。