作成日: 2025/6/12 更新日:2025/6/12
社会教育主事になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「社会教育主事のなり方は?」
「社会教育主事になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 社会教育主事とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 社会教育主事になるには何をすべきか
- 取得すべき資格
- 向いている人の特徴
また、社会教育主事に関するよくある質問にも答えています。
社会教育主事に興味のある人や、社会教育主事を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。
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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
目次
社会教育主事とは?

社会教育主事とは、学校以外で行われる、地域社会における教育活動の企画・運営を担う専門職です。
例えば以下のような活動があります。
- 地域の図書館や公民館でのイベント
- 子ども向けの体験活動
- 高齢者の学び直し教室
- 生涯学習の講座づくり
具体的な仕事内容としては、地域住民の学習ニーズを把握し、それに応じた学習プログラムを作成したり、地域の教育施設やボランティアのネットワークを活用して教育活動を推進したりします。
また、地域の教育資源を最大限に活用し、住民の生涯学習を支援する役割も担っています。
そのため、地域住民とのコミュニケーション能力や、教育プログラムの企画力が求められます。
以下に社会教育主事の仕事内容や給料についてまとめます。
- 社会教育主事の仕事内容
- 社会教育主事の給料・給与・年収
- 社会教育主事のやりがい
- 社会教育主事の働き方
- 社会教育主事という職業の注意点
それぞれ見ていきましょう。
社会教育主事の仕事内容
社会教育主事は、地域住民の学びを支える専門職です。
子どもから高齢者まで、誰もが参加できる生涯学習の場をつくるため、幅広い業務を担っています。
以下に主な仕事内容を一覧で整理します。
業務内容 | 業務の詳細 |
|---|---|
教育プログラムの企画・運営 | 地域のニーズに合わせた講座やイベントの立案・実施(例:歴史講座、健康講座など) |
学習支援・相談対応 | 住民の自主的な学びに関するアドバイスや、活動スタート時のサポート |
地域機関との連携 | 公民館、図書館、学校などとの協働による学習機会の創出 |
教育資源の調整 | ボランティア団体や教育関係者とのネットワーク構築・情報共有 |
環境整備 | 教材の準備、研修会の実施、学びを続けやすい地域体制の整備 |
イベントやワークショップの準備・進行 | 地域住民向けの講座や催しの企画・準備・当日の運営までを担当 |
外部講師やボランティアとの調整 | 講座に関わる講師や協力者と連絡を取り、内容や日程などを調整 |
学習ニーズの調査 | 地域住民が求める学習内容や関心を把握するため、アンケートや聞き取り |
広報活動 | 講座やイベントの情報をチラシ、広報紙、SNSなどで発信し、参加を促す |
このように、社会教育主事は“地域の学びのコーディネーター”として、教育活動全体を設計・運営する重要な役割を担っています。
社会教育主事の給料・給与・年収

社会教育主事は、地方公務員として地域の教育活動を支える専門職です。
そのため給与体系も、一般的な地方公務員と同様に安定性の高さが特徴です。
厚生労働省の統計によると、社会教育主事の平均年収はおよそ550万円前後。
これは日本の全体的な平均年収と比べても高めの水準であり、長期的なキャリアとしても安心できる収入が見込めます。
月収の平均は27万円程度とされており、地域や勤務年数によってはそれ以上となる場合も多くあります。
特に勤続年数に応じた昇給制度や、扶養・住居などの手当があるため、年齢を重ねるごとに収入は着実に上がっていく仕組みです。
社会教育主事のやりがい
社会教育主事のやりがいは、地域の人々が学びを通じて変化し、成長していく姿を直接感じられるところにあります。
自分の企画や支援が誰かの一歩につながる瞬間は、大きな喜びです。
以下に、主なやりがいをまとめました。
やりがい | 具体的な体験例 |
|---|---|
住民の成長に関われる | 学習会をきっかけに、地域活動や新たな趣味を始める人が増える |
地域とのつながりが深まる | 多世代の住民や教育機関と協力しながら、地域課題に向き合える |
自分の企画が形になる | 立ち上げた講座やイベントが定着し、「地域の定番イベント」として親しまれる |
自己成長の機会が多い | 住民や関係者との関わりの中で、多様な価値観や考え方に触れ、視野が広がる |
このように、社会教育主事は教育の枠を超えて、地域全体を支える存在です。
人と人、人と学びをつなぐことで、社会に貢献できるやりがいのある仕事です。
社会教育主事の働き方

社会教育主事は、主に市町村の教育委員会や公民館、図書館、青少年センターなどの公的機関に勤務します。
就職先の多くは地方自治体であり、地方公務員として採用されるケースが一般的です。
雇用形態は正規職員(常勤)が中心で、安定した勤務体系と収入が期待できます。
ただし、一部では非常勤職員として採用されることもあり、地域の財政状況や事業内容によって変動します。
働き方は比較的安定していますが、地域の講座やイベントが夜間・土日に開催されることも多く、時にはシフト勤務や振替休日が発生することもあります。
<ある1日のスケジュール例>
時間帯 | 内容 |
|---|---|
8:30 | 出勤・朝のミーティング |
9:00 | 企画中の講座の打ち合わせ・資料作成 |
12:00 | 昼休み |
13:00 | 地域の団体と協議・講座運営のサポート |
15:00 | 公民館でのイベント立ち会い |
17:30 | 退勤(※イベントがある日は延長勤務もあり) |
社会教育主事は、地域住民の「学びたい」という気持ちに応える仕事であるため、スケジュールには柔軟性が求められます。
夜間や土日の勤務があった場合でも、平日に代休が取れるなど、働きやすい工夫がされています。
また、学校教育とは異なり、年齢や背景が異なるさまざまな人と関わるため、人間関係の幅広さや応用力も必要とされる職業です。
社会教育主事の注意点
社会教育主事として働くうえでは、やりがいと同時に意識しておきたいポイントもあります。
ここでは、現場で活躍する際に気をつけたい3つの注意点を紹介します。
夜間や休日の勤務が発生しやすい
地域の学習活動は、住民が参加しやすい「平日の夜」や「土日」に行われることが多いため、通常の平日勤務だけでなく、夜間や週末の対応も必要になることがあります。
その分、平日に代休を取るなど調整は可能ですが、不規則なスケジュールに柔軟に対応する力が求められます。
地域住民との信頼関係づくりが欠かせない
社会教育主事の仕事は「人と人をつなぐ」ことが中心です。
そのため、住民や団体、他の職員との信頼関係がとても大切になります。
ときには意見の食い違いやトラブルが生じることもありますが、丁寧なコミュニケーションと根気強さが求められます。
成果が数字で見えにくい
社会教育は、すぐに結果が出る仕事ではありません。
学びの場づくりや地域活動の支援は、住民の生活や意識に少しずつ影響していくものです。
そのため、「目に見える成果」よりも、地道な積み重ねを大切にできる人が向いています。
やりがいは大きいものの、短期的な評価が得られにくい点は理解しておく必要があります。
社会教育主事になる方法

社会教育主事になるには、任用資格の取得が必要です。
また、資格を取得した上で自治体などに就職し、社会教育主事として任用されることが必要です。
以下に詳しく解説します。
- 大学や短大で所定の科目を修得し、実務経験を積む
- 教員免許を取得した上で、実務経験、社会教育主事講習を修了する
- 地方自治体の職員採用試験を受けて合格する
- 教育委員会などで社会教育主事として任用される
それぞれ見ていきましょう。
大学や短大で所定の科目を修得し、実務経験を積む
社会教育主事を目指す一般的なルートが、大学や短期大学で文部科学省が指定する科目(教育学、社会学、心理学など)を履修する方法です。
このルートでは、卒業後に公民館や図書館、青少年施設などでの社会教育に関する実務経験を一定期間積むことで、任用資格を得ることができます。
なお、講習を受けずともこのルートで資格を取得することが可能です。
教員免許がなくても挑戦できるのが特徴で、将来的に地域教育に携わりたい学生や社会人にとって有力な選択肢です。
教員免許を取得した上で、実務経験、社会教育主事講習を修了する

すでに教員免許を持ち、学校などで教育の実務経験を積んだ方は、「社会教育主事講習」を修了することで任用資格を取得できます。
この講習は、文部科学省の指定または都道府県教育委員会が実施するもので、社会教育の理論と実践を学ぶ集中プログラムです。
期間は数週間から数ヶ月ほどで、教育経験を活かしつつ、地域教育に専門性を持って関わる準備ができます。
教職経験を地域社会の教育支援に生かしたい方に適したルートです。
地方自治体の職員採用試験を受けて合格する
社会教育主事は、地方自治体で働く公務員です。
採用試験では、一般教養や論作文、面接などが課されます。
自治体によっては「社会教育主事任用資格」を持つ受験者が優遇される場合もあります。
職員として採用されるまでには、以下のステップが必要です。
- 地方自治体の職員採用試験(主に行政職)を受験・合格する
- 教育委員会や生涯学習課などに配属される
- 社会教育主事講習(大学または指定研修機関)を受講・修了する
- 社会教育主事として任用される
教育委員会などで社会教育主事として任用される

地方自治体の職員採用試験に合格し、教育委員会や生涯学習課などに配属されると、社会教育主事として任用されることがあります。
あらかじめ社会教育主事の任用資格を取得していれば、社会教育主事に任用される可能性が高まります。
一方で、採用後に講習を受講して資格を得ることもできます。
社会教育主事になりたい高校生の進路

社会教育主事を目指す高校生にとって、どのような進路があるのでしょうか。
最も一般的なのは、社会教育主事の養成に係る社会教育に関する科目を開設している大学や短大への進学です。
こうした課程では、教育学や社会学、心理学といった関連科目を履修しながら、社会教育に必要な専門知識と実践力を身につけることができます。
社会教育主事の養成科目を開設している大学は、全国に数多くあります。
- 国立大学……31
- 公立大学……6
- 私立大学……73
合計すると、4年生大学で110校あります。
また短期大学も2校あります。
具体的な学校名は下記を参考にしてください。
参考:社会教育主事養成課程2025
社会教育主事の養成に係る社会教育に関する科目を開設している大学の例

社会教育主事の養成に係る社会教育に関する科目を開設している大学の例は、立教大学、中央大学、玉川大学です。
これらの大学では、文部科学省が定める社会教育主事任用資格の取得に対応したカリキュラムを設置しており、地域教育や生涯学習に必要な知識や実践力を体系的に学ぶことができます。
以下に、各大学と課程の概要を紹介します。
大学 | 大学の概要 |
|---|---|
社会教育主事任用資格に対応した科目群を提供しており、在学中に所定の単位を修得することで資格取得を目指せる 地域社会の教育や生涯学習に関心を持つ学生に向けて、学びと実践のバランスが取れたカリキュラムを展開している | |
文学部において社会教育主事資格に対応する専門科目を設置し、教育学・社会学・心理学などの分野を中心に幅広く学べる環境を整えている 資格取得を通じて、社会教育施設や自治体での活躍を見据えた進路支援も行っている | |
通信教育課程にて社会教育主事任用資格に対応した講座を開講しており、働きながらでも学びやすい柔軟な学習スタイルを提供している 学士以上の学歴があれば受講可能で、現職の社会人や自治体職員のスキルアップにも対応している |
社会教育主事を目指せる大学
上記の大学以外にも、社会教育主事を目指せる大学は数多くあります。
年内入試ナビでは、社会教育主事を目指せる大学の一覧をまとめています。
こちらもぜひご覧ください。
よくある質問

社会教育主事に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
社会教育主事に向いている人の特徴は?
社会教育主事に向いている人には、以下のような特徴があります。
向いている人の特徴 | 特徴の詳細 |
|---|---|
地域への貢献意欲がある | 地域社会の課題や教育に関心を持ち、「人の役に立ちたい」「地域を良くしたい」という想いが強い人に向いている |
幅広い教養と専門性がある | 教育学や社会学、心理学などに関する知識を持ち、多様な分野に関心を持って学び続けられる柔軟な思考力が求められる |
協調性・対話力が高い | 子どもから高齢者まで幅広い世代と関わるため、相手の立場を理解しながら円滑にコミュニケーションできる力が必要 |
企画・コーディネート力がある | 地域や団体のニーズを捉え、学習プログラムやイベントを一から設計・運営する構想力や実行力が求められる |
行動力と実践力がある | 机上の理論だけでなく、現場で自ら動き、試行錯誤しながら学びをかたちにしていく積極性と柔軟な対応力が必要 |
ファシリテーション力がある | 住民の主体的な参加を促し、学びの場を活性化させる進行役としての力も社会教育主事に欠かせない資質 |
倫理観と人間性がある | 教育職としての高い倫理観を持ち、人を尊重しながら地域に根ざした信頼関係を築いていける豊かな人間性も重要 |
これらの特徴を持つ人は、社会教育主事として住民の学びやつながりを支え、地域社会の成長と活性化に貢献することができます。
特に「地域への貢献意欲」や「対話・調整力」は、現場で信頼される専門職になるための重要な資質です。
社会教育主事と社会教育士の違いは?

社会教育主事と社会教育士は、どちらも地域の学びを支える存在ですが、役割や資格の取得方法、働く場所などに明確な違いがあります。
社会教育主事は、地方自治体の教育委員会に任用される「行政の専門職」であり、任用には文部科学省が定めた講習の修了や発令が必要です。
一方、社会教育士は2020年度に創設された新しい称号で、講習や養成課程を修了すれば誰でも名乗ることができ、NPOや学校、企業など多様な現場で地域の学びをコーディネートする役割を果たします。
以下に、主な違いを表で整理します。
比較項目 | 社会教育主事 | 社会教育士 |
|---|---|---|
位置づけ | 地方自治体の教育委員会に任用される専門職 | 文部科学省が認定する称号(国家資格ではない) |
取得方法 | 所定の講習や養成課程修了+教育委員会の発令が必要 | 養成課程・講習修了で称号を取得(発令不要) |
活躍の場 | 教育委員会、公民館、社会教育施設など | 行政、NPO、企業、地域団体、学校など多分野 |
主な役割 | 社会教育事業の企画・運営、指導・助言 | 地域の学びの支援やファシリテーション、課題解決の推進役 |
このように、社会教育主事は制度的な「行政職」、社会教育士は実践的な「学びのコーディネーター」という違いがあります。
今後は両者の連携によって、地域教育のさらなる発展が期待されています。
社会教育主事任用資格は役に立たない?
「社会教育主事は役に立たない資格では?」と疑問に思う方もいますが、結論から言えば地域教育や行政の現場で確実に活かせる専門資格です。
特に、教育委員会や公民館などの社会教育施設で働きたい場合には、任用資格として必須の条件となります。
ただし、民間企業などでは知名度が低く、資格そのものが直接的にキャリアアップに結びつく場面は限られるのが現状です。
そのため、「どのような仕事を目指すか」によって資格の価値は大きく変わります。
地域に根ざした教育活動に携わりたい、行政職として地域づくりに貢献したいという人にとっては、社会教育主事は大いに意味のある資格といえるでしょう。
専門学校で社会教育主事任用資格は取れる?

厚生労働省が指定する「社会教育主事養成機関」に認定された専門学校では、所定の課程を修了することで、社会教育主事任用資格を得ることができます。
これらの養成機関では、厚生労働省が定める指定科目を履修し、卒業することで資格取得が可能です。
ただし、養成機関の数や具体的なカリキュラムについては、最新の情報を確認する必要があります。
厚生労働省や各専門学校の公式サイトで、最新の認定状況やカリキュラム内容を確認することをおすすめします。
まとめ

本記事では、社会教育主事の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、社会教育主事に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 社会教育主事とは、地域社会における教育活動の企画・運営を担う専門職である
- 主な仕事は、地域住民の学習ニーズに応じた学習プログラムを作成、地域の教育施設やボランティアのネットワークを活用して教育活動を推進などが挙げられる
- 社会教育主事は国家資格ではなく任用資格である
- 地域への貢献意欲がある人・企画・コーディネート力がある人に社会教育主事はおすすめ
- 社会教育主事になりたい高校生は社会教育主事課程を設けている学校(大学や短大)に進学するのがおすすめ
本記事が社会教育主事の全体像を理解する参考になれば幸いです。
社会教育主事になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
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この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。
