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作成日: 2025/3/13 更新日:2025/3/14

物理学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先を取得を目指せる資格と共に解説

物理学とは何を学ぶ学問?学ぶことや就職先を取得を目指せる資格と共に解説

「物理学って何を勉強するんだろう?」
「就職先はどんなところがあるのかな?」
「自分に向いているか不安...」

物理学は自然現象を理論と実験で解明する学問ですが、実際に何を学び、卒業後にどんな道があるのか疑問に思う人も多いでしょう。

本記事では、以下のテーマについて詳しく解説します。

この記事で学べること

  • 物理学とは何かを理解できる
  • 何を学ぶ学問かの理解
  • 学べる主な大学・学部・学科
  • 取得できる資格
  • 学んだ後の進路や就職先
  • 向いている人の特徴


この記事を読めば、物理学という学問の全体像が掴めるはずです。

物理学とは何を学ぶのか気になっている方、キャリア選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

物理学とは何か

物理学とは何か

物理学とは、自然現象を調査し、自然界の法則や物質の性質を探究する学問です。

例えば、「なぜリンゴは落ちるのか?」「光は粒なのか波なのか?」といった身近な疑問から、宇宙の成り立ちや量子のふるまいまで、スケールの大きなテーマを扱います。

物理学では「理論」と「実験」の両面から研究が進められ、数学的な解析や実験・観測を通じて自然現象の原理を解明していきます。

そのため、物理学の知識は、科学技術の進歩だけでなく、日常生活の多くの側面においても重要な役割を果たしています。

物理学とは何を学ぶ学問?学ぶ内容・学べることを解説

物理学とは何を学ぶ学問?

物理学は、下記の分野が相互に関連しながら技術革新を支える学問です。

分野
学ぶ内容
力学
物理学の基本的な分野で、物体の運動や力の作用を研究
電磁気学
電場と磁場が電荷と電流に与える影響を研究
熱力学
エネルギーの変換と物質の熱的性質を研究
量子力学
原子や分子以下のスケールでの微視的な物理現象を記述する理論
統計力学
多数の微視的な粒子の集合体の挙動を統計的に扱う分野
宇宙物理学
宇宙のさまざまな現象を物理学の観点から研究
物性物理学
原子や分子の構成要素が集まって発生する現象を研究
相対性理論
現代物理学の柱として重要な時間と空間に関する理論

物理学で学ぶ分野の内容について以下に具体的にまとめていますので、それぞれ見ていきましょう。

力学

力学

力学は物理学の基本的な分野で、物体の運動や力の作用を研究する学問です。微分積分を活用して運動の法則を理解し、物体にかかる力と運動の関係性を探求します。力学で取り扱う内容は、以下のとおりです。

項目
概要
運動の法則
物体の運動に関する基本法則であり、ニュートンの第一・第二・第三法則を含む。

物体の質量・加速度・作用反作用の関係を理解する。
運動量保存の法則
外から力や影響が加わらない限り、物体全体の運動量が変わらないという原理。

衝突や反動の計算に使われ、力学の基本となる。
エネルギー保存の法則
エネルギーは保存されるという原則。

機械的エネルギーや熱エネルギー・ポテンシャルエネルギーなどの形式に変換されても、総エネルギーは一定。
力の作用
力が物体に与える影響を研究。

力のベクトル性や合力の計算・摩擦力や弾性力などの具体的な力の種類を理解する。

また、力学は古典力学と相対論的力学に大別されます。古典力学はニュートンの運動法則や万有引力の法則を、相対論的力学はアインシュタインの相対性理論を基礎としています。

力学は、日常生活から宇宙空間まで、あらゆるスケールでの物体の運動を説明する基本的な学問といえるでしょう。

電磁気学

電磁気学は、電場と磁場、そしてこれらの場が電荷と電流に与える影響を研究する分野です。

電荷の性質から始まり、電場と磁場の概念、さらにはそれらが統合された電磁場の理論まで、現代社会を支える基礎理論を学びます。電磁気学で扱う分野は、以下のとおりです。

項目
概要
電場と磁場
電気的な場(電場)と磁気的な場(磁場)の性質と相互作用を研究。

電荷同士が引き合ったり反発し合ったりするクーロンの法則や、電流が磁場を作り出すビオ・サバールの法則を含む。
マクスウェルの方程式
電場と磁場の変動を記述する基本方程式の集合。

電場の起こり方と消え方を示すガウスの法則や電場が磁場を作るファラデーの法則などを含む。
電磁波
光・ラジオ波・X線など、異なる周波数範囲の電磁波の特性を理解する。
電荷と電流

静電場と動電場における電荷と電流の振る舞い等について研究。

電流と電圧の関係を示すオームの法則・電流の分配と合流を示すキルヒホッフの法則などを含む。

電磁気学は、物理学の中でも特に技術と密接に関連する分野です。電気工学や無線通信・光学など多くの技術分野の基盤となっており、多くの現代技術が支えられています。

これからの技術革新や研究においても、電磁気学の知識はますます重要な役割を果たすことでしょう。

熱力学

熱力学

熱力学は温度が関与する現象を対象とし、熱の移動やそれに伴う仕事を議論する学問分野です。温度や圧力・体積といった物理量の関係性を理解し、エネルギーの変換や移動のメカニズムを解明します。

物質の熱的挙動やエネルギー効率を理解するのに必要な学問分野で、具体的には以下の内容を扱います。

項目
概要
熱力学の法則
熱とエネルギーの関係を説明する基本的な法則。

エネルギーはなくならない(第一法則)・エネルギーの無駄は増える(第二法則)・絶対零度には到達できない(第三法則)がある。
エネルギー変換
エネルギーが異なる形式(例:熱エネルギーから機械的エネルギー)に変換される過程。

熱効率やカルノーサイクルの概念を理解する。
熱機関
熱を機械的エネルギーに変換する装置の原理と設計。

内燃機関や蒸気機関・ガスタービンなどの具体例を含む。
冷却プロセス
物質を冷却する過程とその技術。冷凍サイクル・熱交換器・断熱材の使用などを含む。

冷却プロセスの熱力学的解析も行う。

熱力学は、エネルギー変換と物質の熱的性質を理解するために必要な学問分野です。エンジンや冷凍機などの熱機関の設計から化学反応の進行・宇宙の熱的な振る舞いまで、幅広い現象の説明に応用されています。

未来の技術革新においても、熱力学の知識は重要な役割を果たし続けることでしょう。

量子力学

量子力学は、原子や分子そしてそれ以下のスケールでの微視的な物理現象を記述する理論です。物質の本質的な性質を理解し、半導体技術や量子コンピュータなどの現代技術に応用されます。

具体的には、以下の内容を扱います。

項目
概要
波動関数
粒子の状態を記述する数学的関数であり、確率密度を表す。

波動関数の正規化や重ね合わせの原理を理解する。
シュレディンガー方程式
量子系の時間発展を記述する基本方程式。

ポテンシャル井戸や調和振動子などを通じて解法を学ぶ。
不確定性原理
粒子の位置と運動量を同時に正確に測定できない原理。

ハイゼンベルクの不確定性関係式を含む。
量子コンピュータ
量子力学の原理を応用した計算機の設計と機能。

量子ビットや量子ゲート・量子アルゴリズムなどを含む。

量子力学は、微視的なスケールでの物理現象を理解するための強力な理論です。波動関数やシュレディンガー方程式・不確定性原理などの基本概念を通じて、物質の本質的な性質を明らかにします。

半導体技術や量子コンピュータ・量子通信などの最先端技術が実現する過程において、量子力学の功績は計り知れません。

統計力学

統計力学

統計力学は、力学系の微視的な物理法則をもとに、確率論の手法を用いて巨視的な性質を導き出すことを目的とする分野です。言い替えると、個々の粒子の運動から巨視的な熱力学的性質を導き出すことを目指します。

統計力学で取り扱う内容は、以下のとおりです。

項目
概要
分布関数
粒子の状態(位置、速度など)の分布を記述する関数。

マクスウェル・ボルツマン分布やフェルミ・ディラック分布などを含む。
ボルツマン方程式
粒子系の統計的振る舞いを記述する基本方程式。衝突項や運動項を含む。
エントロピー
系の無秩序さを表す量であり、統計力学と熱力学などを結びつける概念。

エントロピーの増大則やエントロピーの微視的定義を学ぶ。
相転移と臨界現象
物質の状態が変わる現象とその臨界点における振る舞い。

相図や臨界指数・臨界現象の普遍性を含む。

統計力学は、化学反応や材料の特性・生物学的現象など、多岐にわたる分野で重要な役割を果たしています。未来の研究と技術開発においても、統計力学の知識は欠かせないものとなるでしょう。

​​宇宙物理学

宇宙物理学とは、宇宙のさまざまな現象を物理学の観点から研究する分野です。天文学や重力波天文学の観点から、次のような研究をします。

  • 星や銀河、ブラックホールなどの天体の性質や形成・進化
  • 宇宙の誕生や歴史、宇宙論
  • 宇宙の構造や形、宇宙を取り巻く物理法則
  • 宇宙のエネルギーや物質、ダークマター(暗黒物質)やダークエネルギー
  • 重力波の観測と理論の体系化
  • 星間物質や星間ガスの物理現象

宇宙物理学の研究では、望遠鏡や衛星などによる天文観測を行い、理論モデルを構築したり検証したりします。

また、宇宙物理学は国際的に研究が進められている分野のひとつであり、素粒子、物性、生物といった他の物理学分野や化学、情報科学と連携した研究が進められています。

​​物性物理学

物性物理学

物性物理学では、原子や分子の構成要素が膨大に凝集した物質系を研究対象としています。

個々の原子や分子の世界を支配している法則だけではとらえきれない多彩な物理現象を観測し、固有な基本法則や基本概念を探究する学問分野です。

現代のハイテクノロジーは物性物理学で得られた成果を応用したものであり、私たちの生活に大きな影響を与えています。例えば、次のようなものは物性物理学の基礎的研究を元に生み出されました。

  • 超高速光通信
  • スーパーコンピューター
  • 環境保護型新素材

このように、物質の成り立ちや現象、機能などを量子力学や電磁気学や統計力学などの物理的考え方や手法に立脚して研究するのが物性物理学です。

​​相対性理論

​相対性理論とは、アルバート・アインシュタインが20世紀初頭に提唱した、時間と空間に関する理論です。現代物理学の柱として重要な理論であり、主な内容は次のとおりです。

  • 1秒や1メートルの長さは、立場や状況によって変わる
  • 質量とエネルギーは同じものである
  • 重力で光が曲がる
  • 重力は時空のゆがみから生まれる
  • 動いていると時間の進み方が遅れる
  • 動いている方向の空間は縮んで見える

​​相対性理論により光の謎が解き明かされ、電磁気学の理論体系がより発展しました。また、宇宙や巨大天体の構造と力学的挙動についての新たな理解がもたらされ、​​宇宙物理学の発展にも繋がりました。

このように、​​相対性理論は物理学の様々な分野の発展の礎になっており、量子力学とともに現代物理学の基礎を成す理論体系となっています。

物理学を学べる主な学部・学科

物理学を学べる主な学部・学科

物理学は、理学部・物理学科や工学部・応用物理学科などで学べます。

理学部で学ぶ物理学は自然現象の理論を解明することを目的としており、工学部で学ぶ物理学はモノづくりに役立つ技術を学ぶことを目的としています。

理学部で学ぶ物理学と工学部で学ぶ物理学の違いは次のとおりです。

理学部で学ぶ物理学
工学部で学ぶ物理学
自然界の法則や現象を解明することを目的とする
モノづくりに関する知識や技術を学ぶ
物理学の基礎(力学、電磁気学、統計力学、量子力学など)を学ぶ
数学・物理をもとにして機械や電気といった社会で役に立つ技術を勉強する
物性だけでなく素粒子や宇宙など物理全体を扱う
物性物理学に大きく力を入れている
自然界で起こる現象の背後にある原理や仕組みを深く掘り下げて探究する
モノづくりのための計算ツールとして数学とともに物理を学ぶ

このように、理学部では自然現象を理論的に解明して証明することを目的としている一方、工学部では既にある理論や科学技術を応用し、いかに実社会に役立てていくかを研究しています。

物理学を学べる大学の例

物理学を学べる大学の例

物理学がある大学の具体例は、以下の通りです。

  • 筑波大学理工学群物理学類
  • 日本大学文理学部物理学科
  • 東海大学理学部物理学科

それぞれ見ていきましょう。

筑波大学 理工学群 物理学類

筑波大学

筑波大学の物理学類では、物理学の基礎を徹底的に学びつつ、現代物理学の広範な知識と実践的なスキルを習得できます。1年次から4年次までのカリキュラムは、基礎から応用まで体系的に構成されています。

加えて、最先端の研究にも触れる機会があるのが特徴です。筑波大学の物理学類のカリキュラムには、以下のような特徴があります。

  • 力学や電磁気学から量子力学・統計力学まで、物理学の全分野を網羅した教育
  • 教員の多くが研究センターに所属し、学生は最新の研究に参加する機会が豊富
  • 実験データの取り扱いや解析方法を学ぶ「物理学実験」科目を通じて、実践的なスキルを養成

筑波大学理工学群物理学類は、物理学の基礎から応用まで幅広く学びたい人や最先端の研究に触れながら学びたい人に向いています。

参照:筑波大学理工学群物理学類

日本大学 文理学部 物理学科

日本大学

日本大学文理学部の物理学科では、理論物理と実験物理の両方を基礎から先端まで幅広く学べます。カリキュラムの特徴は、以下のとおりです。

  • 教員と学生の距離が近く、手厚い指導とサポートが受けられる
  • エンジニアや教育者など、多岐にわたるキャリアオプションと就職サポート体制が整っている
  • 学生実験を通じて実践的なスキルを磨き、理論物理と実験物理の両方を学ぶ

日本大学文理学部の物理学科は、理論と実験の両方に興味がある人、少人数制の教育で丁寧に学びたい人に適しています。

また、論理的思考や問題解決のスキルに加え、最新のテクノロジーを使いこなす力が身に付くでしょう。

参照:日本大学文理学部物理学科

東海大学 理学部 物理学科

東海大学

東海大学の物理学科では、物理現象を合理的に説明し理解することを目指し、基礎から最先端までを学べます。東海大学の物理学科のカリキュラムには、以下のような特徴があります。

  • 体系的なカリキュラムで物理の基礎から最新トピックまで習得
  • 小グループでの実験授業を通じて、物理現象の深い理解と研究技術を習得
  • デジタル計測機器やコンピュータを活用した先進的な教育

そのため、物理学の基礎から最先端まで幅広く学びたい人、少人数制の実験授業で深く学びたい人におすすめです。

物事を根本から解き明かす「理学」の精神に基づいた物理学の教育・研究を展開しているのが、本学科の特徴といえるでしょう。

参照:東海大学理学部物理学科

この学問を学ぶことに向いている人の特徴

物理学を学ぶことが向いている人の特徴

物理学には、どのような人が向いているのでしょうか。主な特徴は以下の通りです。

  • 好奇心が旺盛な人
  • 論理的な思考力がある人
  • 失敗を恐れない人
  • 数学が好きで、数式を使って物事を考えるのが得意な人
  • 実験やデータ分析が好きな人

それぞれ見ていきましょう。

好奇心が旺盛な人

好奇心が旺盛な人

物理学に向いている人の特徴として、好奇心が旺盛な人が挙げられます。物理学を学習する過程では、未知の現象についての理解を深めることが求められます。

未知の現象を解明するには、新しい発見や理論に対する興味や関心が不可欠です。好奇心が旺盛な人は、未解明の事象についての深い理解を追求するための熱意を持っています。

また、物理学の研究はしばしば予想外の結果をもたらします。予想外の結果に直面したときも、好奇心が旺盛な人は常に新しい視点を持ち、新たな発見へと導けるでしょう。

論理的な思考力がある人

物理学では、自然現象を数式や理論で体系的に説明することが求められるため、論理的な思考力が不可欠です。

物理の研究を進めるには、複雑な問題を段階的に分解し、原因と結果の関係性を明確に把握できる能力が必要です。

また、実験データから法則性を見出したり、理論的な予測を立てたりする際には、筋道立てて現象を分析する力も求められるでしょう。

新しい発見を見出す場面では、既知の概念を組み合わせて解決策を導き出す論理的な思考プロセスが重要な役割を果たします。

論理的思考力は、物理学を探究するうえで大きな強みとなるでしょう。

失敗を恐れない人

失敗を恐れない人

失敗を恐れずに挑戦し続けられる人も、物理学に向いています。物理学の研究は試行錯誤の連続です。

理論を構築したうえで実験によってその正しさを検証し、結果が予想と異なれば原因を探し再度理論を修正する作業の繰り返しです。この一連のプロセスを繰り返しながら、真実に近づいていきます。

そのため、物理学に向いている人は、失敗を恐れずに新しいことに挑戦する勇気がある人です。失敗を「新たなスタート」や「進化のためのステップ」と捉えるマインドセットが求められます。

物理学の世界では、一見失敗と思われる結果から新たな発見が生まれることも少なくありません。予想外の実験結果が新たな理論の誕生を促したり、新しい物理現象を発見するきっかけとなったりします。

失敗を恐れずに挑戦し続ける力がある人は、物理学の分野で未知の世界を切り開いていく可能性を秘めているといえるでしょう。

​​数学が好きで、数式を使って物事を考えるのが得意な人

​物理学では、現象を理論やモデルに落とし込む際に数式を用います。そのため、数学が好きで、数式を使って物事を考えるのが得意な人には物理学が向いています。

例えば、力学の運動方程式は微分方程式で成り立っており、微分方程式を解くことで、物体の落下や惑星の軌道など、ありとあらゆる運動を記述できます。

逆に言えば、高校数学が苦手な場合は物理学を学ぶ際に支障をきたす恐れがあります。高校数学が苦手であるにも関わらず、物理学を学びたい場合は早めに苦手意識を克服しておく必要があります。

実験やデータ分析が好きな人

実験やデータ分析が好きな人

物理学では、様々な実験を通して理論やモデルを実証したり、新たな理論やモデルを構築したりします。そのため、実験やデータ分析が好きな人には物理学が向いています。

大学で物理学を学ぶ際には、授業中に実験を行い、レポートを提出する機会があります。レポートには、実験データを分析した結果をまとめる必要があり、統計解析などが必要になる場合があります。

実験やデータ分析が苦手な場合は、実験を伴う科目で高成績を取るのが難しくなってしまうため、注意が必要です。

物理学を学んだことを活かして取得できる資格

物理学を学んだことを活かして取得できる資格

​物理学を学んだことを活かして取得できる資格には次のようなものがあります。

資格
特徴
教員免許(高校理科)
・高校理科の教員免許を取得すると、高校で物理教師として活躍できます。

・教員免許を取得するには、教職課程を修了する必要があります。
放射線取扱主任者
・放射線取扱主任者は、放射線を安全に取り扱う能力を認める国家資格です。

・医療や原子力関連の仕事において活用できます。
技術士(応用理学部門)
・技術士は、各部門における一定の知識を有する科学技術者であることを証明する国家資格です。

・一次試験は誰でも受けられますが、二次試験を受けるには実務経験を積む必要があります。

自分が目指すキャリアにおいて上記の資格が有効に活用できそうな場合は、大学の授業と並行して資格試験の勉強を進めると良いでしょう。

物理学を学んだ後の主な進路

物理学を学んだ後の主な進路

物理学を学べる大学を卒業した人は、どのような進路を歩んでいるのでしょうか。主な就職先・職業で挙げられるのは以下の通りです。

  • 研究・開発職
  • システムエンジニア
  • クオンツ

それぞれについて見ていきます。

研究・開発職

研究・開発職

物理学の知識を活かして、研究・開発職を選ぶ卒業生も多くいます。

職種
概要
研究職
大学や研究機関において新たな物理理論の探求や実験・既存理論の検証などが主な業務。

宇宙物理学や素粒子物理学などの専門的な分野での研究職も存在する。
開発職
企業の研究開発部門で新製品の開発や既存製品の改良などを行う。

半導体や電子部品の開発・新エネルギーの研究・自動車や航空機の性能向上など、物理学の知識が活かされる分野は多岐にわたる。

これらの職種では、物理学の基礎知識はもちろん、最新の研究動向を把握するための情報収集能力が求められます。また、自らの研究成果を他者に伝えるプレゼンテーション能力も必要です。

研究・開発職の就職先は、以下のとおりです。

就職先
解説
電機メーカー
家電や電子部品の開発に従事。物理学の知識を活かして新製品の設計や性能向上を図る。
自動車メーカー
自動車の設計・開発に従事。エンジンや電池、センサー技術の研究に貢献する。
化学メーカー
新しい化学製品や素材の開発に従事。物理学の知識を応用し製品の性能を向上させる。
医療機器メーカー
医療機器の開発に従事。物理学の知識を活かして精密機器の設計や性能向上に寄与。
航空宇宙企業
航空機や宇宙船の開発に従事。物理学の知識を活かして新技術の研究・開発を行う。
エネルギー関連企業
発電やエネルギー管理の技術開発に従事。物理学の知識を活かして効率向上を図る。
IT企業
ソフトウェアやハードウェアの開発に従事。物理学の知識を活かして新技術を研究。
研究機関
公的・民間の研究機関に就職し、最先端技術や基礎研究に取り組む。
大学
大学での教職に就き、教育・研究活動を通じて物理学の発展に貢献する。
政府機関
政府機関に就職し、政策立案や研究支援などに従事する。

物理学に関連する仕事は、高度な数学的思考能力や論理的な問題解決能力が求められます。

システムエンジニア

物理を学んだ学生は、現代の情報社会を支えるシステムエンジニアという職業でも活躍できます。システムエンジニアは、情報システムの設計や開発・運用を行うプロフェッショナルです。

物理学の学びから得られる論理的思考力や問題解決力は、システムエンジニアが必要とするスキルに直結しています。

システムエンジニアの仕事では、物理学の知識を用いて、より効率的で高性能なシステムを設計することが求められることがあります。また、量子コンピューティングや人工知能(AI)などの先端技術の領域では、物理学の理論が直接的に活用されています。

卒業後にシステムエンジニアを目指す場合、IT企業やシステム開発企業への就職を考えると良いでしょう。以下に、一例をご紹介します。

就職先
解説
IT企業
システム開発やインフラ構築に従事。

物理学の論理的思考を活かし効率的なシステムを提供。
通信企業
ネットワークシステムの設計・構築に従事。

通信技術の最適化や新規サービスの開発を担当。
金融機関
金融システムの開発に従事。

リスク管理やトレーディングシステムの構築を担当。
製造業
製造プロセスの自動化や生産管理システムの開発に従事。

効率化と品質向上を図る。

大手企業だけでなく、ベンチャー企業や中小企業でも求められる職種で、物理学のバックグラウンドを持つ人材は高く評価されます。

物理学の知識を活かし、世の中のさまざまな課題解決に貢献するシステムエンジニアとして活躍できるでしょう。

クオンツ

クオンツ

物理学の知識を活かした一つの職業として、クオンツがあります。

クオンツとは

数学・物理学を駆使して、市場動向や企業の業績を分析・予測したり、投資戦略や金融商品を開発・考案したりする数理分析専門家。


クオンツは、ヘッジファンドや投資銀行などの金融機関で働くことが一般的です。最近では、テクノロジー企業やデータ分析会社でも需要が高まっています。

また、物理学者がクオンツに転身するケースも少なくありません。物理学者としての研究経験は、複雑な問題を解決するためのアプローチを身につけるのに役に立ちます。

物理学の知識を活かして高度な問題解決に挑戦したい人には、クオンツという職業は魅力的な選択肢といえるでしょう。

よくある質問とその回答

物理学に関するよくある質問

物理学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。ここでは、以下の5つの疑問にお答えしていきます。

  • 物理学を学ぶ意義は?役に立つ?
  • 物理学と数学の違いは?
  • 物理学と化学の違いは?
  • 物理学と生物学の違いは?
  • 高校生におすすめの物理学を学ぶうえで面白い本は?

​それぞれ詳しく見ていきましょう。

物理学を学ぶ意義は?役に立つ?

物理学を学ぶ意義

物理学を学ぶ意義は、多岐に渡ります。まず、物理学は自然現象を理解するための基本的なツールとなります。

「物体がどのように動くか」「光はなぜ屈折するのか」など、日常的な現象を説明するのが物理学です。また、物理学を学ぶことで論理的思考力や問題解決力を鍛えられます。

実験結果から原理を導き出すためには、膨大な情報の中から本質的な事実を見つけ出す力が必要です。問題解決力や論理的思考力は、物理学者だけでなく、エンジニアやプログラマーなど多くの職業で求められるスキルです。

さらに、物理学は科学技術の発展を推進する原動力になっています。たとえば、量子力学の理論がなければ、現代のコンピューターやスマートフォンは存在していません。

以上の点を踏まえると、物理学を学ぶことは大いに役立つといえるでしょう。

物理学と数学の違いは?

物理学と数学は密接に関連していますが、その目的と手法において大きな違いがあります。物理学は自然現象の理解を目指し、実験や観察を通じて理論を検証することを目指す学問です。

一方、数学は抽象的な概念や関係を研究し、厳密な論理と証明を用いて結論を導きます。以下に、物理学と数学の主な違いをまとめました。

項目
物理学
数学
目的
自然現象の理解と予測
抽象概念の研究と応用
手法
実験・観察・数値解析
論理的証明・抽象的構築
主な内容
力学・電磁気学・量子力学
代数学・幾何学・解析学

歴史的には、19世紀頃まで物理学と数学は密接に関連して発展してきました。現代では、物理学が実験による検証を重視するのに対し、数学は論理的な厳密性を追求するという違いが明確になっています。

物理学と化学の違いは?

物理学と化学の違い

物理学と化学は自然科学の分野ですが、その焦点と研究対象が異なります。物理学は基本的な自然の法則と現象の理解を目指し、物質の構造やエネルギーの変換を研究します。

一方、化学は物質の性質・構成・反応を中心に研究し、新しい物質の合成や反応機構の解明を目指す学問です。物理学と化学の違いを以下にまとめました。

項目
物理学
化学
目的
自然現象の理解と予測
物質の性質と反応の理解
手法
実験・観察・数値解析
実験・観察・合成
主な内容
力学・電磁気学・熱力学
有機化学・無機化学・物理化学

化学では物質の特徴や反応過程の理解に重点が置かれ、実験を通じた検証が重要な役割を果たします。ただし、両分野は完全に独立しているわけではなく、量子力学や熱力学など、多くの領域で互いに密接に関連しています。

特に現代では物質の基本的な性質を理解するうえで、物理学と化学両分野の知識が不可欠です。そのため、物理学と化学の境界があいまいになりつつあるという側面もあります。

物理学と生物学の違いは?

物理学と生物学は、異なる側面から自然界を探求する学問です。物理学は自然の基本的な法則を理解し、エネルギーや物質の振る舞いを研究します。

一方、生物学は生命現象を中心に研究し、生物の構造や機能・進化・相互作用を探ります。それぞれの違いを、以下にまとめました。

項目
物理学
生物学
目的
自然現象の理解と予測
生命現象の理解
手法
実験・観察・数値解析
実験・観察・フィールド調査
主な内容
力学・電磁気学・量子力学
細胞生物学・遺伝学・生態学

研究対象の時間スケールにも違いがあり、物理学は宇宙の起源(約130億年前)までさかのぼります。その点、生物学は生命の起源(約40億年前)を主な研究範囲としているのも両者の異なる点です。

近年では、生物物理学という分野が発展し、物理学の手法を用いて生命現象を理解しようとする試みも進んでいます。

物理学と生物学の境界は曖昧になりつつあり、新たな視点から生命の謎に迫る研究が展開されていることも特筆すべきポイントです。

高校生におすすめの物理学を学ぶうえで面白い本は?

物理学を学ぶうえで面白い本

物理学を学ぶためのおすすめの本として、以下のような書籍が挙げられます。

本のタイトル
概要
ブラックホールの形成・特性・重要性を分かりやすく解説。科学的視点とともにその魅力を探る一冊。
古代から現代に至るまでの驚くべき科学実験を紹介。科学者たちの発見の物語と科学的原理を楽しく理解できる。
ビッグバンから星の形成、生命の誕生に至るまでの宇宙の起源と人類の関係を描く。宇宙の神秘に触れられる内容。
アインシュタインの相対性理論を平易な言葉で解説。特殊相対性理論と一般相対性理論を身近な例で分かりやすく説明。
ダークマター・ダークエネルギー・素粒子・宇宙の構造と進化について解説。初心者でも理解しやすい内容。

興味のある方は紹介した本を読み、物理学への理解を深めてみましょう。

今回の内容のまとめ

まとめ

物理学は、私たちの身の回りの自然現象から宇宙の神秘まで、あらゆる事象を理論と実験によって解明する学問です。


最後に本ページで解説した中でも、物理学に関する重要なポイントを改めてまとめてみました。

  • 物理学とは、自然界の根本的な法則と現象を解明し、それを基にさまざまな技術と応用を発展させる学問である
  • 学ぶ内容としては、力学・電磁気学・熱力学・量子力学・統計力学などが挙げられる
  • 物理学を学べる大学の卒業後の職業としては、研究・開発職・システムエンジニア・クオンツなどが挙げられる
  • 好奇心が旺盛な人・論理的な思考力がある人・失敗を恐れない人に物理学はおすすめ
  • あなたの興味や将来のプランに合わせて、大学を選ぶことが大切

好奇心旺盛で失敗を恐れない人は、ぜひ物理学の扉を叩いてみることをおすすめします。本ページを通して、物理学についての全体像を理解する参考になれば幸いです。

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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