作成日: 2025/8/19 更新日:2025/8/19
入国審査官になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説

「入国審査官のなり方は?」
「入国審査官になるのに必要な資格は?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、主に以下のことについて解説します。
- 入国審査官とはどんな職業なのか
- 仕事内容・やりがい・給料
- 入国審査官になるには何をすべきか
- 取得すべき資格
- 向いている人の特徴
また、入国審査官に関するよくある質問にも答えています。
入国審査官に興味のある人や、入国審査官を目指している人に向けてわかりやすく解説しますので、最後までご覧ください。
この記事を書いた人

年内入試ナビ編集部
年内入試ナビ編集部は、総合型選抜並びに推薦入試対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部の講師経験者で構成されています。 編集部の各メンバーは社会人のプロ講師という立場で高校生の総合型選抜や公募推薦・指定校推薦対策のサポートを現役で担当しています。 メンバーの一例としては、「大学受験の指導実績が15年越えの講師や総合型選抜・公募推薦対策の専門塾を現役で運営している塾長、教員免許保有者等が在籍。 各教員の指導経験に基づいた実体験の情報をベースに年内入試関連の様々な情報を定期的に配信しています。
入国審査官とは

入国審査官とは、外国人が日本に入国する際の審査や出国する際の確認を行う法務省の職員であり、国家公務員です。
彼らの主な役割は、旅券やビザの確認を通じて入国の適否を判断し、国境の安全を守ることです。
入国審査官は空港や港湾などで勤務し、対象者の書類や荷物をチェックし、必要に応じて面接を行います。
これにより、不正入国やテロリズムなどのリスクを未然に防ぎます。
また、入国審査官は入国管理法に基づき、法的な知識を活用して審査を行うため、法務に関する知識も求められます。
以下に入国審査官の給料や仕事内容などについてまとめます。
- 入国審査官の仕事内容
- 入国審査官の給料・給与・年収
- 入国審査官のやりがい
- 入国審査官に必要な知識、資格、スキル
- 入国審査官の働き方
- 入国審査官という職業の注意点
それぞれ見ていきましょう。
入国審査官の仕事内容
入国審査官は、日本の空港や港で、外国人の入国・出国を監視する国境管理の専門職です。
安全保障や不法入国の防止を目的に、法令に基づいた厳正なチェックを行います。
- 旅券(パスポート)やビザの確認
- 入国目的の聞き取りと入国の可否判断
- 危険物や違法物品の所持確認
- 出入国管理及び難民認定法に基づく調査や面接対応
- 空港・港での入国管理業務全般
- 法律違反の疑いがある人物の対応や報告業務
- 外国人の入国・出国手続き
入国審査官は、国家の安全と国際秩序を守る最前線の職務であり、責任感と迅速な判断力が求められる仕事です。
入国審査官の給料・給与・年収

入国審査官の給料・給与・年収については、その勤務先や経験年数によって大きく異なります。
厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」によると、入国審査官の平均年収は約481万円です。
参照:入国審査官:jogtag
入国審査官の給与は国家公務員としての給与体系に基づいており、安定した収入が得られます。
年収は平均して400万円から600万円程度ですが、役職や勤務地によってはこれを超えることもあります。
また、国家公務員としての福利厚生も充実しており、健康保険や年金などの制度が整っています。
安定性が高く、将来的なキャリアの選択肢も豊富です。
入国審査官のやりがい
入国審査官は、日本の安全を支えるという高い使命感と、国際的な交流の現場で働ける魅力を兼ね備えた仕事です。
- 外国人とのやり取りで得られる異文化理解と国際感覚
- 外国語スキルや判断力が仕事を通じて向上
- 法律や国際情勢に関する知識を深められる
- 困難な判断に対応したときの達成感
- 公務員としての安定した待遇
日々の業務を通じて、自分のスキルが成長し、社会に貢献している実感を得やすい仕事です。
入国審査官の働き方

入国審査官の働き方は、公務員として正規雇用され、シフト制による勤務が大半です。
以下に入国審査官の働き方の特徴をまとめました。
- 空港や港の入国管理局での常駐勤務(旅客の多い時間帯に対応)
- シフト制による交替勤務(夜勤・休日勤務あり)
- 混雑時や緊急対応時には長時間勤務の可能性あり
- 公務員としての安定雇用や昇進制度あり
- 状況判断力と即応力が求められる環境
- 転勤の可能性あり(全国の空港や港)
雇用の安定性が魅力のひとつである一方で、全国の空港や港へ転居を伴う転勤を命じられる可能性があります。
入国審査官に必要な知識、資格、スキル
入国審査官として働くためには、法律・語学・多文化理解・判断力など、多様なスキルが必要です。
必要な知識・スキル
- 出入国管理及び難民認定法などの法令理解
- 英語を中心とした外国語スキル(他言語があれば尚良)
- 異文化への理解と柔軟な対応力
- 問題解決能力、迅速な判断力、ストレス耐性
- 接客対応業務に必要なコミュニケーション力
必要な資格・要件
- 国家公務員試験(一般職など)の合格
- 採用後の研修受講と現場配属での習熟
- 基本的な体力、健康状態、適性を備えていること
語学力と法的理解の両方が求められる、専門性の高い職業です。
入国審査官という職業の注意点

入国審査官の仕事は社会的意義が大きい一方で、ストレスや緊張を伴う場面が多いことも理解しておく必要があります。
- 国際情勢やテロリスクなど、最新の安全情報に常に敏感であること
- 入国拒否など、厳しい判断を下す精神的プレッシャーがかかること
- 公平性と中立性が常に求められること
- 判断ミスが大きな影響を及ぼす可能性があること
- シフト勤務による生活リズムの変化、自己管理の必要性
- 繁忙期(大型連休など)は業務が多忙
判断力と冷静さを維持しながら、状況に応じて適切に行動できる力が不可欠です。
入国審査官になる方法

入国審査官になるにはどのようなことが必要なのでしょうか。
ここでは、具体的なステップについて紹介します。
- 国家公務員採用一般職試験を受験する
- 法務事務官として採用され、経験を積んで入国審査官に選任される
それぞれ見ていきましょう。
国家公務員採用一般職試験を受験する
入国審査官を目指すには、まず「国家公務員採用一般職試験」に合格する必要があります。
この試験は筆記(一般知識・知能)と面接で構成され、法律や行政知識、論理的思考力などが問われます。
倍率が高いため、過去問や模試を活用した効率的な対策が不可欠です。
時事問題や法務関連ニュースにも目を通しておくと面接対策にも有効です。
合格後は法務事務官として採用され、入国管理局などで実務を経験することになります。
この段階で得られる法的知識や実務力は、入国審査官としての基礎になります。
法務事務官として採用され、経験を積んで入国審査官に選任される
法務事務官は、ビザ発給や在留資格審査など、入国管理業務に幅広く関わります。
日々の業務を通じて、法的判断力や対人スキルを磨くことが重要です。
こうした経験と実績を積むことで、内部選考や昇進試験を経て、入国審査官に選ばれることがあります。
実務を熟知した上で専門職に進むルートは、現場での信頼と能力が評価されるキャリアパスです。
日々の職務に真摯に取り組むことが、次のステップへの鍵となります。
入国審査官になりたい高校生の進路

入国審査官になりたい高校生の進路はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な進路について解説します。
- 大学に進学する
- 短大や専門学校に進学する
それぞれ見てきましょう。
大学に進学する
入国審査官を目指すには、大学での学びを通じて法的知識や国際的な視点を養うことが非常に重要です。
特に、法学部や国際関係学部などでは、入国審査業務に直結する知識とスキルを体系的に習得できるため、将来の基盤づくりに最適な環境といえます。
学ぶ主な学問分野・内容
- 法学系科目(憲法、行政法、入国管理法、刑法、刑事訴訟法 など)
- 国際関係・国際法(国際法、外交関係、国際協定、国際人権法 など)
- 外国語・異文化理解(英語・中国語・韓国語などの語学、異文化コミュニケーション など)
- 論理・思考力強化(論理的思考法、ディベート、課題解決型学習(PBL)など)
- 実習・体験活動(国際関連施設での見学、法律・行政系のインターン、国際交流イベントなど)
主な学部・学科の例
- 法学部 法律学科
- 国際関係学部 国際公共政策学科
- 外国語学部 国際文化交流学科
- 総合政策学部 グローバル政策コース
大学では、異なる背景を持つ学生たちと交流しながら、入国審査官として求められるコミュニケーション力・判断力・対応力を自然と養うことができます。
また、時間管理や自己管理といった社会人基礎力も身につき、公務員としての職務を的確にこなすための準備にもなります。
専門学校に進学する
専門学校へ進学する場合、公務員試験対策を中心に学べる公務員系専門学校が適しています。
法律、語学、一般教養に加え、面接や作文対策も行われます。
また、比較的短期間で卒業できるため、早めに就職活動へ移行できるのも利点です。
法務省や警察との連携が強い学校では、インターンや就職支援も充実しており、ミュウ國審査官としてのキャリア形成をサポートしてくれます。
さらに、そこで得た知識やスキルは他の公務員職や民間企業にも応用可能です。
おすすめの大学

入国審査官になるためにおすすめの大学は以下が挙げられます。
大学 | 概要 |
関西大学 | 法学部・政策創造学部・外国語学部で、法律・語学・国際分野を横断的に学べる環境 学内講座(KUEX)やICT教材(TKC)など、公務員試験に特化した環境が整備されている 面接・論文対策、模試、課外講座など、公務員合格に直結した支援体制が充実 |
大阪経済法科大学 | 法学部・国際学部で、法律・行政・語学など入国警備官に必要な知識を網羅 「公務就職支援室」による個別支援や、公務員ゼミ・Sコースによる実践的指導が特徴 合格実績も高く、公務員就職率は私立大法学部で2年連続1位(法学部) |
流通経済大学 | 法学部・国際観光学部で、憲法・行政法・国際分野を体系的に学べる 自治行政学科では公務員試験特別クラスや無料の課外講座が段階的に受講可能 模擬面接・小論文指導・個別相談などサポートも充実し、合格者を多数輩出 |
おすすめの専門学校

入国審査官になるためにおすすめの専門学校は以下が挙げられます。
学校名 | 概要 |
国際公務員科では、語学力と国際感覚を養成 公務員最終合格率96%の実績 1年次後期より自分が目指したい公務員分野を3つの専攻選択できる環境 | |
全国展開の大手専門学校で、「入国警備官コース」を設置 筆記・面接・体力試験すべてに対応した特化型カリキュラムが魅力 模擬試験・個別指導・過去問演習など実践的な試験対策環境がある | |
公務員科では公務員試験対策に特化したカリキュラム 法律や語学(英語など)の基礎から応用まで丁寧に学べるほか、面接や論文対策も手厚くサポート 1クラス20名以下の少人数制 |
よくある質問

入国審査官に興味がある人はどんなことを疑問に思うのでしょうか。
よくある質問とその回答を記載していきます。
入国審査官に向いている人の特徴は?
入国審査官に向いている人には、以下のような特徴があります。
向いている人の特徴 | 特徴の詳細 |
強い正義感・責任感がある | 日本の安全と秩序を守る役割を担うため、法を尊重し、公平に職務を遂行できる姿勢が求められる |
判断力と観察力に優れている | 短時間で正確な判断を下し、相手の挙動や書類の矛盾を見抜ける冷静さが必要 |
国際感覚・語学力がある | 英語や中国語などの語学力、異文化理解があると外国人とのやり取りがスムーズになる |
コミュニケーション能力が高い | 入国目的の確認やトラブル時の応対において、相手に安心感を与える対応が求められる |
公正で誠実な性格 | 偏りのない判断と、法令に基づいた誠実な対応が期待される |
困難に立ち向かう意欲がある | 国際情勢の変化や複雑な審査業務にも前向きに取り組める人が適している |
これらの資質を持つ人は、入国審査官として国際的な出入り口で重要な判断を下す責任ある仕事に適しています。
入国警備官と入国審査官の違いは?

入国審査官と入国警備官は、どちらも出入国在留管理庁に所属する国家公務員ですが、業務内容や採用方法に明確な違いがあります。
比較項目 | 入国審査官 | 入国警備官 |
主な役割 | 空港・港で外国人の入国審査や在留資格審査を行う | 不法滞在者や違反者の調査・摘発・収容を担当 |
対象 | これから日本に入国しようとする外国人 | すでに日本国内にいる違反者やその疑いのある人 |
必要な能力 | 判断力・語学力・事務処理能力・国際感覚 | 体力・語学力・判断力・運動能力 |
採用方法 | 国家公務員一般職試験合格後に選任 | 独自の入国警備官採用試験に合格する必要がある |
勤務形態 | 定時勤務中心(主に空港・港湾) | 夜勤や不規則勤務が多く、現場での対応が中心 |
入国審査官は入国時の判断業務が中心、入国警備官は入国後の法令違反者への対応が主であり、採用ルートや業務環境にも違いがあります。
入国警備官について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
参考:入国警備官になるには?なり方・必要な資格・仕事内容を解説
入国審査官になるには、国家公務員採用一般職試験(大卒程度または高卒程度)に合格し、法務省・出入国在留管理庁に採用される必要があります。
ポイント | 詳細 |
採用試験 | 国家公務員一般職試験に合格することが必須 |
試験難易度 | 法律・政治・経済・行政など幅広い分野から出題され、難易度は高め |
倍率 | 2024年の国家公務員一般職(大卒程度)の申込倍率(申込者数÷合格者数)は3.2倍 |
採用後の流れ | 採用直後は法務事務官として勤務し、実績や適性に応じて審査官に任命される |
競争率 | 年度によって異なるが、採用枠は限られており競争率は高め |
参照:2024年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)及び専門職試験(大卒程度試験)の合格者発表
入国審査官は、高い学力・語学力・判断力に加え、法律知識と適性が求められる専門性の高い職種であり、採用の難易度は非常に高いといえます。
入国審査官は高卒でもなれる?
入国審査官は高卒でもなれます。
国家公務員採用一般職試験には「高卒者試験(高卒程度区分)」があり、高校卒業後にこの試験を受験し合格すれば、各地の出入国在留管理局の面接を経て「法務事務官」として採用されます。
その後、業務経験を積むことで入国審査官になることができます。
まとめ

本記事では、入国審査官の定義から仕事内容・給料・やりがい・なり方・向いている人の特徴までを解説しました。
解説した中でも、入国審査官に関する重要なポイントを最後に記載していきます。
- 入国審査官とは、日本に入国しようとする外国人の審査を担当する国家公務員である
- 主な仕事は、旅券(パスポート)やビザの確認・入国目的の聞き取りと入国の可否判断・危険物や違法物品の所持確認などが挙げられる
- 入国審査官になるには、国家公務員採用一般職試験に合格する必要がある
- 強い正義感・責任感がある人・コミュニケーション能力が高い人に入国審査官はおすすめ
- 入国審査官になりたい高校生は法学系を学べる大学か国家公務員就職に強い専門学校に進学するのがおすすめ
本記事が入国審査官についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
この記事の監修者

竹内 健登
東京大学工学部卒業。総合型選抜並びに公募推薦対策の専門塾「ホワイトアカデミー高等部」の校長。 自身の大学受験は東京大学に加え、倍率35倍の特別選抜入試を使っての東京工業大学にも合格をし、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。 高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると約10年。 ホワイトアカデミー高等部の創業以来、主任講師の一人として100人以上の高校生の総合型選抜や公募推薦をはじめとした特別入試のサポートを担当。 早慶・上智をはじめとした難関大学から中堅私立大学まで幅広い大学に毎年生徒を合格させている。 2023年には、「勉強嫌いな子でも一流難関大学に入れる方法」という本を日経BPから出版。