体育の先生になるには？なり方・必要な資格・仕事内容を解説

体育の先生とは？

体育の先生、または体育教諭とは、主に中学校や高校で保健体育の授業を担当し、生徒の体力向上や健康維持に貢献する職業です。

小学校ではクラス担任が体育の授業を担当していましたが、2022年度以降は小学５・６年生を対象として体育の教科担任制がとられるようになりました。

この制度は2025年度以降３・４年生にも広がる見通しとなっています。

彼らの主な役割は、体を動かすことの楽しさや重要性を生徒に伝え、運動能力の向上を図ることです。

本記事では中学校と高校の体育教師について解説します。

具体的には、以下のポイントを取り上げます。

• 体育の先生・体育教師の仕事内容
• 体育の先生の年収・給与
• 体育の先生のやりがい
• 体育の先生という職業の注意点

それぞれ見ていきましょう。

体育の先生・体育教師の仕事内容

体育の先生（体育教師）は、生徒に体育の授業を通じて運動技術や体力向上を指導し、健康的な生活習慣の重要性を伝える役割を担っています。

スポーツの技術を教えるだけでなく、生徒の年齢や能力に応じた運動プログラムを計画・実行し、安全で効果的な運動をサポートすることを含みます。

また「体育」でのスポーツの技術指導だけでなく、「保健」での体の仕組みや健康管理についても扱います。

具体的には以下のような業務があります。

さらに、担任のクラスを持った場合、生活指導や進路相談および指導などの業務も発生します。

授業以外に部活動の顧問を務めることも多く、休日や放課後の指導も重要な仕事の一つです。

体育の先生の年収・給与

体育の先生の年収や給与は、勤務先の学校や地域、経験年数によって異なります。

平均年収の目安としては、中学校であれば660万円、高校であれば699万円です。

高等学校教員の年齢別平均年収は以下の通りです。

参照：高等学校教員｜jobtag、中学校教員 | jobtag

一般的に、公立学校の体育教師の給与は、地方公務員の給与体系に基づきます。

初任給は地方自治体によって差がありますが、おおよそ20万円前後からスタートすることが一般的です。

これに加えて、年次昇給や経験に応じた昇進により、給与が上昇していきます。

私立学校の体育教師の場合、公立学校と比べて給与体系が異なることがあります。

私立学校では、学校の財政状況や方針により、給与に幅があることが一般的です。

公立と比較して高い場合もあれば、逆に低い場合もあります。

体育の先生のやりがい

体育教師のやりがいは、生徒の成長を間近で見守れることにあります。

体育の授業を通じて、生徒が新しいスポーツに挑戦したり、運動能力を向上させる姿をサポートすることで、大きな達成感を得られます。

特に、以下のような点が魅力として挙げられます。

• 生徒の運動面の成長を感じられる
• 生徒が社会性を身につける過程を見ることができる
• 生徒の生活習慣の形成に寄与できる
• 教室とは違う学びを提供できる
• スポーツの楽しさを伝えられる
  

体育の先生という職業の注意点

体育の先生には、他の教科とは違う特有の苦労があります。

• 部活動指導による長時間労働が発生する
• 怪我のリスクがある
• 体力が必要な仕事なので、年齢とともに負担感が増える
  

体育の先生は、体育系部活動の顧問を担当するケースが多くあります。

その場合、放課後や週末の練習と試合に帯同し、生徒たちに指導を行います。

全国大会を目指すなど本格的に活動している部活では、その競技専門の監督として、生徒の前で実演したり一緒に練習をしたりする機会もあるでしょう。

体育の授業での実演も含め、体を動かす機会が多くなれば、それだけ怪我のリスクも増えることになります。

加齢とともに体は衰えるので、体育の先生を長年続けていると、負担感も年々増えていきます。

体育の先生を目指す際は、上記のような点に注意が必要です。

体育の先生になるために必要なこと

体育の先生になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。

必要なことやなる方法について具体的に解説します。

• 大学や短大で教員免許を取得する
• 地方自治体の教員採用試験を受験し合格する
• 私立校の教員採用試験を受験し合格する

それぞれ見ていきましょう。

大学や短大で教員免許を取得する

体育教師になるための基本的な流れは、他の科目の教師と大きく変わりません。

まず、4年制大学に進学し、教職課程を修了することで教員免許を取得するのが一般的です。

特に、体育学部や教育学部の体育学科・保健体育科など、体育に特化した学部で学ぶことが推奨されます。

なぜなら、体育の授業では校庭や体育館での実演が求められるため、専門的な知識と実技の習得が重要だからです。

教員免許の種類

教員免許は、普通免許状、特別免許状、臨時免許状の大きく3つに分かれます。

普通免許状は、その中でさらに3種類に分かれています。

具体的な分類は以下の通りです。

4年生大学に進学した場合、普通免許状の一種か専修を目指すケースがほとんどです。

一方、短期大学に入学する場合、二種免許を取得することになります。

一種は小、中、高のいずれの学校でも指導が可能ですが、二種は小学校と中学校に限定されます。

特別免許状と臨時免許状は、社会人経験のある人を対象にした免許です。

地方自治体の教員採用試験を受験し合格する

公立学校の体育の先生になるためには、 地方自治体が実施する教員採用試験を受験し、合格する必要があります。

試験は一般的に以下の内容で構成されています。

特に体育教師の場合、 実技試験が課されるのが特徴です。

試験内容は自治体ごとに異なるため、志望する地域の試験情報を事前に調査し、計画的に対策を進めることが重要です。

私立校の教員採用試験を受験し合格する

私立学校の体育教師になるためには、 各学校が独自に実施する採用試験を受験し、合格する必要があります。

公立学校とは異なり、私立校の採用は学校ごとに異なるため、以下の流れで情報収集を行いましょう。

• 学校の公式サイトやマッチングサイトを活用し、採用情報を確認する
• 応募条件を満たしているか確認し、必要書類を準備して応募する

試験内容は公立学校の試験と概ね同じですが、 独自の校風や教育理念を重視する学校では、それに沿った内容の問題が出題されることもあります。

そのため、志望する私立学校の特徴を事前にリサーチし、適切な準備をすることが重要です。

このように、公立・私立のどちらのルートを選ぶ場合でも、 体育教師として必要な知識・技能を備え、採用試験にしっかりと備えることが大切です。

高校生の進路

体育の先生になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。

代表的な2つの進路について解説します。

• 4年制大学
• 短期大学、専門大学

それぞれ見ていきましょう。

4年制大学に進学する

体育教師を目指す場合、一般的には体育大学や、教育学部・体育学部・体育科など、体育に特化した四年制大学に進学するのが一般的です。

四年制大学を卒業すれば、中学校・高校の両方の教員免許（中学校教諭一種免許状・高校教諭一種免許状）を取得することが可能です。

大学では、以下のような科目を学びます。

体育教師を目指すには、どの大学でどのような学びを得られるかを把握し、自分に合った進学先を選ぶことが大切です。

短期大学に進学し最短で体育教師になる

短期大学でも体育教師になることは可能です。

特に、短期大学は四年制大学よりも早く卒業できるため、体育教師を目指す最短ルートとなります。

ただし、短期大学で取得できるのは中学校教諭二種免許状であり、高校の体育教師になるためには、一種免許または専修免許が必要です。

短期大学のカリキュラムは、基本的には四年制大学と同じ内容を含んでいます。

ただし、同じカリキュラムを二年間で学ぶため、日々の学習スケジュールが非常に忙しくなります。

また、二種免許では給与が低くなる可能性もあるため、将来的に高校の体育教師を目指す場合は、四年制大学に編入し、一種免許を取得するルートも検討するとよいでしょう。

体育の先生を目指す人におすすめの大学

体育教師を目指す人におすすめの大学は、日本体育大学、大阪体育大学、国士舘大学です。

これらの大学は、専門的なカリキュラムや充実した施設を提供し、教育現場で活躍するためのスキルを身につける環境が整っています。

以下に、各学校の概要を表にまとめました。

参考：日本体育大学

参考：大阪体育大学 スポーツ科学部

参考：国士舘大学 体育学部

参考：筑波大学 体育専門学群

これ以外にも、多くの大学で体育教師を目指すことができます。

下記を参考に、自分に合う大学を探してみてください。

参考：体育の先生を目指せる大学はこちら​

体育の先生を目指す人におすすめの短大、専門学校

体育教師を目指す人におすすめの短大、専門学校は、武蔵丘短期大学、東京リゾート＆スポーツ専門学校、東京工学院専門学校です。

これらの学校では、実践的なカリキュラムや資格取得支援を通じて、教育現場で活躍できるスキルを養うことができます。

以下に、各学校の概要を表にまとめました。

参考：武蔵丘短期大学

参考：東京リゾート＆スポーツ専門学校

参考：東京工学院専門学校

よくある質問と回答

体育の先生に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。

よくある質問とその回答を記載していきます。

体育の先生・体育教諭に向いている人の特徴は？

体育教師に向いている人には、以下のような特徴があります。

これらの特徴を持つ人は、生徒に運動の楽しさを伝えるだけでなく、成長や健康維持の大切さを教えられるため、体育教師に適した資質といえます。

体育の先生に求められること・必要な能力は？

体育の先生には、生徒の成長を支えるための多様なスキルが求められます。

これらをバランスよく発揮することで、生徒のやる気や成長を支えられる体育教師になれます。

体育の先生、保健体育の先生に関連する資格は？

体育教師になるにあたって必要な教員免許について以下の表にまとめました。

体育教師・保健体育の先生に関連する資格は、以下のようなものがあります。

体育教師になるには、教員免許の取得が必須であり、取得後は各自治体の教員採用試験に合格することで、公立学校で勤務することが可能です。

また、アスレティックトレーナーや公認スポーツ指導者などの資格を取得することで、指導の幅を広げたり、生徒の健康管理や特定スポーツの指導においてさらに専門性を高めることができます。

まとめ

本記事では、体育の先生の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。

解説した中でも、体育の先生に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

• 体育の先生とは、学校において生徒に体育の授業を指導する専門職である
• 主な仕事は、生徒に体育の授業を通じて運動技術や体力向上を指導し、健康的な生活習慣の重要性を伝えることである
• 体育の先生に役立つ資格としては、アスレティックトレーナー・公認スポーツ指導者などが挙げられる
• スポーツや運動が好きな人・忍耐強い人に体育の先生はおすすめ
• 中学校の体育教師を目指すなら短期大学・四年制大学に進学・高校の体育教師を目指すなら四年制大学

本記事が体育の先生についての全体像を理解する参考になれば幸いです。

体育の先生になるには？なり方・必要な資格・仕事内容を解説

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