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作成日: 2025/2/21 更新日:2025/2/21

生活科学では何を学ぶ?学ぶことや就職先を徹底解説

生活科学では何を学ぶ?学ぶことや就職先を徹底解説

この記事で学べること

  • 生活科学とはどんな学問なのかが分かる
  • 専攻すると何を学ぶのかが明確になる
  • 学べる大学
  • 学んだ後の進路や就職先
  • 向いている人の特徴

生活科学とは何を学ぶのか気になっている方、キャリア選択の参考にしたい方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。

生活科学とはどんな学問なのか

生活科学とじゃどんな学問なのか

生活科学とは、日常生活に密接に関連する幅広い分野を学ぶ学問です。衣・食・住、家庭生活、人間関係、健康と福祉など、多岐にわたるテーマを取り扱い、人々の生活をより快適で豊かにするための知識と技術を身につけます。

たとえば、衣服の素材やデザイン、栄養学、住宅設計、インテリアデザイン、コミュニケーションスキルなどを学ぶことで、快適で機能的な生活環境を整えたり、健康的な食生活を実践したり、良好な人間関係を築く力が養われます。また、学んだ知識は日常生活で即実践できるため、生活の質を向上させる実践力を養うことができます。生活科学で得られる知識と技術は、生涯にわたって役立つものばかりです。

次の章では生活科学で学ぶ内容・分野についてお伝えします。

生活科学部・学科とは何を学ぶ学部?学ぶ内容・分野を紹介

生活科学部・学科とは何を学ぶ学部か

生活科学は、日常生活に密接に関連する幅広い学問分野を学ぶことができる学問です。その中で、衣・食・住といった基本的な要素に加え、現代の社会や技術の進化に伴い、新たな学びの領域も生まれています。ここでは、生活科学における基本的な学びに加え、近年注目される新たな学問分野についても解説します。

従来から学んでいる内容・分野

  • 衣・食・住
  • 家庭生活と人間関係
  • 健康と福祉

それぞれ見ていきましょう。

衣・食・住

生活科学部・学科では、日々の生活に欠かせない「衣・食・住」の知識を幅広く学びます。以下の表は、各分野で学ぶ主要な内容をまとめたものです。

分野
学ぶ内容の一例

ファッションデザイン

テキスタイル科学

衣類の素材や機能性

衣服の歴史と文化

ファッション産業

衣服制作の実習

栄養学

食品科学

調理科学

栄養バランス

食品の保存・加工技術

食品衛生

食文化

調理実習

住環境デザイン

建築学

インテリアコーディネート

設計技術

省エネ住宅

持続可能な建築技術

これらの分野に関する幅広い知識を身につけることで、生活の質を向上させるための多角的な視点と実践的なスキルを養います。これらの知識は、個々の生活にとどまらず、社会全体の生活品質向上にも貢献します。

健康と福祉

生活科学部・学科では、健康と福祉についても重要な学びを得られます。以下の表は、健康と福祉に関する学びの主な内容を示しています。

分野
学ぶ内容
健康

栄養学

運動生理学

疾病予防

健康的なライフスタイル提案

疾患予防のアドバイス

福祉

高齢者や障がい者の生活支援

福祉政策

社会保障制度

介護技術

地域社会との連携

健康と福祉の分野での学びは、個人の健康管理から地域社会全体の福祉向上まで幅広くカバーしており、その知識とスキルは多岐にわたる職業で役立ちます。これらの知識は、現代社会においてますます重要性を増しています。

新たに学ぶことになった内容・分野

環境と持続可能性

持続可能な社会を実現するためには、環境に優しいライフスタイルの推進が不可欠です。生活科学部では、省エネルギー技術やリサイクル方法、エコデザインなど、環境に配慮した生活のための学びが進んでいます。これにより、環境に負荷をかけない製品や建物、ライフスタイルのデザインが可能になり、持続可能な社会の実現に向けた具体的な方法を学ぶことができます。

学ぶ内容の一例:

  • 省エネ技術、再生可能エネルギー、エコロジー
  • 持続可能な住宅・都市設計
  • 廃棄物削減技術やリサイクルシステム

消費者行動とマーケティング

消費者行動や市場動向の分析は、商品開発やサービス改善において重要な役割を果たします。生活科学の分野では、消費者心理や購買行動に関する研究が進められており、これらの知識を基により良い製品やサービスを提供する方法を学ぶことができます。また、消費者のニーズを正確に把握し、マーケティング戦略を練る能力も養えます。

学ぶ内容の一例:

  • 消費者心理学、購買行動の分析
  • 市場調査、消費者ニーズの把握
  • マーケティング戦略、プロダクトデザイン

ライフスタイルと社会的課題

生活科学部では、現代社会の課題に取り組むための学びも重要視されています。少子高齢化や核家族化、働き方改革などの社会的変化に対応したライフスタイルの提案が求められる中で、生活科学はその解決に貢献するための知識を提供します。社会的な背景を理解し、持続可能で調和の取れた生活環境を築くための方法を学べます。

学ぶ内容の一例:

  • 少子高齢化社会における福祉学
  • 核家族化におけるコミュニケーション技術
  • 働き方改革とライフスタイルの変化

情報技術と生活科学

情報技術(IT)の進化は、生活科学にも大きな影響を与えています。ウェアラブルデバイスやスマートホーム技術、健康管理アプリなど、最新のテクノロジーを生活に取り入れる方法を学ぶことができます。生活の質を向上させるためにITをどのように活用するかを学ぶことで、未来のライフスタイルを実現するためのスキルを身につけることができます。

学ぶ内容の一例:

  • スマートホーム技術やIoT(モノのインターネット)
  • ウェアラブルデバイスによる健康管理
  • デジタル生活支援システムの開発

地域づくりとコミュニティ支援

地域社会との連携やコミュニティ支援も、生活科学の重要な領域です。地域活性化や福祉支援、社会的包摂のための活動が含まれます。地域づくりにおいて、地域住民のニーズに応じた生活環境の改善や、地域全体の福祉向上に貢献するための知識と実践力を学ぶことができます。

学ぶ内容の一例:

  • 地域活性化、地域づくりのための計画とデザイン
  • 社会的包摂と福祉の支援方法
  • コミュニティ参加型の生活支援活動

生活科学で学ぶ内容を理解したところで、次の章では学べる大学についてお伝えします。

生活科学を学ぶことができる学部・学科

生活科学を学ぶことができる学部・学科

ここでは生活科学を学ぶことができる学部・学科を紹介します。

学部名

学科名(例)

学べる内容

生活科学部

生活支援学科、家政学科、環境デザイン学科

生活に関する基本的な知識、住まいや環境の改善、家庭生活の支援技術など

食物栄養学科

食品栄養学科

栄養学、食品科学、健康、食の安全性等

保健学部

保健学科

健康管理、医療、福祉関連の分野、健康づくりの方法や医療支援技術

環境学部

環境デザイン学科、都市環境学科

環境保護、地域づくり、持続可能な社会づくり、エコロジーの考え方

心理学部

心理学科

心理学、行動科学、福祉、社会支援など、人間の心と行動に関する学問

福祉学部

福祉学科、介護福祉学科

福祉、社会サービス、介護技術等、社会的支援を必要とする人々への支援

家政学部

家政学科

家庭管理、家事技術、食事の提供、生活支援に関わる知識と実践技術

健康学部

健康学科

健康維持、運動、栄養、ストレス管理、疾病予防など、健康全般に関する学問

人間科学部

人間科学科

人間の心身の理解、社会的行動、教育、福祉、ライフスタイルの改善に関する学問

学べる学校は?大学の一例

学べる大学はどこか

生活科学を学べる大学の具体例は以下の通りです。

  • 郡山女子大学家政学部生活科学科
  • 金城学院大学生活環境学部生活マネジメント学科
  • 日本女子大学家政学部家政経済学科

それぞれ見ていきましょう。

郡山女子大学家政学部生活科学科

郡山女子大学の生活科学科では、生活科学と情報科学の知識や技術を実践的に学び、地域社会に貢献できる人材を育てることを目指しています。教育の中で主体性や協働性を養い、現代社会の課題に対応できる能力を身につけることが特徴です。

郡山女子大学家政学部生活科学科には以下の特徴があります。

  • 科学的な根拠に基づく生活科学を学ぶカリキュラムを提供
  • 実践的な教育を通じて主体性や協働性を育成
  • 地域社会の活性化に貢献できる専門知識を習得できる環境を整備

そのため、地域社会に貢献し、実践的な知識と技術を学びたい人に向いています。

参照:郡山女子大学家政学部生活科学科

金城学院大学生活環境学部生活マネジメント学科

金城学院大学

金城学院大学の生活マネジメント学科は、消費生活や家族福祉、情報活用の3つの分野を学び、変化の激しい現代社会での生活管理能力を育成します。実践的な学びを通じて、金融や法律の知識を身につけ、2年次からは専門コースに分かれてキャリアに直結する教育を提供しています。

金城学院大学生活環境学部生活マネジメント学科には以下の特徴があります。

  • 生活設計に役立つ知識を幅広く習得できるカリキュラムを提供
  • ファイナンシャルプランナーや外務員(証券)資格の取得を支援
  • 教員や公務員の採用試験対策が充実

そのため、生活設計や金融・経済に関心があり、実践的な知識を身につけたい人に向いています。

参照:金城学院大学生活環境学部生活マネジメント学科

日本女子大学家政学部家政経済学科

日本女子大学の家政経済学科では、経済学を中心に生活に関連するさまざまな社会問題を幅広く分析します。生活者の視点を大切にしながら、持続可能な社会の実現に向けて必要な知識と行動力を身につけることを目指しています。

日本女子大学家政学部家政経済学科には以下の特徴があります。

  • 経済学と生活の視点を融合した学びを提供
  • 少人数制のゼミで深い議論と多面的な視野を養成
  • 消費生活アドバイザー資格取得のサポートを実施

そのため、経済や社会問題を生活者の視点で捉え、持続可能な社会の実現に貢献したい人に向いています。

参照:日本女子大学家政学部家政経済学科

生活科学の勉強が活かせる就職先・職業・仕事

生活科学の勉強が活かせる就職先など

生活科学が活かせる仕事はどのようなものがあるのでしょうか。

代表的な4つの就職先について解説します。

  • 食品・栄養関連業界
  • 福祉・医療業界
  • アパレル・ファッション業界
  • 教育業界

それぞれ見ていきましょう。

食品・栄養関連業界

食品・栄養関連業界は、生活科学で学んだ知識を最大限に活かせる分野です。この業界では、食品の製造・販売から栄養管理、食品衛生に至るまで、幅広い専門知識が求められます。以下に主な職種とその仕事内容を紹介します。

職種
仕事内容
栄養士・管理栄養士

食生活改善のアドバイス・指導

栄養計画

食品衛生管理者

衛生管理

食中毒予防

品質管理

研究職

新しい食品成分の研究

食品開発

製品開発

品質管理

消費者への情報提供

食品・栄養関連業界は、生活科学の知識が幅広く活かせる分野であり、消費者の健康を守り、生活の質を向上させることに大きく貢献します。

福祉・医療業界

福祉・医療業界

福祉・医療業界は、生活科学の知識が直接的に役立つ分野の一つです。人々の健康と生活の質を向上させることを目的に、多くの職業でその知識が活用されます。以下に主な職種とその仕事内容を紹介します。

職種
仕事内容
介護福祉士
高齢者や障がい者の日常生活支援
医療ソーシャルワーカー
患者と家族の支援、心理的・社会的サポート
福祉用具の開発・バリアフリー設計
使いやすく安全な生活環境の提供
地域福祉コーディネーター
地域福祉活動の促進と調整

福祉・医療業界では、生活科学で培った知識とスキルが多くの場面で役立ち、社会全体の生活の質を向上させることに大きく貢献します。

アパレル・ファッション業界

アパレル・ファッション業界は、生活科学の知識を活かせる魅力的な分野です。この業界では、衣料品の素材やデザイン、消費者心理、マーケティングなど、幅広い知識が求められます。以下に主な職種とその仕事内容を紹介します。

職種
仕事内容
企画・デザイン職

衣料品の企画・デザイン

素材の選定

マーチャンダイザー・バイヤー
製品の企画から販売までの管理
マーケティング職

ブランド構築

プロモーション活動

品質管理・サプライチェーンマネジメント

製品の品質維持

生産と流通管理

生活科学で学んだ幅広い知識は、アパレル・ファッション業界のさまざまな職種で強みとなり、消費者のライフスタイルやトレンドを理解し、ビジネスに応用することで、成功への道を築く基盤を提供します。

教育業界

教育業界

職種

仕事内容

家庭科教員

学校で家庭科の授業を担当し、生活に関する知識(食事、家計管理、衣食住など)を生徒に教える

福祉教育職

福祉関連の教育を行い、福祉支援や介護の基礎を学んでもらうためのカリキュラムを作成・実施

保育士・幼稚園教諭

保育士や幼稚園教諭は、子どもたちに対して保育や教育を行う職業です。生活科学で学んだ知識は、子どもの発達や日常生活の支援に活かされ、保護者と協力して子どもたちの成長をサポートする

教育業界でのキャリアは、生活科学を通じて得た知識を活かして、次世代の社会を支える人材の育成に貢献することができます。

以上の職種からわかるように、生活科学の知識は非常に幅広く、さまざまな業界で活躍することができます。社会に役立つ職業に就き、人々の生活の質を向上させる仕事ができるのが大きな魅力です。

生活科学の学びを活かして取得できる資格

生活科学の学びを生かして取得できる資格

ここでは生活科学の学びを生かして取得できる資格を紹介します。

資格名

関連分野

資格の説明

栄養士

食品科学、栄養学

健康管理や栄養指導の専門家として、食事の管理や栄養バランスの調整を行う資格。

管理栄養士

食品科学、栄養学

医療機関や福祉施設での栄養管理、栄養指導を行う専門家で、栄養士資格を持った後、さらに専門知識を深めるための資格。

調理師

食品科学、調理学

食品を調理・提供する技術と知識を持つことを証明する資格。学校やレストラン、病院での調理業務に必要。

インテリアコーディネーター

住環境デザイン、インテリア学

住環境におけるインテリアのデザインやコーディネートを担当するための資格。住宅の設計やリフォームに役立つ。

建築士(1級、2級)

住環境デザイン、建築学

建物の設計・施工を行うための資格。住宅、商業施設、公共施設などの設計に関わる仕事に必要。

福祉住環境コーディネーター

福祉、住環境デザイン

高齢者や障がい者向けの住環境設計を行うための資格。介護施設やバリアフリー住宅の設計に必要な知識を身につける。

介護福祉士

福祉、健康・福祉

高齢者や障がい者の生活支援を行うための資格。福祉施設での介護業務を行うために必須の資格。

ホームヘルパー(介護職員初任者研修)

福祉、健康・福祉

介護の基本的な技術と知識を学び、福祉施設での支援業務を行うために必要な資格。

住環境デザインアドバイザー

住環境デザイン、福祉

住宅設計において、安全で快適な住環境を提供するための資格。特に高齢者向けの住環境のデザインに特化している。

ファッションビジネス能力検定

ファッション、テキスタイル科学

ファッション産業に関するビジネス知識を評価する資格。ファッション業界でのマーケティングや販売に必要な基礎知識を身につける。

テキスタイル技術者

テキスタイル科学、ファッション

繊維業界での技術者資格。生地の製造、加工、品質管理などに関わる業務に必要な技術と知識を持つことを証明する資格。

環境プランナー

環境デザイン、持続可能な生活

環境に配慮した生活設計や持続可能な社会づくりに貢献するための知識と技術を持つことを証明する資格。

健康管理士

健康、福祉、栄養学

健康に関する知識を活かして、個々の健康を管理・指導するための資格。健康づくりをサポートする職業で活躍するために必要。

心理相談員

家庭生活、人間関係

生活上の問題に対する心理的な相談・カウンセリングを行うための資格。家庭内での問題解決や個人の心理サポートを提供する職業。

学ぶのに向いている人の特徴

学ぶのに向いている人の特徴

生活科学を学ぶのに向いている人には、以下のような特徴があげられます。

特徴
説明
実生活に密着した問題に興味がある
家事、育児、住まい、食事、健康など、日常生活に密接に関連するテーマに関心がある。これらの問題を科学的に解決することに意欲がある
人々の生活の質を向上させたいと思っている
生活科学の研究成果を通じて、他者の生活を豊かにすることに関心があり、社会全体に貢献することを目指している
多様な分野に興味がある
栄養学、住居学、被服学、家族関係学など、複数の学問分野に興味を持ち、それらを統合して考えることが得意
実践的なアプローチが好き
理論だけでなく、実際の生活に応用できる知識やスキルを学ぶことに重きを置いており、実践的な活動を通じて成果を上げることを好む

このような特徴を持つ人は、生活科学の学問を通じて、社会や個人の生活の質を向上させるための知識とスキルを身につけることができるでしょう。

メリット・デメリット

メリット・デメリット

生活科学を学ぶことのメリット・デメリットを解説します。

メリット

メリット

説明

多角的な視点を持てる

衣・食・住など日常生活の基盤となる分野を広く学ぶことで、生活に対する多角的な理解が深まる。

社会問題に対応できる

少子高齢化、環境問題、福祉のニーズなど現代社会の課題に対応するための知識を得られる。

実生活に直結した学び

学んだ知識を日常生活や社会の問題解決に活用できるため、学びの成果がすぐに生活に反映されやすい。

多様なキャリアパス

福祉、ヘルスケア、環境デザインなどさまざまな分野で活躍できるため、就職先が多様である。

社会貢献度が高い

健康、福祉、環境保護など社会全体の生活の質を向上させる活動に貢献できる。

技術と知識の融合

生活技術、デザイン、環境問題など異なる分野を統合して学ぶことで、実務に必要な多様なスキルが身につく。

デメリット​

デメリット

説明

専門的な知識の必要性

生活科学は多岐にわたる分野をカバーしているため、各分野においてある程度の深い専門知識が必要になる。

学際的な学問であるため複雑

衣・食・住を包括的に学ぶため、幅広い領域に対応する必要があり、理解が広範囲である分、学習が複雑になる。

学問の実践性が強すぎる場合も

実生活に密接に関連する分野が多いため、実際の学問の理論と実践とのバランスが取れない場合、理論面での深さが欠けることがある。

社会的な認知度が低い可能性

他の専門分野に比べ、生活科学の学問が一部で認知度や専門性が低く見られることがあり、進学先の選択肢や就職先が限られることも。

学びの領域が広すぎるため迷うことがある

幅広い領域を学ぶため、学問の進むべき道が途中で迷いやすく、特定の分野に絞ることが難しく感じる場合もある。

よくある質問

よくある質問

生活科学に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。よくある質問とその回答を記載していきます。

生活科学は何系?理系か文系どっち?

生活科学は、その学問領域が非常に幅広いため、一概に理系か文系かを決めることは難しいです。生活科学には、栄養学や住居学、被服学、家族関係学、生活設計など、さまざまな分野が含まれています。

例えば、栄養学や住居学は理系の要素が強く、生物学や化学、物理学といった科学的な知識を基礎にしています。これらの分野では、科学的な方法を用いて問題解決を図ることが求められます。一方、家族関係学や生活設計などの分野は、社会学や経済学、心理学などの文系的なアプローチが重要です。これらの分野では、人間関係や社会構造、家庭生活の在り方などを理論的に探求し、社会的な問題の解決を目指します。

したがって、生活科学は文系と理系の両方の要素を持つ学問といえます。どの分野に重点を置くかによって、理系的なアプローチが求められる場合もあれば、文系的な思考が重要になる場合もあるでしょう。この多様性が、生活科学の魅力の一つでもあります。

生活科学と食物学の違いは?

生活科学と食物学は、どちらも人々の生活に密接に関連する学問ですが、研究対象や目的が異なります。それぞれの違いを以下にまとめます。

学問
生活科学
食物学
研究対象

家事

育児

住まい

食事

健康

食品の栄養価

安全性

調理法

研究目的
日常生活に密接した問題を解決し、生活の質を向上させる
食の安全性や健康への影響を研究し、食文化を探求する
説明

生活科学は、人々がより豊かで健康的な生活を送るための知識と方法を提供します。

家庭環境や社会問題に対する解決策を研究し、実生活に応用することを目指します。

食物学は、食品がどのように健康に影響を与えるか、どのように安全に消費されるべきかを研究します。

調理法や保存方法、食品加工の技術なども含まれ、栄養学と深い関連があります。

生活科学は広範な生活全般を扱う学問であり、社会的な側面も含めた実践的な解決策を提供することを目的としています。一方、食物学は食に特化した学問で、特に食品が人間の健康や生活にどのように影響を与えるかに焦点を当てています。

日常生活に関心がある・幅広い分野に興味がある人は、生活科学を学ぶのがおすすめです。食と健康に関心がある・食文化に興味がある人は食物学が学ぶといいでしょう。

まとめ:生活科学とは

まとめ

本記事では、生活科学の定義から、学ぶ内容、生活科学を学べる大学、学んだ後の進路や就職先、向いている人の特徴までを解説しました。

解説した中でも、生活科学に関する重要なポイントを最後に記載していきます。

  • 生活科学とは、日常生活に密接に関連する幅広い分野を学ぶ学問である
  • 学ぶ分野としては、衣食住・家庭生活と人間関係・健康と福祉などが含まれる
  • 生活科学を学べる大学の卒業後の主な就職先としては、医療業界・食品業界・アパレル業界などが挙げられる
  • 実生活に密着した問題に興味がある人・人々の生活の質を向上させたい人に生活科学はおすすめ
  • 生活科学を専攻できる大学でも入学後のカリキュラムが異なるので、あなたの興味やキャリア目標に合わせて大学を選ぶ

本記事が、生活科学の全体像を掴むうえで役立てば幸いです。

この記事の監修者

竹内 健登

竹内 健登

東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。


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