作成日: 2025/5/08 更新日:2025/5/08
地理学とは何を学ぶ学問なの?主な学習テーマを目指せる資格や仕事と共に解説

大学で学べる学問を調べていると、地理学という学問を目にすることがあります。
そこで本記事では、地理学とは何を学ぶ学問かを理解できるように、主な分野で何を学ぶのかについて徹底的に詳しく解説していきます。
また、地理学が学べる大学の一例や得られる資格、目指せる主な職業のほか、受験生がよく抱く疑問とその回答も掲載しています。
ぜひ最後まで読み進めて地理学についての理解を深め、進路選択に活かしてください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
地理学とは何か?

地理学とは、地球の表面における自然環境や人間の活動を研究する学問です。気候や地形などの自然環境だけでなく、都市、経済、文化などの人間の活動についても学びます。
まずは、地理学とは何かという観点から、地理学の目的や重要性を見ていきましょう。
地理学の目的・役割

地理学の目的は、地球上のさまざまな自然現象や人間活動を総合的に理解し、それらの関係性を解明することにあります。これにより、社会や環境が抱える課題に対し、実用的な解決策を提案することが可能になります。
また、地理学は都市計画、防災、環境保護、観光開発など、多岐にわたる分野で活用されます。
地理情報システム(GIS)を用いたデータ分析や地図作成などの技術を駆使し、社会や地域の持続可能な発展を支援する役割を担っています。
観光資源の開発 | 文化的・自然的資源を活かし、観光振興に貢献する |
地域間格差の解消 | 経済・社会格差を明らかにし、政策提言につなげる |
農業の最適化 | 土壌や気象条件を考慮し、最適な作物栽培の手法を提案する |
異文化理解の推進 | 各国の文化や価値観の違いを学び、多文化共生を促進する |
国際関係の理解 | 地政学的な要素を分析し、国際問題の背景を読み解く |
正確な地図の作成 | 最新のデータを活用し、信頼性の高い地図を提供する |
地理学では何を学ぶ?学べることを解説

地理学では、多岐にわたる分野を通じて、地球の自然環境と人間社会の複雑な相互作用を総合的に理解することなどを目指します。
ここからは、それぞれの分野を詳しく解説します。
自然地理学

自然地理学は、地球の自然環境とその構成要素の研究を行う学問分野です。
地形、気候、水、土壌、生物など、自然界の多様な要素を対象とし、それらの相互関係や変動メカニズムを解明することを目的としています。
自然地理学の研究は、地球環境の保護や持続可能な発展に貢献するための基盤となります。
自然環境への理解を深め、その変動や影響を予測することで、私たちの生活環境の保全に役立つ知識を得ることができます。
人文地理学
人文地理学は、人間活動と地理的空間との関係を研究する学問分野です。人間の営みがどのように地理的に分布し、相互作用しているのかを明らかにします。
以下に、人文地理学の主要な研究領域をまとめました。
人文地理学は、このように多岐にわたる人間の活動と地理的空間の関係を総合的に理解し、持続可能な社会の構築に貢献する学問です。
地理情報科学

地理情報科学は、地理的なデータの収集、解析、表示、管理を行う学問分野です。この分野は、地球の自然環境や人間活動に関する情報を扱い、それをもとに意思決定や問題解決を支援します。
地理情報科学の主要な学びには、以下の内容が含まれます。
地理情報科学は、これらの技術と手法を駆使して、地理的な問題の解決や意思決定を支援する重要な学問です。環境保護、都市計画、災害対策、交通管理など、さまざまな分野での応用が期待されています。
環境地理学
環境地理学とは、自然環境と人間社会の相互作用を研究する学問分野です。この学問では、環境問題の解決に向けた知識と手法を研究し、持続可能な社会の実現を目指します。
また、自然地理学と人文地理学の両方の要素を含み、地球規模から地域規模までの環境問題を総合的に扱います。主に学ぶことは以下のとおりです。
環境地理学は、これらの学びを通じて、地球の自然環境の保全と持続可能な利用に貢献する学問です。
環境問題の解決に向けた知識と技術を身につけることで、より健全な地球環境を次世代に引き継ぐことを目指します。
地域研究

地理学における地域研究とは、特定の地域を対象に、その自然環境、人間活動、社会構造、文化、経済などを総合的に研究する学問分野です。
地域研究は、地域ごとの特性や変化を理解し、その地域の問題解決や発展に役立てることを目的としています。学ぶこととしては、以下のようなものがあります。
このように、多岐にわたる側面を総合的に学ぶことで、地域の特性や課題を深く理解し、地域社会の持続可能な発展に役立つ知識を得られます。
地理学を学べる学校とは?大学の一例

地理学が学べる大学の具体例は以下のとおりです。
- 東京大学 教養学部後期課程 学際科学科 地理・空間コース
- 立命館大学 文学部 人文学科 地域研究学域 地理学専攻
- 筑波大学 生命環境学群 地球学類
それぞれ見ていきましょう。
東京大学 教養学部 学際科学科 地理・空間コース

東京大学の教養学部 学際科学科 地理・空間コースでは、地理学をはじめとする空間諸科学を基盤に、地理情報システム(GIS)、フィールドワーク、空間デザインといった調査・分析ツールを習得できます。
カリキュラムの特徴は、フィールドワークを通じて理論を実践に適用し、発表や議論を通じて学びを深められる点にあります。
また、自ら設定したテーマに基づいて卒業論文を作成することで、空間と社会の相互作用を理解し、現代社会の諸問題に対する政策や計画を立案する能力を養うことができます。
立命館大学 文学部 人文学科 地域研究学域 地理学専攻

立命館大学の文学部 人文学科 地域研究学域 地理学専攻の特徴は次のとおりです。
引用元: 立命館大学 文学部 人文学科 地域研究学域 地理学専攻
- フィールドワークを繰り返すことにより、実質的に社会貢献できる人材を育成します。
- GIS理論および実習、製図学および実習、測量学および実習などの豊富な実験・実習科目を用意しています。
- 文学部にありながら、気候学や気象学、水文学、災害など、理系的アプローチによる研究も可能です。
フィールドワークや地理情報システム (GIS) を使った地理情報分析の実習を通じて実践的なスキルを習得できます。
筑波大学 生命環境学群 地球学類

筑波大学の生命環境学群 地球学類は、自然地理学と人文地理学の両方をカバーする学際的なプログラムを提供しています。
地理学の基礎から高度な専門知識までを体系的に学び、フィールドワークや実験を通じて実践的なスキルを身につけられます。
地球環境学主専攻では、各学問分野の枠を越えて「地球環境」の特性を総合的に把握することを目指しています。
今回取り上げた3つの大学・学部・学科以外で地理学を専攻できる大学・学部・学科については以下のページでまとめています。
学びを活かして取得を目指せる資格

次の表は、地理学を学んで得られる可能性のある主要な資格の内容をまとめたものです。
測量士・測量士補 | ・測量士試験では、測量に関する計画を作製、実施するために必要となる専門的学識と応用に必要な学識や応用能力等が問われます。 ・測量士補試験では、測量士の作製した計画に従い測量に従事するために必要な専門的技術等が問われます。 |
気象予報士 | ・気象庁から提供される予測データを適切に利用できる技術者として認定されます。 ・気象防災アドバイザーや気象データアナリストという認定制度もあります。 |
地理学を学ぶことで、これらの資格を取得しやすくなります。資格を取得することで、各分野の専門知識を活かして活躍しやすくなります。
地理学を学んで目指せる主な職業

このように、地理学を学ぶことで多様なキャリアパスが開かれ、社会のさまざまな分野で社会貢献できる可能性が広がります。
地理学を学ぶのに向いている人の特徴

地理学を学ぶのに向いている人の特徴は次のとおりです。
特徴 | 説明 |
地図や地形に興味がある | 地図を読むのが好きで、地形の特徴に関心がある |
フィールドワークが好き | 屋外での調査や観察が好き |
環境問題に関心がある | 気候変動や自然災害など、環境の変化に興味がある |
データ分析が得意 | 統計データや地理情報システム(GIS)を活用することに興味がある |
社会の動向を知るのが好き | 経済や都市開発、人口変動など、社会の動きに関心がある |
これらの特徴に当てはまる場合は、地理学を学ぶのに向いています。
よくある質問と質問への回答

地理学に関するよくある質問とその回答をご紹介します。
地理学を学ぶのに役立つ高校の科目は何ですか?

地理学を大学で専攻するためには、以下の高校の科目を履修しておくと有利です。これらの科目は、地理学の基本的な知識やスキルを身につけるために役立ちます。
地学 | ・地形、気象、地質など、自然地理学の基礎知識を深めるのに役立ちます。 |
これらの科目を履修することで、地理学を大学で学ぶための基礎をしっかりと築くことができます。
地理学と環境科学の違いは何ですか?
地理学と環境科学の主な違いは次のとおりです。
研究対象 | 分野 | |
地理学 | 地球の表面、自然環境、人間活動の空間的な分布と相互作用を研究します。 | 人文地理学と自然地理学に分かれ、GIS(地理情報システム)や地図を用いた空間分析、フィールドワークを重視します。 |
環境科学 | 人間と自然環境の関係を科学的に研究し、環境問題の解決を目指す学問です。 | 生態学、環境化学、環境政策などの分野があり、科学的分析とシステム思考を重視します。 |
環境科学は環境問題の解決策を探る応用研究が多く、政策提言や技術開発にも重点を置きます。
地理学と地誌学の違いは何ですか?
地理学は、自然環境や人間の活動がどのように相互に関係しているのかを研究する学問です。テーマごとに分析し、空間的な関係性を重視します。
一方、地誌学は、特定の地域を詳細に研究する学問です。その地域の自然環境・文化・経済などを総合的に記述・分析します。
地理学の面白さを教えてください
地理学の面白さは、身近な社会現象や自然現象の仕組みを深く理解できることです。例えば、なぜ特定の都市が発展するのか、気候変動がどのように影響を与えるのかをデータを使って解明できます。
また、地図やGISを活用した実践的な研究も魅力の一つです。
今回の内容のまとめ

本記事では、地理学の定義から、学ぶ内容、地理学を学べる大学、資格、学んだ後の就職先を解説しました。解説した中でも、重要なポイントを最後に記載します。
- 地理学は地球の表面における自然環境や人間の活動を研究する学問です。
- 地理学を学んだ後に就職が見込める職業として、都市計画担当者、環境コンサルタント、GISスペシャリスト、旅行プランナーなどが挙げられます。
- 大学によってそれぞれ特徴があるので、あなたの興味やキャリア目標に合わせて大学を選びましょう。
当記事をとおして、地理学についての全体像を理解していただければ幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。