作成日: 2025/12/05 更新日:2025/12/06
音楽学とは何を学ぶ学問分野?学べる大学や活かせる職業も解説

音楽学とは具体的に何を学ぶ学問なのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、音楽学とはどんな学問なのかが分かるように、次の観点などから解説していきます。
- 専攻すると何を学ぶのか
- 学べる大学
- 学んだ後の進路や就職先
- 向いている人の特徴
音楽学とは何を学ぶ学問なのかや学び方が気になっている方や、キャリア選びの参考にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
音楽学とは何を学ぶ学問?

まず、音楽学とは何かについて解説していきます。音楽学とは、音楽そのものを研究対象とする学問の一分野です。
音楽は演奏技術の習得や作詞・作曲に重点を置くのに対し、音楽学は音楽そのものを学問的に分析し、その理論や歴史、文化的・社会的背景などの多岐にわたる側面を深く探究します。
音楽学は次の様々な専門分野などに分かれています。
分野 | 説明 |
音楽史学 | 音楽の発展過程や影響を考察する |
音楽理論 | 音楽の構造や形式を解析する |
民族音楽学 | 世界各地の音楽文化を比較研究する |
音楽美学 | 音楽の美的本質や芸術としての特徴を明らかにする |
音楽教育学 | 音楽教育の理論と実践を学ぶ |
音楽心理学 | 音楽が人間の心理や感情に与える影響を研究する |
音楽社会学 | 音楽と社会の関係を研究する |
音楽療法 | 音楽を用いて人々の心身の健康をサポートする技術や理論を学ぶ |
楽器学 | 楽器の構造や由来、分布などを研究する |
ポピュラー音楽研究 | ポピュラー音楽がどのような本質を有しているかを解き明かす |
これらの分野を通じて、音楽がどのように形成され、社会や文化とどのように影響を与えてきたのかを明らかにし、音楽そのものの理解を深めることが可能です。
また、音楽を楽しむだけでなく、その背後にある構造や意義を考察することで、より深い視点から音楽を捉えることが可能になります。
このように、音楽学は音楽の本質を探究し、その価値を多角的に解明する学問であるといえます。
音楽学の各分野で学ぶ内容

ここからは、音楽学で主に学ぶ上記の研究分野の内容についてそれぞれ見ていきましょう。
音楽史学

音楽史学は、音楽の歴史的な発展を研究する学問です。音楽がどのように変化し、社会や文化にどのように影響を与えたかを理解します。以下の表では、音楽史学の主な研究対象や目的、方法などについてまとめています。
項目 | 説明 |
|---|---|
研究対象 | 作曲家、音楽作品、音楽スタイル、特定の地域や時代の音楽 |
研究目的 | 音楽の歴史的変遷を追い、文化や技術革新との関連を探る |
研究方法 | 楽譜、当時の文献、美術作品、楽器の発展を元にした研究 |
具体例 | バロック時代の音楽と宗教改革、新しい音楽形式の登場 |
教育的影響 | 歴史的視点から音楽を学び、音楽への理解を深める |
音楽史学を学ぶことで、音楽が文化や歴史の中でどのように位置づけられ、影響を与えたのかを深く理解でき、音楽の本質を知る手がかりとなります。
音楽理論
音楽理論は、音楽の構造や成り立ちを理解するための枠組みを提供します。音楽作品を分析し、創作に活かすためには、和声や旋律、リズムなどの基本的な要素を体系的に学ぶことが重要です。
以下の表では、音楽理論の主な研究対象や目的、方法などについてまとめています。
項目 | 説明 |
|---|---|
研究対象 | 和声、旋律、リズム、対位法、形式など、音楽の基本要素 |
研究目的 | 音楽作品の構造を理解し、作曲や演奏の理論的基盤を提供する |
研究方法 | 楽譜の分析、音階の構成、和音の進行、音楽形式の多様性を学ぶ |
具体例 | 和音の進行や対位法の研究、音楽形式の分析 |
教育的影響 | 音楽家や作曲家が理論に基づいて創作し、演奏技術を向上させる |
音楽理論を学ぶことで、音楽の構造を深く理解し、新しい音楽を創造するための力を養うことができます。
民族音楽学

民族音楽学は、世界各地の音楽文化を研究する学問です。音楽とその地域の文化、歴史、社会との関係を探ります。
特定の地域や民族の音楽がどのように形成され、発展し、社会に影響を与えてきたのかを明らかにすることが目的です。
以下の表では、民族音楽学の主な研究対象や目的、方法などについてまとめています。
項目 | 説明 |
|---|---|
研究対象 | 特定の地域や民族の音楽、音楽の社会的役割、文化的背景 |
研究目的 | 音楽と文化、歴史、社会との関連性を探り、音楽の社会的機能を理解する |
研究方法 | フィールドワークを通じて音楽を観察し、記録・分析 |
具体例 | 地域音楽の伝播と変容の過程、グローバル化の中での音楽の適応と独自性の維持 |
教育的影響 | 異文化理解を深め、音楽を通じた異文化交流を促進する |
民族音楽学を学ぶことで、音楽が持つ社会的・文化的意義をより深く理解し、異文化交流の重要性を実感することができます。
音楽美学
音楽美学は、音楽の美的本質や芸術としての特徴を明らかにする学問です。音楽に関する美学的アプローチは古代から見られますが、現代では様々な哲学的立場から音楽の本質が追究されています。
音楽美学では、音楽とは何かに始まり、音楽の特徴や感情との関わり、音楽の形式や作曲・演奏、音楽の理解などについて、その美的な面を中心に幅広い考察がなされています。
あらゆる音楽学の研究分野の根底に音楽美学があるため、音楽学の中でも重要な分野です。
音楽教育学

音楽教育学とは、音楽教育の実践のための学問です。音楽と人間との関わりを教育学的に探究します。音楽教育学の目的は次のとおりです。
- 音楽教育の理論をどのように実践に落とし込むかを示唆する
- 音楽教育の新しい観点を提示する
- 音楽と人間との多様な関わりを教育学的に探究する
また、音楽教育学の対象は次のとおりです。
- 学校音楽教育
- 音楽の専門教育
- 幼児の音楽教育
- 障害児の音楽教育
- 生涯教育
音楽教育学を専攻する場合は、音楽教育に関する科目で基礎理論を学ぶと共に、演奏技術を高めるためにレッスンを受けたり、演習を通して実践的な能力を身に付けたりします。
音楽心理学
音楽心理学とは、音楽が人間の心や行動に与える影響を科学的に研究する学問です。音楽心理学を学ぶことで、音楽がどのように私たちの心に影響を与えるのか、そのメカニズムを科学的に解き明かすことができます。
音楽心理学は次のような様々な学問領域と関連しています。
- 心理学
- 情報科学
- 医学
- 教育学
- 生理学
また、音楽心理学では、観察や実験を通して次のようなテーマなどについて研究します。
- 音楽を聴くことで身体を動かしたくなる感覚や気持ち良さが生じるプロセス
- BGMが消費者行動に及ぼす影響
- 音楽がもたらす感情体験
- 映像における音楽の効果
- ダンス
音楽心理学の研究成果は次のような幅広い分野にわたっており、音楽心理学の知見は音楽療法や音楽教育などにも応用されています。
- 音楽の受容や表現
- 音楽の伝わり方
- 音楽の心理的機能
- 音楽の才能の発見
音楽社会学

音楽社会学とは、音楽と社会の関係を研究する学問です。研究内容は次のとおりです。
- 社会が音楽に与える影響や社会における音楽の役割を明らかにする
- 音楽の構造や社会常識の変化を分析する(例:童謡を分析して社会常識の変化を検証する)
- 音楽聴取の態度の変化を研究する
- 音楽に接する人々を類型化(例:音楽を聴いて解放されることを望む人々など)し、その社会背景を考察する
音楽社会学の研究は、音楽の社会文化的文脈を探究するという点において、音楽民族学と重なる部分があります。
しかし、音楽社会学では民族や国家のアイデンティティーに重点を置かないので、幅広い観点から音楽と社会構造の相互作用を研究するという特徴があります。
音楽療法
音楽療法は、心身の障害の回復や機能の維持改善を目指すリハビリテーションなどに取り入れられます。音楽療法の目的は次のとおりです。
- 音楽の持つ力を活用して生活の質を向上させる
- 脳を活性化し、心身に良い影響を与える
- 精神的な安定を促し、不安を和らげる
- 身体の運動性を向上させる
- 記憶や感情を呼び戻し、コミュニケーションを取れるようにする
また、音楽療法を取り入れた活動例は次のとおりです。
- 音楽を聴く
- 合唱をする
- 楽器を鳴らし、合奏をする
- 音楽に合わせてストレッチなどで身体を動かす
音楽療法は、障害の有無や年齢、性別を問わず、子供から高齢者まで幅広い人を対象にしています。そのため、次のような様々な環境で実施されています。
- 病院
- 外来診療所
- 介護施設
- 高齢者施設
- リハビリテーション施設
- 学校
音楽療法では、対象者の希望や趣味・嗜好、身体・認知のレベルに合わせてプログラムを構築することが重要です。そのため、参加者それぞれに寄り添った選曲やプログラム、時間配分を考えていくことが大切です。
楽器学

楽器学とは、楽器の構造や由来、分布などを研究する学問です。次の2つの分野に分かれます。
- 楽器を機械と考え、構造を研究する自然科学的分野
- 楽器を文化的産物と考え、由来や分布などを研究する社会科学的分野
自然科学的分野では、楽器が音を出す方法の技術的側面や音響を理解する上で、楽器を体系的に分類するために、次の5つに分類するのが一般的です。
- 体鳴楽器
- 膜鳴楽器
- 弦鳴楽器
- 気鳴楽器
- 電鳴楽器
また、社会科学的分野では、楽器の歴史や、文化の違いによる使用される楽器の違いといった、音楽史学や民族音楽学などの観点からも研究します。
ポピュラー音楽研究
ポピュラー音楽とは「大衆社会の成立と共に生まれ、市場経済の中でマスメディアによって商品として生産され流通する音楽」であると提唱されています。
そのため、ポピュラー音楽研究には、次のような研究テーマがあります。
- 20世紀の都市の庶民生活における感性が、ポピュラー音楽の成立にどのように影響したか
- 作り手である職業音楽家と聴衆である消費者の社会意識の同一性
- 都市大衆文化とメディアとの関連性やポピュラー音楽の商品性
このように、ポピュラー音楽研究の目的は、ポピュラー音楽がどのような本質を有し、どのような音楽的・社会的な背景の中から成立してきたのかを解き明かすことにあります。
音楽学を学べる大学の例

音楽学で学ぶ内容を理解したところで、ここからは音楽学の専門知識を学べる大学についてお伝えします。具体例は以下のとおりです。
- 東京藝術大学 音楽学部 楽理科
- 武蔵野音楽大学 音楽学部 音楽総合学科 音楽学コース
- 明治学院大学 文学部 芸術学科 音楽学コース
それぞれ見ていきましょう。
東京藝術大学 音楽学部 楽理科

東京藝術大学 音楽学部 楽理科は、音楽の学問的研究を行い、音楽史や音楽民族学、音楽理論などを深く学ぶことができる学科です。
音楽を学問的視点から探究し、音楽に関わる様々な分野で活躍できる人材の育成を目指しています。また、外国語や実技も重視され、音楽に密接に関連した実践的な研究を行います。
東京藝術大学 音楽学部 楽理科の特徴は以下のとおりです。
- 西洋音楽史、日本・東洋音楽史、音楽美学、音楽民族学など多岐にわたる専門分野をカバー
- 実技や外国語の習得を必須とし、音楽の実践と理論を融合した教育を実施
- 優れた成績を収めた学生には、3年で卒業する機会を提供
そのため、音楽の歴史や理論に興味があり、深く研究したい人に向いています。
参照元:東京藝術大学 音楽学部 楽理科・音楽文化学専攻-音楽学
武蔵野音楽大学 音楽学部 音楽総合学科 音楽学コース
武蔵野音楽大学 音楽学部 音楽総合学科 音楽学コースでは、西洋音楽、日本音楽、民族音楽などを多角的に研究し、音楽の歴史や文化的背景を深く理解することを目指しています。
音楽の実践と理論を結びつけながら、演奏会の企画や研究成果を社会に発信する能力を培います。武蔵野音楽大学 音楽学部 音楽総合学科 音楽学コースの特徴は以下のとおりです。
- 音楽の実技と理論を組み合わせた実践的なカリキュラム
- 西洋音楽や民族音楽、日本音楽など多様な研究領域に対応
- 図書館や楽器ミュージアムなど充実した研究支援施設
そのため、音楽の歴史や文化を学び、社会に研究成果を活かしたい人に向いています。
参照元:武蔵野音楽大学 音楽学部 音楽総合学科 音楽学コース
明治学院大学 文学部 芸術学科 音楽学コース

明治学院大学 文学部 芸術学科 音楽学コースでは、西洋音楽を中心に、日本・東洋音楽や民族音楽も含め、音楽理論や分析法などを学びます。
欧米の文献を扱うため、英語だけでなくドイツ語やフランス語の習得も重視され、国際的視野で音楽と文化を研究する能力を養います。
卒業生は音楽研究者やプロデューサーなど、多岐に渡ります。明治学院大学 文学部 芸術学科 音楽学コースの特徴は以下のとおりです。
- 西洋音楽、日本・東洋音楽、民族音楽の幅広い分野を研究
- 英語に加え、ドイツ語やフランス語の習得を重視
- 4年間を通じて音楽分析や卒業論文の執筆を通じて研究能力を育成
そのため、国際的な視野で音楽を学び、文化を深く探究したい人に向いています。
音楽学を学ぶ大学を選ぶ際に注意するポイント

音楽学を学ぶ大学を選ぶ際には、次のポイントに注意するようにしましょう。
注意するポイント | 説明 |
カリキュラムの内容 | 自分の興味に合った分野があるか |
教員の専門性 | 研究テーマや実績が自分の関心と一致するか |
設備や環境 | 資料や練習環境が充実しているか |
卒業後の進路実績 | 希望するキャリアにつながるかどうか |
音楽学を学んだ後の進路の傾向

音楽学を大学で専攻した先輩たちは、卒業後にどのような進路を歩んでいるのでしょうか。例えば、武蔵野音楽大学の卒業生の進路とその割合は以下のとおりです。(2022年度のデータ)
進路 | 割合 |
|---|---|
音楽系企業・財団、民間企業、音楽教室講師 | 33% |
大学院等進学・留学 | 25% |
その他(留学・進学準備、教員採用試験準備、演奏団体・オーディション受験準備 等) | 22% |
学校教員 | 12% |
演奏関係、演奏団体、演奏活動 | 8% |
参照元:武蔵野音楽大学 進路状況
武蔵野音楽大学に進学した卒業生は、音楽系企業の職員や音楽教室講師、教員などとして活躍しているほか、4分の1が進学・留学していることが分かります。
就職先の業種の傾向や進学率は大学によって異なるので、希望の大学の卒業生の進路をホームページで検索したり、パンフレットや資料・ナビサイトなどで確認したりするようにしてください。
音楽学の学問知識が活かせる就職先・職業・仕事の代表例

音楽学の学習が活かせる仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、代表的な次の4つの就職先について解説します。
- 音楽出版社
- 楽器メーカー
- 放送局・音楽制作会社
- 音楽教員・講師
それぞれ見ていきましょう。
音楽出版社

音楽出版社は、音楽学の知識を活かして働くことができる職場の1つです。音楽出版社とは、作詞家や作曲家が作った音楽の権利を管理し、アーティストや企業に使ってもらうことで収益を得る会社です。
ここでは、作曲家や作詞家の作品の管理や著作権保護が主な業務となり、音楽理論や音楽史の知識が非常に重要です。以下の表では、音楽出版社での主な業務や求められるスキルについてまとめています。
項目 | 内容 |
|---|---|
主な業務 | ・作曲家や作詞家の作品管理 ・著作権保護 ・楽譜の校訂・編集 |
活かせる知識 | ・音楽史 ・音楽理論 ・音楽著作権法 |
具体的な役割 | ・楽譜の内容理解 ・作品選定 ・新しい音楽作品のプロモーション、著作権管理 |
必要なスキル | ・著作権法の知識 ・音楽作品の校訂スキル ・音楽文化の多様性への理解 |
キャリアの魅力 | ・音楽文化の保護・普及に貢献でき、音楽に対する深い知識を活かせる |
音楽出版社で働くことで、音楽の文化的な価値を守り、普及することに貢献する重要な役割を担えます。
音楽学の知識を活かして楽譜の編集や著作権管理などの多岐にわたる業務に取り組むことができるので、音楽に対する情熱を直接的に反映させられる魅力的な職場です。
楽器メーカー
楽器メーカーは、音楽学の知識を製品開発やマーケティングに活かせる職場です。楽器メーカーとは、ピアノやギターなどの楽器を設計・製造し、販売する会社です。
新しい楽器の設計や改良には音楽理論や音楽史の知識が役立ちます。以下の表では、楽器メーカーにおける具体的な業務や必要なスキルについて整理しています。
項目 | 内容 |
|---|---|
主な業務 | ・楽器の開発・製造 ・品質管理 ・マーケティング ・営業 |
活かせる知識 | ・音楽理論 ・音楽史 ・民族音楽学 |
具体的な役割 | ・新しい楽器の設計・改良 ・音響特性の研究 ・楽器の品質チェック ・伝統楽器の再現 ・新しい素材の開発 |
必要なスキル | ・音響特性や製品設計の知識 ・品質管理スキル ・マーケティングや顧客対応能力 |
キャリアの魅力 | ・楽器開発を通じて音楽の世界と直結し、音楽文化の発展に貢献できる |
楽器メーカーでの仕事には、音楽に対する知識を製品開発に反映させられるというやりがいがあります。
音楽学の知識を活かして新しい楽器を設計したり、世界各国の伝統楽器を再現したりすることで、音楽文化の発展に貢献できる点が魅力的です。
放送局・音楽制作会社

放送局や音楽制作会社も、音楽学の知識が活かせる職場の1つです。音楽番組やサウンドトラックの制作、音楽イベントの企画などにおいて、音楽史や音楽理論が重要な役割を果たします。
以下の表では、放送局や音楽制作会社での業務内容や必要なスキルを紹介しています。
項目 | 内容 |
|---|---|
主な業務 | ・音楽番組の企画・制作 ・サウンドトラック制作 ・音楽イベントの企画運営 |
活かせる知識 | ・音楽史 ・音楽理論 ・音楽著作権法 |
具体的な役割 | ・音楽コンテンツの企画 ・選曲 ・サウンドトラックの制作 ・音楽の使用許諾手続き ・著作権管理 |
必要なスキル | ・音楽作品の選定スキル ・音楽著作権に関する法的知識 ・作曲家・演奏者とのコミュニケーション能力 |
キャリアの魅力 | ・音楽の力を最大限に引き出し、音楽を通じて視聴者やリスナーに感動を与えることができる |
放送局や音楽制作会社でのキャリアは、音楽を通じて視聴者に強い感動を与えることができる魅力的な仕事です。
音楽の歴史や理論に関する知識を活かして質の高いコンテンツを制作し、音楽著作権の知識を元にスムーズな業務進行をサポートできます。
音楽教員・講師
音楽教員・講師とは、音楽に関する知識や技術を教える専門職です。音楽の専門的知識があり、自分の専門とする楽器演奏の技能を持っていることはもちろん、生徒と上手に接し、指導できる能力が求められます。
なお、教育現場では、正規の教員ではない教育者を一般的に「講師」と呼びます。それぞれの特徴は次のとおりです。
音楽教員 | 音楽講師 |
・中学校や高校などの学校で、音楽の授業を担当する ・生徒に音楽の知識や歴史、楽器の演奏や合唱などを指導する ・生徒会活動やクラブ活動、ホームルーム、学校行事などにも参加し、進路指導も行う | ・音楽学校やピアノ教室、楽器演奏教室などで、音楽や楽器の演奏方法などを教える ・生徒のレベルを見極め、改善すべき点を発見する ・授業のカリキュラムを独自に立てる場合もあり、自分の専門とする楽器の演奏技術を生徒に教える |
音楽教員・講師になるには、音楽系の大学や専門学校を卒業した後に、各団体が独自に行っている教員・講師採用試験に合格する必要があります。
また、音楽教員・講師の働き方は、所属する学校や音楽教室などによって異なります。
よくある質問

音楽学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。ここからは、よくある質問とその回答を記載していきます。
音楽に関連する学科にはどういったものがあるの?

音楽学部には多岐にわたる学科や専攻があり、それぞれが音楽に対する異なるアプローチやスキルを習得する場を提供しています。以下に主な学科・専攻をまとめました。
学科・専攻 | 特徴 |
|---|---|
器楽科 | ピアノ、弦楽器、管楽器など、特定の楽器演奏技術を専門的に学び、ソロやアンサンブルの技術向上を目指す |
声楽科 | 声を楽器として使用する技術を学び、オペラや合唱などの声楽分野における表現力を養う |
作曲科 | 新しい音楽作品の創作技術を学び、作曲理論や形式、編曲技術を磨いて様々なジャンルの音楽を作り上げる |
指揮科 | オーケストラや合唱団の指揮技術を学び、楽曲の解釈やアンサンブルのリーダーシップを養成する |
音楽学科 | 音楽の歴史や理論、文化的背景を研究し、音楽に対する学術的な理解を深める |
音楽教育学科 | 音楽教育の理論と実践を学び、将来の音楽教育者としてのスキルを養成する |
音楽療法学科 | 音楽を用いて人々の心身の健康をサポートする技術や理論を学び、音楽療法士としての専門知識を身につける |
ジャズ・ポピュラー音楽科 | ジャズやポピュラー音楽の演奏技術や理論を学び、即興演奏やアレンジに必要なスキルを習得する |
音楽プロデュース学科 | 音楽制作やプロデュースに必要な技術と知識を学び、音楽ビジネスにおけるクリエイティブな役割を担う |
音楽学部では、様々な分野に特化した学科があり、それぞれが専門性の高い教育を提供しています。
自分の興味や将来のキャリアに合った専攻を選ぶことで、音楽に関する深い知識とスキルを身につけることができます。そのため、大学の募集要項をしっかり確認するようにしましょう。
音楽に関連する学問は?
音楽に関連する学問は多岐にわたります。以下は、音楽に関連する代表的な学問とその内容です。
学問 | 説明 |
|---|---|
音楽学 | 音楽の歴史、理論、文化などを総合的に研究し、音楽が社会や文化に与える影響を解明する |
音楽心理学 | 音楽が人間の心理や感情に与える影響を研究し、音楽の心理的効果や音楽と感情の関係を探究する |
音楽教育学 | 効果的な音楽教育の方法論を研究し、音楽を通じた教育技術の向上を目指す |
音楽療法学 | 音楽を用いた治療法を研究し、心身の健康をサポートするための音楽療法を探究する |
音響学 | 音の物理的性質や音響技術を研究し、音波や音響効果の原理を解明する |
民族音楽学 | 世界各地の伝統音楽や文化的背景を研究し、音楽の多様性とその社会的役割を理解する |
芸術学 | 音楽の美的本質や芸術としての特徴を明らかにする |
文化人類学 | 特定の地域や民族の音楽がどのように形成され、発展し、社会に影響を与えてきたのかを明らかにする |
メディア論 | 音楽に関するメディアが音楽に与える影響を明らかにする |
これらの学問は、音楽を様々な角度から研究し、理解を深めることができる分野です。
それぞれの学問が、音楽の歴史や理論、心理的効果、教育、治療、文化的影響に焦点を当て、音楽を多面的に理解するためのアプローチを提供しています。
向いている人の特徴は?

音楽学では、音楽に対して強い情熱を持ち、音楽を通して世界を深く理解しようとする意欲があることが重要です。そのため、以下の特徴を持つ人が音楽学に向いているといえます。
特徴 | 向いている理由 |
|---|---|
音楽が大好きな人 | 音楽に強い情熱を持つことで、長時間の練習や理論の学習にも積極的に取り組めるため、演奏技術や作曲能力を着実に向上させることができる |
謙虚で努力家な人 | 音楽の技術や表現力を高めるには継続的な努力が欠かせないため、試行錯誤しながら学び続ける姿勢が重要になる |
音楽を仕事にしたい人 | 音楽の世界で活躍するためには、演奏技術だけでなく理論や歴史、業界知識も求められるため、それらを総合的に学ぶことでプロとしての基盤を築くことができる |
感受性が強く感性が豊かな人 | 音楽を通じて感情や情景を深く表現できるため、聴衆の心に響く演奏や独自性のある作曲が可能になる |
音を記憶する力が高い人 | 楽譜を見ずに演奏できたり、即興演奏や作曲の幅が広がったりするため、実践的な音楽活動において大きな強みとなる |
音楽学は、音楽そのものを深く理解し、その魅力を広めるための学問です。そのため、音楽に対する強い情熱と感性を持つ人にとって、音楽学は非常に魅力的な分野と言えるでしょう。
音楽学を専攻するためにはどんな学部・学科に進学すればよいの?
音楽学を学べる代表的な学部・学科には、以下のようなものがあります。
学部・学科名 | 学べる内容の例 |
|---|---|
音楽学部・音楽学専攻 | ・西洋音楽史、民族音楽学、音楽心理学など ・音楽の理論・歴史・文化との関わりを深く学ぶ |
楽理科・音楽文化学専攻 | ・音楽美学、音楽理論、音楽民族学など ・学問的視点から音楽を探究 |
音楽学科 | ・作曲・理論、音楽教育、楽器演奏、音楽情報など ・実践的スキルの習得も含む幅広い分野を学べる |
音楽教育学科 | ・幼児〜高校までの音楽教育を専門的に学ぶ ・教育現場で必要な指導スキルを身につける |
文学部・芸術学科 | ・音楽美学、芸術学、民族音楽学など ・音楽の美的本質や芸術としての特徴を明らかにする |
このように、音楽学を専攻できる様々な学部・学科があり、それぞれで重視する内容や進路の方向性が異なります。そのため、自分の興味や将来の目標に合わせて最適な学びの場を選ぶことが大切です。
まとめ

本記事では、音楽学の定義から学ぶ内容、音楽学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先、向いている人の特徴まで解説しました。解説した中でも、音楽学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 音楽学とは、音楽そのものを研究対象とする学問である
- 学ぶ分野としては、音楽史学・音楽理論・民族音楽学などが含まれる
- 音楽学を学べる大学の卒業後の主な就職先としては、音楽出版社・楽器メーカー・放送局や音楽制作会社などが挙げられる
- 音楽が大好きな人・音楽を仕事にしたいと考えている人には音楽学がおすすめ
- 音楽学を専攻できる大学でも入学後のカリキュラムが異なるので、あなたの興味やキャリア目標に合わせて大学を選ぶことが大切
- 音楽学を学ぶのであれば、音楽学部・音楽学科・楽理科などに進学するのが王道
当記事を通して音楽学についての全体像を理解できていれば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。