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作成日: 2025/6/23 更新日:2025/6/23

医療情報管理者になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

医療情報管理者になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「医療情報管理者のなり方は?」

「医療情報管理者になるのに必要な資格は?」

このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。

  • 医療情報管理者とはどんな職業なのか
  • 仕事内容・やりがい・給料
  • 医療情報管理者になるには何をすべきか
  • 取得すべき資格
  • 向いている人の特徴

また、医療情報管理者に関するよくある質問にも答えています。

医療情報管理者に興味のある人や、医療情報管理者を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。

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この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部

年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。

医療情報管理者とは?

医療情報管理者

医療情報管理者とは、病院などで患者さんの診療データ(カルテ)や検査記録、会計データなどを安全に管理する仕事です。

医師や看護師と直接患者さんに関わるのではなく、裏方として医療を支える大切な存在です。

医療の質向上や効率化を図るため、膨大な医療データを適切に整理し、必要に応じて分析する役割を持っています。

以下に医療情報管理者の仕事内容や給料についてまとめます。

  • 医療情報管理者の仕事内容
  • 医療情報管理者に求められるスキル
  • 医療情報管理者の給料・給与・年収
  • 医療情報管理者のやりがい
  • 医療情報管理者の働き方
  • 医療情報管理者という職業の注意点

それぞれ見ていきましょう。

医療情報管理者の仕事内容

医療情報管理者は、医療現場の「データ管理」を通じて医療サービスの質向上を支える専門職です。

診療記録や患者情報の正確な取り扱いはもちろん、医療機関の経営や運営にも貢献します。

医療情報管理者の主な仕事内容は以下の通りです。

業務内容
詳細
診療記録の入力・管理
電子カルテや検査結果など、医療情報のデータ化・整備
情報セキュリティ対策
個人情報の保護、アクセス権の管理、内部監査の補助
データ分析
診療傾向、患者数、医療サービスの利用状況などの統計処理
システム運用サポート
電子カルテや医療情報システムの導入・運用支援
部署間の連携
医師・看護師・事務スタッフとの情報共有・調整役
医師や看護師の記録ミスのチェック
カルテなどの書類の誤字脱字、記載事項の間違いがないかチェックする

医療情報管理者は、裏方として医療機関を支える「データの番人」とも言える存在です。

IT知識、医療知識、そしてコミュニケーション能力の三拍子が求められます。

医療情報管理者に求められるスキル

医療情報管理者に求められるスキル

医療情報管理者に求められるスキルは、医療技術よりも、情報管理者としてのITスキルが重視されます。

一方で、他の医療従事者と円滑にコミュニケーションを取るために、基本的な医学や医療用語の知識も必要です。

  • パソコンスキル(Excel、医療ソフトの操作)
  • 医療用語の知識
  • 情報セキュリティの理解
  • 正確な作業と集中力
  • コミュニケーション力(医師や看護師と関わる場面も)

医療情報管理者を目指す人は、上記のようなスキルが自分に備わっているか、これから身につけられるかを検討するとよいでしょう。

医療情報管理者の給料・給与・年収

医療情報管理者の給料・給与・年収については、勤務先や経験年数によって大きく異なります。

中でも、診療情報管理士については、厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」によると、診療情報管理士の平均年収は約478万円です。

この金額は日本の所得の平均値よりやや高めで、医療分野における専門職として安定した収入水準にあります。

実際の給与は、勤務先の規模や地域、担当業務の内容により差が出やすく、大学病院や大規模な医療機関では手当や賞与も含めて高収入が期待できます。

一方、診療所やクリニックなどでは給与水準が控えめな場合もあります。

診療情報管理士は、医療現場の情報管理を担う重要な職種であり、実務経験やスキルに応じて収入が反映されやすいのが特徴です。

資格取得後も継続的なスキルアップによって、年収600万円以上を目指すことも十分可能です。

参照:診療情報管理士|jobtag

医療情報管理者のやりがい

やりがい

医療情報管理者の仕事には、医療現場の基盤を整えることで、多くの人の命や健康を間接的に支える実感があるのが魅力です。

やりがいを感じる主な場面は以下の通りです。

シーン
やりがいの内容
正確な情報管理で医療の質が向上したとき
医師や看護師からの信頼を得られる
患者の安全につながるサポートができたとき
自分の仕事が人の命に関わっている実感
最新システムの導入や運用に携わったとき
新しい技術の中で成長を感じられる
他職種と円滑に連携できたとき
医療チームの一員としての役割を実感
セキュリティ管理でトラブルを未然に防いだとき
責任の大きさがやりがいにつながる

医療情報管理者は、データの力で医療現場を支える「縁の下の力持ち」。

最新技術や情報に常に触れられる環境も魅力です。

医療情報管理者の働き方

医療情報管理者は、医療機関において電子カルテや情報システムの管理・運用を担う専門職です。

データの正確な取り扱いを通じて、診療や経営の現場を支えています。

勤務環境と働き方

主な勤務先は以下のとおりです。

  • 病院、クリニック
  • 大学病院や総合病院の医事課、情報管理部
  • 健診センターや保健所
  • 医療ソフトウェアの開発会社

上記のような職場で、電子カルテの運用、統計データの作成、院内システムの管理などを担当します。

医療DXの進展により、在宅勤務やリモート対応など、柔軟な働き方が可能な職場も増えつつあります。

業務スタイルと関係性

医師や看護師、事務部門と密に連携しながら業務を行うのが特徴です。

院内の各部署と協力し、医療情報の円滑な運用と活用を支える重要なポジションといえます。

医療情報管理者という職業の注意点

注意点

医療情報管理者はやりがいのある仕事ですが、業務の性質上、注意すべき点も多くあります。

個人情報を扱う責任の重さや、最新技術への対応力が問われる場面も少なくありません。

医療情報管理者として働くうえでの注意点は以下の通りです。

注意点
説明
個人情報保護法の遵守
法令順守・セキュリティ対策を徹底する必要がある
法律・技術の変化に即対応
医療法・個人情報保護法・システム更新への知識が必須
多職種との連携力
医療者と技術者の橋渡し的役割も担う
ストレスと集中力
ミスの許されない環境で高い集中力が求められる
技術革新へのキャッチアップが必要
AIやビッグデータ活用など、時代に応じたスキルが必要

こうした注意点にしっかり向き合い、変化に柔軟に対応できる力を磨くことが、医療情報管理者としての成長と信頼につながります。

医療情報管理者になる方法

なる方法

医療情報管理者になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。

ここでは、医療情報管理者の中でも代表的な以下の2つの職種について紹介します。

  1. 診療情報管理士
  2. 医療情報技師

それぞれ見ていきましょう。

診療情報管理士の場合

診療情報管理士は、医療機関における診療記録や統計データを専門的に管理する重要な職種です。

診療情報管理士認定試験に合格して資格を取得する

診療情報管理士は、日本病院会と医療研修推進財団が認定する民間資格です。

以下のいずれかのルートで受験資格を得たうえで、年1回実施される「診療情報管理士認定試験」に合格する必要があります。

  • 日本病院会が指定する大学・専門学校(3年以上)で所定の単位を修得して卒業する
  • 指定外の大学や専門学校を卒業した後、日本病院会の通信教育(2年以上)を修了する

通信教育の受講には、原則として短大・専門学校卒以上の学歴が必要ですが、病院勤務者などには一部例外があります。

医療機関に就職する

資格取得後は、病院の医事課や診療情報管理室で、診療記録の管理や統計データの作成、医療情報の保護管理などの業務を担います。

法的知識や情報セキュリティへの理解も求められる、専門性の高い職種です。

医療情報技師の場合

医療情報技師は、医療機関における診療記録や統計データを専門的に管理する重要な職種です。

医療情報技師試験に合格して資格を取得する

医療情報技師は、一般社団法人日本医療情報学会が実施する「医療情報技師能力検定試験」に合格することで取得できます。

受験資格に制限はなく、誰でも受験可能です。

試験は年1回(8月下旬頃)に行われ、以下の3科目で構成されています。

  • 医学・医療系
  • 情報処理技術系
  • 医療情報システム系

すべての科目に合格することで資格が認定されます。

科目合格制度があり、合格した科目は翌年以降に持ち越すこともできます。

医療機関やシステム会社などに就職する

医療情報技師は、電子カルテの管理や院内ネットワークの構築・保守などを担い、病院・クリニックだけでなく、医療系IT企業やシステムベンダー、コンサルティング会社などでも活躍できます。

医療とITの橋渡し役として重要なポジションです。

医療情報管理者になりたい高校生の進路

高校生の進路

医療情報管理者になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。

代表的な進路について解説します。

  • 大学に進学する
  • 短大や専門学校に進学する

それぞれ見ていきましょう。

大学に進学する

医療情報管理者を目指す高校生が大学に進学する場合、医療情報や医療ITを学べる学科・コースを選ぶのが一般的です。

中でも、診療情報管理士の指定養成校として認定されている大学を選べば、卒業と同時に診療情報管理士認定試験の受験資格を得られるため、効率的に資格取得を目指せます。

また、医療情報技師を目指す場合も、情報系や医療系の知識をバランスよく学べるカリキュラムが組まれている大学で学ぶことで、将来の試験対策にもつながります。

医療業界の幅広い知識と、高度な情報管理スキルを身につけたい人に向いています。

短大や専門学校に進学する

より早く実践的なスキルを身につけたい場合は、短大や専門学校への進学が有力な選択肢となります。

特に、診療情報管理士の指定校となっている専門学校であれば、在学中に必要な単位を修得することで、卒業と同時に認定試験の受験資格を得ることができます。

また、情報処理技術や医療事務などの実務スキルに重点を置いたカリキュラムを展開している学校も多く、卒業後すぐに医療現場で活躍したい高校生にとって適した環境です。

専門学校で学びながら、医療情報技師試験への合格を目指すことも可能です。

おすすめの大学

おすすめの大学

医療情報管理者を目指す方におすすめの大学は、新潟医療福祉大学、国際医療福祉大学、高崎健康福祉大学です。

これらの大学では、医療情報管理に必要な専門知識や実務スキルを体系的に学べるカリキュラムが整っており、実践的な教育を通じて、即戦力となる人材を育成しています。

以下に、各大学の概要を紹介します。

学名
学科・コースの概要
医療情報管理学科では、1・2年次にビジネススキルを学び、3年次から「情報・IT」「経営」「医療」の3分野を選択的に学ぶカリキュラム
電子カルテシステムなど最新の医療システムを実践的に学べるバーチャルホスピタルを設置し、診療情報管理士や基本情報技術者など多様な資格取得に対応
医療福祉・マネジメント学科の診療情報管理・経営コースでは、1年次に「医療」「福祉」「マネジメント」の基礎を学び、2年次から専門分野を学修
附属病院の実データ分析による実践的な統計手法の習得と経営戦略が立案できる人材を養成し、診療情報管理士や医療事務、マネジメント、簿記会計、医療情報など多様な資格取得サポート
特別講座・模擬試験・個別指導など充実した受験指導体制を整備し、在学中に3年次と4年次の2回の受験チャンスがある
医療情報学科では、専門的な医療の知識と高度な情報技術を同時に学べる環境
2年次から「医療コース」と「情報システムコース」の2コースあり、医療と情報技術の両分野に強みを持った社会人を育成
診療情報管理士や医療情報技師などの資格取得に対応

医療情報管理者を目指せる大学

上記に挙げた大学以外にも、医療情報管理者を目指せる大学はあります。

年内入試ナビでは、医療情報管理者を目指せる大学の一覧をまとめています。

こちらもぜひ参考にしてください。

参考:医療情報管理者を目指せる大学の一覧はこちら

おすすめの短期大学・専門学校

おすすめの短期大学・専門学校

医療情報管理者を目指す方におすすめの短期大学・専門学校は、湘南医療大学短期大学部、ユービック情報専門学校、大阪医療福祉専門学校です。

これらの学校では、診療情報管理士や医療情報技師の資格取得を目指し、医療とITの知識を融合させたカリキュラムが整備されています。

以下に、各学校の概要を紹介します。

学校名
学科・コースの概要
診療情報管理士コースでは、診療情報管理士の資格取得を目指し、医療事務や情報管理の専門知識を学べるカリキュラム
実務経験豊富な教員による指導と、病院実習を通じて実践力を養成
医療ITコース(3年制)では、医療機関のDX化に対応するIT技術と医療知識を習得
電子カルテや会計システムの管理・保守を行う医療情報技師の資格取得を目指せる環境
診療情報管理士学科(3年制)では、診療情報管理士の資格取得を目指し、医療情報の収集・分析・管理のスキルを習得
病院実習や資格対策講座を通じて即戦力を育成

よくある質問

faq

医療情報管理者に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。

よくある質問とその回答を記載していきます。

医療情報管理者に向いている人の特徴は?

医療情報管理者に向いている人には、以下のような特徴があります。

向いている人の特徴
特徴の詳細
細かい作業が得意
膨大な診療記録や個人情報を扱うため、細部まで丁寧に確認し、正確に処理できる集中力と慎重さが求められる
情報管理への意識が高い
機密性の高い医療データを取り扱うため、強い責任感と情報漏洩を防ぐ意識が不可欠
一人でコツコツ進める計画性がある
任された業務を自分で管理しながら着実に遂行できる人に向いている
コミュニケーション力がある
医師・看護師・事務職・経営層との連携が必要な場面もあり、報告や確認を的確に行う力が求められる
IT・PCスキルに自信がある
電子カルテや医療情報システム、Excelなどを日常的に使うため、基本的なITスキルと操作力が必要

これらの特徴を持つ人は、医療情報管理者として正確で効率的な情報管理を行い、医療現場を支える重要な役割を果たすことができます。

特に「情報管理意識の高さ」と「ITスキルの習得」は大きな強みとなります。

医療情報管理士と診療情報管理士の違いは?

「診療情報管理士」は正式な資格名称、「医療情報管理士」は広義的に使われる呼称で、役割や定義に差があります。

比較項目
診療情報管理士
医療情報管理士
名称の正確性
正式な資格名(民間資格)
明確な資格は存在せず、広義的に使われる呼称
主な役割
診療記録や医療データの管理・分析を行う専門職
診療情報管理士や医療情報技師などの職種全般を指す場合あり
業務内容
診療記録の整理・統計・がん登録・DPC分析など
医療情報の管理やシステム運用を含む場合がある
用語の使われ方
医療現場で一般的に使用され、職務も明確
現場では診療情報管理士とほぼ同義で使われることが多い

「診療情報管理士」は“資格として確立された職種名”、“医療情報管理士”は“包括的・便宜的に使われる呼称”という点が大きな違いです。

まとめ

まとめ

本記事では、医療情報管理者の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。

解説した中でも、医療情報管理者に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 医療情報管理者とは、医療機関における情報の管理や活用を担う専門職である
  • 主な仕事は、電子カルテ・診断情報の管理・レセプト点検・情報システム運用などが挙げられる
  • 医療情報管理者として働く上で、「診療情報管理士」や「医療情報技師」の資格を持っていると就職や実務で非常に有利になる
  • 細かい作業が得意な人・情報管理への意識が高い人に医療情報管理者はおすすめ
  • 医療情報管理者になりたい高校生は診療情報管理士の受験資格が得られる医療系の大学や専門学校に進学するのがおすすめ

本記事が医療情報管理者の全体像を理解する参考になれば幸いです。

医療情報管理者になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

医療情報管理者になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

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この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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